1984/7月 おっかなビックリ 極悪同盟インタビュー エキサイティングプロレス

1984/7月号の別冊エキサイティングプロレスに極悪同盟のインタビュー記事があることが、女子プロレス黄金伝説さんのページで見つけたので、こちらでも紹介したいと思います。

 

極悪同盟の単独インタビューは1984/10月の雑誌「APRES」が最初かと思ったのですが、プロレス専門誌のほうがさすがに先でしたね。

 

1984/6/28のWWWA世界タッグ選手権に向けてのインタビュー記事です。

『1984/6/28 ダイナマイトギャルズvs極悪 1984年のベストマッチ これは死闘!!』AJWW 1984/6/28 川崎市体育館 ジャンボ堀 大森ゆかり VS ダンプ松本 クレーン ユウ WWWA世界タッグ王者選手権 TimTamchannel…リンクameblo.jp

 

 

 

 

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おっかなビックリインタビュー 

"極悪同盟" ダンプ松本 クレーン・ユウ 怪覆面マネージャ

 


ダンプ松本の凶器攻撃が端を発して、デビル軍団が解散となった今、混とんとした女子プロレス界に悪の華を咲かせるダンプ松本、クレーン・ユウ、そして謎の怪覆面マネージャー。
彼らは何を思って悪に徹するの か、エキプロ編集部は恐る恐るその心境を聞いて見た。

 

阿部四郎レフェリーはあくまで公平だよ

 

エキプロ編集部(以下EPと略す)
まず、6月26日からのサマーファイテ イングシリーズへの意気込みから聞かせ てください。

 

マネージャー その前に、レフェリーの問題が一つある。 我々の希望する阿部四郎が出ないとなると、このシリーズ我々が出場することも分らなくなる...。 

EP しかし、レフェリーを指名する訳にはいかないんじゃないですか。
ユウ ウチらは別に阿部と癒着している訳じゃないヨ。 ただ阿部のレフェリングがたまたまウチらのファイトに適しているだけなんだよ。 そこらへんは誤解しな いでほしいよ。
マネージャー 我々の出した条件を飲むか飲まないかは会社次第だけどネ。 ただ、我々が出場しないとなると興行にも大きな打撃をくうことになるだろう。
EP 興行成績を上げるためにも、阿部レフェリーは必ず出てくるとみた訳ですね。
マネージャー その通り。 この2人を最高の状況で試合に臨ます。これはマネー ジャーとしての務めですヨ。
EP では、再び意気込みの方を・・・ 

松本 ウチらはどんな試合でも全力を出して闘ってきたつもり…。 シリーズだからといって意識しない。 今まで通り手抜きなしでいく。
ユウ そう、ヒールには手抜きは許され ないんだよネ。
マネージャー ヒールがダラダラとファイトしたら、試合が面白くなくなるからネ。この二人は、そこらへんのところを よく心得ているヨ。
EP シリーズに向けての気構えはいつも変らずといったところですか。 

松本・ユウ そおいう事。
EP 先ほど手抜きと出ましたけど、 凶器攻撃に関してもそうですかね・・ヤッパリ。
マネージャー あれはアクセサリーなん だよ。ちょっとやってるだけだしネ。

ユウ チェーンはファッション。

松本 カウント5までやめればいいんだから反則にはならないよ。 

EP しかし・・・。
マネージャー 『しかし』なんて言うけどね。だいたい松本なんか体が凶器なんだから(笑)
EP ハアー。
 

凶器攻撃? あ~あれはアクセサリーだよ

 

松本 ウチらなんかこの頃凶器攻撃に快感を覚えたもんネ。 (笑い)
EP 読者からの投稿で長与千種の断髪事件、あれはやり過ぎではないかとの声が多数ありましたが…。
松本 クラッシュはちょっと人気が出て 来たぐらいですぐ、つけあがるから制裁のつもりでやっただけのことさ。 

EP 髪は女の命といいますが。
松本 そんなことを気にしてちゃ、女子プロは務まんないよ。
ユウ ウチらだって、髪を染めたりしているから相当痛でいるヨ。
松本 ヒールはベビーフェイスより苦労が多いんだから、その変のところを分ってもらわなくちゃ。
EP 分ってるつもりですが。 

松本 ユウ つもりじゃダメなの! 

