
VHS Pro-WrestlingさんのYoutubeより
1982/10/27 安来市民体育館 ジャガー・ジャンボ堀・高階由利子vsマスクド・ユウ・松本香・ジュディマーチンさん
(↓AIでフルハイビジョンに変換した動画です。試合部分のみ抜粋)
1985/3/15のところでジュディ・マーチンとダンプがタッグを組んだ試合のブログを記載しました。そのときにあまりにジュディ・マーチンさんの動きがあまりに老獪すぎましたので、その前はどうだったのか、Youtubeを探したところ、格好の素材がありましたので、こちらを検証していきたいと思います。
ヒールチームとして、前座だった頃の松本・ユウとジュディ・マーチンさんの3人で組んでいます。
この試合は1982年ですから、松本は前座から珍しくメインでの登場だったのかもしれません。
時々松本に巡ってくるチャンスです。うまくアピールできずにすぐに前座に戻されていた頃の松本です。
松本はこの頃よく着ていた、マミ熊野のお下がり(?)のようなブラックのガウンで登場。髪の毛はメッシュを入れています。以前ピンク色のメッシュを入れていましたが、ゲストの松岡きっこに「可愛らしい」と言われてしまったので、茶に変えたんでしょう。
志生野アナ「愛嬌があります」
この頃はどうやったらお客さんに「怖がられるのか」を松本は必死に追求していたようですが、志生野さんの空気を読まない一言で台無しです。(^^;
「最近はブラックとして悪さが目立ってきました」とか、他にヒールとしてうまく紹介してあげればいいのに・・・。(^^;
続いて、マスクド・ユウ。ガウンはニコちゃんマーク。覆面の下の目が怖いです。ユウのほうが身長も高くて悪役っさは出ていますね。もちろんマスクを被っているだけで悪役感はあるのですが。
続いてジュディ・マーチン。「オールパシフィック」のチャンピオンベルトを巻いています。
試合が始まると、ヒール側はジュディ・マーチンが颯爽と登場。しかしジャガー横田の華麗なる空中殺法に圧倒されます。
その後、ジャガーが高階、そしてさらにジャンボとタッチしていきますが、ジュディさんは得意の顔面攻撃でペースをつかみ、なかなか動きは軽快です。そのまま松本にタッチ。
松本の水着は1983年の動画で大森が着ていたものと同じ柄の宇宙みたいな格子模様です。この頃は水着の貸し借りを同期ではふんだんにしていたようです。体の大きさではLLサイズ?? で松本、ユウ、大森あたりは着られるはずなので、交換していたんでしょう。
うまくジャンボのエルボーを交わす松本。
解説「うまいね」
志生野アナ「松本うまくなりましたね」
解説「うまくなったですね」
志生野アナ「大きい割にはスピード感が出てまいりましたね」
解説「最近ね」
志生野アナ「たいしたもんですね」
志生野アナ「完全にブラック軍団の有力な戦力になっております」
ようやくメインでも出場できるようになった松本を、志生野さんと解説者は褒めています。
場外戦になると、松本とユウは体の大きさで負けません。ジャンボと高階を放送席に叩き込んでいます。
得意の体当たりを高階に仕掛けます。この技は当時映えましたね。
ジュディ・マーチンと松本の連携技。連携といっても、ジュディさんがヒザを立てて、その上に高階を松本が落とすだけですが・・。相変わらず連携には乏しいジュディさんです。
この3人の中では、キャリアが一番長いジュディさんがリーダーということになるんですかね。
ジュディさん、顔面攻撃などを使って攻めていきますが、ジャガーに足を攻撃されてから精彩を欠いてしまいます。
ジュディさんを見ていると、やれると「とにかく逃げる」ことは徹底しています。さらに「細かい反則」、「見えづらい反則」でいつの間にか格下の高階に対して優位にもっていきます。
ジャガーあたりになると、まったく通用しないのですが、格下相手にはめっぽう強い戦法に見えます。
松本vsジャガー。レスラーとして成長している松本の技がどこまで通じるか、この試合の後半で見られます。
松本のボディスラム→ジャガーがすり抜け
松本の顔面攻撃→ジャガーは容易に耐える
ジャガーのパンチ→松本はなんとか耐える
松本のショートレンジのラリアート→足技で転ばせる
なにをやってもジャガーが一枚上です。当たり前ですが。
ジャガーに足をロックされて集中攻撃。松本も相当痛そうですが、なんとか耐えています。
最後はジャンボが、ユウを背中から落として、そのままフォール勝ちです。
この試合を見ると、メインに登場した松本はなかなか良い動きをしていましたから、そのままメインへのコースを歩みそうな感じがします。年をあけて1983年初頭に全日本王座のライオネス飛鳥に挑戦権が与えられたのも、この試合が布石になっているのかもしれません。
一方のジュディ・マーチンさんですが、あまり活躍せず・・・なんというか、この方はやはり細かい反則テクニック(特に顔面攻撃や腹キック)と、ピンチになるとあからさまに逃げるという戦法のように見えます。あまりテレビ映えしない攻撃なので、アメリカでも若いときは美しさで魅せていたのかもしれませんが、日本のレスリングにはあまり適用していたとは思えないですね。
日本人だと先輩から怒られそうなファイトスタイルですが、ガイジン枠ということで、許されていたスタイルなのかもしれません。