1985/1/5 後楽園ホール クラッシュギャルズvsダンプ松本・ロッシーモレノ

1985/1/5 クラッシュギャルズvsダンプ松本・ロッシーモレノ

元の動画が見つからないので、見つかり次第リンクを追加します。

 

(↓AIでフルハイビジョンに変換した動画です。試合部分のみ抜粋)

[AI FHD] AJW 1985/1/5 クラッシュギャルズvsダンプ松本・ロッシーモレノリンクyoutu.be

 

今回は1985年の最初の試合、クラッシュギャルズvsダンプ松本・ロッシーモレノの試合を見ていこうかと思います。

 

 

まずは阿部四郎が「極悪」の旗を持って登場。

 

 

ダンプの入場。懐にドスを持っているように見えますが、刀の部分は隠しています。

マンガ「ダンプ・ザ・ヒール」で「ドスをもったら刑務所行き」という話がありましたが、このように隠せば問題なかったんですね。(^^) 頭がいいダンプさんです。

 

志生野アナ「阿部四郎を先頭に極悪同盟の入場であります」

志生野アナ「早くも異様なざわめき、異様な興奮の後楽園ホール!!」

志生野アナ「放送席に凄い洗礼!! 新春早々、大変な挨拶です!!」

志生野アナ「いきなり放送席を襲いました」

志生野アナ「相変わらずですね、今年も極悪同盟は」

宮本「選手よりも先に放送席を挑発してきますね」

志生野アナ「そうなんですよ。阿部四郎にいたって腕に極悪という入れ墨です」

 

 

クラッシュは1985年の新年ということで、初心に戻って空手着を着て登場。

なにやらタンプのパートナーのロッシーモレノは完全に蚊帳の外。

 

志生野アナ「いま長与千種の姿が見えました。後ろからライオネス飛鳥」

志生野アナ「今日は空手の道着であります、原点に返りました」

志生野アナ「風林火山、ライオネス飛鳥!!」

志生野アナ「本当に戦闘的なクラッシュギャルズであります」

志生野アナ「極悪同盟に一歩も後に引きません!!」

 

 

クラッシュギャルズに花束を渡そうとするファンから、花束を奪い取ろうとするダンプ。さっそくちょっかいを出してきます。

それを守る正義の味方の長与。

ダンプはお客様には直接手を出さないように嫌がらせをしています。長与は「待ってました」とばかりにダンプの前に立ちはだかるあたり、飛鳥よりも目立つことはやはり敏感のようです。

 

ファン「カーエーレー!! カーエーレー!! カーエーレー!! カーエーレー!! 」


ダンプと阿部四郎に早くも「カエレ!!」コール。お客様のタイミングもいいですね。

 

クラッシュの選手紹介。

テープが投げ込まれすぎだろ(笑)

ダンプには数本のテープ。ロッシー・モレロはほぼゼロ。ダンプはいいとして、ロッシー・モレノはアウェイとはいえ可哀そうです。

 

 

今回のダンプのメイクは「極」と額にかかれたマークが特徴です。キン肉マンを参考にしているんでしょうか。眉毛はバットマンのようなコウモリ型のメイクです。

試合が始まるまでが相変わらず長いです。

 

一本目

 

さてようやく試合が開始。

ダンプは竹刀での反則攻撃。

 

 

志生野アナ「いままでですねぇ、極悪同盟は色んな凶器を使ってましたが」

志生野アナ「今度は竹刀を持ってますね」

宮本「竹刀をもったのは初めてですね」

志生野アナ「このあたりはテレビの方、極悪同盟の凶器、また違った面が出てまいりました」

志生野アナ「竹刀が出てまいりました」

志生野アナ「試合が始まった。早くも入り乱れております」

志生野アナ「ああーっと、長与千種、竹刀でいっぱーつ。ライオネス飛鳥もやられました」

志生野アナ「騒然としている後楽園ホール。いつゴングが鳴ったのか分かりません」

 

1985/1/5の試合で、ダンプがはじめて竹刀を使ったようです。

ダンプといえば竹刀ですが、意外なことに1985年までは一度も使用したことはないと思われます。

 

正月特番でダンプがテレビ局に乱入したときに、竹刀を中心にして相手をいたぶったことから、相手に対して竹刀が使いやすいということになったんじゃないでしょうか(チェーンやハサミでは芸能人には危険すぎるため)

 

 