マネージャー この2人がヒールに徹しているからこそ、クラッシュや立野記代なんかが人気がある訳よネ。あんなカッコーだけの奴らが......。 この2人の存在が今の女子プロを支えているといっても 言い過ぎじゃない。
EP では、マネージャーに聞きたいのですが、極悪コンビとは、どこで接触したのですか。(恐る恐る)

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マネージャー それは言えない・・・ただ、 日本の女子プロには大変興味を抱いていたことは確かだ。そしてこの2人のヒー ルぶりを見ていて、マネージャーがつけばもっとのびのびと悪の限りを尽くせるんじゃないかと思ってネ。
EP 正体を明かすつもりは、今のところないんですね。
マネージャー そんな気持ちは毛頭ないネ。"謎の覆面マネージャー"との方がオレにとって自由奔放にやれるしネ。 

EP なるほど。正体というと、ユウさ んは4月1日の後楽園で覆面をはがされた訳ですけど…。
ユウ いずれ時期をみて覆面を取るつもりでいたから変ったということはない。
EP ファイトの方はどうですか?
ユウ 試合を観ればそんなこと分るだろう!なにも変っちゃいないよ。
 

デビル雅美は結局ヒールから逃げたんだ

 

EP デビル軍団が解散して"首領"デビル雅美が去った訳ですが、そこらへんのところを話してもらえますか。
松本 だいたいデビルを首領(ドン) なんて思っちゃいないよ。自分だって木刀持って暴れていたくせに、 コミッショナーの通達(ルールに認められた範囲内で闘おう)で、急におとなしくなりやがって、結局、最初からヒールに徹していなかっただけじゃないか。
ユウ 一匹オオカミってカッコいいこと言っているけど、結局ヒールから逃げたんだよあいつは。
松本 さっきも言ったけど、チェーンとスパナ持って暴れ回ることは、本当に辛いことなんだ。少しは分ったかな。 

EP なんとなく。
松本・ユウ なんとなく!!
EP 話はこの延長なんですが、 デビル軍団が解散となった今、新しく軍団の再編成を企っておられるようですが。 

マネージャー そうネ・・・・・・この2人は2人でやってもらい、私は新たに外人を強化したいと思っているんです。 

EP もっと具体的に言いますと......。 

マネージャー メキシコとアメリカを歩いた結果、一人めぼしいのを見つけたんですよ。 名前はまだ明かせませんが、 早期に来日させますよ。
ユウ まあウチらはウチらでやっていけるけどネ

松本 外人レスラーの仲間なんて、いたってしょうがないしネ。
EP 強気な発言ですが、日本人を軍団に引き入れることは......。 
松本・ユウ ないね!
マネージャー それだけ根性のある奴は いないですヨ。
ユウ 体重は2人で3人分ありますからね。(笑い)
松本 足手まといになりますヨ。
EP なるほど。 では、軍団再編成は今 のところないと言ってよろしいですね。 

マネージャー ハイ。
 

6月28日川崎大会でベルトを腰に巻くよ

 

EP 話しはWWWAタッグ取りに変りますが、現在のタッグチャンピオン、ジャンボ堀、大森ゆかりと闘って自信はありますか。

松本・ユウ あいつらが相手ならストレート勝ちすると思うよ。
マネージャー 大森は確かに力がある。 だけど、力だけなのネ
松本 頭脳プレーが まったく出来てない よ、あれは。
ユウ プロレスは頭で勝負だからネ。 凶器攻撃だって、頭脳プレーの一つだからね。
マネージャー 強い者、頭のいい者が勝つ。その論理を見せますよリングで・・。 

EP では、WWWAタッグ取りへ、最有力候補とされているクラッシュ・ギャ ルズについてはどうでしょうか。
マネージャー あれは二人共ケガ人だからね。
EP と言うと…。
ユウ クラッシュは二人共ヒザが悪いんだよネ。
松本 闘ってみると分かるんだよ。ヒザがガクガクだということが。潰れるのも時間の問題だよ。
マネージャー だいたいクラッシュは、女子プロの流れを変えると言っときながら変えていないんだよネ。変えるのはこの二人なのネ。あいつらは口だけなの。 
松本 カッコだけよ。
ユウ ちょっと空手を覚えたぐらいで、 すぐ試合に使えると思っているのかね。 

