その①の続きです。
本文の文章は詩的に書かれており、極悪vsクラッシュの叙事詩のようになっています。
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この静かなる戦争は、超能力者の、テレパシー戦争のようだ。さすがのユリ・グラーもこの闘いは予知できなかったはず。激しい威嚇のやり合いの最中、両チーム激励のため、ファン代表のかたたちから、花束の贈呈が行われようとしている。まずは、クラッンュ・ギャルズが握手を交わして、花束を受け取った。手渡したファンの人は、心なしか頼が紅潮しているようだ。本物のスター、憧れの人に会った興奮か。
クラッシュ・ギャルズ、もらった花束を上々と掲げてファンに挨拶。が、極悪コンビに対しては、さすがに気を抜かない。このあたり、激戦を戦いぬき、ハードなトレーニングをつんできたプロのスポーツ選手といった感じがうかがえる。
そして今度は極悪コンビ、ダンプ松本とクレーン・ユウに花束の贈呈。人気の面では、クラッシュに及ばないが、それでも最近はなぜかファンの数をふやしているという極悪コンビ。ファンから花束を受け取ったが、その花束を、クラッシュに打ちつける。花束攻撃だ! まだゴングも鳴ってもいないというのに花束攻撃とは、さすが極悪コンビ。長与と飛鳥が打ちのめされている。花束のメッタ打ち。可憐な花びらがマットに飛散った。花の生命は短かくて・・・とは、まさにその通り。リング上で美しく輝くはずだったその花束は、瞬時にして、生命を奪われた。まさに極悪― 冷血無比。花も恥じらう乙女が、花をも凶器にしてしまった。
ここで、ゴングだ! ゴングが高らかに鳴って、 ついに試合開始。出鼻をくじかれたクラッシュ・ギャルズ、はたして、どのように闘うのか? 試合はまったく先が見えなくなってきた。先制攻撃をかけたクレーン・ユウが、飛鳥をつかまえて、 ロープに飛ばした。そして反動で返って来た飛鳥に対して、ボディ・アタック! 早くもユウの得意技が出た。山のようなユウに当たっては飛鳥もたまらない。
その弱った飛鳥をユウが、松本の待っているコーナーに引きつれて行く。松本とユウに、飛鳥が攻撃される。二対一の対決。これは不条理。さすがの飛鳥もこのままでは危いぞ!ここで、飛鳥コールだ。ガンバレ飛鳥、全国一億二千万人のファンがついているぞ。
その声にささえられてか、飛鳥が反撃に出た。ユウがやられている。さすがの大魔神も痛そう。 一気に形勢逆転だ。大技の連続。ユウのピンチか?
しかし、ここで松本が飛び出した。タッチもしていないのに出て来たぞ。手には、何か持っている。凶器か。その凶器は何だ、センヌキか、、センヌキだ。センヌキで飛鳥の頭を殴った。もの凄い形柑のダンプ松本。血に飢えた吸血鬼のようだ。血を見るとますますエキサイ卜するダンプ松本。早く血を出してやろうという魂胆!! ここで、思わず長与千種が出て来た。お得意の空手殺法が出るか。
松本をロープに飛ばした長与。空手技が出た。ダンプの胸元を突くチョップ! 長年の速いスピード攻撃。そのたたみかけるような技の連続に、さすがのダンプ松本も苫しそう。金髪を振り乱して、片間の表情。鬼の目にも涙、泣いた赤鬼といったところか。
そして、場外では、クレーンユウとライオネス飛鳥の乱闘。ユウが飛鳥を客席に投げつける。すかさず、イスを取り出し、頭へ一撃。さすがに、このあたりのラフプレイはお手のものだ。極悪の、極悪たる所以を見せつけている。
ザ・ベートーベンだ。この場面で出てくると危ないぞ。何が出てくるか解らない。凶器のビックリ箱、人間凶器販売機、意外性の落とし穴、ザ・ベートーベン。何を狙っているのか。隠し持った凶器は、チェーンだ。チェーンをユウに手渡した。飛鳥の首にチェーンがまかれた。人間絞首刑。チェーンの冷たい牙が飛鳥のノドを噛む。そして、ザ・ベートーベン、どうしたことか、今度はリング上のダンプ松本に、バケツを手渡した。殴る、殴る、バケツで長与をビシバシと殴りつけるダンプ。こうなると、ダンプの暴走には手がつけられない。レフリーが止めに入るが、まったく無視。カエルの面に小便、馬に念仏、猫に小判、ちいさな親切大きなお世話だ。
これはひどい、見る間にバケツが変形して行く。長与も痛そう。汗がほとばしり、 マットに飛び散る。ダンプもますます乗って来た。今度はチェーンだ。チェーンで長与を締め付ける。凄い! もう筆舌につくせない反則のオンパレード。リングは地獄と化した。見るも地獄、見るのも地獄、やるも地獄、やられるも地獄。まさにリングは阿鼻叫喚の生き地獄だ。
ダンプとユウの反則は、このまま続くのか? 悪の限りをつくす極悪コンビ。永遠の悪の長距離ランナー極悪軍団。ダンプとユウの悪にゴールはないのか。
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