週刊プロレスの1985/4/9号より、引用します。
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"充電"の成果が現れた飛鳥、長与とも好発進!
"春の衝撃"が、忘れかけていた闘いの緊張感を呼び戻し、リング 上に好勝負を生んだ・・。
「スプリング・センセーション'85」 が開幕した。このシリーズの目玉企画といえば「フジテレビ杯争奪ジャパン・グランプリ」の第1次リーグである。
3月15日、松戸市運動公園体育館での開幕戦では、公式戦として優勝候補の双璧といわれる、デビル雅美とライオネス飛鳥が貴重な争いを繰り広げた。
シングルの総当たりリーグ戦は このところ食傷気味だった、クラ ッシュ・ギャルズと極悪同盟の抗争に区切りをつける意味では、グッド・タイミングである。
レスラーは、個人闘争なくして 真価を得られない。
飛鳥は試合前「試合の組み立てが定まらない・・・」と迷いにも似た独特の緊張感に包まれていた。ところが、飛鳥の持っていた緊張感は、相対するデビルにもデュエットのごとく "連鎖反応"したのだった。
それは、かつて軍団のドンとしてニラミを効かせていた、デビルの凄味をよみがえらせたのだ。
このリーグ戦、当然の如く優勝 を狙うデビルからは、その表情ひとつをとってみても、明らかに意識の変化がうかがえる。結果はピ ンフォールで飛鳥が勝った。
彼女の好きな言葉である さり げなく過激〟の精神を実践した・・・ ・・・価値ある1勝だ!
い女は美しいのであります。
この日の勝田大会では、長与千種-ブル中野戦も行われた。クラッシュ対決が4月7日・後楽園大会に決まっただけに「クラッシュ対決への小手調べ」(試合後の話) と長与は、グラウンド・レスリングから入ってスタンドではキック を飛ばす余裕のある試合運びで、 格下の中野をほんろうした。
「ショート・カットですか? ええ、まあ、心境の変化ですよ。ちょっと悩みがあった、とでも言っておこうかな・・・」
と、開幕前にさらに短くした髪に手をやり、微笑を浮かべる長与。 その決意がリング上で、いい方向に作用してほしいものだ。(宍倉)
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「小手調べ」とはひどい扱いですね。この頃の中野はかなり意識も変わって強くなり始めたころですから、簡単には倒せる相手ではなかったとは思うんですが。記事によると、長与が余裕のフォール勝ちを収めたようです。
ジャーマンで長与の勝利。
3年目の中野は孤軍奮闘を見せますが、全員先輩だらけでこの大会は全敗だったと思います。しかし、負ければそれ分だけ強くなったのが中野。後の成長につながりましたね。