ここまで空気だったロッシー・モレノですが、意外と凶器攻撃をガンガン使ってきます。メキシコ人レスラーはきちんと極悪スタイルを理解してやってくれるので、素晴らしいです。

 

志生野アナ「このロッシー・モレノという選手なんですけども、メキシコでも」

志生野アナ「相当に悪役として売っているという噂なんですね」

宮本「そうですね、ローラ・ゴンザレスという選手がいましたね」

宮本「あの人とタッグで暴れまわっているんですけど」

宮本「生粋の悪役ですね」

志生野アナ「なかなか体がガッシリとしております。29歳と聞いております」

 

ロッシー・モレノって確か19歳だと後に訂正されていたような?

外人さんは老けて見えるので、29歳に見えてもおかしくはないですが(^^;

 

 

志生野アナ「ああーっと、黒帯を持ちましたねぇ」

志生野アナ「凶器には凶器!!」

志生野アナ「竹刀と黒帯でたいけーつ!!」

志生野アナ「ファンはたまりません!!」

志生野アナ「ダンプ松本の顔色が変わりました!」

志生野アナ「長与千種の凶器は取り上げても、ダンプ松本の凶器は取り上げません」

志生野アナ「このあたりが阿部四郎、不公平であります」

 

ダンプの凶器は取り上げず、長与の黒帯は取り上げます。

見事な阿部四郎のフォローです。新年早々、ダンプの竹刀攻撃が冴えわたります。

その後もクレーンの乱入やらで極悪側のペースで進みますが、ロッシー・モレノとの連携が取りにくく、逆に抑え込まれます。

 

 

しかし、ここでも阿部四郎がやってくれます。

ダンプの凶器は取り上げるふりをして、飛鳥の凶器を没収。

お客様が大激怒!!! 阿部四郎のパフォーマンスが会場もヒートアップ!!!

この人の臨機応変ぶり、アドリブは天才的です!

 

志生野アナ「どうも黒帯だけは取り上げるんですけども」

志生野アナ「竹刀に関してはねぇ、ほとんど目をつむっている感じの阿部四郎」

 

 

場外ではクレーンと中野がピラニアのように獲物を待っています。

 

志生野アナ「いま長与千種が落とされます!!」

志生野アナ「クレーン・ユウが待っている、中野恵子が待っている!!」

志生野アナ「ちょっとレスリングらしいレスリングになったと思ったら」

志生野アナ「もう場外乱闘であります」

志生野アナ「これはクラッシュはまともには決められませんね」

宮本「そうですね、どうしても凶器攻撃、それとユウの乱入もありますからね」

宮本「極悪同盟のペースにハマりやすいんですけど」

志生野アナ「そうですねぇ」

 

ここで突然長与トンパチが得意のマイクパフォーマンスを始めます。

 

長与「目には目をだよ!!」

長与「目だ、おめぇだ!!」(←相変わらず何を言っているかわからない)

 

 

場外では大ハッスルで、反則やりたい放題のクラッシュ(笑) リング内ではやりませんが、場外では唯一ベビーフェイスが凶器を持てますからね。

 

志生野アナ「なんと長与千種が鉄パイプを持っている!!」

志生野アナ「そしてダンプ松本が放送席の前!! 」

志生野アナ「さぁどうなるか」

志生野アナ「長与千種は阿部四郎にヘッドバット!!」

 

しかしここから極悪同盟が大逆襲。

 

 

飛鳥の腹に、ダンプが思いっきり竹刀で叩きまくる!! かなり痛そう!!

 

 

クレーンの場外での鉄パイプ攻撃。

 

 

ロッシー・モレノのパイプ椅子攻撃。長与はけっこうまともに喰らった感じがあります!!!

 

志生野アナ「椅子で攻撃しております」

志生野アナ「ちょっとこれは収拾がつきませんね」

志生野アナ「阿部四郎レフェリーでは無理でしょう」

志生野アナ「完全に極悪同盟はルールなんかヘノカッパであります!!」

志生野アナ「クラッシュギャルズはちゃんとした試合をしようとしていますが」

志生野アナ「これを許しません、極悪同盟。全くもう極悪非道の攻撃であります」

志生野アナ「極悪同盟とはよく名付けました、そしてデビル雅美も出て参りました」

志生野アナ「今度は極悪同盟はデビルに対して攻撃を加えております」

志生野アナ「一体、誰と誰が戦っているのか!?」

 

