
Evito-X-PuroさんのYoutubeより
1985/9/4 熊本市体育館 浅生恭子vs仲前芽久美
(6:00くらいから~)
(↓AIでフルハイビジョンに変換したものです。試合のみ抜粋)
今回は新人時代の仲前と浅生の試合を見ていこうかと思います。
極悪メイクを早くから許可されている仲前。極悪の一員として登場です。
志生野アナ「これからお伝えいたします試合は、まず20分一本勝負新人同士の対戦であります」
志生野アナ「いま仲前芽久美選手が、やや緊張した表情でリングに上がって参ります」
志生野アナ「現在極悪同盟、No.4の選手であります」
このガウンはダンプが「松本香」時代に来ていたものですよね。
飛鳥との全日本王座のときに来ていた記憶があります。
まだガウンを買えない仲前に対し、お古を貸してあげたんでしょう。
対戦相手は同期新人の浅生恭子。
志生野アナ「今年プロテストに合格いたしました新人であります」
志生野アナ「浅生恭子選手は埼玉県戸田市の出身ですね」
髪の毛は金髪ではなく黒髪です。極悪化粧はダンプほどの主張はしていませんが、目元口元は同じ感じの化粧ですね。
志生野アナ「一方の仲前芽久美選手は岡山県倉敷市の出身であります」
志生野アナ「現在極悪同盟に加盟が許されております」
ゴングが鳴ると同時に前蹴りで先制します。
やはりヒールは最初にガツンと一発いくのが常道ですね。
宮本「いまたくさんの新人がいるんですけどね」
宮本「我々記者仲間でも誰が新人王を取るか、という風にみんな見ているんですけどね」
宮本「この浅生選手なんかも有力候補の一人ですね」
宮本「なかなか面構えも、いい面構えをしていますよね」
志生野アナ「なんといっても体がありますからね」
志生野アナ「格闘技者らしい、いい面構え、バツグンの体力をもっております浅生恭子であります」
浅生はそんなに体は大きくないと思いますが、どうなんでしょうね。
ここで志生野さんが仲前に関してかなり詳しく説明をしています。
志生野アナ「一方、仲前芽久美のほうも、この人は新人といっても」
志生野アナ「高校を卒業したあと女子プロレスに入ってきましてね」
志生野アナ「年齢的には上なんですね、普通の新人よりも。どうご覧になっていますか? 極悪同盟に入った仲前を」
宮本「普通の新人といいますか、ちょっと違ったコースでね」
宮本「いきなり極悪同盟という軍団に入って出てきたわけですけど」
宮本「このあとどういう風な成長をみせてくれるかってことですけども」
宮本「今のところは新人の中でもダントツにいい試合をやってますよね」
志生野アナ「とにかく高校時代はとっても頭が良くって、クラスでも1,2番だったそうですね」
志生野アナ「岡山大学を目指して一生懸命に勉強しておりました」
志生野アナ「しかしある時にやはりクラッシュにひかれましてね」
志生野アナ「自分の生きる道はこの世界しかないと、強く決意いたしました」
志生野アナ「そのあとは東京に出てきて練習生としてジムに通いながら」
志生野アナ「なにか色んなアルバイトをしてお金を貯めてですね」
志生野アナ「田舎の方にはあまり迷惑をかけないようにしまして」
志生野アナ「とにかく女子プロレスラーを目指して頑張ったそうであります」
志生野アナ「そういった頑張りが松永高志社長の目に留まったんでしょうね」
宮本「一人東京にでてきて一年間頑張るってことは大変なことですから」
志生野アナ「そしていまこうしてテレビでのデビュー戦として皆様にご覧いただいて結構だと思いますけど」
志生野アナ「今日は同じく有望選手の浅生恭子と対戦しているわけであります」
試合は新人選手としてはきちんとしたグラウンドの展開もあります。
仲前は他の新人選手とは違って、すでに試合慣れしている印象があります。
また極悪同盟なので、ラフプレーも出してきます。
宮本「新人ですから仲前選手のようにラフに取られると」
宮本「どうしてもやりづらさが出るんですけど」
宮本「浅生選手もちょっと頑張ってほしいですね」
新人時代は基本技がメインになりますが、仲前の場合はそこにラフプレーを追加できるので試合展開がやりやすかったのでと思います。
志生野アナ「試合のキャリアというんでしょうか」
志生野アナ「仲前選手のほうが正式に対戦する回数は少ないにしても」
志生野アナ「いつもリングサイドに姿をみせてますし」
志生野アナ「やはりダンプ松本あたりに色々なことを教わっているでしょうから」
宮本「そうですね、またデビューも早かったですからね」
志生野アナ「ですからキャリアという面で、浅生恭子としては辛いかもしれません」
志生野アナ「最近は極悪同盟が大変な人気でしてね」
志生野アナ「新人選手が昔でしたら悪役なんてなりたくないと思うでしょう」
志生野アナ「いまの新人選手はほとんどが極悪同盟に入りたいと思っているんですよ」
志生野アナ「新人のときから、この仲前芽久美選手も極悪同盟を目指してね、入ってきたんですよ」
志生野アナ「そういった点では昔の新人選手とは、ちょっと考え方が違うようであります」
志生野アナ「それだけダンプ松本をドンとした極悪同盟ってのは、いまや一世を風靡しているわけであります」
志生野アナ「軍団の結束ってのも、なにか全日本女子プロレスをリードしているような感じになっているんじゃないですか」
宮本「人気の面でも相当なもんですね」
志生野アナ「いまなんかもダンプ松本が、ブル中野を従えましてね」
志生野アナ「入口から控室のほうに行くんですけど」
志生野アナ「ほとんどの若いファンがドッとばかりに詰め掛けてカメラのフラッシュですよ」
志生野アナ「なにかクラッシュギャルズが入ってきたんじゃないかという人気でしたよ」
宮本「そうですね」
志生野アナ「そしてそれに少しも動ずることもなく、一喝いたしまして悠々と控室に入っていきました」
この頃になると地方の試合ではクラッシュギャルズよりも極悪同盟のほうが知名度、人気ともにあったかもしれませんね。
ダンプのテレビ露出が多いのと、クラッシュミーハーファンが地方にはあまりいなかったでしょうし。
仲前の豪快なドロップキック。
志生野アナ「おおーっとキックが飛んだ、強烈なカウンターになっています」
志生野アナ「さぁ、なんとかフィニッシュの体勢に持っていこうという仲前芽久美です」
志生野アナ「上からいった、フォールの体勢に入った」
ここでカウントが3つ入って仲前芽久美の勝利。
志生野アナ「カウントが3つ」
志生野アナ「さすがに仲前芽久美、強いところを披露しました」
なにやらクレーンに声をかけられて笑っている仲前。
「よくやったね」とか「余裕の勝利じゃない?」とかそういう感じのことをクレーンが声掛けしているんでしょうか。
志生野アナ「いかがですか? 宮本さん」
宮本「やはり、あのー」
宮本「仲前のほうが終始攻めていましたから」
宮本「浅生選手、もう少し奮起してほしかったですね」
志生野アナ「そういった20分一本勝負が終了しました」
というわけで仲前の新人時代の一戦でした。
85年の新人の中では、いまのところ他の新人を一歩リードしている感じがあります。
しかし今後、様相が変わってきます。