
1985/11月号の雑誌「Sexy Look」に極悪同盟に関する記事がありましたので引用します。
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極悪非道、ダンプ松本の見事な悪役ぶり - いま女子プロレスがおもしろい
写真の極悪非道な姿からはとても想像できないが、このところテレビのコマーシャルでよく見かける、
「こんどラーメンに、タコやきが入ったのよ」
と語りかけてくる、あのちょっぴり恥しそうで、どことなくローカルというか下町をおもわせる可愛い少女が、同じ人間だとはどうも思えない。イヤ、思いたくもないが、すぐその後に、普通の姿?に戻り、ドスを利かして、
「初めは誰もわかってくれねえんだよナ、マジだぜ」
とくる。この変わりようのおもしろさが狙いで、それなりにウケているようだ。いまや全日本女子プロレスナンバー・ワンの有名人といったら、このダンプ松本である。長与千種やライオネス飛鳥の名前は思いだせなくても、極悪同盟のダンプ松本だけはすぐ思い出すはずである。モタモタしていたら、愛用の竹刀がとんできて、前歯の二、三本でも折られそうな恐怖感もある。
とにかくダンプ松本は、竹刀を手にするとリングだろうが、どこだろうが所かまわず性格が凶暴になってしまうと、本人も不気味な発言をしているが、それを立証する事件があった。
日曜の夜、桂三枝の"三枝の爆笑美女対談"というテレビの番組でのことである。同じ極悪同盟のブル中野を従え、その夜の美女?として登場したダンプ松本。スタジオに即席につくられたリングらしきものの中で、三枝の弟子らしい新人落語家二人を相手に、いつもの極悪フアイトの真似をしてもらおうという趣向。ところが、竹刀を持ったダンプ松本は本当に"マジだぜ"となり、掛け声だけは勇ましかった軟弱二人組に襲いかかり、追い回し、竹刀で相手の前歯を叩き折ったのである。たかが、テレビのお遊び番組のゲストに招かれてですよ。その後、三枝が何度か逃げながら番組は終ったのであるが、前代未聞のゲストであったようで、その後、この種の番組でダンプ松本の姿はない。
ダンプ松本は本名、松本香、埼玉県熊谷の出身。165センチ、100キロ。年令は公表されていなクラッシュギャルズの長与千種と同期であるというから、若い。中学生の頃から女子プロにあこがれ、何度目かのチャレンジで入門を許される。当時、悪役だったデビル雅美と極悪同盟をハルが、ダンプの極悪ぶりに先輩のデビルが逃げ出し、入門3年目のブル中野(170cm、80kg)が参加する。現在は期待の新人といわれるコンドル斉藤(165cm、64kg)も入り、更に大森ゆかりを極悪に入れようと狙っている。
で、極悪の必需品の凶器だが、今のところはダンプ松本の竹刀、ブル中野はヌンチャクを持ってリングに登場するが、ファイトに応じてクサリ、ハサミ、バケツ、など自在に使う。また、あの無気味なメークだが、イラストの得意なブル中野が、その日の気分によって描く。ま、極悪イコールダンプ松本であるが、根っからの悪党ではない。一年のほとんどはドサ回り。親の耳に聞こえてくるのは極悪ぶりばかりである。そんな田舎の親への罪ほろぼしとして、ダンプ松本はいま"家"をつくってやっている。本は親孝行な優しい女の子なんだよネ。すべては、竹刀が悪いんである。
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元がFOCUSなので間違いが多い記事です。
まず、この時期はすでにダンプ松本の名前は全国津々浦々まで知れわたり、クラッシュギャルズよりも有名になってしまった、と書かれています。日本初の暴力系女性キャラですからね。いまでもこんなインパクトのキャラクターはいません。(いまやると苦情が来て自粛させられそう)
桂三枝の番組は以前に下記に記載しましたが、相手の前歯を本当に折ったようです。その後のバラエティは登場しているので、本記事の内容とは食い違いがあるようですが。
また、デビルがダンプから逃げ出したとか、ブルがメイクをやっているなど、事実と異なっており、ゴシップ誌なのでいい加減ですね。