1985/8/15 雑誌「週刊ザ・プロレス」長与は醜い坊主頭でリングで歌え!

1985/8/15号の週刊ザ・プロレスに「髪切りマッチ」の予告がありましたので引用します。

非常に面白いダンプのインタビュー内容となっています。(本当に本人談なのかは分かりませんが・・)

 

 

-----------------------------------------------------

千種vsダンプ 髪切りデスマッチ決定

8・28大阪城ホールで抗争決着戦

 

「長与を必ず丸坊主にしてやる」---8・28大阪城 決戦で長与千種と"髪切りデスマッチ"で激突する 極悪同盟のダンプ松本が吠えた。「凶器攻撃で血祭りにあげて引退に追い込む」と宣言。その返す刀で大森ゆかりとの金網デスマッチも要望。「私が負けたら極悪を解散する。私が勝ったら大森、極悪同盟入り しろ」と爆弾提案した。
 

一年半に渡って繰り広げられてきた極悪同盟とクラッシュギャルズの抗争が、最終局面を迎えている。8・28大阪城ホールでダンプ松本と長与千種が髪切りデスマッチで激突するのだ。詳細な試合ルールはまだ発表されてないが、 敗者は女の命である髪を切り刻まれて丸坊主にされる。行きつくところまできた感が強いこの対決を前に、極悪同盟 総帥・ダンプ松本が千種粉砕を自信満々に宣言した。

 

「大阪で長与は丸坊主になる運命だ。醜い坊主頭でリング上で歌わなければならないようにしてやる


ダンプの腹ワタはクラッシュ憎しの怒りで煮えくり返っ ている。6・21品川大会 『ジャパン・グランプリ』決勝戦のことでだ。長与と同点2位となったダンプは準決勝で、長与と時間切れ引き分け。ここで長与が「ダンプはクラッシュの共通の敵。 決勝は飛鳥にたくす」と友情リレーしたため、決勝に進んだが、飛鳥の原爆固めに敗れた。


「負けてなんかいない。あれはレフェリーのミスジャッジ。3カウントの時、肩は上がっていたんだ。あのまま戦っていれば、この私が優勝していた。そんなことより、何が友情だ。長与の奴、延長戦になれば負けるのが分かっているから逃げやがったんだ。それを偽善家ぶりやがって。私は、クラッシュのどちらが相手でもいいんだ。だが、長与には昨年の最終戦で髪を切られた恨みがある。だから、品川の恨みと合わせて、まず長与を先に凶器攻撃でズタズタにしてやる。そして5分以内にラリアートでKOだ。二度とリングで 戦おうという気持ちが起こらないようにしてやるから、故郷の長崎に帰ってカーチャンのお乳でも飲んでクソして寝てろ。で、千種をやったら次は大森だ」。 

 

 

 

大森にも恐怖挑戦状!!

金網で戦え! 私が負けたら極悪解散、勝ったら極悪入りしろ

 

ダンプは、大森にも、ある事件のことで恨み骨髄なのだ。 ジャパン・グランプリ戦で対戦した時、ダンプは凶器のフォークを大森に奪い取られて左上腕部に突き刺された。 

 

「その傷跡がいまでもうずく。 あの恨みは一生忘れない。借りは倍にして返すのが私の流儀だ。 大森、金網デスマッチで戦え。反則やり放題で決着はレフェリーストップ、ノックアウトだけの勝負だ。私が負けたら、いさぎよく極悪同盟を解散、反則攻撃をやめる。その代わり、テメーが負けたら、私の手下になれ。 極悪同盟に入るんだ」


デビル軍団を崩壊させ、より凶悪な極悪同盟を作り上げたダンプ。さらに大森という強力な手駒を実力で奪い取ると予告した。8・20スタート のTBSテレビ『夏体験物語』 にもブル中野ともども出演。 ここでは吉幾三とのラブシー ンという快挙! までやってのけるとノリまくっている。 いまや女子プロはジャガー横田、クラッシュではなく、極悪が中心に回っているとまでブチ上げる。
 

「大森を極悪に引きずり込んだ ら、残るは飛鳥だ。飛鳥、今度は反則、リングアウトなしのルールで本当にどちらが強いか勝負をつけようじゃないか。長与と同じ運命にしてやるからな。 クラッシュを引退させれば、WWWA世界タッグ王座は極悪のものだ。ブル (中野)が全日本王座を取ったから、斎藤にはジ ユニア王座を取らせ、オールパシフィック、WWWA世界も独占してやる。極悪ザ・ナンバーワンだ」


千種の丸坊主制裁から、大森奪取、さらに女子プロマッ トの完全制圧とダンプの怪気炎はとどまるところをしらな い。ジャパン・グランプリ決勝戦で飛鳥に一敗地にまみれ、 暴走にブレーキがかかったかと思われたが、案に相違して、 悪の水銀柱はウナギ登りだ。 "舎弟頭" ブルの全日本王座奪取も弾みになった。ドンとしての面目を保つにも、これからのダンプは怖い。8・28 大阪城、千種の黒髪は風前の灯--。
-----------------------------------------------------

 

まずは長与に対しての挑戦状です。

「醜い坊主頭でリング上で歌わなければならないようにしてやる」

この予告通り、長与は醜い坊主頭でリング上で歌を歌うことになってしまいます。

品川スケートセンターでのジャパングランプリ準決勝、長与がマイクパフォーマンスで飛鳥に試合を譲るという事態が発生しました。このことを逆手にとって、「逃げた偽善者」と表現して追い打ちをかけています。ダンプとしてはノリにノッていたこの時期、クラッシュに対して言いたい放題です。

むしろ、クラッシュに暴言を吐かなければ極悪同盟の存在意味はありませんから、これで正しいとは言えますが。

 

 

続いては大森に対しての挑戦状。

ジャパングランプリでフォーク突き刺し事件がありましたが、どうやらかなり痛かった模様。これはダンプの自伝にもよく登場する話なので、フォークを刺されたことは本当に記憶に残っていて、めちゃくちゃ痛かったんだと思います。そしてフォークを突き刺した大森に対しても、リング外では分かりませんが(後に桃色豚隊を結成しているため)、リング上ではムカつく相手としてターゲットになっています。本当に大森に復讐したかったに違いありません。

 

よく「大森を持ち上げるためにダンプがあれこれ画策した」という話があるのですが、私にはダンプが自分が目立つためにパフォーマンスしただけのような感じがしています。長与もそうですが、自分がいかに生き残るかを選手は皆考えていたはずです。大森がベビーフェイスでも極悪同盟でもダンプにはどちらでもいいわけですし、「金網デスマッチ」は女子プロレス史上初となる快挙であり、これまた大いにダンプが目立つイベントなわけですから、大森を利用しない手はないです。

 

私としては大森の極悪入りと、ダンプの極悪解散をかけた「金網デスマッチ」はぜひとも実現してほしかったカードなのですが、実現しなかったのが残念です。もしこの「金網デスマッチ」が決行されていれば、ブルvsアジャの金網も霞むような前例としてのインパクトを残せたんじゃないかと思います。

 

それでは写真を拡大してみます。

 

ジャパングランプリ準決勝だと思われます。

 

こちらもジャパングランプリ準決勝だと思われます。

 

フォーク突き刺し事件の一場面ですね。こんな写真があったとは。

 

この時期、マックスにのっていたダンプです。