1985/11/28 雑誌「週刊ザ・プロレス」千種ケガ、ダンプvs大森戦が延期

1985/11/28 雑誌「週刊ザ・プロレス」に長与とダンプの記事がありましたので引用します。

 

 

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"重症"の右膝爆弾抱え、千種が悲壮な出陣決意

 

千種、悲壮出陣を決意! 右ヒザ半月板故障で戦線を離脱中の長与。意外な重傷とあって手術という緊急事態も予測された。今シリーズのカムバックは絶望とも見られていたが、ついにスクランブル発進を決意した。「手術をすれば復帰に時間がかかる」と故障をダマシダマシして、12.12大田大会の最終戦に出陣するのだ
 

予想外の重傷だった千種の右ヒザ。半月板ばかりでなく、ジン帯も損傷。すぐにでも手術を受けたほうがいい状態だ。千種自身も病院で再検査を受け、場合によっては....の考えだった。それがここにきて180度転換。千種は手術を拒否し、あくまで早期戦線復帰の悲壮な決意を固めた。

 

「手術をすれば復帰が遅れる。とにかく早くカムバックしたいから、手術は避けたい」
 

本来なら巡業を欠場して、東京の病院で治療に専念すべきだが「応援してくれるファンが見に来てくれるんだから、アイサツだけでもしたい」と松葉杖をつきながらハード巡業に同行だ。復帰の日を目指して、下半身の練習がムリなら上半身の筋力アップと、試合前も腹筋運動に汗を流している。その汗のしたたりが、千種を戦場への早期復活に駆りたてたのは間違いない。
 

今シリーズは絶望的な状態だったが、最終戦の12・12大田大会には必ず出場すると悲壮な覚悟を固めた。ダンプへの復讐・・・そして来春3月のMS・G参戦と千種、クラッシュには大仕事が控えている。手術をして、もし失敗となれば引退は避けられないし、成功してもカムバックまでに数か月かかる。欠場してる間にヒザの状態も徐々によくなり「いつまでもグズグズできない」と12・1最終戦への強行復帰となったのだ。
 

手術しなければ完治はしない。ヒザをダマシダマシやっていくしかない。ケースでいえば、かつてのテリーがそうだ。近日中に病院で再検査をして最終判断を下すが、千種もテリーのように右ヒザに爆弾をかかえながら、果敢なファイトを続けていくのは間違いない。悲壮な出陣だが、千種の顔に暗さはない。それどころか「私にはリングしかない!」と決意を固めた、すがすがしい笑みさえある。
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12・12の大田大会の決戦に千種も参戦予定と書かれていますが、結局実現しなかったと思います。

ジャガーvsデビル、ダンプvs大森で盛り上がる中、長与だけ蚊帳の外です。長与はいつでも目立ちたいので、我慢ならないという感じだったんじゃないでしょうか。ケガでこのまま永遠に試合に出られないという最悪のことも考えていたでしょうし。とにかく焦りが感じられます。

 

続いては期待のダンプvs大森の試合です。

 

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突如延期!


12・12大田大会の大遺恨マッチ、大森vsダンプ戦が延期になった。
ダンプが勝てば大森が極悪入団、逆に大森が勝てば極悪解散―注目を集めていた
大一番が突如、延期になった。当日、ジャガー横田vsデビル雅美のWWWA、オールバシフィックのダブルタイトル戦が決定している。女帝同士の引退をもかけた決戦前に血みどろの抗争はふさわしくないとの配慮からだ。
 

大森、ダンプの二人は12・12に向け、早くも凄絶な決戦態勢に入っていた。
11・14倉敷大会。ダンプがブル中野、アギラールと組み、大森はデビル、堀との6人タッグで激突。ダンプは大森に「お前もこうなる」とばかり、
デビルに集中打。首に大ダメージを与える凶行をやってのけた。

一方、大森はダンプの挑発に乗ることなく、クールな戦い。「奴のペースに乗るからいけない。あいつが手下をつれずに一人でくれば少しも怖くない」とダンプの心理カク乱戦術に黙殺作戦をとっていた。
決戦へあおりまくるダンプ。怒りを貯めに貯め、12・12に大爆発を誓う大森。対照的な二人だが、照準はピタリ大田大会に向いていた。それが、突然の延期だ。
これ以上、ドロドロしたものにしたくない。冷却期間を置いたほうがいいという配慮だろうが、闘争心が燃え上がっていた時だけに、遺恨はさらにエスカレートする危険性のほうが大だ。
 

千種が戦線離脱し戦力的に手薄な時だけに、大森にとっては救いとなった。敗れれば極悪天下は目に見えているだけにプレッシャーが大きかった。1月になれば復活宣言の千種のヒザの状態も上向くはず。心おきなくダンプに向かえるだけ有利だ。延期でダンプがカリカリくるのは必至だけに、プラス材料は多い。仕切り直しとなった決戦は間違いなく1月4日開幕の新春シリーズにもゴングとなる。12・12決戦ではムード的にもダンプが圧倒的に有利と思われたが、一か月の猶予で事情は大きく変わってくる。大森ガダンプを倒し、恨み重なる極悪解散の可能性がぐっと開けてきた。

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12・12のダンプと大森の試合が延期になったという速報です。

理由は「ジャガーとデビルの女帝同士の引退試合に水を差すから」ということです。

これは、本当かもしれません。

ジャガー、デビルともに、12・12では自分たちの最高の試合、No.1の試合をしたいと思っていたはずです。そこにダンプvs大森というもっと凄いカードが出てしまうと、盛り上がりを取られてしまう可能性があります。

松永兄弟への直訴だったのかもしれません。

こういうところでも、ジャガーとデビルは邪魔をしてくるので困ったものです。(本当かは分からないですが)

結局、大森はケガをしてしまうので、12・12はどちらにしろ延期なわけですが、相変わらずドロドロした全女の関係が垣間見れる感じがします。

12・12の試合が実現していたら、おそらくダンプが反則攻撃で勝つか、有耶無耶なドローで終わっていたと思います。この試合は見たかったです。