1984/5 雑誌「月刊明星」『輝きたいの』特集 ダンプ写真あり

1984/5月号の「月刊明星」で女子プロレス特集がありました。

とんだツッパリ女優が女子プロレスに殴り込みます。

 

 

 

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見て! ツッパリの集大成

 

■三原順子といえば、 デビュー以来、ツッパリの看板がつきもの。 その順子が、ツッパリ生活から脱け出すため に女子プロレス入りす る女の子――という役と取り組んでいる。 脚本が山田太一、プロ デューサーが大山勝美という"黄金コンビ"で制作する「輝きたいの」(TBS系)がそのドラマ。5月に日立テレビシティのわくで4回にわたって放映されるのでーす。 

 

■順子が演じる原島里美は、中学時代、いつも 取り巻きを引きつれてのし歩くツッパリ少女だった。でも本来は孤独で、将来に大きな不安を感じているのだ。それで、新しい生き方を求めて、女子プロレスの世界に飛びこんでいく、と いうわけ。
その里美をはじめ、11人の新人レスラーを指導するのは、コーチの菅原文太。彼は女子プロレスに打ちこみすぎて、奥さんと別れ、いまは独身。そのブンタさんがかつて育てたのが、もとヘビ一級チャンピオンで、現在彼を助けてコーチをしている和田アキ子。
このアッコとブンタさんは、おたがいに好意を持ちあっていながら、どうしても言い出せないなんてお話もからむらしいけどさ、アッコと女子プロレスの取り合わせつーのは、なんかちょっとピッタシしすぎって感じも、しないでもないですなあ。

 

■ま、それはともかく、鬼コーチといわれるそのアッコにシゴきまくられながら、里美たちは 新人王をめざして、たくましく ていくわけ。
ここまではドラマのお話なんだ けど、じつは、演じる順子自身 も、女子プロレスに入りたいって、マジに考えたことがあるんだって。

「あれは「金八先生」に出る前のことだけど、ちょうど全盛期だったビューティ ・ペアにあこがれて、どうしてもプロレスをやりたくなっ たのね。でもその当時、体重が40kgそこそこだったんで、しかたな あきらめたんだけど」
もしそのとき、彼女の希望がかなっていたら、女子プロレス界に、もうひとりのスター選手が生まれていたかもしれないのだ。あんがい、すごい悪役として鳴 らしてたりしてね。
 

■ところで、ドラマの中には、当然プロレス の試合や練習のシーンが出てくる。いくらお芝居といっても下手をすればケガ人が出るし、そうなりゃ番組はストップしちゃう。だから、ある程度の基礎調機は必要なのだ。 そこで収録開始まで、順子たちは、全日本女子プロレスのジムに通って、ほんもののトレ ーニングを受けたんだよ。受身の練習から始まって、ブリッジで首の筋肉をきたえたり、いろんな技を習ったり。
そのとき、指導してくれたコーチの話では、 順子はからだが柔らかいうえに、すごくカンがいいんだって。プロレスには、カンがすごく大事で、カンのにぶい人はいい人の2倍練習しても追いつかないんだそうだよ。 この特訓を見ていた大勢のプロ選手たちも、順子のカンのよさと、動きのよさにはびっくり。
WWWAチャンピオンのジャガー横田 んなんか、「初めてなのに、あれだけ思い切ってやれるなんてすごい」と、ほんきで感心してたもんね。
 

■こうなると、順子としてはいやでも燃えざるをえない。事実、収録に入ってからの のファイトぷりはすごいらしいよ。
ところで、このドラマ出演の話を最初に持ちこまれたとき、順子はだいぶためらったんだって。というのは、順子ももう19才、いつまでもツッパリっていう年でもないっていう思いが、強かったようなんだよね。
「だけど、いちどは自分もやりたかったプロレスの話でしょ。そこにどうしてもひかれたわけ。それで、これをあたしのツッパリの最後にして、その集大成を見せたいという気になったわけなの」

