その②です。
★週刊ゴング 1985/5/16号より
血の海です・・下手なホラー映画よりも怖いです。カラーじゃなくて良かったかも・・。
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極悪同盟が血みどろの一騎打ちを展開!
エスカレートした松本とユウは仲間割れ
全日本女子プロレスのフジテ レビ杯争奪ジャパン・グランプ リ公式リーグ戦は、これまでタッグを組んでいたチーム・メイト同志が一騎打ちをすることで 話題を呼んだ。 また、長与vs飛鳥のクラッシュ対決、山崎vs立 野のフレッシュ対決、堀vs大森 のダイナマイト対決などが消化され、どれもがファンを魅了し、手に汗握る白熱の攻防を見せ、 好評を得ていた。
ところがここにきて、このリ ーグ戦は恐怖の対決まで生んで しまった。極悪同盟のダンプ松本とクレーン・ユウの極悪一騎打ちである。 4月26日、茨城・ 鹿島町立体育館において行なわれたのがその一戦。
レフェリーのボディ・チェックが済むとガッチリ握手を交わす松本とユウ。この時点では正正堂々と戦うかに思われた。ところが試合が始まるや、チョーク、顔面かきむしりと、どちらともなく反則攻撃の連続だ。 やがて松本にはブル中野が助っ人に入り、2人がかりの攻撃 だ。これには100キロの体重とパワーを誇るユウもたまったものではない。さらに松本はチェーンを持ち出してユウの顔面をメッタ打ち......。たちまちユウは大流血。
「本当にこれが、今までタッグ を組んでいた仲間なのか」 と、目を疑いたくなるような地獄絵図を展開。
試合はリングの内外を問わず、 血の海地獄と化し、エスカレートする一方。たまらずレフェリーは「ノーコンテスト」を宣告した。それでも松本とユウは戦いをやめようとせず、試合はいつの間にかケンカへと発展するありさま。この恐ろしい攻防に、見ているファンは悲鳴を上げるばかり...。
松本は中野とのコンビでユウを徹底的に痛めつけると、場内 マイクをつかみ、
「オマエなんかとは、もうタッグなんか組んでいられるか。極悪同盟から追放だ!」
と叫ぶ。これに応じてユウもニラミを効かす。
ユウは引退するというが、このままでは極悪同盟の血の対決は終わりそうもない
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写真を拡大してみます。
この試合がいかに苛烈であったかが写真からも分かります。
Youtubeの画像が汚いのであまり分かりませんが、とにかくすごい血の海だったんですね。
ダンプはベビーフェイス相手よりも、この試合のほうが徹底的にやった一戦だったと思います。
ユウがダンプに反撃している写真がありますが、ほぼダンプの攻めっぱなしでしたね。
★ファイトスペシャル1より
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極悪同盟のNo.2として、大いにクラッシ ュ・ギャルズを苦しめてきたクレーン・ユウこと本庄ゆかりは、さる4月26日の茨城 ・鹿島大会におけるダンプとの"極悪対決"を最後に引退、レフェリーに転向した。
何の前ぶれもない、突然の引退宣言。みんながビックリしたものだが、当のユウは 周囲の大騒ぎをよそに淡々としていた。 レスラーとしての頂点を迎えたが、ユウに は大きな"カベ"があった。
素顔の本庄ゆかりは、知る人ぞ知るお人よし。そんな気のいい性格が、ふとした拍子にファイトぶりにも出てしまうことが多 かったのだ。
ユウ自身も極悪の一員として暴れることに限界を感じていたのだろう。後輩のブル中野が成長してきたのを確認したかのように、引退の決意を固めていた。
現在、レフェリーとして豊富なキャリアを生かすユウは、新人選手たちの良き相談役でもある。自分にふさわしい立場を与えられたことで、極悪時代以上に表情はイキイキとしてきた。
こんなユウを見ていると、せめて引退試 合だけは正式に行って、引退のテンカウントを聞かせてあげたいと思わずにはおれない。
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「ファイトスペシャル」の記事ですが、これまた全女の創作話っぽいです。
「ユウは限界を感じていた」、「ブルの成長を確認」、「レフェリーになってイキイキとしている」・・など、いまとなっては違うことが分かますが、当時は「本当か?」と思いつつも信じてしまいます。
★女子プロレス物語より
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ナンバー2としてダンプの片腕的存在だったクレーン・ユウが突如レスラーをやめ、レフリ ーに転向することになった。ことのいきさつは、4月末の鹿島町立体育館での『フジテレビ杯争奪ジャパン・グランプリ」。この日、ダンプとクレーンはシングルで対決した。
ダンプ側にはブル中野、阿部四郎と極 悪メンバーがセコンドについたのに、クレーン・サイドには誰もつかず、最初から孤立無援の状況だった。 ゴングと同時に、ダンプは徹底した凶器攻撃でクレーンの顔面を割り、おびただしい出血で染めた。これで戦意を喪失したクレーンがあっさりフォール負け。期待された極悪対決もあっけない幕切れとなった。 試合の終ったリング上でダンプがクレーンに毒づいた。
「なんだ、今日のファイトは。極悪を名乗る資格もない。もうおまえとは縁を切ってやる」
これがあっさり現実となってしまったんだ。 クレーンも体力の限界にきていたことは確かだが、実際はダンプについて行けなくなったんだ。もともと性格的におとなしいクレーンにしてみれば、このところの 極悪狂気のエスカレートぶりには内心不安を感じていた。ブル中野のハッスルでやや影が薄くなっていた ところへきて、容赦のない凶器攻撃を、こともあろうにダンプに受けてクレーンの闘争本能が死んでしまったんだ。恐いと思ったそうだ。恐いと感じたら、もうリングには上れなくなる。
極悪同盟は新しく、ダンプ松本、ブル中野がコンビを組んでこれから闘っていくことになった。
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「クレーンがフォール負け」と、山崎先生の本は視聴でも分かるような間違いだらけです(笑)
この本によると「ダンプの狂気ぶりがエスカレートし、それをクレーンが不安を感じた。凶器攻撃を怖いと感じて闘争本能が死んだ」と書かれています。これもデタラメのようです。
当時はこのような記事ばかりで、本当に理由が分かりませんでした。
もっともプロレス雑誌自体が東スポみたいなものなので、ストーリー的に面白ければよいのかもしれませんが・・(^^;