
1985/4/3 相模原市総合体育館 クレーン・ユウvsブル中野
元の動画が見つからないので、見つかり次第リンクを追加します。
(↓AIでフルハイビジョンに変換した動画です。試合部分のみ抜粋)
今回はジャパン・グランプリでの極悪同盟同士の対戦、クレーン・ユウvsブル中野を見ていこうかと思います。クレーンは4/26の鹿島で引退となりますので、極悪入門後のクレーンとブルの直接の対戦は、これが最初で最後となります。
まずはブルの入場。
(静かですが、気合が入っている感じがします)
志生野アナ「ブル中野がいま速い感じで、サッサッと花道を通って」
志生野アナ「リングサイドに姿を現しました」
志生野アナ「ヌンチャクを持っております」
志生野アナ「そしてなんと、鎖までもって入場であります。いい根性をしております」
鎖を持っての入場です。ブルなりに今日の一戦は凶器をガンガン出していこうという意気込みが感じられます。
志生野アナ「極悪同盟、続いてNo.2 クレーンユウの登場です」
志生野アナ「クレーン・ユウも何か武器を持っているようだ」
志生野アナ「これまたヌンチャクを持っている」
志生野アナ「左の肩にはチェーンですね」
一方、クレーンまでヌンチャクを持っています!!(笑)
山崎照朝先生にサンパン合宿の時に2人でヌンチャクを習っていましたが、クレーンはヌンチャクに飽きて捨てたと思っていたのに!!!(笑)
この樫の木のヌンチャクは間違いなく山崎先生からもらったものでしょう。
(きちんと保管していたのに驚きです)
志生野アナ「ブル中野が大きな脚光を浴びいてるのですが」
志生野アナ「もともと気が強いほうじゃないでしょう?」
解説「気は弱いほうでしょう」
解説「だから試合前に必ず『中野恵子行きます』って自分で気合を入れています」
志生野アナ「今日は先輩のクレーン・ユウとの試合ということもありまして」
志生野アナ「どういう戦いをするか」
志生野アナ「お互いにヌンチャクを持っていますが」
解説「2人ともヌンチャクはサイパン特訓で覚えたんですよ」
ブルはクレーンがヌンチャクを諦めたことを確認して、特訓を始めたはずですが、まさかのクレーンのヌンチャクアピールに、ブルはビックリしたかもしれませんね。
とはいえ、ヌンチャクの扱い方が雑なクレーン(笑)
全然練習していないので、仕方ありません。(笑)
ここでゴング開始。
志生野アナ「ブル中野とクレーン・ユウの対決というのは」
志生野アナ「フジテレビ杯ジャパングランプリという企画がなければ」
志生野アナ「絶対に実現しないカードであります」
志生野アナ「ファンの皆様も極悪同盟同士ですが、相当に興味をもってますよ」
解説「ただ、ちょっと飲まれている感じがします、ブル中野が」
クレーンが試合の主導権を握ったまま進めていきます。
志生野アナ「最近ブル中野が脚光をあびて人気がありますでしょう」
志生野アナ「ファンのあいだでは、早くもダンプ松本は極悪同盟のドンなんですけど」
志生野アナ「この試合はNo.2,No.3をかけた試合になるんじゃないかと」
志生野アナ「これでブル中野が勝つようなことがあると」
志生野アナ「クレーン・ユウはNo.2を滑る可能性があるのではないかと」
解説「可能性もあるでしょうね」
志生野アナ「ひそかにそういうものもあるんじゃないでしょうか」
解説「しかしクレーン・ユウは先輩の意地で負けられない」
解説「ブル中野は負けて元々という気持ちもありますから、やりやすいですね」
解説「だからどんどん攻めればいいんですよ」
ブルが投げようとすると、クレーンに投げられてしまい、ブルが噛みつくと、今度はクレーンに噛みつかれてしまいます。
志生野アナ「クレーン・ユウとブル中野、ともに大きな体をしております」
