1984/9/17 極悪vsクラッシュ ミーハーファンは泣き喚け!! ぶっ潰してやる!!

AJWW 1984/9/17 大田区体育館 タッグリーグ戦 クラッシュvs極悪

ジャパン女子プロレスさんのYoutubeより

 

13:00くらいから。英語での解説も入っているので音声は聞き取りにくいです。

 

(↓英語部分と日本語部分をつないで試合だけを切り出したもの)

AJW 1984 09 17 大田区体育館 極悪vsクラッシュリンクyoutu.be

 

今回はフジテレビ杯争奪タッグ選手権の極悪同盟vsクラッシュギャルズを見ていこうかと思います。

ゴールデンタイムでのテレビ放送も始まり、クラッシュ人気は爆発的に全国に広がっていきます。7月~12月には様々なメディア、雑誌でクラッシュギャルズと女子プロレスが特集されて、大ブームになりました。

 

一方のダンプ松本、クレーン・ユウの暴れ方が、エスカレートするのがこの時期です。

特にダンプはお客様に向かって、クラッシュファンに対する挑発、コーナーポストにアピールしだします。クレーン・ユウは控えめであまりやらないのですが、ダンプ松本はガンガンと前に出ていきます。生まれつきのパフォーマーとしての才能が、徐々に差をつけ始める時期でもあります。

 

 

さて、この頃のクラッシュギャルズのダンプ松本評が、上から目線でちょっと面白いので掲載します。

 

 

 

飛鳥「ダンプと名乗って変身したことで昔と比べて自分のキャラクターを本物にしてきていますね。でもね、トモたちのレスンリグとはまるで違うし噛み合わない。ハッキリいって試合をした・・という充実感はダンプと戦っても得られないし、ただ痛さだけが残るだけ。まだおどおどしたところはあるけど、自分の立場や位置を少しは感じるようになってきたみたい。

極悪同盟にはチームワークがないので、やりにくいのは確か。まあ受け(プロレスの受け身)は悪いけど、ユウと比べて試合のノリがあるんじゃないかな」

長与「私、思うんだけどね、徹底して反則やっているのだから受け身が良くなれば、ピカ一なんだけどなぁ。私たちはハイスピードな攻撃が要求されるけど、ダンプは高度なテクニックよりも受けが第一の課題だね。

私よりも30キロ以上も重いし、自分の技がかからない。まるでヘビー級とジュニアヘビー級のような体重差がありますね。ダンプに望むことは、キロ・ダウン・・これに尽きるね。

レスラーとしてはともかく、格闘技者としてはダンプの存在は認めていませんね」

 

めちゃくちゃな上から目線です!! ゴーストライターだとは思いますが、実際に長与は言いそうな感じがするので、まんざらでもなさそうです。

 

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さて、試合に戻ります。

まずは極悪の入場です。阿部四郎が先頭に立って入場してきます。今回は警察帽はなく、堂々とサングラスのみで入場です。9月にもなると貫禄が徐々につき始めます。このスタイルが手慣れてきたのが明らかに分かります。お正月にチェーンをぐるぐる回していた時は、明らかに行動不審者でしたが、いまはグレた女のカリスマが漂います。ゆっくりと周りを見る余裕もあり、落ち着いています。凄い成長です。

 

 

 

入場してきたクラッシュギャルズに対して、チェーンでの威嚇攻撃。

クラッシュギャルズファンの罵声を浴びています。

 

 

 

この時期になると、リングの周りは異様な雰囲気になります。極悪同盟が異様なのではなくて、クラッシュギャルズ人気が異様なものになっていきます。会場を埋め尽くす若い女性ファン、紙テープが常に飛び、歓声が鳴りやみません。

おそらくダンプ松本にとって、この異様な雰囲気は待ち望んだものだったでしょう。彼女が求めていたプロレスの世界は、ビューティ・ペア時代と同じく、若い女性がアイドルを追いかけるような熱狂的な会場の雰囲気だったと思います。苦節5年目にして、ついにこの時代がやってきたのです。

とはいえ、悪役ですが・・。

 

 

(令和の時代、こんなプロレス会場はもう存在しない)

 

リング上には20人くらいの花束を持った中学生、高校生らしいファンが待ち構えています。そして花束贈呈で、長与千種とライオネス飛鳥に我先に自分を覚えてもらおうと、必死に花束を渡しています。物凄い人数です。

一方、極悪同盟には誰一人花束を渡しません。

 

これぞ本物のヒール!!!