ツッパリ順子のツッパリ納めとなると、これは見逃せませんぜィ。
 

■さて、これまではコンサートや映画など、 自分の好きだけをえらぶようにしてやってきた順子だけど、今年はテレビドラマにぜひ力を入れていきたいと言ってるよ。 「考えてみると、映画1本に3ヵ月かけるな ら、テレビだったら10本とれるじゃない。あたしは女優なんだというイメージを持ってもらうためにも、これからドラマをいっぱいやっていきたいの」
最近はお料理なんかも毎日自分で作って、めっきり女らしさをました順子。このへんで脱皮して大きく飛躍するためにも、このドラマ がいいキッカケになるといいね。
(5月9日から4回連続。水曜夜9時から)

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和田アキ子、三原、菅原文太など豪華なキャスト。

 

 

一番左がダンプなのですが、写真が悪いのでよく分かりません。

左から、ポロンとクルミを抱くダンプ、三原、永友、小倉。

 

三原は金八先生で有名となりましたが、元々プロレスラーになりたかったらしいです。

その点、長与の本に書かれているので引用してみます。

 

「長与千種 ここまで喋っていいかしら」より--------

プロレスラー志願のアイドルたち
わたしがいちばん仲良くしている芸能界の女性は、立花理佐ちゃん。彼女のことは、妹みたいにかわいがっています。ドラマで共演して、そのすぐあとに、大阪に帰っちゃったんだけど、 復帰が決まって、わたしもホッとしました。
ハキハキしていて、かわいくて、そして礼儀正しいんです。遊びにくるときも、ちゃんとお みやげを持参しますからね。それによく気がつくし。うーん、こういうコが付き人だったら、 わたしはもっと強くなっていたかもな、なんて考えちゃったりして。
この立花理佐ちゃん、女子プロレスラー志願だったんですってね。小学校から中学校にかけて、プロレスラーになりたくてずっと鍛えていたらしいんです。
だから、一見キャシャにみえるけれど、肩とか腰とかのあたりはしっかりとしているんですよね。
ドラマのときの動きも、わりとすばやかったから、たぶん運動神経はいいんじゃないですか。 いまもトレーニングセンターに通っているらしいですね。体が大きくならないので、プロレスラーは断念したらしいですけど。
たしかに、プロレスラーになるには身長がたりませんね。彼女、156センチぐらいでしょ う。タレント出身のミミ萩原さんだって、168センチぐらいあったし、小さいといわれてい たジャガー横田さんにしても、160センチはありましたから。156センチじゃ、全日本女子では無理じゃないかな。

 

芸能界って、女子プロレスラー志望だった女のコがけっこういるんです。筆頭格が三原じゅん子さん。彼女、性格的にすごくしっかりしているんです。
何年か前、女子プロレスをテーマにした「輝きたいの』というドラマがあったんです。そのときも、新人のレスラーの役で出演したんですよ、彼女。
あのドラマは、わが全日本女子プロレスが協力していましたし、わたしの付き人の小倉由美 (当時)がレギュラー出演していましたから、わたしも現場についていました。

で、三原じゅん子さんを始めとする出演者に、技術指導もしたのですが、彼女は根性がすわっていますね。ドラマのなかで、タンカを切る場面があるのですけれど、あのタンカの迫力は、 コーチ役の和田アキ子さんや、ダンプ松本に負けないぐらいでした。
彼女、身長はわたしとおなじぐらいありますしね。でも、太れない体質なのでレスラーになることを断念したらしいけど、もし、女子プロレス入りしていたら、ヒール役で活躍していた んじゃないかな。
でも、彼女のような女のコがヒールだったら、いじめられたい男のコがわんさか押しかけてきたりしてね。
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三原順子は今は国会議員になっているけど、元々は金八先生のチョイ不良役で有名になりましたよね。長与から見ても根性がすわっていたとのこと。タンカを切る場面ではダンプにも負けないということで、ヒールレスラーにしたら面白かったかもしれません。どうせなら国会でヒール役を務めていただきたく思います。国会自体がプロレス的なことをやっているわけですし。

 

そういえば昔、全女がフィギュアスケート「ナンシー・ケリガン襲撃事件」のハーディングをスカウトしていましたが、三原順子もスカウトしちゃえばよかったのにと思います。身長が足りなかったので無理なのかもしれませんが、スケバン風ヒールになった可能性がありますね。

 

しかし、こういうの記事、政治家となった今では黒歴史なんだろうな。