
TigerMask666さんのYoutubeより
AJW 1983 後半 デビル・ジュディマーチン・松本vs大森・堀・飛鳥
2:00:00~くらいより
(↓AIでフルハイビジョンに変換したものです。試合部分のみ抜粋しています。元画像が綺麗ではないのであまり変化なしですが・・)
1983年後半に野外ノーTVのハンドカメラでの映像がありりました。
メインイベントの6人タッグです。
今回もまたエピソードを記載しようと思います。
志生野さんの本から女子プロレスのファンと花道でのデスマッチの話です。
革命伝説より--------------------------------
今のように選手に人気が集中していると、リングに登場するまでが、またひと苦労。
試合が終って、次のゴングがなる。テーマ・ミュージックが流れ出す。
選手が、控室を出る。花道は、すでにファンでぎっしり。でも、それからが大変だ。
押し寄せた大勢のファンの壁にさえぎられて、思うように前へ進めない。
こんなファンたちを押しのけて、通路をひらくのは新人の仕事のひとつだけど、ファンもなかなか手強いもので、そうおいそれと道をあけてはくれない。
せっかく会場へ来たんだから、 目間近に見よう、とのファンの思いもわかるけど、なかには、腕や肩をたたいたりするだけじゃ満足できなくて、胸やおしりをさわるような不届きなヤツもいる。
そんな連中は目的意識を別に持った男どもだけど、そうなると選手も黙っちゃいない。
「コノヤロー。オメエか、今の。ぶっ殺してやるから前に出てこい」
との怒声に取り囲んでいたファンも息を呑んで身を引くと、あとに残るのは選手とその犯人のみ。消え入りそうに小さくなっている。
そうして一喝して悠々とリングに向うわけだけど、こうしたタンカはデビルがピカイチ。試合の迫力を っくりそのまま花道のファンに投げつける。
もとデビル軍団の首領の貫禄が言葉の端々に滲み出てくるんだ。 これは試合前や勝利に酔った時のおだやかな時で、まだいい方。 負け試合で気がクサっている時に、こんなことをしでかすものなら、罵られるくらいじゃすまない。 鉄拳が飛んでくる。
若い男性で、ちょっと腕に覚えのあるヤツは、プロレスラーといっても、所詮女だろう、なんて侮って 喧嘩をふっかけることもときどきあるけど、彼らは彼女たちの実力を全然わかっちゃいないんだな。
選手も我慢する時は我慢するけど、もうこれ以上というところまで堪忍袋の緒が切れると、ファンとの リング外でのデスマッチになってしまう。
九州の興行こういうことがあった。千種が試合もすんで意気揚々と引き上げてきたところに、一人の高校生らしい若い男性が闘いを挑んで きた。千種のふれてはいけないところを故意に触れてしまった。ひと言謝れば、それですんだかもしれないが、その男性も気が強いのか、千種につっかかっていったんだ。 当然千種もカッと頭に血が昇り、乱闘になってしまった。千種は無傷だったけど、男性は血だらけにな るくらい痛めつけられて、哀れ救急車の車中の人となって消えていった。
彼は女と思って侮ったのか、それともプロの選手だから客には手を出さないとたかをくくったのかわからないが、女子プロレスの選手は絶対に客に手を出さないとも限らない。
もちろん滅多なことじゃそういうことはないが、過激にちょっかい出すと、選手も過激に応酬することをよく憶えておくように。
ダンプに対戦を申し込んだバカな男もいた。
いくらプロレスラーでも、男のオレにはかなわないだろう、とマヌケなことを考えたヤツがいたんだ。 彼は花道に陣取ってダンプが登場するのを今や遅しと待っていた。
そこへ現われるダンプ。彼はダンプの目前へひょいひょいと近づいて、いきなり2、3発殴りつけた。
ところが、ダンプはそんなもんじゃビクともしない。蚊が止ったようなもんだ。
ダンプは不敵な笑いを浮べると、一発頬を張りとばしてしまった。
男は2メートルくらいすっ飛んでダウンしてしまったんだ。
選手は女性でもみんな闘うことでお金をもらっているプロフェッショナルなんだから、夢々まともに対決しようなんて愚かなことは考えないことだ。それにもう一つ選手の身体に手をふれないように。
