
ジャパン女子プロレスさんのYoutubeより
25:00~くらいから
(↓予備用 試合のみを抜き出したものです)
同期でライバルの小倉由美と中野恵子が、3/17の桐生体育館以来のジュニア選手権をかけて闘った試合です。
なお、この試合の前の桐生市民体育館のジュニア選手権は以下をご覧ください。
1984/3/17の試合の後、中野は絶不調となりますが、9/13の試合のときは持ち直しました。
今回(9/13)の試合のインタビューがデラックスプロレス1984年12月号に掲載されていますので、引用します。
デラックスプロレス1984年12月号より-------------------------------
聞き手「ジュニア王座獲得おめでとう。チャンピオンになってから、心境の変化はあった?」
中野「自分自身、チャンピオンって実感はないですね。タイトルを取っても、ゴンゴン(小倉)のほうがラスト(メイン)に入ることが多いのに、私は前座第一試合という状態だから・・。ゴンゴンは練習熱心だし、ちょっとしたきっかけをものしてしまう力があるんです」
聞き手「たしかにあの試合に限っては押されっぱなしだったしね」
中野「自分でもタイトルを持っていることが恥ずかしい。またゴンゴンとジュニアを争うことになると思うけど、積極的に臨みたいです。絶対に負けたくない反面、あまりこだわりたくないというのが本心です」
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このときはまだ小倉がメインに登場して、中野は前座という状況だったようです。
中野は小倉をうらやましがっていますが、この一年後には立場が逆転して、ゴンゴンのほうが小倉を"リング下からみて悔しい"という状態になります。この試合以降、どんどん実力の差が離れていき、ゴンゴンが中野の位置に追いつくことはなかったと思います。
これもすべて中野が極悪同盟に入ったこと、クレーンが引退して中野がNo.2としてメインを張るようになったこと、ダンプ松本を超えるために努力したことだと思います。中野はダンプに極悪に無理やり入らされ、ダンプに殴られて泣きながら成長した結果、高みに登っていきます。
さて、試合を見ていこうかと思います。
小倉のガン飛ばしが強烈です。ヒールっぽい感じになっています。
というのも、この花束贈呈です↓
志生野アナ「今日のジュニア選手権試合でありますが、本当に多くのファンです」
志生野アナ「もちろん中野恵子選手のところに殺到した感じ」
志生野アナ「中野恵子選手はこの戸田市とはお隣というんでしょうか。川口の出身ですからね」
宮本「ええ、そうですね、まぁ地元ですからね」
志生野アナ「ですから、地元での挑戦ということになります」
さすがに全員が中野に花束を持っていくのは露骨すぎだろ(笑)
完全に小倉はアウェーです。ベビーとヒールが逆転してます。
志生野アナ「中野恵子選手、宿敵・小倉由美選手を破ることができるかどうか」
志生野アナ「こういった声援というのは嬉しい物ではありますが、一方で大きなプレッシャーにもなります」
志生野アナ「小倉由美にとってはデビュー当時、特に中野恵子と新人王を争った頃が一番辛かったころですね」
中野は黒に胸のあたりに白いリボンがワンポイントでついたオシャレな水着です。
いちおうデビル軍団だから黒にしたのでしょうか。
ゴングが鳴って試合開始。
力比べの後、中野が小倉の顔面を平手打ちします。
これは強烈な一発となり、女の意地をかけた火ぶたが切って降ろされます。
そこからロープの反動を使って小倉を吹っ飛ばします。
ゴンゴン「コノヤロウ!!!」
最初の張り手が頭にきたのか、小倉は中野に馬乗りになって、ビンタ連発。
さらに中野も小倉もムキになって張り手とキックの乱打となります。お互いライバル同士で負けられない気迫が伝わってきます。
ここで小倉のボストンクラブが完ぺきに決まります。これはちょっとやそっとでは抜けられそうになない体勢になってしまいますが、小倉はしばらく痛めつけた後に、サーフボードストレッチに持っていきます。
中野はロープを使ったり、持ち上げ系の力業が多いですね。小倉の方が正統的なプロレスの技を出している印象です。小技を挟んだ後、徐々に中野はペースを取りもどして、ウエイトを活かしたボディアタック、そしてブレーンバスターを放ちます。
ここで抑え込みにかかります。
画面では小倉がブリッジで逃れているように見えますが、両肩がリングについたままだったようです。
志生野アナ「ちょっと躊躇しましたが3ついれました、ジミー加山」
志生野アナ「中野恵子やりました」
志生野アナ「しかし小倉由美は今の判定には不服であります」
志生野アナ「肩を上げたという抗議であります」
宮本「いまはね、厳しい一瞬でしたね。肩が上がったようにも見えたんですがね」
志生野アナ「小倉由美の抗議もムリはないかとは思いますが、ジミー加山カウントを入れました」
志生野アナ「中野恵子選手、宿命の対決と言われました対小倉由美戦で見事にチャンピオンベルトを獲りました」
志生野アナ「嬉しいでしょう、中野恵子。しかも今日は戸田市スポーツセンター。地元での見事なチャンピオンベルト獲得であります」
志生野アナ「体もあります、素質もあります、中野恵子」
志生野アナ「今日のジュニア選手権の勝利を第一歩にこれから頑張ってもらいたいもんであります」
小倉もファイトむき出しで熱い試合でした。最後はやはり体格差が出たかなぁという感じではありますが、小倉も中野もこの時点ではまだ実力は伯仲していたと思います。
そしてこのあと、中野は極楽星へと旅立っていくのでありました。
1984年12月号の週刊ゴングに掲載された中野の記事を掲載しておきます。
下記にエキサイティングプロレスの記事があります。