1984/12/5 境町体育館  やはり極悪レフリーは阿部四郎じゃないとダメ

AJW 1984 12 05 境町体育館 ダンプ松本・ペギーリーvs立野記代・山崎五紀

 

Evito-X-PuroさんのYoutubeより

13:00~くらいから

 

(↓AIでフルハイビジョンに変換した動画です。試合のみ抜粋)

[AI FHD 60fps] AJW 1984 12 05 境町体育館 ダンプ松本・ペギーリーvs立野記代・山崎五紀リンクyoutu.be

 

今回は試合の前に、植田信治コミッショナーは一体何者なのか、ということを記載しようかと思います。

阿部四郎が悪さをすると、謹慎処分にしたり、罰金を取ったり、没収試合(ノーコンテスト)にしたりする権限のある役職の人です。

 

このブログでは「熱血植田」、「プロレスを知らない植田」と散々書いていますが、彼は全日本女子プロレスの後見人のような立ち位置のようです。とはいえ、あまりプロレスが興行であることを知らずに、スポーツとして真面目に裁定している人であることは、阿部四郎のインタビュー記事に書いています。最もどこまで本当かは分かりませんが・・(^^;

 

志生野さん著の「革命戦士」に詳しく書いてあるので抜粋してみます。

 

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植田信治コミッショナーは権威のある地位におり、タイトル戦を認定したり、反則試合を没収したりしているが、権威を振りかざすところはない。好々爺といった印象で、気さくに選手に声をかける。

植田コミッショナーはずっと「デイリー・スポーツ」の運動部長だった人で、松永社長とのつきあいは17年前(1986の17年前)にさかのぼる。

 

松永社長が全日本女子プロレスをおこす1年前に知り合い、会社設立の時にも相談に出向いている。

女子プロレスをスポーツとして確立させるためには、ぜひともスポーツ紙の後援が必要だった。そこで社長は何とか「デイリー・スポーツ」に援助をお願いします、と頭を下げに行った。

 

植田さんは以前から女子プロレスに理解を示してくれていて、すんなりと「いいよ」と返事。

海のモノとも山のモノとも知らなかった女子プロレスが今では「デイリー・スポーツ」の後援でメジャーなスポーツとして認められているのは、植田さんのこの一言によるところが大きい。

 

全日本女子プロレスは、17年の歴史で何度も危機に面したことがある。

会社がスタートした当初はまだ興行の形態がしっかりしていなくて、全国の体育館も会場として提供してくれるところもなかった。そこで社長は全国をまわって会場を提供してくださいとお願いに奔走したんだけど、その時に一緒に足を運んでくれたのが、植田コミッショナーだった。

 

会社が窮地に陥って資金繰りもできなくなり、タイム・リミットいっぱいで、社長が

「もうダメです。今日で会社は倒産させます」と弱音を吐くや否や、「ここで潰したら今までやってきたことはどうなるんだ。選手の気持ちを考えろ、ダメだ。オレがつぶさせない」と自分の全資産を投げうって、ピンチを救ったこともあるのだ。とても植田さんらしい美談で、この人がいなかったら、とっくの昔に女子プロレスは消え去っていただろう。

今も恩着せがましいことは何も言わずに、会場でも暇なときは売店で売り子に変身するやさしい人だ。

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さて、試合を見ていくことにします。

 

 

(今回は放送席の襲撃はなく、ノッシノッシと余裕の入場)

 

 

(阿部四郎はセコンドです。市原市臨海体育館と同様にレフェリーはリトルハートです)

 

 

(今回の対戦相手は、山崎五紀と立野記代のコンビ)

 

 

(コール前になぜかダンプに食って掛かる山崎。前の試合で何かあったのか?)

 

 

(立野にはテープが一本も飛びませんが、山崎にはたくさんのテープが飛びます。立野のほうが人気があった記憶ですが、山崎のほうがこんなに人気あったっけ?)

 

 

(今回も極悪レフェリー リトルハートさんです)

 

 

(山崎がリトルハートに早くも文句をつけ始めます)

 

お客様「カーエーレー!! カーエーレー!! カーエーレー!! カーエーレー!! カーエーレー!! 」

志生野アナ「またもカエレコールが起こっております!」

志生野アナ「今日は放送席にはたまたまですね、コミッショナーの植田信治さんが座ってくれているんですけど」

志生野アナ「最近レフェリーに対する不信感というのが相当に強くって、フジテレビも数多くのファンからの電話での抗議が殺到なんですよね」

植田「私もね今日、レフェリーを呼びまして、全員公平なレフェリーをするように言いましたし、言うことを聞かない場合は、ライセンスをやめるとか、出場停止とかやります」

 