 

 

ダンプはクラッシュファンの花束贈呈を妨害したり、奪ったりと、さらに嫌われる行動にでます。やりたい放題です。

 

 

 

志生野アナ「クレーン・ユウには何本テープが飛ぶか、1本、2本、3本!!!」

志生野アナ「極悪同盟のほうは、人気はないようであります」

 

いや、志生野さん、見れば分かるから。

クレーンには多少テープが飛んでいます。この会場の雰囲気でテープを飛ばす人にも勇気が必要でしょうね・・。

 

 

 

 

 

クレーンは悪役だけどシャイなんですね。片手を上げる程度です。ダンプは両手を上げてアピール。オーバーアクションに出来るのが、ダンプ松本の強みです。

 

ここでお客様から放送できないような罵声が飛んだのか、ダンプが突然2段目まで上がって吠えます。

この部分、クレーンは何事かとビックリしています。

 

 

突然ロープにのぼるダンプ。

 

 

「え? どうしたの?」って感じのクレーン。

 

 

 

場内からの「カーエーレ!!」コールに、2段ロープにあがって叫ぶダンプ。この頃からでしょうかね。ようやく後のダンプの憎々しいアピールが出始めます。顔芸も少し始まりました。

よく見ると、可愛い顔をしているし、髪の毛も綺麗なのですが、会場にいるとそんな細かいところまで分からないですしね(笑)

 

一方のクレーンは、うつむき加減でダンプのパフォーマンスをみています。

お客様を煽るパフォーマンスに関しては、ダンプ松本が数段上でした。高校生時代から人に見られていると途端にやる気が出る性格だったダンプにとって、例え悪役だろうと、人から見られていればガンガンと自らをアピールする能力は圧倒的に秀でていました。

この辺りが、ゴールデンのテレビ中継が始まり、悪役としてクレーン・ユウよりもダンプ松本に注目が集まっていった理由じゃないですかね。

 

 


ゴングが鳴るといきなり場外乱闘が始まります。

クレーンは飛鳥を、ダンプは長与を放送席に叩き込みます。

 

志生野アナ「早くも場外戦になりました。十分に気を付けてもらいたいと思います」

志生野アナ「超満員であります。本部席でご覧のようにダンプ松本が長与千種を早くもやってます」

志生野アナ「あーとっ、長与千種、やられてますねー」

 

 

 

 

その後、ダンプとクレーンは長与の弱点である右膝へ攻撃を集中させます。ヒールだったら当然、相手の弱点をガンガン攻めないと面白くありませんからね。

 

志生野アナ「鎖を持ちましてねぇ、鎖攻撃であります。ダンプ松本」

志生野アナ「しかし次々に凶器が極悪同盟のところに運ばれてくるでしょう」

志生野アナ「とりあえず、鎖のほうは本部席に渡されております」

志生野アナ「クラッシュギャルズ、危ない」

宮本「ダンプ松本がですねぇ、長与のサポーターの巻いた右足を集中的に狙いはじめましたね」

 

ここで長与はなんとか飛鳥にタッチ。

 

 

 

志生野アナ「今日は山崎照朝さんがリングサイドで観戦であります」

志生野アナ「ああーっと飛鳥が、、空振りに終わりました」

 

飛鳥はクレーンをけん制し、意表をついてクレーンにドロップキックを放ちますが、全くクレーンに効かず(というか、クレーンは背を向いており「いまなんかやった?」という感じ)、間抜けなキックになりました。妙な自爆の仕方をした飛鳥に対して、ダンプがあっさりと飛鳥を捕まえてクレーンにタッチ。

ここからは飛鳥は反撃。ネックブリーカー、ブレーバスター、長与のトップロープからのエルボーなどの連続攻撃でクレーンを攻め立てます。クレーンはだいたいやられ役です。

 

ダンプはフォークを取り出して、長与のヒザにフォーク攻撃。

場外に出て、今日初めての凶器攻撃に移ります。チェーンを飛鳥の首に巻いて鉄柱に叩きつけます。

 

 

 

