
1985/2/25 大田区体育館 山崎五紀vsブル中野
元の動画が見つからないので、見つかり次第リンクを追加します。
(↓AIでフルハイビジョンに変換した動画です。試合部分のみ抜粋)
今回は1985/2/25の大田区体育館で行われた山崎五紀vsブル中野の全日本選手権を見ていこうかと思います。 この試合は同日に行われたWWWAタッグ選手権(クラッシュvs極悪)の前座的な位置づけですね。
まずはブル中野の入場。阿部四郎を先頭に入場します。
志生野アナ「阿部四郎レフェリーの姿がチラッと見えました」
志生野アナ「その後ろからブル中野がどうやらあがって参ります」
志生野アナ「ご覧ください。いよいよ悪にエスカレートしております」
志生野アナ「不敵な表情の緊張感の中に緊張感が走るブル中野」
チャンピオンの山崎はSPのような男性にガードされての入場。全女の会社の社員でしょうか。ベルトをブルに見せつけてアピールしています。
志生野アナ「歓声がひときわ高くなりまして、山崎五紀の入場です」
志生野アナ「しっかりとチャンピオンベルトをみせました」
志生野アナ「そして、そのベルトをいまブル中野に見せました」
志生野アナ「なにか挑発した感じであります」
志生野アナ「さて、全日本選手権といえばスター選手への登竜門といいますか」
志生野アナ「このチャンピオンベルトをいったん手にしないことにはビッグになれないと」
志生野アナ「言われていましたね」
宮本「過去の歴代のチャンピオンを見ましてもですね」
宮本「横田を筆頭に、デビル、飛鳥と続いていますからね」
宮本さん、松本も4代目チャンピオンであることをお忘れなく。きちんと解説してください。
さらにブルはジュニアチャンピオンを返還。
志生野アナ「それからブル中野、いまジュニアのチャンピオンベルトを」
志生野アナ「ゆっくりと持ってまいりまして、これまた返上いたしました」
志生野アナ「実はブル中野選手は小倉由美選手からジュニアのチャンピオンベルトを」
志生野アナ「奪っておりましたが、今日この一戦のためにジュニアの」
志生野アナ「チャンピオンベルトを返上いたしまして、山崎五紀の」
志生野アナ「全日本に挑戦することが決定しているわけであります」
志生野アナ「より大きく、より逞しく、ブル中野」
志生野アナ「この人ほど最近、大きく変身をみせた人はいません」
全日本選手権を獲るためには、ジュニアは返上しないといけないというルールなんですね。
ブルは半刈りスタイル、さらに髪の毛をブルーに染めています。この試合にかける意気込みが伝わってきます。ダンプに無理やりブルーにさせられたのか、自分からブルーにしたのか知りたいところです。
このブルーの髪の毛、考えてみると後年のブル中野女帝時代のルーツかもしりませんね。
志生野アナ「より過激に変身、ブル中野」
志生野アナ「中野恵子といって、リングに上がった新人の頃とは本当に見違えるように」
志生野アナ「変身ぶり。この人がこれほど過激に変身するとはファン皆さんも」
志生野アナ「思っていなかったんですけど、逆にいえば見事なもんですよね」
宮本「この根性には敬服しますよね」
志生野アナ「とにかく髪を染め、顔を絵具で塗りたくり、髪を剃る」
志生野アナ「現在極悪同盟No.3にのし上げりました」
顔の絵の具の半刈りもダンプに無理やりやられたようですが(笑)
ということで試合開始です。
志生野アナ「まず先制攻撃を仕掛けたのは山崎五紀」
志生野アナ「すごいでしょ、ブル中尾って人は」←中尾じゃないです
志生野アナ「ブルドーザー中野の略なんですけどね」
志生野アナ「極悪同盟では一番の新人なんですけど、一番大きく成長しました」
志生野アナ「レフェリーは阿部四郎、そして極悪の面々がリングサイドに姿をみせております」
志生野アナ「実は今日はダンプ松本、クレーン・ユウは最後の試合でWWWAタッグに」
志生野アナ「挑戦するんですけれども、ひょっとしてこの試合にブル中野が勝ち」
志生野アナ「最後の試合に極悪同盟の2人が勝つようなことがあると」
志生野アナ「全日本女子プロレスは完全に極悪同盟の世界になると」
志生野アナ「そういった意味では今日は執念の一日になることになります」
場外戦では山崎を放送席に叩きつけ、鉄柱に投げつけます。ヒールらしく、場外戦ではかなり優位に試合を進めています。だいぶ吹っ切れました。
