
1985/10/15号の週刊プロレスにダンプ組vsモンスター組、およびクラッシュvs横田組の記事がありましたので引用します。
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注目の大一番だったクラッシュ対横田、大森組の公式戦は、横田の失神という大アクシデントにより、 悲しみに満ちた幕が引きおろされた。(横田のこの日の前日の負傷は81ページの白黒グラビアで詳報。)
ダンプがモンスター組を倒し、 高らかにたけび声を上げたあとのリングで、闘いのゴングは鳴った。 クラッシュは必死に横田の左足首を攻め込んでいく。横田の足の状態が悪いことは2人は良く知っ ていた。だが、それを承知で長与は攻めていく。のたうつ横田!
「クラッシュ、きたねぇぞ!!!」 この時、おそらく初めて、クラッシュを非難するヤジが飛んだ。ついには空き缶まで飛んできた。 すると飛鳥はその観客の方を振り向き、目を真っ赤にして叫んだ のだ。「バカヤロウ! おまえらにこの気持がわかってたまるか!!」 ヒザに爆弾を抱え、最近では右足首も痛め、試合を欠場している飛鳥には、横田の気持が痛いほど わかった。無理をしてでも出場したい、しなければならない・・・。 しかもそれを承知で、横田の弱点を攻め込んでいかねばならない自分達。こんな心情を理解しようとしないファンなんて、この時の飛鳥 には怒りの対象でしかなかった。
飛鳥も横田を引きずり出し、ついに非情にも、横田の左足にアキ レス腱固めを決めた。飛鳥は「絞めなくちゃ、ここで絞めなくちゃ !」と、必死に横田の足を絞り上げたという。横田、絶体絶命だ!
ここで大森がすぐに救援に入る体制になったが、孤高の女王としての横田のプライドを守ろうとし たのか、大森は救出をためらい、 コーナーから離れようとしない。 時間がたち、やむにやまれず大森が飛鳥を振りほどこうとした時、 横田は痛みのため失神していた。 横田は自分のコーナーのエプロ ンに寝かされ、試合は大森が引き継いで続行。だが大森は健闘むなしく飛鳥の雪崩式バックドロップ に沈み、飛鳥組の勝利に終わった。
試合後、控室を覗くと、たったひとりでうつむいている長与がい た。あとから来た飛鳥が長与の前にすわる。すると・・・、長与は鼻を真っ赤にして、目をタオルで何回も何回もこすりだした。私はそれを見た瞬間、自分の足の甲に釘が打ち込まれたようなショックを受けた。ナイーブな彼女の心は、今の闘いで深く傷ついていたのだ。
「私達、本当はもっと、ジャガーさんを攻めなきゃいけなかったの。 でも私にはそれができなかった。 私、格闘技には向いてないんだよ。 私達だけじゃなく、みーんな、 このタッグリーグ戦で、お互いの星やプライドをつぶし合い、傷つけ合ってきた。誰かが誰かを傷つけ、誰かが這い上がる・・・。闘いがこんな悲しいものなら、私達はもう優勝なんかしたくない!」
感情を記者に投げ出してしまった長与。それを受け取ってしまっ た記者。今度はその心をどこに投げていいかわからず、私はただ、 ぼう然と立ちつくしていた。(安西)
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極悪の試合に関しては一切書かれていないのが残念です。
ジャガーの足首のケガに対し、クラッシュが執拗に足首をせめてジャガーを失神させたとあります。
こういうこともあったのですね。ぜひ動画があれば見てみたいです。
散々ジャガーにやらかしておいて、泣いている長与も本心なのか演技なのか、いまひとつよくわかりませんが。
ダンプの部分は写真しかないので拡大してみます。
モンスターvsダンプの試合は見どころ満載だったのですが、クラッシュに記事を取られてしまって残念です。
詳しくは下記の記事をご覧ください。