
下記の1984/7/26の鎌ヶ谷大会の模様が雑誌「別冊エキサイティングプロレス」の1984/9月号に掲載されていたので抜粋したいと思います。
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覆面マネージャーが帰ってきた。それは、一時期沈静していた"無法地帯"を 再び呼び戻すことを意味していた。
そして、この日はいつもの極悪同盟に レイラニカイが加わり"悪"のタッグとしては最高のトリオが実現、仇敵クラッシュ・ギャルズ+小倉由美と激突し た。
60分3本勝負 とてつもなく長いケンカ・ファイトが繰り広げられた。
1本目、先ぽうは小倉とレイ・ラニ・ カイ。極悪トリオは、この小倉に狙いを定めた。 全日本ジュニアチャンプといえどもダンプ&クレーンの巨体にはかなわない。再三再四、小倉は自軍へ戻るのだが、どうしても悪の連係プレーに誘い 込まれてしまうのだ。
「くぉのやろー。 ヒェー」 と雄叫びを上げて向かつては行くものの、ついにダンプのラリアットにつかまってしまった。 そこにクレーン・ユウの巨体を利したボ ディプレスでカウント3。 わずか5分27秒で1本目をさらわれて行ってしまっ た。
これに勢いづいた極悪トリオは2本目になって、いよいよ本領(?)を発揮してきた。
覆面マネージャーが乱入してきて大乱撃を演じ、ダンプはハサミを持っての極悪スペシャル。これにレフェリーの阿部四郎も加担(?)して一瞬のうちに勝利は極悪組に......。しかし、これにはコミッショナーが黙っていなかった。
阿部レフェリーには1ケ月の出場停止 処分を通じ、マネージャーには退場を言い渡し、再び2本目のゴングを要請した。
これに奮起したクラッシュ側はハイジャック・パイルドライバーで2本目を取り返したものの、ついに3本目は反則勝ちという屈辱を負わされてしまった。
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この試合、6月のWWWA世界タッグで負傷したザ・ベートベンがようやく戻り(肩の治療が終了?)、再びリングは大混乱と化した試合です。
あまりに極悪有利で試合が進めたられたため、怒ったウエダが、阿部四郎に一か月の謹慎処分を言い渡すという前代未聞の通達をします。これに怒った阿部四郎は、次回の大会では私服で邪魔を詩に登場するという報復にでます。
この頃の極悪チームは、阿部四郎とザ・ベートーベン次第で、試合が大いに荒れることが多いので、予想もつかない方向へとシナリオが展開していたような感じがします。ある意味カオスなのですが、カオスの中にもドラマがあった感じです。
もう少し拡大してみます。
長与をハサミで潰しにかかるダンプとユウ。
クレーンの飛鳥へのチェーン攻撃。
また、「別冊エキサイティングプロレス」の1984/9月号には読者コーナーで面白い記事がありました。
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すべてが悪いとは限らない!!
女子プロレスが大好きな人だったら、ダンプ松本やクレーン・ユウの行動は断じて許せない!!! そう思う人が多いだろう。けれど僕は違う。確かに、阿部レフェリーや覆面マネージャーが出しゃばるのは許せない。
でも、ダンプもユウも"悪役"であることを除けば、ちゃんとスピードと技を持ったレスラーじゃないか。
僕は、悪いことをしているからすべてが悪い!!という目でプロレスを見たくない。
たとえば、今、クラッシュ・ギャルズがクレーン達よりもひどい"悪役"にまわったとしても、僕はクラッシュのファンの ままだと思う。クラッシュにはクラッシュの魅力があるから。うまく言えないけれど、クレーン達がずっと"悪役"のままならそれでもいい。ただ、せめて、マネージャーやレフェリーの力を借りず、2人のプロレスをぶつけてほしいと思う。
〈編集部〉 xxx君のようなファンがいてくれる事を、すぐにでも、ダンプ松本とクレーン・ユウに伝えたい気分です。
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ダンプとユウも悪役であるだけであって、技もスピードもあるのだから、レスリングとして認めたらいいのではないか、というお手紙ですね。
私はザ・ベートーベンや阿部四郎も、試合を盛り上げているのだから、それはそれで別に良いのではないか思いますが、この頃のティーンエージャーは選手以外の人間が、試合をジャマするのが許せなかった、という気持ちも分かりますね。
EP編集部は「ダンプとクレーンに伝えたい気分」と書いているけど、こんなこと知らされても、この頃のダンプは喜ばないでしょうしね。(^^;