1985/7/7 静岡産業館 ダンプ・デズリー・ドーンマリーvsデビル・大森・堀

Evito-X-PuroさんのYoutubeより

1985/7/7 静岡産業館 ダンプ・デズリー・ドンマリーvsデビル・大森・堀

 

 

(↓AIでフルハイビジョンに変換した動画です。試合のみを抜粋)

 
[AI FHD 60fps] 1985/7/7 静岡産業館 ダンプ・デスリー・ドンマリーvsデビル・大森・堀リンクwww.youtube.com

 

今回は1985/7/7に静岡産業館で行われた6人タッグマッチを見ていこうと思います。

 

まずは極悪の入場から。

 

 

阿部四郎を先頭に、ダンプ松本、デズリー・ピーターセン、ドーン・マリーと続きます。

 

志生野アナ「今日は極悪のコーナーですが、異色ですね」

志生野アナ「ダンプ松本、デズリー・ピーターセン、ドーン・マリーといった」

志生野アナ「外人2人を従えます、ダンプ松本」

志生野アナ「先陣を切っているのは阿部四郎、極悪レフェリーです」

志生野アナ「ドーン・マリー、日本に初めてやって参りました」

 

 

一方のベビーフェイス側はかなり強力な布陣です。

ダイナマイト・ギャルズの2人にデビルが加わっており、いままであまりない組み合わせの3人です。実力的にはクラッシュ以上ですね。

 

 

デビルは人気がありますね。

この頃のデビルには、クラッシュミーハーファンから紙テープが多く舞っています。

デビルは見た目はカーリーヘアっぽいヒール側の雰囲気ですが、長与千種が信頼する先輩という立ち位置であり、そこでのミーハー人気があったのでしょうか。クラッシュミーハーファンは選手を応援する基準が曖昧ですから、良く分かりません。

 

この着物風のガウンも相当にお値段がかかっているような感じです。

大森も茶髪にしているので、いまみるとベビーフェイス側も意外とワルそうな雰囲気が漂います。

 

さて、極悪側です。

 

 

ドーン・マリーさんです。ブラウンの髪で童顔な感じです。

そしてデズリーピーターセン。どうみてもデズリー・ピーターセンさんのほうがベビーフェイスの王道な感じです。投げキッスまでしていますし。

 

 

試合開始前からベビーフェイス側が揉め事を起こしています(^^;

 

志生野アナ「場内が沸いております」

志生野アナ「大森がデビルがそしてジャンボが阿部四郎に対しまして不審の気持ちを表しております」

志生野アナ「早くも小競り合いであります」

 

(揉め事を起こすベビーフェイス側に対し、外人チームのほうがベビーっぽい)

 

志生野アナ「デズリー・ピーターセン、ドーン・マリーといった外人2人を」

志生野アナ「今日はダンプ松本が従えているわけですが」

志生野アナ「このあたりを宮本さんはどうご覧になりますか」

宮本「やはりね」

宮本「外人選手ということで意思の疎通も十分ではないわけですよね

宮本「今日もブル中野、斉藤がセコンドについていますから」

宮本「十分フォローはしますが、リング上、あのーデビル、大森、堀、この大型3選手が」

宮本「揃ったトリオですから、松本も性根を入れてやらないと苦しいでしょうね」

 

「性根を入れてやらないと苦しい」という解説ですが、それってデズリーさんとドーンさんの実力がいまひとつということでしょうか(^^; 

 

ここでゴング。

 

 

志生野アナ「いまゴングが鳴って試合が始まりました」

志生野アナ「あーという間に場外、早くも場外戦であります」

志生野アナ「そしてデビルを首吊りか」

志生野アナ「まともな試合にはなりません」

志生野アナ「やはりブル中野や斉藤が出てくるみたいですね」

宮本「盛んに外人選手以上にやってますね」

志生野アナ「完全に3対5という感じになりました」

 

デズリーさんとダンプは、事前にきちんと場外乱闘の打ち合わせをしていたようです。奇襲に成功しています。意思疎通はそこそこは取れているようです。

 

ダンプからデズリー・ピーターセンにタッチ。

 

 

デズリーさんに関して、志生野さんが解説してくれています。

 