選手は薄い水着を一枚素肌にまとっているだけだ。それもあの水着は伸縮性に優れていて、露骨なファンは脇から指を潜り込ませる痴漢のようなヤツもいる。もちろん男性だけど、僕も同じ男性として恥かし くなってしまう。
そうなりゃもう選手も激怒。セコンドについた仲間の選手も一緒になってその男を袋叩きにしてしまう。 相手がヤクザだろうと選手の方も見境いがなくなるんだ。
だから僕からひと言注意しておくけど、男性ファンに限らず、女の子のファンも花道に押し寄せて選手の邪魔をしないように、といっおきたい。
進行に影響するし、なによりも選手に気持ちよく試合をさせてあげようじゃないか。
------------------------------------------
さて、試合を見ていこうと思います。
今回の試合はハンドカメラで1983年後半だと思います。
メインイベントでのデビル軍団(デビル、松本)+外人さん、相手はライオネス飛鳥、大森ゆかり、ジャンボ堀という強いベビーフェイスの6人タッグです。
この頃の松本はメインと前座を行ったり来たり、メインと言っても6人タッグの中の一人か、デビル雅美のパートナーとして入るかのどちらかだと思います。
全日本王座チャンピオンとは紹介されていないので、1983年7月以降だと思います。相方にはジュディ・マーチンがいます。ジュディ・マーチンといえば一年以上前の試合で、松本がボコボコにやられた相手ですね。今回は外人枠ということで、今回は仲間です。
ところで日本のプロレスって男子もそうですが、外人ってヒールになりますよね。どうみてもライオネス飛鳥よりは美人だろう(失礼ですが)と思う美形の外人さんたちもヒールになっちゃうので、そういう文化って男子プロレスからの流れなのかなぁ・・って思っちゃいます。
今回のジュディ・マーチンさんは、年齢的にはオバサンの部類に入りそうなので、ヒールで良いと思いますが。(^^;
岡山武道館で着用していた、カラフルな感じの水着です。
ゴング開始と共に戦闘バッターは松本vs飛鳥。オジサンたちの野次が跳ぶ中、松本のラリアートがヒットして場外戦へと進みます。
しかし、この会場はオッサンの野次が多いです(^^; この頃の地方大会だと、ほとんどがオッサン層だったんでしょうねぇ・・。
大森ゆかりvs松本香。松本にとって、長与千種が華々しいパフォーマンス的な波長が合っていたライバルでした。大森ゆかりは従来のストロングスタイルを潰すためライバルだったような感じがします。
この頃のデビルは声が甲高くて良く通るし、悪役としての迫力満点です。これがデビルの本来の感情をぶつけた姿なんだと思うんですけどね。ベビーに転向しておとなしくなったのは、少々残念な感じがします。
ライオネス飛鳥が松本をジャイアントスイング。序盤で体力が有り余っているときならば、5~6回転はできるみたいですね。
一本目は松本が集中攻撃にあって、沈みました。(^^;
松本「コォンノヤロ~!!」
この頃はミーハーファンがいないので、声がよく聞こえます。松本のコノヤローからのボディアタックで会場が多いに湧いています。「グサッ」という凄い音がライオネス飛鳥に決まり、会場のオッサンたちが喜んでいます。
2本目はデビルが飛鳥を持ち上げてから、変形っぽくヒザに落として、3カウントをとりました。
3本目。
試合を見ていて思いますが、プロレスって改めて、難しいですね。
特にミーハーファンがいない1983年までは、目の肥えたプロレス好きな若者やおっさんを喜ばせないといけないので、クラッシュ以後とは全然違うものが、求められたんだろうなと思います。
ヒール側もベビー側も、どうすればお客様が沸くのか考えながら、その場その場の判断でリアルタイムで進行させていくわけですからね。
こういうノーTVの地方試合を見ていると、全女内でのイジメというのはたくさんあったのでしょうが、それでもなお、試合となれば選手全員で会場を盛り上げていこうという感じが凄い伝わってきます。