
Evito-X-PuroさんのYoutubeより
1985/12/4 秋田能代 西脇充子vs坂本あけみ
(0:00くらいより~)
(↓AIでフルハイビジョンに変換した動画です。試合部分のみ抜粋)
今回は85年の新人王決定トーナメントの準決勝、西脇充子vs坂本あけみの試合を見ていこうかと思います。
注目はこの年に新人王となる坂本です。
20分1本勝負です。
まずは赤コーナーの西脇。一部の雑誌によると、西脇も極悪志望だったと書かれていたような?
志生野アナ「岐阜県の出身です。一回戦で神崎を破りまして、準決勝第一試合に登場してまいりました」
志生野アナ「本命選手の一人です」
志生野アナ「高校時代、重量挙げでは群を抜いた成績を収めていました」
志生野アナ「ま、女子プロレスに入りまして、技はいまひとつなんですけども」
志生野アナ「何といってもこの体力で、グングングングン頭角を現して参りまし鉄拳」
志生野アナ「堂々とこの新人王決定トーナメント準決勝に進出という」
志生野アナ「坂本あけみ対西脇充子の対戦を向かえております」
すでに極悪ペイントをしている坂本。
85年の新人の中では、仲前に続き、極悪入りを許されたようです。
しかも仲前よりも先に髪を金髪に染めています。
コンドルでさえ、「一人前になるまで全部金髪には染めさせない」と話していたダンプですので、坂本にかける期待が大きかったということでしょうか。
まさにミニ・ダンプです。
いきなり奇襲攻撃。
志生野アナ「試合が始まりましたが、やはり坂本の体力というのはあなどれないですね」
宮本「そうですね、83kg、この体重ですね」
志生野アナ「そんなにありますか」
宮本「これはもう新人時代にとっては、この体力、重さ、これは一つの武器ですね」
志生野アナ「そうですね。格闘技ってのは重さそのものが武器になりますもんね」
志生野アナ「ですからいつの間にかですね、対戦した選手は負けているというケースが多いんですけど」
志生野アナ「今日は負けた中島も、あるいは石黒も同じような感想を漏らしていましたですよ」
志生野アナ「坂本あけみ選手は一回戦でテクニシャンと言われております中島小百合を破っております」
志生野アナ「2回戦、石黒を下しましてこの準決勝に登場しております」
坂本は入門時で数か月で83kgですから、ブルやコンドルよりも体重があったかもしれませんね。
ダンプも入門時は70kg台だったと思います。
1回戦では中島、2回戦では後に極悪同盟に入門する石黒を破ったようです。石黒は1985年の新人の中では、翌年には宇野に次いで大活躍しますが、この時はまだ目立った存在ではなかったようです。
志生野アナ「このあと茨木で新人王の準決勝の第二試合が行われまして」
志生野アナ「すでに宇野久子、仲前芽久美というところが準決勝に勝ち上がってきているわけですね」
宮本「ベスト4が揃っているわけですね」
志生野アナ「ですからこの勝者と、仲前か宇野が対戦するということなるんですね」
志生野アナ「結果的にはここまで予想通りですね」
宮本「ええ、西脇、宇野、仲前ってのがいちおう三羽烏と言われたんですけど」
宮本「あと一人、誰が上がってくるか。この巨体を生かした坂本が勝ち上がってきましたね」
体格が大きく、ダンプ似であることで、極悪メイクは貫禄がある感じです。
志生野アナ「ご覧の通り、極悪同盟を思わせるメーキャップなんですけど」
志生野アナ「いちおう極悪同盟の一員と、このように紹介しても、宮本さん良いのでしようか」
宮本「そうですね、いつもリングサイドで極悪側についていますからね」
志生野アナ「えー、松岡きっこさん、今年の新人は本当に体が大きいんですよ」
松岡「ええ、すごい大きいですね、167cmですか、西脇選手」
