天城大地


天城の魅力について、がんばって妄想膨らまして考えました。



久しぶりに考察したいと思わせる魅力的なキャラクターが登場した。今回考察する天城大地である。本ホームページのメインコンテンツは「キャラクター考察」なのだが、ヤジロベーを考察したのが2008年の6月。それ以来5年間も考察をしてこなかった。2000年に入ってからはデブキャラ氷河期の時代が到来したと言って良いだろう。しかし、2012年に「アクセルワールド」、「ちはやふる」、「遊戯王ゼアル」など、魅力的なデブキャラが活躍するアニメが多く放送された。そして今回考察する天城大地も2011年に「イナズマイレブンGO」で活躍したキャラクターである。ちなみに2013年は「超速変形ジャイロゼッター」にミッチーというデブパイロットが登場したりと、少しずつデブキャラの重要性が見直されているように見受けられる。これは良い兆候だ。
「イナズマイレブンGO」に話を戻すが、実は筆者は無印の「イナズマイレブン」は一切見ていない。壁山というデブキャラがいたのだがあまり萌えなかった。知っているのは人気投票で五条というキャラクターが一位となったことくらいである(苦笑)。だから前作の内容は分からない。ということでイナズマイレブンGOのアニメの内容で考察します。ゲームはプレーしていないので対象としていません(そのうちNintendoDSでプレーしたいです)。

(余談ですが、数年の間にディスプレイの解像度が大きくなり、それに合わせて考察もフォントサイズを大きくしました・・。時代の波を感じます・・)。


性格
天城の性格は公式ページによると、「曲がったことが大嫌いで喧嘩っ早い性格」とある。いまどきのデブキャラに珍しい男気がある性格設定だ。実際に天城は雷門の中では体が大きくて、眉間に十字傷もあるし、言葉も力強い。だから性格は設定通りなのかと思われた。しかし話が進むにつれて、どうも雲行きが怪しくなった。
雷門が革命を起こすこととなり、万能坂中との試合で、天馬・神童・信助・三国はフィフスセクターに立ち向かうことになるが、その中に天城の姿はない。もし「曲がったことが大嫌い」な性格ならば、真っ先に天馬たちと行動を共にするはずだ。しかし、「フィフスセクターに歯向かってもムダだ」という負け犬的精神から一向に脱却することはない。試合後半で同じ3年生の車田が反乱に加わり、天城もドサクサに紛れて革命に参加したような描写になっている。

「喧嘩っ早い性格」というのも、あまり見られない。狩屋から「天城先輩は足が遅いから・・」と吹き込まれて霧野に食い掛るシーンがある。公式設定が反映されたのは、このシーンくらいかもしれない。味方にイチャモンをつけるのに活用されても、それはそれで微妙である(どうせなら相手チームの悪いヤツとケンカをして、天城が素手で相手を倒していく格闘アニメでも良いくらいです・・)。


wikiなどにも書かれているが、天城の性格は同じ3年生の車田の性格のようだ。では天城の性格はどのようなものであったか、それは本考察を通して最後に結論を出すとしよう(ただし、男気があってもなくても、天城が愛すべきキャラであることは疑いありません(笑))。


デブだけどサッカーするド!

サッカーアニメは数多くあるが、意外とデブキャラは多い。例えば「キャプテン翼」では中西、大丸、高杉などのディフェンダー、「エリアの騎士」の荒木など。しかし実際にJリーグにデブの選手は見たことがないし、小学生のサッカー大会などを見ても、デブって記憶にないような・・。筆者にはデブがサッカーをやっていること自体が、なんとなく新鮮な感じだった(でもポジションはだいたいキーパーかディフェンダーのようです)。


野球ではデブがキャッチャーの設定が多いが、サッカーはずっと走りまくりなので、デブには不向きなんだろう。天城も「走るの苦手だド!」と言っていた時点でサッカーに向いていない気がする(走れないサッカー選手ってあり得ません・・)。でも、天城はデブなのに意外と機敏で走り回っていたし、健康的なところがイイ。肌もこんがりと焼けていて、家に引きこもっている感じが全くしない。近年のデブキャラ(運動オンチ・劣等感あり・引きこもり・気弱)というネガティブな傾向とは明らかに違う。
天城の魅力の1つは、「デブなのにスポーツが(そこそこ)出来て、走り回れる健康的な少年」なところかもしれない。


←こんな風にはしゃぐのも魅力のひとつ?


