1985/1/15 ムック「おもいっきり女子プロレス」発刊 恒文社 その②

続いてはインタビューです。

 

 

---------------------------------------------------------

インタビュアーは「イ」とします。
 

同期の長与千種が私たちのターゲット 必ず叩き潰すよ!

イ 「え―、今日はダンプさんとクレーンさんに、直撃スペシャル・インタビューを行わせていただきますのでよろしく。」
ダンプ 「どこがスペシャルなんだよ! いつもと変わらないだろうが。」
クレーン 「早くやれよ! 忙しいんだからな。」
イ 「はい、わかりました。ところで、お二人が、チームを結成した動機は何ですか?」
クレーン 「それは、私達の闘いのスタイルが合ったからだね。」
ダンプ 「そうだな。私達は試合に勝つためには、手段を選ばない。反則だろうが何だろうが、相手を痛めつけて勝てれば、それでいいのさ。」
クレーン 「そう。世の中の奴は、よく私達のことを、ひきょうだとか悪い奴だとかいうけど、自分達のレスリング・スタイルには自信を持っているから、誰にも文句は言わせないよ。」
イ 「昔、あなた方はデビル軍団の一員として、デビル雅美選手と一緒にタッグを組んでいましたね?」
クレーン 「その名前を言うな!  今それが私の一番嫌いな名前だ! あいつは私達を裏切って、ひとりで"いい子ちゃん"になりやがった。私達にとって、あのデビルの「正統派転向宣言」ほど、自分達のプライドを傷つけられたものはなかった。
イ 「でも、悪いのはあなた方じゃないんですか?」
クレーン 「どうしてだ!  私達はデビルに教わったスタイルで試合をし、デビルを立てて試合をしてきた。それなのに、何で急に自分だけ「凶器は使わない」なんて、言いだせるんだ? 第一、本刀を使い出したのだって、デビルじゃないか! そうだろ!」
ダンプ 「確かにその通りだ。でも私は長与千種の方が嫌いだね。あの野郎、チャラチャラしやがって。4月1日の後楽園では奴の髪の毛を試合中ハサミで切ってやったけど、今度やる時は、あいつを丸坊主にしてやるよ!」
イ 「お二とクラッシュ(長与、飛鳥)の二人は皆、昭和55年に入門した、いわば同期生。新人時代には、仲も良かったんじゃないですか?」
ダンプ 「ウーン…。新人の頃は、まだ自分の試合スタイルが決まっていなかったし…。」
イ 「つまり、あくまでも正統派でいくか、手段を選ばず勝利をつかもうとする、いわゆる悪役スタイルでいくか……ということですね。」
ダンプ 「まぁそうだな。だから、あの頃は皆、お互いがライバルであっても、感情的なしこりは何もなかったんだ。ただ基礎を覚えるための練習、練習の繰り返しだったからな…。」
クレーン 「でも今は、お互いやりたいプロレスのスタイルが違うんだから、反目せざるをえない訳よ。私達だって自分の試合スタイルは大切にしたいからね。

私たちは根っからのヒールしゃないよ! 結婚だって夢見てる

イ 「なるほど、あなた方はあなた方なりに、自分の試合における信条というものには、自信を持っているのですね。」
ダンプ 「それはもちろんだ。だからこそ今のクラッシュやデビルは許せないし、あいつらとやる(対戦する)時は闘志が沸くね。」
クレーン 「その通り。私達だって負けたくないものね。」
イ 「なるほど、よくわかりました。ところで話は全然変わりますが、好みの男性のタイプは、どんな人ですか。」
ダンプ 「どうしてそんなこと聞くんだよ。」
クレーン 「そうだよ。関係ないだろうが!」
イ 「まぁそう言わず、ぜひ教えて下さいよ。お願いします! この通り! (と言って、記者、土下座する)
ダンプ 「わかった、わかった。そこまで言うなら教えてあげるよ。私は俳優の中村雅俊さんみたいな人。あったかそうで、人間味があるじゃない? 同じ意味で、西田敏行さんや竹田鉄矢さんも、あこがれの人ね。」
クレーン 「私は、いかにも男らしい人で、高倉健さんとか舘ひろしさんとか…。もう、いかにも"遊び"を知り尽くしたっていう感じがイイな。」

 

