1983/7月 雑誌「サンスポ」女子プロレス・ミミ萩原特集 (マスクド・ユウあり)

1982年~1983年はミミ萩原人気で、雑誌もミミを中心にしたものが多いです。

 

ダンプが求めていたのビューティ・ペア時代の中高生女子がキャーキャーと騒ぐ光景ですから、この時代は「やる気が出なかった」というのは分かる感じがします。

 

会社としてもミミをいかにヤレら役にするかということで、太めイジメ役レスラー"松本香"を作っていた可能性もあります。

 

ちなみに下記の記事は非常はSMチックです。SM要素というのも、この時代には多少あったように思います。この時代に試合をしていたからこそ、ダンプが1984年になって、SMチックなムチやポリス帽を被るという発想に辿り着いた可能性もありますね。

 

 

写真右がミミとタランチェラ。左はたぶんマスクド・ユウだと思うんですが。

とにかくミミのセクシーポーズをカメラに収めたって感じですね。

 

 

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「女子プロレスは、官能ショーである」という人がいる。
「レズ、SMの工ロスの要素がある。だが、視覚と聴覚を刺激するだけで、想像力を働かせて鑑賞しなければならない」ともつともらしく解説する人もいる。
鑑賞法に諸説があるということは、見るスポーツとしては、高尚な格闘技といえるのである。
SM作家・団鬼六氏の名作「花と蛇」は、美貌の貴婦人が主人公である。彼女に加えられるありとあらゆる残虐な行為。それが快楽として昇華する描写は、故三島由紀夫をして「これぞ文学」といわし
めたという。
いま女子プロレスの人気ソングスター、ミミ萩原には、″SM文学のヒロイン″としての条件が多く備わっている。
まず美人である――。
祖父はフランス人。そのせいか、ミミの容貌は、エキゾチツクである。この顔が、悪役タランチェラの″極悪非道″の仕打ちにあって、もだえる。そして、苦痛のうめきをあげる。苦痛にゆがむ顔は、エクスタシーの表情とオーバーラップして、不思議な工口スをかもし出す。
本名、萩原妙美。昭和3‐年2月6日生まれ、27歳。
「セックスは快楽。浮気はするけど結婚はしない。恋愛はしょっ中……」
この言葉には一種の船晦がある。ミミの肢体は、レスラーとしてはプロポーション抜群である。
身長165センチ、体重50キロ。バスト88、ゥェスト68、ヒツプ90。
得意技は、フライング・クロスチョップ、ミミ・スペシャル、回転エビ固め。
14歳でファッションモデル、歌手、タレント時代があった。52年、全日本女子プロレスに入った。軽量のせいか出ると負け。やっと勝率5割になったのは54年である。そして、56年2日オールパシフイツク、同同月大森とペアでWWA世界タツグの王座についた。
しかし、57年8月デビル、タランチェラ組に敗れている。同同月には、オールパシフイツクに返り咲く。
ミミのリングは、七転八起の人生の縮図なのである。
「一生懸命戦っているミミの姿を見ると涙が出る」
というファンがいる。かれんさ、かわいさ、いたいけなさがミックスしたミミのファイトにファンは
陶酔するのである。それは、たぶんに自己憐憫の感情も含まれているが……。
ミミは、声がいい。もちろん、もともと歌手だったから当然だが、新曲「セクシー・I N ・T H E ・N I G H T」と「バーニング・マイ・ラブ」はセクシーである。それは、あのときの嬌声を連想させる。

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SMの文学の世界には、 一つのパターンがある。
異常性愛者のえじきになる犠牲者は、処女か、貞淑な人妻である。セックスは未開発。エロスのなんたるかも知らず、ただひたすら美しい。
異常者は、ヒロインに襲いかかる。決して正義の味方が助けにくることはない。
そして″禁断の性″の奉仕者としてヒロインを責めさいなむ。
だが――。
ある瞬間から、異常者とヒロインは逆転する。″禁断の実″を食べてしまったヒロインは、突如、妖しい魔女に変身し、彼女自身の快楽追求のために異常者を奉仕させるのだ。
その変身の瞬間、そして、いじめぬかれた女が、復讐鬼となって逆襲するドラマをミミは、リングの中で演じて見せる。
歌手ミミから、リングネーム通りの″セクシーパンサー″に変貌して見せる官能ショー。
ミミの激闘は、虚実皮膜の間にある。
ファンは、その被虐的なドラマに恍惚となるのだ。そのとき、ミミはファン一人一人の心の中にエロスの権化としてしみ透ってくる。
だから、″セクシーパンサー″なのだ。
女豹は、今夜もリングでしなやかな肢体をくねらせて咆嘩する。
女子プロレスは、第三期黄金時代である。  

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高尚な文章を書いているフリをして、異常記者の記事でした。