 

 

突然、山崎がリングを降りて、植田コミッショナーのところに行って直談判を始めます。極悪との試合は、本当になかなか試合が始まらないです(笑)

 

山崎「レフェリー変えてくれ!!」

植田「試合しろ!!」

植田「山崎、試合しろ!!」

植田「早くやれ!」

 

珍しく植田が極悪レフェリーを認めて試合をしろ!と言っています。

時間遅延を気にしているのか、山崎の提案は却下されました(^^;

 

ようやく試合が始まりますが、リトルハートがいきなり山崎を後ろから羽交い絞め。

ちなみに、この試合はリトルハートのめちゃくちゃ度が高すぎて、ちょっとやりすぎで失敗した感じがあります。

 

 

(開始早々、ちょっとハッスルしすぎじゃないか、これ!? (笑))

 

 

(ペギー・リーは植田コミッショナーをめがけて場外乱闘を仕掛ける)

 

 

(山崎をリトルハートが攻撃!!)

 

 

(ダンプに入ったコブラツイストを止めにかかるリトルハート)

 

志生野アナ「あーっと、どうして止めるのか!?」

志生野アナ「考えられません」

志生野アナ「レフェリーの交代は当然であります」

志生野アナ「いまなんかコブラツイストをかけようとしている山崎を振り解きました」

志生野アナ「ファンも選手も納得できません!!」

志生野アナ「もうめちゃくちゃですね。もう極悪同盟だけという感じであります」

 

山崎と立野は、ダンプとペギー・リーと戦っているというよりは、リトルハートと戦っている感じがします(笑)

 

 

(超低速カウントに場内から大ブーイング)

 

 

「目がぁ~!!、目がぁ~!!」

 

立野と山崎の顔にミカンの汁を擦りつけるダンプ。

なにかSMプレーみたいなノリにになってきました(^^;

 

志生野アナ「あーっと、お客様から投げられたミカンを!!」

志生野アナ「やられました山崎五紀」

志生野アナ「リトルハートに向かってお客様から投げられたミカンを、さっそく凶器として使用しております」

志生野アナ「リトルハートに見えております。しかしほとんど注意すら与えません」

志生野アナ「どうしようもない」

 

 

 

山崎「なんだあのレフェリー!!」

山崎「変えろ!!」

 

山崎がマジギレ!!(笑)

 

まぁ、気持ちは分かります・・・。

 

 

 

志生野アナ「もうリトルハートは選手ですね」

志生野アナ「これはダメでしょ!」

志生野アナ「これは考えられません」

志生野アナ「こんな試合があったんじゃ、誰だって戦いません」

 

 

 

この試合、リトルハートがあまりに極悪寄りなので、ダンプもわざと相手の技を喰らって、会場を盛り上げようとしている感じがします。明らかに会場が「なんじゃこれ!?」みたいな雰囲気になって、盛り上がりに欠けているのが分かります。

さらにダンプがラリアートで声を上げているあたり、会場の盛り下がりの雰囲気を肌で感じているんじゃないですかね。

 

 

 

立野が会心のバックドロップ(ジャーマン)。これもリトルハートのカウントが遅すぎてどうにもなりません。

 

志生野アナ「カウントが遅ーい!!」

志生野アナ「立野記代、泣いて抗議!!」

志生野アナ「試合にならない!!」

 

そして両者リングアウトでした。

 

志生野アナ「果たして決着はどうつくか?」

志生野アナ「いま植田コミッショナーが本部席へ」

植田「試合は無効になります!!」

志生野アナ「無効となります。山崎五紀としてはこれでも十分ではありません」

志生野アナ「反則負けをとってもらいたいという山崎五紀」

志生野アナ「レフェリーのリトルハートに関しては、なんらかの処分、処置を考えてください」

植田「私はいま本人にいいましたけど、このままだとライセンスを取り消すと」

植田「今度やるようなら、私がライセンスを取り消します」

 

ここまでやらかしたリトルハートのライセンスを取り消さない植田(笑)

 

阿部四郎のときは、すぐに罰金、即退場、一か月の出場停止などがあったのに、外人さんだと契約があるからでしょうか、なかなか処分をしませんね・・(^^;

 

ここまで露骨に極悪に肩入れしてしまうと、あまり面白くありません。

阿部四郎は「肝心な」ところで、極悪に肩入れしているから面白く試合が進行するのであって、なんでもかんでも、極悪に肩入れすれば面白くなる、というわけではないことが分かります。

 

阿部四郎の偉大さを知った、本日のリトルハートさんのレフェリングでした。

 

 

 

今日の凶器 鉄パイプ、みかん、卵