早くもダンプがリング内に助っ人で登場。クレーンもリングサイドで待機。
志生野アナ「なにかダンプ松本選手が、こちらに持ってこいというジェスチャーで」
志生野アナ「中野を誘っております」
志生野アナ「やはりダンプ松本の力を借りるようであります」
志生野アナ「やはり出てまいりました、ダンプ松本」
志生野アナ「髪を何色と言ったらいいんでしょうか、ピンク色に染めての登場であります」
山崎がコーナーに追い詰められて、3対1でやられ放題。
こりゃ、どうしようもできませんね。
志生野アナ「ああーっと今度はロッシー・モレノが出てまいりました」
志生野アナ「そして、なんとギャラクティカが出てまいりました」
志生野アナ「いやいやいや、またもや3人攻撃であります」
志生野アナ「先ほどの私の紹介は完全に間違っておりました」
志生野アナ「ダンフ松本、クレーン・ユウのほかに、なんと」
志生野アナ「ロッシー・モレノ、ラ・ギャラクティカもいました」
志生野アナ「そうしますと、一対何になるんですか」
いや~、山崎には悪いけど、これは面白すぎます。メキシココンビは本当に極悪に対して協力的というか、よくプロレスが分かっているというか、素晴らしいです。
仲良く並ぶ、ラ・ギャラクティカと、クレーン・ユウ。
そして横にはダンプ松本。
これって、ブルへのプレッシャーにもなっていないか!?(笑)
いや、やはり先輩たちはブルには心強いはずです!!(^^;汗
場外ではピラニアの群れのように、極悪軍団が生け贄を待っています。
ピラニアが多すぎて、山崎が哀れになってきました笑
宮本「場外にでると集団リンクになりますね」
志生野アナ「いやぁ、宮本さんね。集団リンチそのものであります」
宮本「山崎選手のファイトスタイルは非常にリズムを大切にして」
宮本「こういう状態では気が散りますよね」
山崎がブルを四の字固めで痛めつけた後、プランチャーを敢行しますが、よけられてしまいます。
それどころかヒザを直接地面につけてしまったため、左ひざを痛めてしまいました。
志生野アナ「ヒザを打ちました、コンクリートの床でヒザを打ちました」
志生野アナ「山崎大丈夫か!? これは大きな空振りであります」
志生野アナ「全日本のタイトルは風前の灯」
宮本「トップロープにかけのぼってプランチャーに行ったんですが、中野選手が」
宮本「すかしたところに、ヒザを打ち付けましたね」
志生野アナ「これは大変なことになりました」
志生野アナ「もう試合にならないでしょう」
志生野アナ「いま痛めたヒザにサポーターを巻いて登場しました」
山崎のヒザを執拗に攻めるブル。踏ん切りがついたのか、容赦ないです。
ベビーフェイスが下手にテーピングなんかしたら、ヒールはそこを攻めるに決まっています。一番分かりやすいし、ヒールにとってもおいしい場面ですからね。
いまどきの時世ではネットニュースで問題になりそうなくらい、引きずる足に容赦ない攻撃を加えていきます。相手の弱点を「これでもかっ!!」というくらい攻められなければ、この時代はヒールとしてやっていけなかったんでしょう。
山崎がようやく反撃。この当時はそれほど仲良くなかった(と思われる)立野と、2人でブルにツープラトンのネックブリーカー。
阿部四郎がカウント「ワン」を入れたところで、すかさず山崎は腕をあげています。すでにピストルですかね。
思わず場外へエスケープした山崎ですが、そこにはダンプたちが待ち構えていて逃げ場はなし。
完全に包囲網にハマっています。
志生野アナ「山崎の足、ほとんど動いていません」
志生野アナ「そして鉄ハイプ攻撃」
志生野アナ「徹底的に場外でやられている、極悪同盟が折り重なるように集中攻撃」
志生野アナ「これが極悪同盟、血の結束、鉄の結束であります」
志生野アナ「かわいい3人目、新人ブル中野の今日はチャンピオン戦であります」
志生野アナ「ここまで徹底的に参画するとは思いませんでした」
志生野アナ「これは山崎、ちょっと危ないですね」
山崎を追い詰めるブル。再三フォールに持ち込みますが、カウントツーで返されます。
若干阿部四郎のカウントが遅いです。
これはわざとでしょうか。山崎の最後のマイクパフォーマンスのため、どうしても山崎を負けさせるわけにはいかなかったのか!? どうなんだ、阿部四郎!?