志生野アナ「デズリー・ピーターセンの出番であります」

志生野アナ「この人は大変な美人レスラーであります

志生野アナ「昨年日本にきたときに、週刊誌の表紙になりました

志生野アナ「大変ファンが多いということも本人も自覚しております」

志生野アナ「ダンプ松本と組んでその気の強さをいかんなく発揮しております」

志生野アナ「いまやウェンディ・リヒターに次ぐ人気選手だそうですね、アメリカでは」

志生野アナ「ベルベット・マッキンタイヤーと組んでチャンピオンベルトをとったとか」

宮本「そうですね、キャリアはそうある人ではないんですけどね」

宮本「まだ二十歳ですから

志生野アナ「ああ、そうですか、若いですね」

志生野アナ「それから日本に初めてやって参りましたドーン・マリー選手」

志生野アナ「この人も二十歳か19歳ですよね」

志生野アナ「顔に似合わず気が強いデズリー・ピーターセンであります」

 

デズリーさんは二十歳で、しかも前回来日したときに週刊誌の表紙になったそうです。どう見ても美人ですからね。クラッシュブーム以前の閑散期に、女子プロレスラーが表紙になることなんてそうありません。ある意味すごい方です。また年齢はダンプよりも若いです。外人選手はパッと見の年齢が良く分からないのですが、ドーン・マリーも19歳くらいと話していますので、クラッシュよりも若いですね。

 

 

志生野アナ「いまダンプの指示を受けて入ってまいりましたドーン・マリーであります」

志生野アナ「またノータッチで入って参りました」

志生野アナ「これまた気が強そうであります」

志生野アナ「ドーン・マリー選手ってのは若いんですが、体がいいですね」

宮本「そうですね」

志生野アナ「問題はテクニックでありますが、また披露されておりません」

 

ドーン・マリーさんは今一つ実力が分からないのですが、まだ19歳ということですから、老獪な試合展開はしてこないと思われます。

 

 

ドーン・マリーもよくみると、なかなか顔立ちが整っています。極悪チームのほうが美人が多いですね・・。

 

 

デズリー・ピーターセンが大森にやられますが、その後にブルが乱入。すかさずダンプも鉄パイプを持ってリングイン。

ベビーフェイス側では大森が一番厄介ですから、ダンプも鉄パイプを使わざるを得ません。いかに大森に技を出させないかが、極悪側(特にダンプ)にとっては重要だと思われます。

 

志生野アナ「おおっとブル中野が入ってきた、関係ない選手であります」

志生野アナ「そして早くも鉄パイプが出ました」

志生野アナ「早くも鉄パイプ攻撃、ダンプ松本」

志生野アナ「なるほど、今日は鉄パイプを持って入らないと

志生野アナ「赤コーナーの3人にはちょっと力の上で勝てないと判断したんでしょうか

宮本「そうですね、凶器でペースを握らないことには苦しいですよね」

志生野アナ「デズリー・ピーターセンとドーン・マリーもなんとかやっているんですが」

志生野アナ「ダンプ松本としては、ちょっと信頼できないという感じで

志生野アナ「信頼できる凶器を早くも取り出しております」

 

まぁデズリー・ピーターセンさんのヘタレっぷりは7/5の試合を見れば分かりましたので、ダンプもあまり当てにできません。

 

 

青コーナーに人が居過ぎ!!(笑)

デズリーとドーンも、ヒール役としてなんとか頑張っています。意外と健闘している感じです。

 

志生野アナ「リング上ではジャンボがいっている」

志生野アナ「まともな試合にはどうもなりそうにありません」

志生野アナ「デビルが狙われていますね」

志生野アナ「デビルがジャンボと大森を引っ張れば最強のトリオなんですけど」

志生野アナ「そのあたりは極悪同盟のドン・ダンプ松本のうまい作戦であります」

 

成り行き上、ダンプはデビルを反則でいたぶっていますが、大森もジャンボも体重があってやりにくいので自然とデビルに行った感じでしょうかね。

 

 

途中、デズリー・ピーターセンさんがやられいますが・・。

 

 

あっさりとやられます(^^;

 

志生野アナ「ドーン・マリーを捕まえた」

志生野アナ「熱狂的な日本のファン、そして」

志生野アナ「日本のレスリングに目を白黒させております」

志生野アナ「強烈な相打ちだ」

志生野アナ「阿部四郎はほとんどレフェリングをしておりません」

志生野アナ「カウントをゆっくりいれている、これではどうしようもない!」

志生野アナ「いやいや、完全についているが」

志生野アナ「これは阿部四郎に救われました、デズリー・ピーターセン」

 

