1985/12/5 雑誌「週刊ザ・プロレス」飛鳥の孤独な叫び

1985/12/5号の雑誌「週刊ザ・プロレス」にクラッシュの記事がありますので引用します。

 

 

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片翼だけのクラッシュ

飛鳥の孤独な叫び

 

「千種、ゆっくり治療して」。片翼飛行のクラッシュギャルズ、ライオネス飛鳥が孤軍奮闘を続けている。「やっぱり千種とのコンビのようにはいかない」 若手をパートナーにするケースが多く、華麗、豪快なクラッシュ連係が見られないのは、ファンだけではなく飛鳥も寂しいのだ。

それでも「ムリしないで休んで」と千種の分まで猛ファイトを誓う飛鳥にホンネ・インタビューで迫ってみた。

 


――やっぱり千種がいないと寂しい?
飛鳥 コンビネーションが千種と組んでる時みたいにうまくいかないからね。しゃべらなくても、目を見るだけで互いの気持ちが分かる。そんなの千種だけだもの。若手とのタッグを組むケースが多いけど、難しいですね。自分がリードしていかなきゃいけないんだけど、思ったようにはいかなくて。

 

――千種に1日でも早くカムバックしてほしいんだ

飛鳥 そりゃ、そうよ。でも千種にはムリをしてほしくない。完全にヒザを治してからカムバックしたほうがいいわ。ムチャして、また悪化させたらどうしようもないでしょ。ファンの人たちだって分かってくれるから、じつくり休めっていってるんです。

 

――長与が欠場、クラッシュギャルズが"休業中"ってとこで、クラッシュとは何だろ?つて考えてみたことない
飛鳥 千種とコンビを組んで、初めのころはダイナマイト・ギャルズ(堀、大森)に挑戦する形だったでしょ、チャレンジャー精神があったし、思い切ったファイトができた。ストロングスタイルのクラッシュらしさが十分に出せたと思う。
 

――いまは違うと?
飛鳥 なんかタッグの好敵手がいないって感じですね。ダンプとの試合はプロレスにならないし、カーツと自分が燃える相手がいないんですよ。
 

――12・12大田大会でぶつかる立野、山崎とか若手で成長株もいるのでは・・・・
飛鳥 そうなんですよ、記代や五紀以下の小倉、永友、小松永堀たちに早く一人前になってもらいたい。ダンプとの試合じゃ本当に燃焼できない。私を熱くさせるような選手になってほしいですね。
 

――なるほど、ところでタッグでなくてシングルのほうでの希望は?
飛鳥 もしできるなら、来年は大森とシングルでやりたいんです。完全決着をつけたい。
 

'86は同期の大森と決着つけたい
 

――また意外な相手の名前だね
飛鳥 大森とは同期で新人王戦でぶつかって私が勝った。でも納得のいく勝ち方じゃなかつたし、この間のジャパン・グランプリでも時間切れギリギリで両者リングアウト。彼女との勝負は決着がついていないんですよ。ダンプにもタッグリーグ戦の雪辱を果たしたいし、WWWA王座も手にしてみたい。だけど、それとは別に大森とシングル戦で完全に勝負をつけたい。
(大森も飛鳥の対戦要望に同意。「私だって飛鳥と思い切った勝負がしたい」と語っている。'86女子プロマットで両者の対決はホットな話題を呼びそうだ)
 

――MS・G出場の予定も3・16定期戦と決定。その前に3・3カナダ・トロント、3.8ボストン、3・11ポーキプシとWWFメーンロードのサーキットも決まった。'86はクラッシュ再ジャンプの年だね
飛鳥 燃えますね。MS・Gは憧れだったし女子プロの日米対抗戦も予定されているから張り切らなくちゃ。
ダンプ、ブルとの試合になりそうなのがちょっと残念だけど、ガツンと晴れ舞台でやっつけますよ。
 

――'85 女子プロの世代闘争が叫ばれた一年だつた。来年はそれも達成しないとね。

飛鳥 追う立場で甘えてた面があったけど、これからは私たちが引っ張っていかなきゃダメなんですもんね。今回、千種が休んで若手とのコンビでリード役をやったのをいい経験にしたい。そして、干種に完全な状態でカムバックしてもらいたい。86年は真っしぐら一直線で突っ走りますよ。

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徐々に芸能活動とプロレスで悩み始めた頃の飛鳥のインタビューです。

ちょうど長与がケガをしたために、長与ナシで自分のプロレスを追求できることから、ある意味息抜きになったひと時だったのかもしれません。このあと長与がマジソンで復活してから一か月くらいして、飛鳥が倒れますから、やはり飛鳥にとって長与の存在はこの頃から大きなプレッシャーになっていたのかもしれません。

 

ダンプとの試合は「試合にならないのでやりたくない」と答えています。飛鳥のプロレスはジャガー同様に、受け攻めを主体として従来のプロレスであり、長与やダンプのようなショー的要素のあるものとは違っため、そのような思うのも仕方なしというところでしょうか。