マネージャー この二人が本来のレスリングを教えてやりますよ。
EP クラッシュ・ギャルズのファンが怒りの手紙が続々寄せられてくることが予想される発言ですが。
松本 強い者が勝つ。スタン・ハンセン、 ブルーザー・ブロディがあれだけファンから支持されている所以は強いからなんだ。プロレス記者だからそれぐらいは分っていると思うけど。ウチらも強い者 が勝つことを実証しますよ。 クラッシュのファンには悪いけどネ。
EP クラッシュの人気には嫉妬を感じますか。
松本 なんであんな強くもない奴らを応援するのか分らないね。女子プロはままだ男子プロレスに近づけないヨ。このままでは。
ユウ ウチらは凶器なんか使わなくても 簡単に倒す自信はある。さっきも言ったように凶器はただのファッションなんだよ。
 

当面はタッグ取りだが個人の王座も狙う

 

EP 分かりました。 先程はタッグでしたので、次は個人のタイトルについてお願いします。
マネージャー タッグのタイトル奪取が当面の目標なのですが、個人ではWWWA世界チャンピオンのジャガー横田を王座から引きおろす事も考えている。 
松本 ジャガーは油断してブクブクと太って、だいぶ動きが鈍くなってきてるから (笑い) 潰すなら今だよナ。
ユウ ウチらは最初から太っているから動けるのさ。 ジャガーと違うとこはそこなのヨ。
マネージャー ジャガーは現にチャンピオンでありながら、防衛戦がないのが悲劇なんだヨ。
ユウ 普通チャンピオンだったら、1シリーズ1回か2回は防衛やるのが常識なのに…。
EP ジャガーは名ばかりのチャンプと いうことですか。
松本 そう名前だけなのネ。
EP では、お二人のどちらが王座を奪うつもりでおられるのですか。
マネージャー 今のところ、ハッキリと決めていないんだけど、ま、チャンスがあったら、この二人の内のどちらかが取ればいいと思っているヨ。

 

実力のあるものが世界マットを制すんだ

 

EP そうですか。 今のところ敵なしといった感じの二人なんですが。 これから先の目標は…。
松本 もちろん、WWWA世界タッグチャンピオンの王座奪取ですよ。
EP 手段は選ばず ですか

松本 手抜きなしです。

ユウ 松本と二人で王座を力で奪って見せますよ。実力のあるものが世界を制するんです。

EP  分かりました。
 

今日は忙しいなか本当にありがとうござ いました。 これからも、その"手抜きなし"というやつで精一杯頑張ってください。
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この時期に4ページも極悪に割いたインタビュー記事を載せるとは、さすがエキサイティングプロレス誌です。週刊プロレスも、週刊ゴングも、週刊ザ・プロレスも、ほかはどこも目を付けていない極悪同盟に注目して、さらにインタビューをするところが素晴らしいです。

 

ここに登場しているザ・ベートーベンはたぶん、ロッシー本人ですね。たまに背の低い(阿部四郎っぽい)偽者がいるのですが、身長と体格からしておそらく本人ではないかと思います(^^;

 

しかし、このインタビューは面白いですね。

「阿部四郎はたまたま自分たちのスタイルに合っただけ」、「チェーンはファッション」、「大森はバカ」、「デビルは逃げた」、「クラッシュはヒザがガタガタ」、「ジャガーはデブになった」、「ハンセン、ブロディの強さが証明している」など、ビッグマウスな極悪インタビューが素晴らしいです。

ダイナマイト、クラッシュの批判は当然として、ジャガーまで「ブクブク太って、勝つのは余裕!!」という発言は、ロッシーが脚本を作っているとは思うのですが、この記事を読んだジャガーやデビルは、めちゃくちゃ怒りそうな記事ですね。(笑) この号が発刊されたときは、ダンプとユウが恐る恐るバスに乗っていたのかもしれません・・(^^;

 

また、ダンプもユウも、「~です」とまだ行儀のよい言葉遣いです。1985年になると「ぶっ殺すぞ、テメェ」みたいなノリになってくるのですが、最初のインタビューということで、まだ不慣れだったのか、悪役にしてはザ・ベートーベンも含めて礼儀正しいです。(笑)

 

さて、写真をもう少し拡大してみます。

 

 

まだこの時期のダンプは、髪の毛をおかっぱのように下げていた時期です。

 

 

メキシコからやってきたのに、ドイツの名前のザ・ベートーベン(^^;

 

 

やはり極悪はダンプとユウのペアがしっくりとくる。

 

 

この新人さんは誰でしょうね(笑) 馬乗りチェーン、SMプレイのようです。(^^;

 

 

新人たちも大変なことに付き合わされています(^^;

 

 

59年組のコンドル斉藤たちがいる新人たちでしょうか。修羅場と化しています(^^;