俺は田舎者じゃないド!

天城の特徴は、まず語尾。チームメイトや友達には「〜だド」という語尾をつける。一体この方言はどこのものなのか調べてみたが良くわからなかった。甲州、茨城、山形などがヒットするのだが、すべての語尾が「〜だド」となるわけではないようだ。よって、なんでもかんでも「だド!」にしてしまう天城は、どこかの地方出身ではなく、親にそういう風に育てられたか、友達がそういう話し方でクセが移ったことが推察される。ただ一番の友達だった真帆路が「〜だド」とは話していなかったので、友達説は薄い。よってやはり母親の教育理念か、親も「〜だド」と話すのか・・(どういう親なんだよ)。
ちなみに鬼道監督に対してはなぜか普通の言葉で話しているので、実は標準語はペラペラである(笑)。友達には語尾に「ド」をつけて、上司には標準語で話す天城は、意外とちゃっかりしているのだろうか(笑)


俺は存在感があるド
デブキャラは太っていること自体が存在感につながる。これは今までの考察で筆者が書いてきた。デブキャラは何もしなくてもデブだから目立つのだ。しかしデブ特有の性格や行動をプラスすると、さらに特徴的なキャラクターになることが多い。天城はキャラクターデザインの人に愛されたのか、非常に存在感のあるデブキャラに仕上がっている。

その1。アゴのゴーグル。天城をパッとみて「アゴについているものは何?」と全員が疑問に思うだろう。しかも赤い色をしているのでかなり目立つ。ゴーグルは普通は目や額こつけるのだが、これをアゴにしている。昔にアゴを蹴られたとか、なにかトラウマ的なものがあるのかと思えば、そうでもなさそうだ。しかも食事でも外さないなんて、単に邪魔以外の何物でもないと思うのだが・・。よほどアゴにしていることが気に入っているのだろう。小学生のときは額につけているので、中学生になってイメチェンを図ったのだろうか。最初は変な風に見えたゴーグルも、だんだん見慣れてくると天城の存在感が引き立てるから不思議なものだ。
筆者が考えるに、天城は眉間に十字傷があったりして、少し怖いイメージがある。だからアゴにゴーグルをさせて少しギャグのテイストを入れ、和ませキャラにしようとしたのではないかと推察する。


その2。大喰らい。デブキャラの宿命であり、デブといえば「腹減った」である。しかし天城に関して言えば、「腹減った」というセリフはほとんど聞かれない。大食いの場面は少なからずあるので、毎日雷々軒に行くとか、もっと「腹減ったド!」と連呼して欲しかったところだ。

その3。ケモノのような髪型。頭髪の量がハンパない。横から見ると髪の毛の分量が人間が一生生える分量を超えているのではないかと思われるほどだ。また獣のような目や顔つきをしているのに、それでいて毛深くない。耳にかかる揉み上げや、全体的なカットは、壁山のようなアフロではなく、けっこうビジュアル系というか、イケメン風かもしれない。また雷門の中で一番背が高い設定なのに、髪の毛の分量があるので、余計に大きく見える。キャラデザの人はよほど天城をデカく見せたかったんだろうか(壁山もアフロだったので、完全にキャラデザの長野さんの巨漢好き趣味っぽいですね・・)。

その4。〜だドの語尾。これは前項で説明済み。



その5。ユニフォーム。黄色で目立って良い。また天城の背番号4のユニフォームだけ、異様にデカい。絶対に特注だ。もし試合中にユニフォームが破れてしまったら、どうするんだろう。ユニフォームの上から見える胸板もけっこう厚い(揉んだら目覚めそう←ォィ)。学生服もデカくて絶対に特注だと思うが、無理やり着ているような感じがしてカワイイ。画像だと影山の学生服と比べるとなぜかボタンまで大きくてカワイイ。