デズリーさんはジャンボにパワーボムを喰らって瀕死ですが、阿部四郎の超低速なカウントで救われています。普通にカウントを入れたスリーカウント入りそうでした。

 

 

志生野アナ「ダンプ松本、斉藤あるいはブル中野の力を借りております」

志生野アナ「ブル中野が自分の試合のように頻繁にリング上に登場してまいります」

志生野アナ「3対5の試合になって参りました」

志生野アナ「大森ゆかりが鎖で巻きつけられました、手を痛めたようであります」

志生野アナ「ダンプとブル、2人の攻撃となりました」

志生野アナ「関係のない選手がでております」

志生野アナ「ちょっと試合ではありません。そして阿部四郎のカウントは遅い」

 

大森にタッチすると、すぐにブルが乱入して大森を止めにかかります。

そしてダンプがチェーンを持ち出して大森の腕を縛り付けます。

大森は危険なので、ダンプさんは躍起になって攻撃していきます。

 


ドSなチェーン攻撃のあとは、ブルとのダブルでの噛みつき攻撃。大森に対しては大胆な反則を繰り出すのがダンプです。噛みつきも効いているんだかよく分かりません。

 

志生野アナ「ダンプは2人の外人なんかをパートナーとして考えていないようですね

宮本「本当ですねー」

宮本「信頼の厚い中野がどんどん出てきますね」

志生野アナ「なにか6人タッグ、3人vs3人なんですけど」

志生野アナ「ダンプ松本としてはデズリー・ピーターセン、ドーン・マリーという

志生野アナ「外人選手はほとんど力として信じていないようであります

志生野アナ「おおーっと、とうとう新人の仲前めぐみが出て参りました」

志生野アナ「この仲前めぐみも、いま見習いという形で極悪同盟に入っております」

 

志生野さん、そこまで露骨に言わなくても。

 

 

この年にプロテストに合格したばかりの仲前が堂々とリングでデビルを攻撃してしまうあたり、極悪同盟の人の抜擢の仕方は積極的ですね。仲前はまだ見習いですし。

使えそうな人材はどんどん投入していくのがダンプ流のようです。

 

そして攻守が逆転してベビーフェイスの攻撃。

 

 

ジャンボと大森はダンプを空中技を仕掛けてくるので、強敵です。

1年前くらいですと、このようなリフティングからの投げでも、ダンプはかなりダメージを受けてフォールされていましたが、この頃はだいぶ受け身がよくなっているのか耐えられますね。

 

 

ここでジャンボがタッチを要求しようとしますが、なぜか大森もデビルも、タッチしようとしません。よほどダンプの反則攻撃に嫌気がさしていたのか(笑)

 

志生野アナ「いま赤コーナー、2人とも手を伸ばしませんでした」

宮本「ちょっと飲まれてますよ」

志生野アナ「ジャンボ堀が相当痛めつけられて、手を伸ばしたんですけれど」

志生野アナ「大森ゆかりもデビル雅美も、タッチを受けませんでした」

志生野アナ「それだけ迫力のあるダンプ松本の攻撃であります」

 

昔、モンスター・リッパーのあまりの苛烈な攻撃でミミがやられているときに、大森や飛鳥がタッチしないシーンがありましたが、たまにタッチ無視のシーンか見られます。

 

 

志生野アナ「外人選手が出て参りました」

志生野アナ「これはひとつ、ジャンボとしてもチャンスだと思うですけど」

志生野アナ「反撃の機会を捕えてほしいところ」

 

デズリー・ピーターセンか、ドーン・マリーが登場したときにしか、ベビーフェイス側はチャンスがありません。デズリーさんが散々やられたところでダンプが竹刀を持って登場。

 

 

またもや竹刀で誤爆!!!(笑)

 

デズリーさんのお家芸のようになってきました。

 

 

デズリーさんの誤爆から、大森にトップロープからの技を喰らってしまいます。後頭部をかなり打ち付けたダンプは大丈夫か? 

