1985/4/19 雑誌「週刊ポスト」愛染恭子との対談 ダンプのレズ疑惑の始まり

1985/4/19の週刊ポストで、ダンプと愛染恭子が対談をしています。


1980年代にビデオデッキが普及していったきっかけはAVだと言われています。これはNetFlixの「全裸監督」を見ればわかるのですが、80年代に黒木香や美保純といったAV女優が台頭していました。愛染恭子もそんな雑誌を賑わしていた一人です。

 

「ダンプは処女」、「ダンプはレズ」というのは、おそらくこの記事から始まっていると思います。特に「レズ疑惑」に関しては、女子プロレスの世界には必ず付いて回ります。避けて通れない道です。当時私生活でもけっして素顔を見せなかったダンプだからこそ、面白おかしく書き立てます。もちろん、クラッシュも突っ込まれているはずですが、ダンプのほうがアイドルではないので、この手の話が多いですね。


後年ダンプが語っているのですが、家の購入価格や月収の話など、話してもいない内容が週刊誌で出回ったらしく、本雑誌の対談内容もかなり脚色している感じがします。このようなスクープ系の記事はゴシップネタが多いので今後も注意してみていかないといけません。

 

内容を引用してみます。

 

 

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女子プロレス極悪同盟のダンプ松本と「場外SEX乱闘」

 

「ねェ、女子プロレスって、見 たことある?」
フフフ、知ってますよ。夏になるとビア・ガーデンで、泥んこになっている、アレですね。 「ヤーネ、ああいうお色気ショーじゃなくて、いま少女たちの胸をときめかせている、過激スポーツよ。私、大ファンなの。 特に、ダンプ松本の凶暴さを見ているだけで、ジュンとして、 立てなくなっちゃう」
ウフフフ、やっぱり水着でや るんでしょ、セクシーですね、 スルッ。いいですよ、お呼びしましょう、そのダンプさん。

 

「何か勘違いしてないかなァ」
ダンプ松本、堂々百キロの巨体を震わせて登場!
ギャーッ!

 

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愛染「ウワーッ!(といってしばらく絶句)・・・ きょうはあくまで平和的にお話ししましょうね (笑い)。
ダンプ「リングを離れれば淑女とまではいかないけど、まァマトモですから。」
愛染「ホッ。それを聞いて一安 心。ちょっと触ってもいいかしら(とおずおずと腕に触れる)。さすが、鍛えぬかれた勇者の肉体。ところで女子プロレスの世界に入ったきっかけは何なのかしら? 」

ダンプ「私の高校時代はビュー ティペア(ジャッキー佐藤とマ キ上田)が人気絶調の時だったんです。すっごくジャッキーさんに憧れてこの世界に入ったんです。」
愛染「でも、ジャッキーさんは悪役ではなかったでしょ?」
タンプ「私だって最初から悪役のつもりで入ったわけじゃないんです。 はじめは松本香というかわいい名前で中途半端なレスラーをやっていたんだけど、 このままでは芽が出ないと思って自分から希望して悪役になったんです。」
愛染「そうねェー(としげしげとダンプをためつすがめつ)確かに香ちゃんよりダンプのほうが似合うわ。」
ダンプ「そうですね。だから今はとっても楽しいですよ。」
愛染「楽しいというのは、反則技で相手を痛めつけるのが?」

ダンプ「そうそう。血を見るのがとても快感!(笑い)。」

愛染「ウーン、さすが!」

ダンプ「それに私が登場すると 客がパーッと散るでしょ。あの瞬間が「ヤッタ!」って感じ。」

愛染「だけどけがをさせてはいけないということで、多少は手加減はするんでしょ?」
ダンプ「いえいえ、そんなこと考えたら負けちゃいます。まァ殺さない程度にと考えてます。」 愛染「殺さない程度!?」
ダンプ「「ヤバイ、死んじゃったかな」とリングの上でハッとしたことに何度もありますね。」
愛染「怖~い。」
ダンプ「完全に息をしなくなっ たのが一回。一度は鋏を使って反則攻撃してたらグサリという手応えがあった。でも鋏の傷も大したことではなく、気を失ったのも、単なる肋骨骨折とわかって、「なんだ」って拍子抜け でした。」

愛染「(一言もなし)。」
ダンプ「肋骨なんてすぐに折れ るものだし、大体、骨折くらいでは試合を休みませんよ。」

愛染「ウーム、すごいファイテ ング・スピリット。」
ダンプ「一試合やって幾らという歩合制ですからね。トップク ラスの人間でも 一試合勝っても五万円たらずだからハングリー精神のかたまりですよ。」
愛染「なるほど、なるほ ど。でも女性特有の悩みみ たいなものがあるでしょう?」

ダンプ「何、それ?」
愛染「たとえば、生理とか?」

ダンプ「全然、影響ないです。」

愛染「試合中に水着のわきからもれたとか?」
ダンプ「そんなものはタンポンで防げるよ。ただ引退したミミ萩原さんなんか、ヘアがはみ出しそうな水着だったから端だけ剃ってたけどね。」
愛染「プロレスの世界もヘアは タブーなんだ。」
ダンプ「ミミさんはエピソードがたくさんあって、水着が下だけ脱げたことがあるんです。」

