1985/7 雑誌「主婦と生活」女子プロレスのQ&A

1985/7月号の雑誌「主婦と生活」に女子プロレスのQ&Aを掲載されていたので引用してみます。

 

 

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女子プロレス編

生理休暇はあるの? 凶器になるバケツはなぜ置いてあるの?

 

Q 年間、どのくらいの試合をこなすの?
A 二百六十~七十試合程度で、その八割が地方興行。男子プロより数多くこなせるのは(男子は年間約二百試合)、やはり女性特有の持久力、 疲労回復力がモノをいっているようです。

Q 彼女たちの収入は?
A 入門からデビューするまでの練習生はノーギャラ。デビュー後は月給制となり、初任給でだいたい五万円くらい。
その後、中堅、メイン・エ ベンターとクラスが上がるにつれて、 歩合や副収入が加わって収入が増えま す。スター選手で年収一千万円前後といったところでしょうか。
 

Q 毎回、すてきな水着姿を披露してくれるけど、アレ自前かしら?
A そうです、自前です。有名なところでは、舞台衣装やレオタード専門店『チャコット』が人気。ほかにも、空き時間を利用して、各自お気に入りの水着を探して歩くのが楽しみなんだそうです。
(リングの上では強くてもやっぱり女のコですね)

 

Q あんなに激しく動いて、脱げてしまわない?
A 外人選手の中には無頓着な人もいて、みごとなバストがポローンとか、そのほか、モロモロのハプニングもあるようです。でも、日本選手は用心深いので大丈夫。下着もつけるし、太ももや背中の部分のゴムを固いヒモにかえたり、各自、水着がずれないよう苦心しているそうです。 

 

Q 女子プロの"三禁"ってなんのこと?
A ズバリ、酒、タバコ、男。今どき、ボーイフレンドくらいとは思うものの、彼ができたら地方興行なんてイヤになるでしょうしね。実際、初期の段階では、そうしたことで辞めていく子もいるとのこと。だれです? どれもやめられそうにないなんていってるのは!!!!

 

Q 生理休暇はあるのかな?
A 今のところありません。また、
申し出る選手もいないようです
 

Q 厳しい訓練、苦しい試合・・・それでもなお彼女たちをつなぎとめるものは?
A「スターになりたいとか、お金をもうけたいってこともあるか もしれないけど、最大の要素は、やっばり好きなものに全力で打ち込んでる という充実感じゃないですか」とマネ ジャー氏。たしかに、リング上の彼女たち、本当にイイ顔していますよね。 うらやましい。

 

Q "ヒール""ベビーフェイス"って何?
A ヒールは悪役、ベビーフェイスは善玉のこと。入門後、各々の容貌や性格を考慮して、いずれかに振り分けられます。

 

Q 凶器によくバケツが使われるけど、いつも新品のバケツがあるのはなぜ?
A リングやその周辺を整備するた めの備品として、毎回準備されるものだそうです。むろん、市販のごく普通のものです。

 

Q 悪役のダンプ松本たちの味方をする阿部レフェリーは、どうして"クビ"にならないの?
A 詳しくは教えてもらえませんでしたが、やはり一種の演出と見るのが正解のようです。
だいいち、そうでなかったら、今まで首がつながってるはずがない・・・・と、さめた目で見ていても、あの顔、あのおなかがシャシャリ出ると、本気で頭にきちゃう。役者ですね。
 

Q 女子プロの応募規定は?
A 年齢は中学卒業~十八才まで。 身長一六〇センチ以上で、体重は特に決められていません。ちなみに、一昨年は約百名の応募者のうち、最終的に残ったのは四人だけ。今年は十名の女のコが、最終関門であるプロテストを目ざして、ただいま特訓中です。

 

Q 最初からスターになれそうな子ってわかるのかな?
A 素質も大事な要素だけど、それ以上に必要とされるのは精神力 のようです。「どうも最初の評価の悪い人のほうが伸びるみたいですね」と協会側もいっています。そういえば、 ミミ萩原もジャガー横田も入門後、長らく、体も小さいし、"落ちこぼれ" の部類だったとか。ハンデがあるほうが、逆にがんばるってことでしょうね。

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プロレス中継を見て疑問に思ったことの代表例をQ&Aにしたものでしょう。

当時はインターネットも普及しておらず、情報も限られていたし、プロレスがショーであるという知識もあまりなかった感じがします。

阿部四郎はなぜクビにならないのか、バケツはなぜ置いてあるのか、いまとなってはすべてが演出だと分かりますが、当時は中高校生メインですし、当時の試合動画をみればダンプや阿部四郎を本気で全員でヤジっていたわけですからね。