志生野アナ「お互いに噛みつきです」
志生野アナ「チェーンとヌンチャクをもって、それぞれのコーナーに登場した両選手」
志生野アナ「久しぶりのシングル戦であります」
志生野アナ「そして滅多に実現できないカードを迎えております」
解説「まだブル中野が「中野恵子」時代に2,3回試合をしてますね」
ファン「プルがんばってぇ~」
志生野アナ「ファンの声援はブル中野に多いみたいですね」
解説「やっぱり年齢もあるでしょう」
志生野アナ「がんばれという声援が多いようであれます」
志生野アナ「」
志生野アナ「」
ちなみに観客の声援は圧倒的にブル中野のほうが多いです。
若いからと解説されていますが、おそらく「中野恵子」時代から知っているクラッシュミーハーファンが多いため、感情移入しやすいのかと思います。
ついにブルがヌンチャク攻撃を開始。
解説「中野のほうが先に凶器を使いました。これは中野のやる気を変えますよ」
志生野アナ「やりましたね」
解説「なかなか先輩には、これは行けないですよ」
志生野アナ「しかしクレーン・ユウも黙っていないと思います」
その後、クレーンがヌンチャクを奪ってお返し。
志生野アナ「クレーン・ユウのヌンチャク攻撃」
志生野アナ「ようやくクレーン・ユウもスロースターターなんですけど」
志生野アナ「相当気合が乗ってきましたね」
解説「使わせてから使う、先輩のアレでしょうね」
解説「中野が先に使うのは当然だと思いますね」
クレーンとブルの試合は、ダンプ戦のような凄惨な試合ではなく、意外とまっとうな試合になっています。受け身も凶器もこなすクレーンと、実力派志向のブルですから、凶器のオンパレードとはならないようです。
志生野アナ「ちょっと前まで中野恵子という新人レスラーとしてファンの声援を」
志生野アナ「受けていました。それが一転して極悪同盟入り」
志生野アナ「まずはファンよりも選手がびっくりしたそうです」
解説「僕らも知らなかったもんですから。髪の毛を切ったときは飛び上がりました」
志生野アナ「松永俊国さんに言わせますと、永友加奈子、小倉由美、そして小松美加」
志生野アナ「同期生なんですが、極悪同盟に入った瞬間に首一つリードしたと」
解説「それに賭ける熱意というか、そういうもので一歩リードしたかもれしません」
志生野アナ「その決心といいますか、変身ぶりが鮮やかでした」
解説「この間、ブル中野のお母さんがやってきて、話したんです」
解説「お母さんは『あの子の好きなようにやらせます』と」
解説「お母さんはあまり賛成してないようです」
志生野アナ「髪を染めるとか、半分剃るなんて反対しますよ」
志生野アナ「ブル中野はお母さんはとっても理解がありまして、女子プロレスに」
志生野アナ「入れと薦めたのもお母さんなんですけど」
志生野アナ「お母さんの気持ちにこういって形で応えているという」
その後、ブルのヌンチャクアクションが披露されます。それに対し、さすがにアクションでは負けると思ったのか、クレーンは得意のパイプ椅子を持ち出します。
パイプ椅子の魔術師、クレーン・ユウの反撃が開始されます。
志生野アナ「ああーっと手に当たった!!」
解説「これは痛いですよ」
志生野アナ「クレーン・ユウが思い切った椅子攻撃!!」
志生野アナ「背中に一発いました。怒った怒った。今度は鉄パイプ攻撃」
「やるときはやる!!」というクレーンのパイプ椅子攻撃。
さらに鉄パイプ攻撃がさく裂。
志生野アナ「こういった洗礼は覚悟しているでしょう」
解説「今日、試合前に『徹底的にやります』と中野のほうがそういうんですよ」
志生野アナ「そうですか。」
解説「『私は徹底的にやります』と」
志生野アナ「あれだけ頭をやられたんじゃたまりません!!」
志生野アナ「クレーン・ユウもエンジンがかかるのが遅いんですが」