愛染「ヘエーッ、客席はドッとわいたでしょうね。」
ダンプ「そう。美人にはやっかいなハンディが多いね。私なん か脱げても、見る人が気持ち悪がるだけだから気楽なもの。 」

愛染「(思わずコックリしてか慌てて)いえいえ、そんなこ とないですよ。グラマラスな肢体がとても・・・」

ダンプ「(ジロリと睨み)からかってるの。」

愛染「いえいえ、と、とんでも ない。な、なんだか今週は緊張するわね、アハハ。」
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男の体なんて気持ち悪いわ

愛染「ダンプさんの重要な武器 であるチェーンや鞭は自分で買 ってくるわけ?」
ダンプ「勿論、そうですよ。」

愛染「普通のお店には売ってな いでしょう?」
ダンプ「普通じゃないお店に行 けばいいでしょう。」
愛染「ごもっとも。でも、SM のお店に行くのは恥ずかしくな かった?」
ダンプ「必需品だからね。」

愛染「なるほど、私生活にも、 多少SMのケは?」
ダンプ「ん!?(とジロリ)。」

愛染「いや、冗談、冗談。ヤー ネー、そんなに睨まないで(笑い)。」
ダンプ「だけどチェーンを買い に行った店はちょっと独特な雰囲気なんですね。」
愛染「と、おっしゃると?」
ダンプ「ちょっぴり変わった目をした男ばっかりなのね。」
愛染「何となくわかった。」
ダンプ「要するにホモの人たちのためのアダルトショップだっ たんです。私も睨もうにも何か調子が狂っちゃって(笑い)。」

愛染「調子狂うわね(笑い)。」

ダンプ「売ってる物も男の裸とか、そういうものばっかり。気持ち悪かった。」
愛染「その現場をスクープしたら面白かったでしょうね。」

ダンプ「なぜ?」
愛染「「ホモショップに現われたダンプ」「実はダンプ松本はおかまだった!」(笑い)。」」
ダンプ「ハハハ、殺すよ、本当に(笑い)。」
愛染「許して(笑い)。ところでダンプさんの男性観をお訊きしたいんだけど。」
ダンプ「(きっぱりと)そんなものないですよ。」
愛染「えーッ、どうして?」
ダンプ「男なんて嫌いだもの。」
愛染「エーッ!」
ダンプ「いや、本当に。」
愛染「でも好きなタイプの男性っているでしょう? たとえば タレントさんなんかで。」
ダンプ「強いていえば中村雅俊さんなんか。人情味のある感じ 旅好きですけど。」

愛染「中村雅俊さんだったら、お床入りしてみたいと思う?」
ダンプ「いやいや、それは思わない。男と二人で歩きたいとも 思わない。」
愛染「フーム、でも、いままでの体験を...............。
ダンプ「(きっぱりと)私は処女ですから。超ウルトラ処女。男なんて気持ち悪いだけ、ガハハ。」

愛染「ウーン、私には全く信じられない感覚。」
ダンプ「私、愛染さんの『白目夢』を見て感心させられちゃっ たんです。」
愛染「どういうところに?」

ダンプ「よく、男なんかと抱き合って気持ち悪くなかったですね。」
愛染「ガクッ(笑い)。多くの女性は気持ちいい行為なのよ。」
ダンプ「らしいですね。私には本当にわからない、それが。」

愛染「ウーン、でも、ダンプさんにもお父さんはいるでしょ。 愛情を感じなかったのかな。」

ダンプ「そりゃ、親だから。で も小さい時から一緒に風呂に入ってペニスを見せられた時は、ひどく気持ち悪かったですよ。 だから父親のパンツと私のパンツを一緒に洗われるのもダメ。

愛染「可哀相なお父様(笑い)。」

ダンプ「いや、それは父に限りませんから。マネージャーもそ うです。着替えする時も私の見える範囲ではダメだって。とにかく男の体を見るのもイヤ。」

愛染「(かたわらの男性マネージ ャーに)苦労するねェ、あなたも(笑い)。」

山崎美貴ちゃんとデートしたい
 

愛染「男に興味のないことはわかったわ。」
ダンプ「うん。」
愛染「女のほうはどうなの?」

ダンプ「ハァ?」
愛染「だからレズビアン・・・・・ (恐る恐る切り出す)。」
ダンプ「(こだわる風もなく)そりゃ、男よりはるかにいい の、やるとしたら。でもまだやったことはないけど(笑い)」

愛染「ジャッキー佐藤さんのフ ァンだったわけでしょう?」
ダンプ「ええ。」
愛染「ただ強いから、尊敬できるからという理由で?」
ダンプ「いえいえ、もう、とにかくそばにいるだけでいいという感じ。」