 

リングインしてからもさらに凶器の嵐。

 

志生野アナ「ダンプ松本とライオネス飛鳥、ファンの声援を背に・・おおっと」

志生野アナ「ライオネス飛鳥がいった!!! 今度はダンプ松本が返す!!」

志生野アナ「もうこれはレスリングではありません」

志生野アナ「レスリングではありません」

志生野アナ「もう阿部四郎も手を焼いております」

志生野アナ「さすがの阿部四郎が手を焼いた!!」

志生野アナ「この凶器攻撃はなんとかしないと!!」

志生野アナ「ようやくいま阿部四郎が凶器を取り上げました」

 

序盤から中盤までで荒れにあれています。

 

 

最終的にはロッシー・モレノをいじめるような形で、クラッシュが一本目を先取です。ちょっとやりすぎてないか!?

 

志生野アナ「これでもか、これでもか」

志生野アナ「徹底的に攻め続けたクラッシュギャルズ」

志生野アナ「鮮やかな一本であります」

 

 

2本目

 

 

このラウンドは極悪の得意技「凶器の密輸」のテクニックが見て取れます。

 

まずダンプがフォークを背中に入れて、それをクレーンが受け取り、ダンプが何も持っていないことをアピール。

続いてクレーンからダンプにフォークが渡り、それをすぐに阿部四郎へ手渡し。

そしてダンプの凶器を持っていないアピールの後に、阿部四郎からダンプへ、そしてダンプから阿部四郎へと凶器が渡ります。プロのマフィアのように密輸が行われます。

当然ファンには見えるようにわざと大げさにやっているので、周知の事実なのですが、クラッシュからは、なぜか見えないという設定になっているので、今見ても面白いです。

 

志生野アナ「いま密かにクレーン・ユウから凶器が手渡されました」

志生野アナ「なんと阿部四郎レフェリーに渡されました」

志生野アナ「はっきりしてきましたね」

志生野アナ「なんとレフェリーの阿部四郎が凶器攻撃の片棒を担いだ」

志生野アナ「そしていまダンプ松本がいく」

 

ダンプ、クレーン、阿部四郎の連携も見事ですが、相手のクラッシュの逃げ方、嫌がり方、それでも立ち向かうクラッシュの姿、そしてお客様のインチキを許せない絶叫、怒号、すべてが集約されています。全部が噛み合っていると思います。

 

 

ダンプのフォーク攻撃から真面目に逃げまくる飛鳥が、リアリティを増します。もっともフォークで刺されることが分かっているので、逃げるのは当然なんでしょうが・・(^^;

 

長与は喜んでフォーク攻撃を受けます(笑)

 

志生野アナ「ファンはこういった行為を許しません!!」

志生野アナ「ああーっと、長与の額にいっぱーつ!!」

志生野アナ「命中、額が割られる、額が割られます!!」

志生野アナ「これはレフェリー経由の凶器攻撃ですからどうしようもありません」

 

 

その後、長与をモレノと徹底的に攻め、パイルドライバーからの凶器攻撃。阿部四郎の高速スリーカウントにて2本目をとりました。

 

志生野アナ「カウントが早い、ああーっとあっという間に入ってしまいました!!」

志生野アナ「非難轟々であります、超満員のお客様」

志生野アナ「しかし全く阿部四郎には通用しません」

志生野アナ「いやー、こんなことがあっていいのか!?」

お客様「レフェリー変えろ!! レフェリー変えろ!! レフェリー変えろ!! レフェリー変えろ!! 」

 

お客様もタイミングがバッチリすぎて怖いです。

 

 

なぜかデビルまで登場。

 

志生野アナ「ファンの怒りが収まりません」

志生野アナ「普通ならば絶対に許されない行為です」

志生野アナ「一本一本になりました」

志生野アナ「デビル雅美が血相を変えております」

 

 

3本目

 

3本目は序盤からダンプの凶器攻撃が爆発。

 

 

ダンプが飛鳥を場外に引きずりおろし、メリケンサックのようなもので徹底的な凶器攻撃。

ここで飛鳥の額が割れて血だらけに!!

