1985/10 雑誌「現代」タコヤキラーメンを日清食品の宣伝部課長が語る

1985/10月号の雑誌「現代」にダンプに関する記事がありましたので引用します。

 

 

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CMたねあかし

"素顔"のダンプ松本
 

ダンプ松本といえば、すごみのあるフェイス・ペインティングと、ドスのきいた「てめえら、ぶっ殺すぞお~」等々の罵声がトレードマークの女子プロレス界最高のヒール(悪役)だ。それなのに、タコヤキラーメンの新作CMでは、初めてスッピンで登場。

 

「タコヤキがラーメンになったのよ」とニコヤカにシナをつくっている。これだけでは、どこの栄養タップリのお姉ちゃんかしらん?と首をひねるくらい、かわゆい。だけど、よくもまあ、素顔の出演をOKしたものだ。


「タコヤキラーメンというと奇をてらった食品に思われるが、とてもマジメな食品なんです。誤解をなくしたい。で、ふだんは素直な女の子なのに、立場上悪役に徹せざるをえないダンプに、"みんな初めはわかってくれないんだ"といわせることにした。そのイメージづくりのためには、素顔の彼女がどうしても必要だったわけです」(日清食品宣伝部・脇原信博課長)

 

イメージ・キャラクターにダンプ松本なんて、さぞや反対も多かったろうと思いきや、「個性的で強烈なインパクトを与えてくれる人」という観点から、他の候補者をおさえ、満場一致で決定。

「まん丸でタコヤキの形態に似てる」のもポイントになった。六月下旬の撮影には、極悪同盟の子分三名をしたがえてやってきたダンプ。髪とそ金色に染めちゃって不良っぽかったたが、「よろしくお願いしま~す」と、新人歌手もマッ青のもの腰。


「ディレクターが笑えといえば笑うし、食べろといえば食べる。いろんなタレントを見てきましたが、あんなに素直でマジメな女のコは初めて。かわいかったですねえ」(脇原氏)


とくに関係者を喜ばせたのは、ラーメンを食べるシーン。ゆげの出具合いやら麺の形状やらで、微妙にうまさの見え方が異なるから、どうしても「もう一回」となる。そのたびに食べ直さなくちゃいけないタレントは、まさに地獄。それなのにダンプは、黙々と約五十杯を平らげ、やっと出た「OK」の声に「あー、おいしかった」とニッコリ。泣かせます。
 

で、一気にファンになった関係者は、後日、クラッシュ・ギャルズのファンである女子中高生の冷たい視線を浴びながら、リングサイドで「ダンプ!」と声援を送ったそうな。
 

流通業界や販売店の人を集めての商品発表会にも乱入気軽に腕相撲の挑戦を受けたりして、タコヤキラーメンの販促に務める毎日のダンプ松本。竹刀を振り回すかわりに、ラーメンを投げつけるような技を開発すれば・・・・・・いやいや、食べ物で遊ぶとどこぞの団体からクレームがつくからね。自重しないと、危ない危ない、ですか?
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CMの裏側を取材しています。

日清食品の課長のコメントがあります。

 

「立場上悪役に徹せざるをえないダンプに、"みんな初めはわかってくれないんだ"といわせることにした」

 

このセリフ、"タコヤキラーメンが美味しいことをわかってくれない"という意味のセリフなのかと思っていましたが、ダンプの"自分のヒール役での葛藤をわかってくれない"という点に引っかけているとまでは思いませんでした。鋭い人は理解していたのかもしれませんが。

またタコヤキの形状がダンプの丸顔とマッチしていたことも認めています。

 

さらにCM放送後も、流通業界や販売店での発表会にも登場していたと書かれています。腕相撲までサービスしたりして、販売店もダンプを起用してよかったと思っていたのではないでしょうか。