クラッシュ・ギャルズ、ジャガー、デビルらの"陽"の人気て盛りあがる、最近の女子プロレス。しかし、その中にあって、ひときわ輝く"陰"の帝王が二人いることを忘れてはならない。それがダンプ松本とクレーン・ユウの極悪コンビだ。ここては、そのダンプとクレーンに思う存分考えているこをぶちまけてもらおう。聞きて=安西伸一

イ 「お― っと、クレーンさんも大胆なことを、おっしゃいますね。
クレーン 「まあね。私も、もう大入だから(一同爆笑)。」
イ 「では、お二人の今後の日標を聞かせていただきましょう。まず、クレーンさんから。」
クレーン 「私は「結婚」。」
イ 「-----え-----っ! (記者仰天!)
クレーン 「そんな声出さないでよ! これはあくまでも夢! 夢なんだから! 私だってリングを下りたらひとりの女の子。「結婚」だって夢見るわよ。」
ダンプ 「そうそう。テレビだけでしか私達を見ていない人は、本当に私達が、根っからの悪人だと思ってる人がいるみたいだけど、そうじゃないよ。」
クレーン 「中には、私達が普段からこのメイクをして、街を歩いていると思ってる人もいるようよ。」
ダンプ 「そんなアホな。」
イ 「でも私(記者)も、友人に「ダンプとクレーンは、買い物する時も、鎖を持ってるのか?」なんて、聞かれましたよ。
ダンプ&クレーン 「まさか(爆笑)」

打倒デビル、そしてクラッシュ・ギャルズ破壊が'85年の目標

イ 「話がそれてしまいましたが、クレーンさんのプロレスの方の目標は何でしょう?」
クレーン 「私は、私の前にはだかる敵は、すべて叩きつぶす。どんな手段を使ってもだ。そしてダンプと組んでWWWA世界タッグの座を目指す。シングルでも王座に挑戦して、一度はベルトを巻いてみたい。特に打倒デビルだ。自分達のボスだったデビルに勝つことは、私のレスラーとしてのライフ・ワークでもあるような気がする。」
イ 「ではダンプさんは?」
ダンプ 「私はまず、クラッシュ・ギャルズを倒すこと。あの二人には絶対に負けたくない…。そして、クラッシュと私達との試合が、いつか女子プロの中で、本当のメイン・エベントになるまで、必死に努力していきたい。そうならなければ、今まで自分が、何のために先輩達の下で、歯をくいしばってはい上がってきたのか、わからないからね。」
イ 「 しかしダンプさんは、相当、クラッシュ・ギャルズに固執していますね。どうしてですか?」
ダンプ 「第一、あいつらの名前が気に入らないんだ。だって"クラッシュ"っていうのは「破壊する」っていう意味だろ? だったら、クラッシュ・ギャルズという名は、私達にこそふさわしい名じゃないか! 」
イ 「あの―、……。お二人には"クラッシュ"という言葉は、ある意味で当たっているとも考えられますが"ギャル"というイメージには、ちょっと・・・」
ダンプ&クレーン 「なにーーーっ!! 」

かくして記者の、極悪コンピヘのインタビューは終わった。最後に「今度何か気にさわることを言ったら、また腕をねじ曲げるよ!」と言って去った、ダンプとクレーン。ドキドキ、コワゴワの取材だったが、まずは二人の本音が聞けて大成功だった。これからも、女子プロをかきまわす異分子として、頑張れ!

---------------------------------------------------------

上記インタビューの他にカラーでの特集もありました。

 

 

 

このムックはクラッシュギャルズ中心ですが、極悪のインタビューもあり、なかなか読み応えがありました。

このインタビューが全部本当かは分かりませんが、ダンプはクラッシュに対して、クレーンはデビルに対して、対抗意識を燃やしていたことが分かります。

ダンプの場合は会社から「デビルが転向するからヒールでやれ」と直接話をされていた、とぶるちゃんねるで話をしていたので、デビルが転向することを知っていたのでしょうが、クレーンは知らなかったので、デビルが突然転向したことに対して怒ってたのかもしれません。

ダンプはすでにクラッシュ、特に長与に対抗意識を燃やしたほうが、目立つということを予見しての発言だったのかなと思います。やはり盛り上がるのはvsクラッシュでしょうから。