1985/10/31号の雑誌「週刊ビッグレスラー」にタッグリーグザベスト85の総括がありましたので引用します。
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19歳コンビの野望を砕いた極悪同盟
『タッグリーグ・ザ・ベスト85』の序盤戦、デビル組、ジャガー組、そしてクラッシュという強豪チームを連破した山崎、立野のフレッシュ・コンビの優勝戦進出は決定的と見られていたが、極悪、さらには小倉組にも敗れてしまい、最終的には同率2位でリーグ戦を終えた極悪と準決勝を行ない、勝ったらクラッシュと対戦ということになった。
山崎組にしてみれば、8・22武道館での晴れ舞台『サマーナイト・センセーション』、今回の公式リーグ戦(9.14尼崎大会)と連続して極悪にフォール負けを喫しているので、何が何でも勝って雪辱を果たしたいところ。そして優勝戦でもクラッシュを破って一躍ニュースターの座を掴みたいところだ。
一方、そこに立ちはだかる極悪としては、山崎組を短時間で片付けて、スタミナを残して優勝戦でクラッシュを血の海に沈めたいところだ。
このような両軍の思惑が絡んでいるために非常に興味深い一戦となった。成長著しい中野が立野にセカンドロープからのギロチンドロップ、ブレーンバスターを決めれば、立野はランニング・ネックブリーカー、山崎はドロップキック連発。白熱の攻防となった。ダンプの竹刀、中野のヌンチャク攻撃に耐えた立野がダンプに原爆固めを決めた時には「あわや!」と思わせたが、ダンプは不死身。場外大乱戦の後、山崎にラリアットを叩き込んで決勝進出を決めた。この時、19歳コンビの悲願は露と消えた。
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「タッグリーグザベスト'85」を振り返って
出場選手に直接インタビュー
大波乱の中、極悪同盟の優勝で幕を閉じたタッグリーグ戦を8組の参加選手が自ら振り返る。
☆優勝=ダンプ松本、ブル中野
優勝?どうってことないよ。強い者が勝つのはあたりまえだろう。ダブルヘッダーでもスタミナは大丈夫。あと5試合は平気だな(笑い)。クラッシュには「いつでも来なさい、胸を貸して「あげるから」といっておこう。次はWWWA世界タッグだね。来年の正月決戦を期待してくれ、頼んだぜ(笑い)。それから、覆面軍団もドンドン増殖するからな。(松本)
私たちが勝ったのは当然。次は12月12日、東京・大田区体育館で全日本王座を賭けて、クラッシュの妹分である小倉由美を血祭りにする。(中野)
☆準優勝=ライオネス飛鳥、長与千種
2本目にブルのフライング・ラリアットを食って失神した後は何も覚えていません。悔しい・・・..。今度は何が何でも報復します。応援してくれたファンの方のためにも。千種もケガ(右ヒザ)の具合が悪くても何も話せないけど、この借りは絶対に返すと約束します。(飛鳥)
☆3位=山崎五紀、立野記代
前半戦は絶好調だったのになあ。小倉、小松組に負けたのがやっぱり痛かったですね(9・14兵庫・尼崎大会)。あれは、私が小倉にフォールされちゃったんだけど、一瞬、気を抜いちゃったんですよカウント2で肩が上がったと思うんだけど・・・・・・。それと、公式戦でクラッシュに勝つには勝ったけど、あれはトモさん(飛鳥)のアクシデントによるレフリーストップ勝ちだったから、今度はピンフォールでクラッシュを破ってWWWA世界タッグ王座に就きたいですね。それにしても極悪汚ねえーぞ!(山崎)
上出来です。準決勝まで来たからには優勝したかったけどね。次にがんばります。(立野)
☆4位=ジャガー横田、大森ゆかり
私が大事なところで不覚にもケガしちゃって......。ナッちゃん(大森)には迷惑かけました。ケガしたときも試合じゃなく、テレビ番組の収録中というから私もドジですよ(笑い)。先々シリーズもケガで欠場したし、もっとしっかりしないといけませんよね。また「ジャガー引退か!!!」なんて記事が出ちゃうもんね。まだまだがんばりますよ!(横田)
☆5位=デビル雅美、ジャンボ堀
3.5点かあ・・・・・・。不本意ですね。
この成績じゃ何もいえないし、何を書かれても言い訳できませんね、ホント。(デビル)
☆6位=モンスター・リッパー、モニカ・カスティーリョ
パートナーが弱すぎたね。私の力はこんなもんじゃない。次にこのよう大会があるときには、ステラ・マリーニャか、レイ・ラニ・カイと組んで出場したいね。そうすれば必ず優勝だ。ところで、12月にはニューヨークでウエンディに挑戦するよ。もちろんWWFのベルトはいただきさ。(モンスター)
☆7位=小倉由美、小松美加
たったの2点だけか・・・・・・。今の私たちの力を考えれば仕方ないかも。五紀さんからフォールを奪っただけで十分ですよ。ニンニン(小松)とは気も合うし、もっとコンビネーション・プレーを勉強して、次はもっといい成績が残せるようにがんばります。(小倉)
何か、ゴンゴン(小倉)に頼りすぎちゃった感じ。ゴンゴンとは年も同じなんだから(18歳)、私ももっとがんばらなきゃ。(小松)
☆8位=永友香奈子、永堀一恵
私たち、いっしょうけんめい闘ったのに0点だって!もう泣きたいですよ。でも、リーグ戦に参加できただけでラッキーです。いい経験になりました。(永友)
7月に行なわれた全日本王座決戦リーグ戦も私は0点でした。星取表を見ると黒ダンゴがズラーッ(笑い)もっと強くなんなきゃ。(永堀)
昨年のタッグリーグは横田、デビルが、今年は極悪同盟が制した。クラッシュは2年連続の2位止まり。さて来年は・・・・・・?
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せっかくなので写真を拡大してみます。
続いてはプロレス界のお天気情報です。
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ついに"極悪時代" が到来したかと思わせるほど の異常な暴れっぷりで『タッグリーグ・ザ・ベ スト'85』を制圧したダンプ松本。 10・10後楽園ホー ルで行なわれた優勝戦では宿敵クラッシュを完全粉砕- 飛鳥は脳震とう、長与は右ヒザの集中砲火により戦闘不能もはや女子プロ界に敵なしと思わせるほどの勢いだ。
確かに松本の戦法の悪ラツさは常識を超えており非難轟々だ。しかし、それにもメゲずにヒール道をまっしぐらに突き進む精神力はりっぱ。 男のプロレスの世界にも松本ほど凄みのあるヒールとして活躍しているレスラーは......残念ながらいない。
最近ではテレビ出演、 CM、そしてレコーディングとリング外の仕事も大忙しのダンプ。プロレスファン以外にもその名をとどろかせ、一般的にはクラッシュの人気をも超えたと言う向きもあるぐらいだ。 前代未聞のヒール人気を勝ち取ったダンプは乗りに乗りまくっている。 ギラギラと照りつけ る太陽の下で今日も真っ赤な毒々しい悪の花を咲か せ続けている。
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この頃のダンプの人気ぶり(? 知名度?)はクラッシュを超えていたと思います。
男子プロレスでもヒール役は外国人が多く、上田馬之助でさえ全国的な知名度ではなかったと思います。
お年寄りでも長与千種は知らなくてもダンプ松本は知っていたと思います。名前のインパクトが大きいですね。