志生野アナ「また場外戦になりました」

志生野アナ「鎖を首に巻いて形相を変えております、ダンプ松本」

志生野アナ「クラッシュギャルズに対する声援が面白くない! したがってこういった凶器攻撃、無法攻撃を繰り返しております」

志生野アナ「なんと鉄柱に足を縛り上げます」

志生野アナ「困ったもんです」

 

そのままチェーンで飛鳥の足を鉄柱に巻き付けます。これは面白いやり方ですね。あまり複雑な巻き方をすると、あとであやとりみたいになって、取れなくなりそうですがw

 

 

 

志生野アナ「やってますねぇ、どうしようもなくなりました」

志生野アナ「長与千種がんばって、ライオネス飛鳥負けるな、クラッシュギャルズに対する声援が飛び交っておりますが、しかしクラッシュギャルズ、どうしようもない」

 

志生野さんも会社のクラッシュギャルズ売り込みが分かっていますから、放送ではクラッシュギャルズを応援するフリをしています。本当は親心として松本のほうを可愛がっていたのではないかと思います。

 

リングに戻って長与が回し蹴りから、サソリ固め。

 

 

 

志生野アナ「さぁ入った、サソリ固めに入りました」

志生野アナ「クレーンユウにも入るか、弓矢固めになる!」
 

このあと、クラッシュは延髄切りx3、ジャンピングエルボーから、ジャイアントスイングで反撃。

 

 

 

このあとクレーンが捕まって、パイルドライバー、2段ロープからの雪崩式バックドロップを喰らわして万事休すかと思われましたが、カウントを取る阿部四郎にダンプがちょっかいを出して、カウントを取らせません。このあたりからだんだん雲行きが怪しくなっていきます。

 

 

 

ついにダンプは空き缶攻撃で長与と飛鳥の頭を殴り、そして2人まとめての両腕のラリアートです。お客様の悲鳴が轟きます。このあたりはクラッシュも珍しく、うまく演出しています。

 

 

 

 

 

ついにダンプの手にバケツが渡ります。飛鳥の脳天に一発、長与の脳天にも一発食らわします。しかし、もう一発長与に食らわそうとしたところで、パンチでバケツを飛ばされてしまい、逆にバケツが長与の手に。

 

 

 

その後、トンパチ娘が突然暴走をはじめ、ダンプにリングの上で堂々とバケツの凶器攻撃。飛鳥はレフリーの阿部四郎を場外に落として、放送席の机で攻撃を開始します。

 

 

 

いやいや、これはもうめちゃくちゃになってまいりました。

 

 

(ダンプとクレーンが2人そろってチェーンを巻かれている図。「キャーッ」っと2人で抱き合って怖がっているようで、可愛い感じがします・・)

 

 

 

飛鳥は場外で特大のベンチ椅子を阿部四郎に投げつけます。どう考えても、飛鳥・ザ・ヒールです。

どうやら股間を激しく撃ちつけてしまった阿部四郎はここでゴングの要請。

 

 

 

長与はさらに阿部四郎の首に鎖を巻いて、投げ飛ばします。

 

てかさ、

 

今回って阿部四郎はそんなに悪いことしてたか?(笑)

 

ダンプを攻撃したほうがお客様の溜飲も下がる感じがするんだけど。

 

 

 

 

よく分かりませんが、クラッシュギャルズが阿部四郎に反則して自爆しました。

これは果たしてこういうシナリオだったのか、トンパチ娘が途中から暴走しただけなのか・・なんだかよく分かりません。おそらく会場のお客様もなんだかよく分からなかったんじゃないでしょうか。

 

 

 

その後怒りが収まらない長与は、マイクをもって「どうして俺たちが負けるんだ!!」と抗議しますが・・。

 

レフリーのチン〇を攻撃したら、さすがに負けです(笑)

 

志生野アナ「場内騒然としております」

志生野アナ「なんとも後味の悪い試合でした」

 

デビルもセコンドにいたみたいですが、なにかしてましたかね? 最後にリング上にあがって反則を取られただけな感じがしなくもないです・・(笑)

 

 

今日の凶器 フォーク、チェーン、バケツ、空き缶

 

この試合の総括が以下に掲載されています。

『1984/9/17 極悪vsクラッシュの試合を総括する!!』1984/9/17 大田区体育館で行われたクラッシュ・ギャルズvs極悪同盟の試合を、雑誌「エキサイティングプロレス」の11月号で見てみます。 ↓こちらの試合で…リンクameblo.jp