さらに放送席を襲撃して、暴走状態に入ります。

 

志生野アナ「ダンプ松本が放送席の前で徹底的な凶器攻撃で」

志生野アナ「3本目を取ろうとしているのか!?」

志生野アナ「ああーっとカメラマンにいった!!」

志生野アナ「ああー、危ない、放送席の机を凶器に使っているダンプ松本!!」

志生野アナ「デビル雅美がやられた!!」

志生野アナ「そしてまたライオネス飛鳥がやられました」

志生野アナ「放送席が完全に破壊されてしまいました!!」

志生野アナ「宮本さん、なんとかリングの上に選手が戻ってほしいですね」

志生野アナ「このままじゃどうしようもない」

 

放送席がメチャクチャになり、選手がどこにいるのかもよく分かりません。

 

 

珍しく飛鳥がフラフラ。凶器攻撃で額で血で染めてから、頭を打ったのか動きが悪いです。

 

志生野アナ「またもや凶器攻撃であります!!」

志生野アナ「いまダンプが使っている凶器ですが、5本の指に綺麗に入るようになっていますね」

志生野アナ「あれで額をやられたんじゃ、どうしようもありません」

志生野アナ「早くもライオネス飛鳥、鮮血に顔面がまみれております」

志生野アナ「そして長与千種も額を割っております」

志生野アナ「またも血を呼んだ後楽園ホール」

志生野アナ「最近は流血が日常茶飯事になってまいりました」

 

 

ダンプが捕まるとすぐにクレーンが場外から救出。そしてさらにチェーン攻撃。

ここまでレスリングをしない凶器だらけの試合も、ちょっと他に見ないかも・・。

おそらく、ダンプはここまでまともなレスリング技をひとつも出していないと思います。

 

 

ようやく飛鳥がダンプを捕まえてジャイアントスイング・・と思ったら、伏兵のロッシー・モレノが黒帯で襲い掛かります。ロッシー・モレノは体操選手のようにしなやかで腰高なので、運動神経は相当に良さそうに見えます。

 

 

ここでダンプを退けた飛鳥が、ロッシー・モレノにジャイアントスイングを決めました。

かなりダメージを受けていた飛鳥ですが、ものすごいファイトです。さすがは飛鳥。

これで決まるかと思いきや、カウントを取らない阿部四郎。スリーカウントをとっても良かった感じもしますが、さらにファンをムカつかせる行動をとってきます。

そして舞台は場外へ。

 

 

ダンプは長与を鉄柵へ。

阿部四郎のカウントがリミットに迫ります。

そして、カウント20で飛鳥がギリギリでリングインしたように見えましたが、阿部四郎は両者リングアウトの裁定のようです。

 

志生野アナ「誰も戻れない!!」

志生野アナ「ああーっと、どうでしょうか、ライオネス飛鳥が入っていたか!?」

志生野アナ「ゴングが打ち鳴らされました」

氏家アナ「両チームとも場外カウントアウト!!」


 

デビル「あがったでしょ、あがったよね!?」

志生野アナ「完全に入っていた、私は入っていた、デビルと飛鳥がファンにアピールしております」

志生野アナ「しかし阿部四郎ではどうしようもありません」

志生野アナ「仕方がないでしょうか、宮本さん」

宮本「レフェリーの判定が下ってしまったので、しょうがないですけども」

宮本「私の中ではカウント19で入ったとは思いますがね」

デビル「なんで、あがったでしょー!!」

 

なぜかクラッシュよりも猛プッシュするデビル。

 

 

志生野アナ「お客様、クラッシュギャルズ、収まりせん!!」

志生野アナ「いつもこういった後味が悪いといいますか、なにかすっきりしない結末になるんですよね」

宮本「極悪同盟も今年はクラッシュのWWWAのベルトを取ると宣言していますし」

宮本「それのアピールの第一弾だったのかもしれませんね」

志生野アナ「クラッシュの持っているWWWAのチャンピオンベルト」

志生野アナ「虎視眈々と狙っていまして、今年はこれを絶対に取ると宣言しております」

志生野アナ「改めてファンの声援に応えてもらいたいクラッシュ!!」

 

勝ちはしないが、負けもしない。

何か後味の悪いレフェリー判定によって、お客様をムカつかせるダンプと阿部四郎の作戦勝ちでしょう。ここまでお客様をエキサイトさせて、心の底から怒らせるレスラーはなかなかいません。ダンプを殺したいクラッシュファンが激増した理由が分かった感じがします(笑)

 

 

今日の凶器 竹刀、フォーク、鉄パイプ、栓抜き、黒帯、メリケンサック、チェーン