1985/10/10 後楽園ホール ジャパングランプリ決勝 雑誌「週刊ビッグレスラー」でみる

1985/10/31号の週刊ビッグレスラーにジャパングランプリ決勝の模様が記載されていましたので引用します。

 

 

 

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大波乱の優勝戦

極悪時代の幕開けか!?


全日本女子プロレス秋のビッグ・イベント『タッグリーグ・ザ・ ベスト'85』は、大混乱の中で、その幕を閉じた。
最初の混乱は極悪同盟のテーマ曲に乗って、6人の覆面姿をした レスラー(と思われる)が入場して来たこと。

 

彼女達は全員、黒装束に身を固め、背中には白文字で "影武者" と入っている。手には卒塔婆を持ち、超満員のファンを威嚇する。 そして、クラッシュギャルズの入場。リングを見上げた2人は、ア然とした表情を見せた。何しろ、同じマスク、同じコスチュームを着た敵が6人もいるのだ! そんなクラッシュには目もくれず、一斉にクラッシュに襲いかかる覆面軍団。誰が中野で、誰がダンプかわからない。
 

覆面軍団の1人が、鮮やかなヌ ンチャクさばきを見せる。しかし、 飛鳥に捉まり、マスクをはがされると、ブル中野の顔がそこにあった。長与も、ダンプと思われる1人のマスクを脱がしたが、その下は全くの別人であった。
「本物を出せ!」と叫ぶクラッシュを再び襲った極悪は、激しい場外乱闘に誘う。リングに戻ると、 いつの間にか、本物のダンプが飛鳥に竹刀攻撃を加える。

 

そして、長与を捉えると影武者も加わった6人で長与を袋叩きにし、竹刀、カン、ロープで、長与のウィークポイントのヒザを攻め、 KO寸前まで追い込んだが、J・トーレス・レフリーに反則負けを宣告された。
飛鳥は、マイクを握り「反則勝ちなんか、嬉しくない! 素手で勝負しろ!!!」と絶叫したが、2本目、ダンプに捉まり中野のトップロープからのラリアットで失神、 マットに沈んでしまった。


松永俊国審判部長、植田信治コミッショナーが、リングに駆け上がり、試合続行を検討。 長与の、 「自分1人でも闘う」とのアピールを聞き入れ、3本目を強行した ものの、長与のヒザはとても闘える状態ではなかった。
中野のアキレス腱固め、ダンプの凶器攻撃を受けた長与に、レフ リーは、ストップをかけたが、 長与は拒否。しかし、結局レフリーストップがかかり極悪同盟が、総力でこのリーグ戦を制覇。"打倒ク ラッシュ"を果たした。

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なんだ、なんだ、この人だかりは!!

これじゃあ車が動けないじゃないか!!

 

10・10 後楽園ホール、クラッシュが 極悪に敗れた日、もう一つの大騒ぎ
 

いや~、本当にスゴかったデスネェ~、女子プロの10・10後楽園決戦 は。戦前からある程度は予想できたんだけど、あそこまで凄まじい乱撃戦になろうとは、ちょっと考えもつきませんでしたよ。
 

『タッグリーグ・ザ・ベスト』の 優勝戦、松本、中野の極悪"最強コンビ"は、竹刀、ヌンチャク、チェ ーン、ブリキ缶、そしてマシーン軍もどきの4人のマスクマン、いやマスクウーマン・・・・・と、ありとあらゆる手段を使って人気絶頂のクラッシュギャルズを手玉にとって文字通りクラッシュしてしまったんだからね。 

 

それにしても極悪の優勝が決まった瞬間の騒ぎといったらなかった! ホールを埋めた2300超満員のクラッシュ・ファン (中には隠れ極悪ファンもいただろうけどネ)は総立ちになって叫び、今にも暴動が起きるんじゃないかって本気で心配しち やったもんな。確かにファンとした ら、あんな悪どい勝ち方をした極悪を許すわけにはいかないもんね。そ の気持ちよくわかるよ、うん。そして飛鳥や千種のケガの状態を心配す るのもよくわかる。


だけど、その後の行動はあんまり関心しないなぁ。この写真を見てよ、 何だと思う、この人だかり? 控室で応急処置を終えて、ようやく帰ろうとする飛鳥を、こんなにも多くの ファンが取り囲んだんだ! 車に乗ろうとすれば次々とファンが押し寄 せて、飛鳥はなかなか前進できなかったんだよ! おまけに飛鳥を先導して人垣を分けていたある新人レス ラーは押されてケガをしちゃうし...。 本当にもうパニック!


ファンなら誰でも好きなレスラー に少しでも近づきたいと思うよね。 直接サインしてもらったり、握手し てもらったり、写真を撮らせてもら ったりしたら最高だよね。だけど最低限のマナーは守らなくっちゃ。 試合後疲れている上にケガをしている飛鳥は早く車に乗って家に帰りたいだろうに、こんな状態では逆に精神的にマイッてしまうよ。 本当のファンなら陰ながら飛鳥のことを見守っていると思うんだけどな。やっぱり時と場合を考えなきゃ。それに一般 の通行人や運転手だって迷惑だよね

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当時試合会場にいなかったので知りませんでしたが、10・10の試合あとは大混乱だったようですね。

いまでは女子プロレスでこのような状態は想像がつきませんが、テレビアイドルとは違って、女子プロレスラーは意外と近くまで接触できる点も、当時の女子中高生にはよかったのかもしれません。