松岡「均整の取れた体型ですよね」
志生野アナ「昔はジャガー横田とか、体が大きいよりも動きが早いといいますかね」
志生野アナ「そういった選手も多かったんですけど、最近はオーディションなんかで」
志生野アナ「結局は残るのが体の大きな選手になりましたね」
腕相撲で鍛えた体で、体重のある抑え込み。この点では圧倒的に強い坂本。
志生野アナ「江藤さん、こうして新人の試合ぶりってのも見ていて楽しいもんでしょ?」
江藤「なんていうんですかね、坂本あけみさんですか、もう坂本さんがパァと出てきたとき」
江藤「ダンプ松本かと思いましたね」
志生野アナ「無理もない」
江藤「しかしそっくりですね、ダンプさんに」
志生野アナ「今年はね、考えてみますと全日本女子プロレスは極悪同盟の年でもあったわけですね」
志生野アナ「ですから極悪に入りたいという選手が信じられませんが多いんですよ」
志生野アナ「新人たちに極悪同盟どうかと聞きますと、半数以上がいま極悪志望なんですね」
志生野アナ「極悪も狭き門でして素質がないとダンプ松本がOKしないわけ」
志生野アナ「強い選手を集めて極悪の時代を築こうという野望がダンプ松本にあるみたいでしてね」
志生野アナ「そういった意味で、この坂本あけみ選手も将来やはり、宮本さん、極悪同盟の一員として」
志生野アナ「大きく羽ばたきそうな、そういった力を持っている選手ですね」
宮本「有力なホープですよね」
髪の毛を掴んで投げたり、すでにヒールの攻撃はしています。
ここで女子プロレスのおかあさん、松岡から鋭い指摘が。
松岡「どうなんでしょうね」
松岡「悪役のメーキャップっていうんですか、ヒールのメーキャップってのは」
松岡「もうちょっと個々に個性を持ったほうがいいんじゃないですか」
松岡「あまりにもダンプに近すぎて、どの顔みても、仲前芽久美さんもいまセコンドについていますが」
志生野アナ「それはきっこさんの鋭い指摘で、実は仲前芽久美選手の横にいるコンドル斉藤ね」
志生野アナ「このコンドル斉藤がとってもセンスをもっているんですね」
志生野アナ「メーキャップをほとんどね、コンドル斉藤が一人でやっているところがあるんですね」
志生野アナ「ですから全体的に似てくると、このへんがあるかもしれませんね」
松岡「全部おんなじ顔に見えますもんね」
確かに極悪同盟のメイクは、ダンプ以降、全員同じにしてしまったのは良くなかったかもしれません。
コンドル斉藤が一人で担当しているといっても、選手ごとに違うメイクには出来たはずです。
なぜみんな同じにしてしまったのか、アイデアマンのダンプならばもっと違う形に出来たはずです。
その点はダンプは考えたほうが良かったかもしれませんね。
そして松岡が話しているうちに坂本が体固めに入ります。これがなんとも強力です。
志生野アナ「お、ちょっと待ってくださいよ」
志生野アナ「あっという間」
あっさりとスリーカウント。
志生野アナ「坂本あけみ選手が抑え込んじゃいましたが」
志生野アナ「いままで同じような勝ち方なんですよね」
宮本「体重のね、80kgの体重で強引にねじ伏せてそのままフォールですよね」
志生野アナ「失礼しました。まさか、あそこでカウントスリーとは思いませんでした」
志生野アナ「あっという間に決着がついてしまいました」
新人トーナメントは抑え込みのガチ勝負と聞いているので、見せるプロレスというものはほとんどなく、最後はピストル(ガチ)で一気に勝負をつけるようです。
80kg以上で抑え込まれたら、そう簡単には抜けられないでしょうね。
新人時代はこれでよいですが、ショープロレスとなるとまた違ったものになるので、この勝利か良かったのか悪かったのか、新人王も含めて今後のポイントになったかもしれません。