1985/10/15 ムック「女子プロレス全選手カタログ」その① ダンプ編

1985/10/15に池田書店から「女子プロレス全選手カタログ」というムックが発売されました。

 

 

この本です。

表紙は全選手が描かれ、これまでのクラッシュ一辺倒のムックとは少々異なります。

この表紙から、クラッシュだけではなく、女子プロレス全般的に大人気だったということが分かります。

 

 


中表紙にはダンプが怪獣のように真ん中に撮影されています。

ヒールというよりはマスコットみたいになっています。

 

ダンプの紹介ページを見ていきます。

 

 

----------------------------------------------------------

極悪同盟のドン ダンプ松本


2年前まで、 ただの前座ヒールだった松本香 は、ダンプ松本という怪物に変身することで 全てが好転した。 クラッシュがアイドルとし て光を放っているが、 ダンプは異次元の光を バラまいているのだ。 これはもう、 ただのヒ ールではない。 キャラクターだけをとれば、 主演女優賞をキミに贈ろう!

----------------------------------------------------------

 

ヒールなのにタコヤキラーメンと一緒に映る姿がサマになるダンプ。

恐ろしいけど憎み切れない、唯一無二のヒールです。

 

 

顔芸が素晴らしいです。他の選手は誰も真似できないです。

こんな主張をする女子ヒールが現れるとは、一昔前だと想像がつかなかったでしょう。

 

 

 

大森に鎖を結んだこの顔が、ギャグテイストでまた凄い。

 

----------------------------------------------------------
今しかないんだぜ! 稼ぎまくるまは・・

 

「マジだぜ!」「買ってよな!」これダンプ松本が出演しているCM(日清食品 タコヤキ・ラーメン)の名ゼリフだ。 

このCMに出てから会場でも「マジだぜ!」と野次が飛ぶ。改めてCMの偉大さを思い知らされたようだ。
今やダンプは、スーパーアイドルのクラッシュ・ギャルズを凌ぐ売れっ子だ。 TV・ラジオ・CM・雑誌...そのキャラ クターが各マスコミにモテモテというから、なんとも恐しい。
 

昔からダンプ、いや松本香(本名)を 知っている者にとって、この異常事態はまさに、青天の霹靂ーとでもいうべきか。 あの落ちこぼれというか、悪に徹し切 れなかった松本香が...世の中、何が起こるかわからなくなってきた。
 

すっかり貫録がついたダンプだが、昔話をすると「私とユウさん(本庄ゆかり) は太っていたから、基礎ができなくてねぇ...よく先輩にいじめられたなあ。こんな簡単なこともできなくて、よくレスラーやってるなっ!ってね」
 

当時の松本香は、どうみてもやる気がなく前座試合に安住の地を求めているようにみえても仕方なかったのは事実だ。 「会社だってね、早く辞めろって思っていたと思うよ。今はチヤホヤしてるけど、人気がなくなったら、どうなることやら・・」


今年で25歳にな るダンプは、遅咲きである。ひょっとしたら狂い咲き なのかもしれない。 「前は、試合のことなんか考えたことなかったけど最近は、自分に主張がでてきたような気がする。技とかじゃなくてどうやって客を湧かせてやろうかって、 それ思うとゾクゾクッとするね」 

 

確かに、ダンプに変身した直後は、 ただ凶器を使い暴 れるだけに過ぎなかった。ところが、 自己演出にかけては今やダンプの右に出る者はいない。 

 

貯金をするのが一番の楽しみだね(笑)。おかしなぐらい(ギャラが)入ってくるしね。でも、税金が高くて参ってしまう。稼せげる時は短いし・・・」
その貯金高でも女子プロといわれる ダンプ。
けして贅沢をしない。食事も一日いくらーと決めており、他は全部貯金にまわしているほどだ。
 

とかく収入が増えると派手になりがち なだけに、ダンプの堅実さは意外という か...利口なのである。
「最近は芸能の仕事が多い。TVとか取材とか。
私が絶対守っていることは、 遅刻をしないことなんだ。遅刻をすることは、相手にとって失礼だし、これ常識だからね。それは、パンダ(中野)やヨーカイ(斎藤)にも厳しくしているんだけどなあ・・・」


耳の痛いレスラーも多いだろうが、遅刻はマナー違反。つまり社会の反則なの だ。極悪同盟がルールを守っているのだから、正規軍は守らねばいけない。
「極悪同盟は、少数軍団だけど仲間意識は強く持っていたいね。この中では、 陰口とか中傷はいっさいないんだ。悪ければ殴ってでも注意する。それだけ」 ある意味で、極悪同盟の団結力はピカ一である。最もドンのダンプと、副将のブルとでは8歳の年齢差があり、この関係は主従関係にも似ている。おかしな話 だが、今年の新入に極悪同盟入団希望が多いのも、ダンプの生活観に共鳴しているからかもしれない。
 

「千種を坊主にしたけど、もうほかの 選手と"髪の毛マッチ"をやる気はないね。もし、やってしまったら坊主になった千種に失礼じゃないか。もう一度やる としたら、また千種とだよ。今度は、丸刈りでソリを入れてやるよ(笑)」

----------------------------------------------------------

 

色々と興味深いことが書かれています。

このムックのライターさんは、昔の松本香時代を知っていたようで、「昔は前座に安住の地を求めていたように見える」「青天の霹靂」とダンプの異常人気を昔の視点から記載しています。

自己演出にかけても、長与とダンプの2人は抜きんでいたでしょう。

「貯金をするのが趣味」と書かれています。以前、週刊誌にも同じことが書かれていましたが、飲んだり食べたりでなくなってしまったようです。かなりインタビューでは節約の意識は高かったように見えるんですがね。

「時間厳守」も極悪同盟の掟の一つ。しかしブルやコンドルはなかなか守れなかったようです。

「陰口を言わない」はダンプ・ザ・ヒールで書かれていましたが、それだけ仲間の団結力を強く持とうとしていたのでしょう。

髪切りマッチに関しては、「長与以外とはやる気がない」と書かれています。少し前は「飛鳥と髪切りをする」「大森とデスマッチをする」と話していましたが、会社の意向なのか変わってきたようです。

 

 

 

今回はマジメに書かずに「金よこせ、バカ!」と書かれています。

とにかくお金が欲しいダンプさんの紹介でした。