愛楽「恋だわねぇ。そばにいた時期もあったんでしょう?」
ダンプ「わずかの間ですけど。そばにいた時はボー いた時はボーッとしちゃ って、足元がフラフラとフラついてました。」
愛染「じゃ、もしデートに誘われていたら?」
ダンプ「もう、ウキウキしちゃって大変でしょうね。」
愛染「その先まで誘われたら? 」

ダンプ「(照れて)いや、そんなの考えられないですから。」

愛染「仮にあったとしたら?」

ダンプ「その時になってみないとわからないですね。」

愛染「でも、男と寝るくらいだ ったら、そっちのほうがずっと いいんでしょう?」
ダンプ「それは絶対にそっちのほうがいいです(笑い)。」
愛染「これはそうした方面の素質は十分と見たぞ(笑い)。宝塚とか女子プロレスは男子禁制の女の園だからレズビアンはかなりあると思うけど。」
ダンプ「よくいわれますよ。でもどうかな。宝塚と違って女 子プロレスは闘う世界だから、 そういうことしてたらやっていられないんじゃ ないかな。
愛染「じゃ、少なくともダンプ さんの場合は、それはない?」

ダンプ「今のとこないですね。」

愛染「じゃ、どんな女の子だっ たらいいと思う?」
ダンプ「『おかわりシスターズ』 の山崎美貴ちゃんが好き。 」

愛染「お付き合いしたい?」

ダンプ「デートしたいと思う。それに守ってあげたい感じ。」

愛染「つまりは用心棒ね。」

ダンプ「それをいうならナイトといってほしい(笑い)。」
愛染「これは失礼! ナイトさ ま(笑い)。」
ダンプ「『オールナイトフジ』を見てると、鶴太郎さんがエッチなこといっていじめたり、ボルノ俳優がおさわりして美貴ちゃんを泣かしたりするところがあるのね。ああいうことをする連中は、 美貴ちゃんのためにぶっとばす べきだ、と(笑い)。」
愛染「おっかな~い。当人たちが聞いたら、ちぢみあがっちゃ うかもしれない。もちろんオチンチンのほうも(笑い)。」

ダンプ「ハッハッハ。」
愛染「それにしても美貴ちゃんはジャッキー佐藤さんとは、ずいぶんタイプも違うけど。」
ダンプ「それは私自身が大人になったというか、男になったというか・・」
愛染「うんうん、男になったねェ・・。スゴ~イお言葉。」
ダンプ「何か、変なふうに考えてるな(とチラリと睨む)。」
愛染「いえいえ、お気になさら ずに(笑い)。」
ダンプ「美貴ちゃんはとても可 愛いし、ブリッ子じゃないところもいい。」
愛染「それにグラマーで太腿もムッチリ、オッパイも・・・・・。」
ダンプ「何をいってるの。」
愛染「いえいえ、私の独り言。ナイトはそう簡単に怒っちゃダ メよ(笑い)。」
ダンプ「ハッハッハ。」
愛染「この前、クラッシュギャ ルズがテレビでダンプさんのことをボロクソにいっていたけ ど。「デブでお尻が描けない」 とか「音痴」とか(笑い)。」
ダンプ「これからはイジメの対象はクラッシュギャルズと、薬 貴ちゃんをいじめる男たちにしぼらせていただきます(笑い)。」

 愛染「カッコイイ(笑い)。」

ダンプ「とりわけクラッシュギャルズとはリングの上で決着を つけさせていただきます。」
愛染「(ウットリとして) オトコ らしくていいわ(笑い)。私もナイトが欲しい。」
ダンプ「実は愛染さんも、私の好みです。この白いモチ肌を叩きつけて、血に染めてみたい・・ ・エイッ!(といきなり愛染を持ちあげる)。」
愛染「ギョエ~!」
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いま改めて読んでみると、愛染恭子とダンプの話が全然嚙み合っていない感じがします。

愛染恭子はバリバリのAV女優なので、SEXの達人としてこの手の話に引き込んでいっています。少々「レズ」として誘導している感じがあります。

 

一方のダンプは恋話に関しては、ジャッキー佐藤ファンクラブの頃のままです(ちょっと失礼な言い方ですが)。男性経験の差なのか、老練なプロvs乙女みたいな、男性に対する価値観があまりに違いすぎます。

ダンプは幼少期に母親が父親にさんざん暴力を振るわれていた件があって、あまり男と関わりたくなかったんじゃないですかね。またダンプの性格上、正直に答えているところもあるかもしれません。また本記事には、ダンプの父親のことが一切登場しないので、週刊ポストがダンプを「レズ」認定させようと、父親の部分の話はカットして改変させた可能性があります。

 

こういう男話の対談になると、ダンプは途端に素の乙女が出てくるので、ギャップがいいところではあるのですが、だから週刊誌もこぞって、ダンプに面白がって下ネタ話を持ち掛けていたのかもしれません。

 

個人的にはなぜ愛染恭子と対談したのか理由がよくわからないし、対談する必要もなかったと思いますね。会社の仕事なので仕方ないですが(^^;