このあと、山崎が不死鳥のごとく復活してコーナーに駆け上りますが・・。
結局フクロ叩き(笑)
ここで阿部四郎がゴングを鳴らして終了。
どうせゴングを鳴らすならば、その前の山崎がフォールしたときに、高速で3つ取ったほうが良かったと思います。
ウエダ「この試合は中野恵子の反則負けとします」
ここで「ブル中野」ではなく、「中野恵子」と言ってしまうドジなウエダ!!!(笑)
リング上は大混乱。
すっかりプルもメイクが取れてしまっています。
志生野アナ「阿部四郎、反則を取りました」
志生野アナ「これは誰が見ても反則を取らなきゃいけない!!」
志生野アナ「ブル中野、反則負け」
志生野アナ「全日本のタイトル戦くらい、ブル中野は力があるんだから」
志生野アナ「正々堂々と戦ってもらいたいですね」
宮本「そうですね」
志生野アナ「どうしようもありません。チャンピオンベルトは帰って参りました」
志生野アナ「山崎選手、どうしたんでしょうか?」
志生野アナ「このままじゃ後に引けないですか」
宮本「どういう意味かわかりませんけど」
志生野アナ「もう決着はついていますが」
ウエダ「この試合は山崎五紀選手の反則勝負け、反則★☆」
相変わらず噛みまくるウエダ!!
志生野アナ「チャンピオンベルトを受け取ってはおりますが、こんなことで納得がいくか!!」
志生野アナ「そういった山崎五紀であります」
お客様「もう一回!!! もう一回!!! もう一回!!! もう一回!!! もう一回!!! もう一回!!! 」
志生野アナ「山崎五紀選手の心情を察して「もう一回」コールを送っておりますが」
志生野アナ「ウエダシンジコミッショショナー、認定書を渡しております」
志生野アナ「山崎五紀の気持ちはわかります」
このあと珍しく山崎がマイクを持ちます。
山崎「この試合、私にとって納得がいかないから」
山崎「全日本チャンピオンのベルトは返上させていただきます」
山崎「これからは立野と組み、クラッシュギャルズの持つタッグのベルトを」
山崎「取るためにがんばります」
志生野アナ「おおっと、山崎選手、なんと不敵な宣言だ」
志生野アナ「ブル中野の挑戦を退けはしましたが、自分もスッキリしないために」
志生野アナ「クラッシュギャルズが持っているWWWAの世界タッグへの挑戦を」
志生野アナ「宣言いたしました」
なんだこのセリフ棒読みみたいな展開は!!(笑)
山崎が嫌々にマイクを握っている感じが・・非常にするのですが・・(^^;
あからさまの筋書きに拍子抜けしました。
これってライオネス飛鳥vsマスクド・ユウと同じ展開ですね。
どうせ最初から返上するんだったら、がんばったブルにベルトを渡して、極悪リンチで華麗に散ってほしかったです。
会社としても、クラッシュの次に、「山崎・立野」を売り出したかったのでしょうから、山崎を無傷のままクラッシュに挑戦させたかったのでしょうが・・。いまみると最後がなんともお粗末な感じがしてきました。
今日の凶器 極悪乱入、ダンプの鉄パイプと竹刀
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