マンガ「ダンプ・ザ・ヒール(5)」感想
今回も初回限定版を購入しました。(^^;
秋葉原の書泉ブックタワーに行きました。
8/30から開催と書いてありますが、ダンプさんのサインを書いていたのが8末だったので、9/中から始まったんじゃないかな~?
前回のあらすじ-----------------
クレーン・ユウの代わりに、ベビーフェイス志望だったブル中野を半ば無理やり極悪同盟に加盟させたダンプは、ますます絶好調。いよいよ因縁の長与千種との世紀の髪切りデスマッチに挑む。
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第5巻でダンプ・ザ・ヒールが完結しました。ダンプのエピソードは尽きないので、もっと物語としては長く出来たのではないかと思うのですが、多くの話を入れても複雑になってしまうからでしょうか。クラッシュの長与vsダンプという形にこだわったストーリーになっています。最終巻では髪切りマッチと引退マッチで締めくくられました。
第5巻ではまずは長与との髪切りマッチについて語られます。
影で暗躍している松永会長にハメられて、ダンプと長与のお互いのギスギスした感情が頂点に達します。そして怒りをぶつけた髪切りマッチ。影武者の登場の仕方は同じですが、竹刀で背後から襲っていました。事実とは異なりますが、当時はこのような奇襲をしたかったのかなと思わせますね。(^^)
そして敗者となった長与に対する「じっとしてろ」の一言。これは本当かどうかは確認のしようがないのですが、おそらく本当なんじゃないかと。そもそもダンプがハサミを持った時は、クラッシュはいつもジッとしているので、暗黙の了解だった可能性もあります。(^^;
そして突然の引退。引退に至る経緯は残念ながらマンガでは描かれていません。「引退式はベビーでやったらどうだ」という会長の意見に、ダンプは「ヤダね」と自分のポリシーを貫きます。
引退マッチの前にブル中野とのエピソードがあります。これは「デラックスプロレス」にブルのコーナーがあり、そこで紙面の受け答えしたときの話です。確かこの前後の数か月、ブルの反抗期があって、その中に新幹線の中のエピソードがあったように思います。「ぶるちゃんねる」でも語られているエピソードですね。
↓こちらの4:50~から。
実は新幹線の中で毛布をかけたときに、ダンプはブルが泣いていたことに気が付いていたと、何かの本に書かれていました。
引退式でもヒールを貫いたダンプですが、最後は長与と一度だけペアとなり、大団円を迎えます。(ちなみにダンプと長与のダブルラリアートはなかったと思いますw)
最後に40年後のダンプが描かれて締めくくられました。
こうしてみると、松本香からダンプ松本に転身してからは、マンガだけをみると大きな成功と意欲的な行動、そして大団円を迎えているように見えます。しかし実際はもっとドロドロとしていたはずなのです。しかし、そこは先輩レスラーの話になるので、マンガでは描けなかったのかなと思います。第一巻のイジメが陰湿だった分、最後はヒール頂点に昇り詰めた「ダンプ松本」の物語が綺麗にまとめられており、ハッピーエンドで安心して読める(?)内容です。
ひとつ残念な点をあげます。
この物語はプロレス物語のように見えて、松本香の人生そのものを綴ったマンガなわけです。
その象徴が第一巻である「もっと強くなって父親を殺してやる」というセリフです。
さて、その後家族は、そして父親との関係はどうなったのか。家庭環境と彼女自身の決着は?? 実は一番肝要な部分が抜けており、父親との決着を迎えて初めてこの物語はきちんと成立すると思います。プロレスでハッピーエンドとして終わらせる物語ではないと思います。内容はフィクションでも構いません。その点だけ不満です。
さて、マンガは面白く出来ていたので、NetFlixの「極悪女王」も楽しみです。
2023年中には公開されると思うので楽しみに待つことにします。