1985/3/19 勝田市民総合体育館 週刊ファイト4/2号

週刊ファイトの1985/4/2号に勝田市民総合体育館の試合の記事がありましたので見てみます。

 

 

まずはクラッシュの総評と、長与vsブル戦について書かれています。

 

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ジャパングランプリ 長与、中野を一蹴


ジャパン・グランプリさらに過熱!ーライオネス飛鳥がデビル雅美にフォール勝ちする波乱のスタートとなったフジTV杯争奪ジャパン・グランプリ。飛 鳥VS長与の"クラッシュ対決"が四月七日の東京・後楽園 ホールに決まったこともあって 段と盛り上がっております。 三月十九日の勝田市民総合体育館では大森ゆかりーダンプ松本、長与千種ーブル中野の公式 戦が行われ、タンプを血ダルマにした大森が阿部レフェリーの"疑惑のカウント"に敗れるという波乱が起きた。長与は中野を寄せつけず、豪快な原爆固めで快勝。クラッシュは"4・7"に向けてエンジン全開だ。
 

先週号で速報したとおりクラッシュ対決が"4・7" 後楽園ホールに決定というニュースは、ファン、関係者のあいだで大反響。 毎度お馴じみ小川宏サン(全日 本女子プロレス・広報担当デス) によると「いやあファイト野郎サン、もう大変ですよ。後楽園大会は四月六日、七日の連日興行なんですが、六日の方は最初から売り切れの状態だったし、七日の方も開催が本決まると同時にすごい売れ行きなんです。この分だと、両日とも当日までに完売ということになりそうですネ」とのこと。
なにしろクラッシュ対決の舞台に関しては、二転三転したのは皆さんご存じのとおり。最初は四月二日の名古屋・愛知県体育館で行われる予定だったが、クラッシュのWWWA世界タッグ奪回戦が入ってきたためジャンボ堀vs大森ゆかりのダイナマイト対決に変更。


「スプリング・センセーション のスケジュールがすべて決まっていることから、今シリーズ中のクラッシュ対決はないものと思われたわけだが、(ジャパングランプリは五月十六日開幕の時期シリーズにまたがって行われる)

 

ところが飛鳥、長与自身とフジ TVサイドの強い希望もあって、 急きょ"4・7"後楽園へ組み込まれることになったわけだ。ファイト読者ならクラッシュの2人がこの決定に大喜びしていることは説明するまでもないでしょう。

とにかく、ジャパングランプリ開催が本決まりになった時点から「一日でも早く対決したい」と強く望んでいたほどだからね。

後楽園決戦の当日は多数の報道陣が詰めかけることが予想される が、二人とも「取材はシャットアウトしてください」と小川サンに 申し入れてきたという。
いつもなら、できるかぎりマス コミの取材に協力しようとするクラッシュだが、今回ばかりは応じ る余裕がないというもの。それだけ二人の対決から"新しいクラ ュ・ギャルズ"を生みだそうと いう意欲の表れだ。

 

長与が本紙のインタビューで答 えたように「(クラッシュ対決の当日は)歓声よりタメ息が聞こえてくるような試合にしたい」が クラッシュの気持ちを表現している。
クラッシュ対決が決まって一段と燃える二人の気持ちが「スプリングー」開幕戦の3・15 松戸大会で行われた飛鳥ーデビル戦 に象徴されたのは本紙でリポートしたとおり。
リーグ戦優勝の大本命に推されているデビルに対し、飛鳥が延髄斬り三連発から必殺のャイアントスイングを決めてフォール勝ちを奪った。

大減量作戦に成功してハッスルするデビルの気迫を、飛鳥のハッスル・ファイトが上回ったわけだ。この飛鳥の好調な動きは、その まま長与にも伝わっている。三月十九日の勝田大会(小会場ですが、またまたニ千五百人の超満員でした)ではブル中野と公式リ グ戦で対戦した長与。

中野も先の「新春チャンピオン ・S」でブル中野と改名し、正式に極悪同盟の一員になって以来、大いに実力をアップしているが、 精神的に充実している長与にはかなわない。
激しいキック、パイルドライバー、ニールキックで圧倒した長与は、グラウンドでも中野を寄せつけず、最後はみごとなタイミングで原爆固めを決めてリーグ戦初戦を飾った。

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ダンプ、ユウが中野の助っ人に入らなかったこともあるが、長与が気合を入れて闘えば、まったく中野を寄せつけないこと証明した一戦。とくにグラウンドでの圧倒ぶりはみごとだったね。
このクラッシュの熱気が他の選手にも伝わってジャパングランプリ全体がエキサイティングな展開となっている。

勝田大会ではダンプ松本-大森ゆかりの公式リーグ戦も行われたが、壮絶な流血戦となった。

シングルの公式シングル戦開幕ということで"休火山"といわれた大森が大爆発。
あのダンプを相手にボディスラムを三連発。さらに雪崩式バ ックフリップまで決めたのだから、凄い。

百キロのダンプを相手にしての、 このパワー殺法は、大森だけにしか見せられないもの。ジャパン・グランプリにあたって、首脳陣がもっとも期待したことのひと つに「堀、大森が実力を発揮してパワー殺法を全開させること」があったが、その期待に応える大暴れだ。
ところが、大森にとって不運だ ったのは、レフェリーが阿部四郎だったこと。クレーン・ユウが 例によってダンプのセコンドについたが、他のレフェリーなら厳しくするはずのところも、阿部がレフェリーでは...というもの。
ユウからフォークを受けとったダンプは、大森に襲いかかった。大森は判断よくこのフォーク を奪って、ダンプの額をメッタ突き。
さらにダンプの左腕に突きたてると、フォークが上腕部にダラ~ンとぶらさがってしまったのだから凄い。凶器攻撃は必ずしも感心できないが、それだけ大森の闘志が伝わってくる場面だ。
しかし、大森がダイビング・ポ ディープレスに失敗したところを ダンプがカバーすると、阿部があっという間にカウント3を入れて しまった。普通ならカウント2どころか、カウント1というところだったね。

大森は手痛い一敗を喫してしまったわけだが、内容的には極悪同盟のドン・ダンプを圧倒した。この調子で闘っていけば、デビルにつづいて大森が優勝戦線に食い込ん でくることが十分に考えられる。 クラッシュ対決の熱気に刺激されたのか、参加選手全員が凄い勢いで星争いを展開しているのがポイントだ。
決勝戦は六月二十五日、東京・ 品川の品川プリンスホテル・アイスアリーナで行われることに決定。 この品川決戦に勝ち残るのは だれとだれか?まさに興味津々のマッチレースとなってきた。
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この記事を見ると、ダンプの流血とフォークを刺されたことにより、阿部四郎が超高速カウントで終わらせたみたいですね。ダンプの流血がひどいことや、テレビ放送できるのかを阿部四郎も考えて、無理やりに試合を終わらせたのかもしれません。それだけ阿部四郎は興行として試合を見ているので、大森がブチ切れてフォークを刺したところで、すぐに判断したんでしょう。