
1984年6月号のエキサイティングプロレス誌を見てみます。
当時のプロレス誌は読者の投稿があり、当時の読者がどんなことを思っていたのか分かるので、読んでいて楽しいです。
----------------------------------------
覆面マネージャー登場で極悪トリオ
無差別の凶器攻撃と、双方あわせて200キロの肉弾パワーで悪の限りを尽くしているダンプ松本とクレーン・ユウ(覆面を剥がされ改名)の極悪コンビ。
デビル雅美と喧嘩別れした矢先に、スプリング・ファイトシリーズから突如、セコンドとして覆面マネージャーを起用。この強力な助っ人の加入で、3人の"疑惑"軍団を結成。リングは、修羅場とエスカレートしている。
この覆面マネージャーは、TVマッチのたびに突風のごとく登場。セコンドと称しながらも、不法乱入を繰り返し、勝敗を左右する行動に走っているのだ。
黒地に目と口の部分を、金のネットで隠したマスクをかぶり白いジャケットがトレ ードマークになっている覆面マネージャーは、メキシコ人説も噂され、今や憎悪の的になっているほどだ。
3月17日の桐生大会で、TV初出場した覆面マネージャーは、デビル、山崎組を第一の犠牲者としてターゲットを狙った。マネージャーにコントロールされた松本とユウは、暴力マシンと化し、山崎を退場させる狂暴ファイト。続く4月1日、後楽園大 会では超満員の観衆の前で、クラッシュ・ギャルズを完全KOし、WWWA世界タッ グ・チャレンジへのパスポートを奪取。
マネージャーが、レフェリーの権限で強制退場されるシーンもあったが、飛鳥と長与を血ダルマにした松本とユウが、戦闘不能で勝利を握ったのである。
再戦は4月5日、大阪府立体育会館で行われたが、ここでもマネージャーが大暴れ? 長与をボディスラムで抱え、リング外を一周するなど怪力ぶりを見せつけた。 今から、タイトル戦が思いやられるが、 6月28日、川崎市体育館で開催されること が決定! 王者組は、赤信号だ。
----------------------------------------
ザ・ベートーベンが取り上げられています。
海外の男子プロレスではよくマネージャが登場していましたが、日本の女子プロレスで男性マネージャというのは、いままでにないことでしたから、プロレス的な話題作りとしては良かったんでしょうね。ロッシーが元々プロレスファンでしょうから、こういうのが好きそうですし。
4/5にもクラッシュvsダンプ・ユウの試合が大阪府立体育館であったようですね。どこかの雑誌に写真があれば掲載したいですが、いまのところ見つかりません。
ちなみに結果は
ライオネス飛鳥・長与千種 vs ダンプ松本・クレーンユウ
●1本目 ダンプ松本 (5分39秒 体固め) 長与千種
●2本目 ライオネス飛鳥(4分7秒 リングアウト) ダンプ松本
●3本目 長与千種(1分22秒 体固め) クレーン・ユウ
となっています。3本目はあっという間に長与がクレーンをフォールしたようです。
ちなみに写真のザ・ベートーベンは身長が明らかに低いので、偽者です。(^^;
続いてはお便りコーナー。
----------------------------------------
凶器を使わず ファイトして
♡このままじゃ女子プロレスは全滅です。デビル軍団のように解散してしまいます。私は女子プロの ことなら何でも知っています。
将来、女子プロレスラーになるつもりで頑張っています。長与千種、ライオネス飛鳥選手が大大大好きです。
それにすごく悪役のダンプ松本 とマスクド・ユウ。この2人はどうにかならないのでしようか?
バケツ、チェーン、ビン、イス、 何でも使う2人を私は、このままじゃ、だまっていません。精々堂 々と戦うべきではと思います。 マスクド・ユウは、ダンプがいなければ、凶器は使わない。だって松本がいなかった時は、使わなかったんです。
それに比べて、デビル雅美はえらいです。それは前までは悪役だったけれど、今は違います。心の中が・・・。
プロレスでは男子みたく凶器なしに正々堂々と戦うどきだと思います。男子は凶器といえば、イスぐらいだからです。
私は千種、飛鳥のクラッシュ・ ギャルズのファンクラブに入りたいナ~。
<編集部>最近の女子プロレスは本当に過激になりましたネ。一昔前と比べて技がパワーフルになったと共に場外 闘も凄い迫力です。確かに凶器攻撃は、良くないと思えますが、プロレスのルール内では反則もテクニックであることも事実です。
----------------------------------------
なるほど、なるほど。
この頃になると、ダンプの反則にムカつく人が増えてきたのが分かります。
この投稿者の方も、ダンプの作戦に見事にハマッた純粋なファンだったようです。完全にダンプ憎し、マスクド・ユウだってダンプがいなければ凶器は使わなかったのに!!と嘆いています。
でもさ、ダンプ(松本香時代)もユウも、1983年まではそこまで凶器使ってないし・・(^^;
しかし、「ダンプがいなければ、ユウは凶器を使わないヒールだった」という発想はちょっと考えつきませんでした。うーん、確かにダンプ先導の元に、ユウもNo.2となって凶器攻撃に加担したわけですから、確かに一理あるかもしれません。レスリングとしては、ライオネス飛鳥と2度も引き分けるほど、実力的にはあったわけですしね。
それにしても、「反則もテクニックでーす!!」って、
どんなけEP誌の編集部は冷静な返答なんだよ(笑)
さすがプロレス誌です。
参考資料