志生野アナ「この人はエンジンがかかると今度はとどまるところを知りません」
解説「大きなエンジンはかかりにくいですからね」
志生野アナ「ブル中野選手にクレーン・ユウの印象を聞きますと」
志生野アナ「なんともいえない不気味さを持っているというんですね、みんな」
解説「体が大きいですからね」
志生野アナ「どんなことを考えているのか分かりませんでしょ、この人は」
おそらくクレーンは不気味なのではなく、深く考えていないだけ・・という感じがしますが(笑)
しかし、この解説の人は誰だか知りませんが、デイリー出向の宮本より、かなりまともな事を言ってますね。
なんとブルがクレーンに対して、体当たり攻撃を仕掛けます。
体重ではクレーンのほうが圧倒的に上なのに、体当たりを仕掛けるのが負けん気の強いブルな感じがします。
そして2回も体当たりで、ブルはクレーンには押されますが倒れませんでした。すごい気合です。
(汗びっしょりのクレーン)
志生野アナ「ブル中野がチェーンを持ちました。首に巻いた!!」
志生野アナ「凶器攻撃では常に先手を取っております、ブル中野」
解説「これ、どうするんですかね」
解説「このまま行けば、今の態勢ではブル中野が有利ですね」
志生野アナ「本当に先輩に対しまして、よくやっております」
志生野アナ「本来極悪同盟には、小松美加、こういった選手も極悪同盟入りを表明しております」
解説「いや、今年の新人の半数が極悪同盟に決まっているんですよ」
志生野アナ「そうなんですよ。私が15人の選手にインタビューしたんですけども」
志生野アナ「極悪に入りたいという新人が多いのには、私も驚きました」
志生野アナ「やはりアピールするものがあるんでしょうね」
小松美加が極悪入りを表明していたんですね。
以前からダンプが「小松が入りたいんだって」と冗談のようにブルに話してけしかけていましたが、本当だったんですね。しかし小松の夢は叶わずだったようですが。
クレーンがチェーンを奪います。
この後、見たことがないチェーンでの首締めにかかります。首を絞めた状態でカナディアンバックブリーカーです。
これは下手すると窒息死しそうです・・。(^^;
解説「これはちょっと・・」
志生野アナ「このまま抱え上げるか?」
解説「これはギブアップでしょう」
志生野アナ「すごいですね、あれはたまりませんね」
ブルがさすがにギブアップ!!
志生野アナ「あるいは、という感じもありましたブル中野でありましたが」
志生野アナ「最後は凶器を持ったクレーン・ユウの文字通り凶器攻撃」
志生野アナ「これはたまりません、ギブアップ」
志生野アナ「あのままやっていたら」
解説「失神するでしょうね」
志生野アナ「失神いたします」
志生野アナ「最後はしかしクレーン・ユウも」
志生野アナ「妹分のブル中野、よくやったという感じで健闘をねぎらっておりました」
この試合、まだ3年目のブルがかなり健闘したと言えます。先手先手で凶器攻撃を繰り出した点に成長がみられますし、先輩のクレーン相手にも怖気づかない点も良かったです。
クレーンはまだ余裕があったように思います。クレーンは受けがうまいので、ブルに好きにやらせていて様な感じで、技も受けていたし、凶器攻撃もきちんと喰らっていた感じがあります。
凶器攻撃もストロングスタイルもこなす、クレーンとブルならではの見ごたえのある試合な感じがします。
クレーンは、ある程度ブルに見せ場を作った後、チェーン首吊りという荒業で仕留めました。この技はヒール同士だから、少々きつめの技をかけた、という感じでしょうか。それとも意外と普段も仕掛けていた技なのか。
最後はクレーンもブルの健闘を称えており、次の世代の急成長を感じたのかもしれませんね。
今日の凶器 チェーン、ヌンチャク、鉄パイプ