大森はこのような重量級の大技を出してくるので、ダンプにとっては危険な存在です。

ダンプはなんとか場外へエスケープ。

今の攻撃で、会場ファンの溜飲は下がったと思いますが・・。

 

 

場外戦でジャンボをリングに戻さない作戦に。

 

 

カウント20ギリギリでデビルがリングインしたようにみえましたが、微妙なところです。

 

志生野アナ「入った、デビルが入った! 入っている」

志生野アナ「いまゴングの要請でありまして、どうやら入らないという感じ、阿部四郎」

志生野アナ「あれ、いまのはどうなんですかね、デビル雅美が入っていませんか」

宮本「そうですね、カウント19で入ったように見えましたがね」

宮本「阿部レフェリーは見ていなかったんでしょうか」

志生野アナ「十分の中に入っていないというジェスチャーであります」

志生野アナ「デビルは入っていたとアピールしております」

志生野アナ「阿部四郎が捕まりました」

志生野アナ「おかしいな判定、おかしなジャッジがありました」

 

 

デビル「みんな、カウント20で入っていたよね?」

志生野アナ「入ってました、入ってました!!」

 

こういう客を味方につけるアピールはうまいデビル。さすがです。

志生野さんも視聴者の代弁者ですから、当然ベビーフェイス寄りです。

とはいえ、阿部四郎では覆らないでしょう。

 

マイクパフォーマンスでご満悦なデビルが、ダンプに向かってマイクを放り投げます。

デビル「なんだよ!!」

ダンプがマイクで何か話すのかと思いきや・・。

 


マイクアピールせずに、デビルにマイク攻撃(笑)

 

さすがはダンプ、相手の土俵には乗ってきません。なにか喋るのかと期待させておいての奇襲です。

 

志生野アナ「ああーっと、マイクをつかんでいきなりマイク攻撃であります」

志生野アナ「また試合が始まろうとしています」

志生野アナ「決着はつきました」

志生野アナ「これが6人タッグとは恐れ入りました」

志生野アナ「もうリング上は何人の選手が入っているでしょうか」


 

今度は阿部四郎に対して、大森とジャンボが反則のマイク攻撃。

阿部四郎も投げられたり、受け身を取ったりと苦労が絶えませんが、ある意味大変な活躍ぶりです。

 


ダンプが阿部四郎を救出して「バンザーイ!!」

 

志生野アナ「阿部四郎がやられていますけれども、それを助けたのがダンプ松本であります」

志生野アナ「ダンプ松本が阿部四郎の手をあげました」

志生野アナ「極悪レフェリーの阿部四郎、ダンプ松本に助けられております」

志生野アナ「結局、両者場外カウントアウトということなんですね」

志生野アナ「えーということで、やはり覆りませんでした」

志生野アナ「ダンプが放送席を睨んでおります」

志生野アナ「なんとか控室に戻ってもらいたいところ」

志生野アナ「悠然と控室に戻りますダンプ松本」

 


ということで試合は両者リングアウトで引き分けとなりました。

デビルがカウントギリギリでリングインしましたが、阿部四郎の権限で無効になりましたので、極悪側は負けから逆転して勝利をもぎ取ったようなものでしょう。

なにせデズリー・ピーターセンとドーン・マリーとの連携が厳しいですし、その外人さん2人の実力は微妙な感じです。デビル、大森、ジャンボという実力者に対して、ブルと斉藤、仲前まで投入して3対6で無理やり戦うダンプの集団戦法を出すしかありませんでした。

もっとも、これは相手にとっては脅威です。途中でデビルや大森はまともなレスリングができずにやる気さえ失せていた感じもありますしね。

 

こうなってくると、ブルや斉藤が、ベビーフェイスの先輩たちに目をつけられるのも無理はないでしょう。そのうちブルはデビルに目の敵にされてしまいますし・・。

そこまで徹底する極悪ぶりが目立った試合でした。

 

 

今日の凶器 竹刀、鉄パイプ、チェーン

 

デズリー・ピーターセン

 

 

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昨年三月初来日の時、フォーカスの表紙になるなど、ピーターセン旋風を巻き起こしたブロンド美人。この美しい顔に似合わずレスリングは荒っぽいし、気も強い。昨年来日した時は身体中にアザをいっぱ い作りながらも荒れ回ったリング は印象に残っている。


先に来日したべベルベット・マッ キンタイヤーと組み、ワールド・ タッグチャンピオンで、その美ぼうとプロポーションに強さが加わ って全米でもウエンディ・リヒタ ―に次ぐ人気レスラー。 ニューヨ ーク子をはじめ東部でのアイドル レスラー。 もともとデンマークの コペンハーゲン出身だが、この二、 三年は父親の関係でカナダに住ん でいる。 1965年生まれ。まだ 20歳になったばかりだ。
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