その6。眉間の十字傷。ケンカっ早いという設定のために入れたものと思われ、吊り上った猫目と十字傷がちょっと怖そうでヤンチャな雰囲気を漂わせる。小学生時代から眉間の十字傷があるのだが、どうしてこんなキズがあるのだろうか。小学生のときに気弱だった天城がケンカをするとは思えない。よって、この十字傷はケンカではなく、ケガをしてついたものと考えられる。ドン臭い天城のこと、どこかで転んで眉間に一生消えないキズをつけてしまったのかもしれない。
天城はパッと見ると、十字傷や吊り目で怖そうなイメージを漂わせるが、なぜか可愛らしさも感じられる。それは全体的なバランスにあるのかもしれないが、相反する2面性を絶妙に取り入れた、いままでにないデブキャラのデザインだと思う(ちょっと言い過ぎか)。

このように見ていくと、天城はキャラクターとしての特徴が多くて、いままで考察した中でも、華やかさでいうと一番、イケメンデブかもしれない(基本的にイケメンのデブキャラっていませんからね・・ビジュアル系でいうとNARUTOのチョウジとか、そのへんに近いか?)。痩せたら女の子にモテそうな感じだ(痩せなくてもデブ専には大人気かと思われますが・・)。


必殺技シーン


天城の必殺技は2つ。「ビバ!万里の長城」「アトランティスウォール」。第13話で初めて「ビバ!万里の長城」を見たときは、鳥肌ものだった(前作を見ていなかったので、地面から建物が出ているとは予想もつかなかった)。他のメンバーが比較的地味な技(でも面白い)を見せる中で、天城だけは地面から巨大な建造物がニョキニョキと生えてきて、相手を四方八方から壁で塞ぎ込むスゴ技だ。「ビバ!」はイタリア語で「viva」、「喜びを表すバンザイ!」の意味らしい。なぜイタリア語なのかよく分からないが、天城が格好良さそうだと、適当にネーミングしたと予想。「バンザイ! 万里の長城」っていう意味になってしまうのだが、これはこれで間抜けで、天城っぽいのかもしれない。

また万里の長城は、化身以上のインパクトがあるように思う。だって壁がズンズン出てくるし、万里の長城の上で「ハーハハッ」と高笑いする天城はキュンキュンしますた。万里の長城の上にいるときは、すごい男気があるのにねぇ・・(ゲームではこの高笑いがないそうです)。

この万里の長城、三国先輩の「バーニングキャッチ」や「フェンスオブガイア」よりも役に立ち、序盤は無敵を誇っていた。しかし、雪村の化身に破られてから天城は絶不調に陥ってしまう。対幻影学園戦を最後に「ビバ!万里の長城」は使われなくなり、代わりに「アトランティスウォール」が使われるようになった。アトランティスウォールは建造物が変わっただけなので、「ビバ!万里の長城」以上のインパクトはなかったように思える。天城は体が大きいから、もっとパワーを活かしたブロック技(エレファントプレスのようなもの)も披露してほしかったところだ(ゲームでは使えるみたいですね)。天城が体当たりしてきたら、みんな吹っ飛ぶんじゃないかなぁ。デブはパワーをどんどん使わないと! でも天城は優しいからちょっとムリかな?

また、天城に化身を出しても良かったのではないかと思う。クロノ・ストーンでは霧野の短いエピソードでも化身を出せるようになっただから、天城の長いエピソードだったらアトランティスウォールではなくて化身でも面白かったと思うのだが・・(そこは婦女子さんの狙いの霧野と、デブの天城の待遇の違いなんでしょうかねぇ・・)。天城が精神的に弱いから化身が出せないという話もあるが、真帆路との一戦で精神的に成長したことを示すためにも、化身を出しても良かったと思う。


俺のショタ時代だド

小学生時代の天城は、体がデカくて太っているが、蚊を殺すこともできないような気が弱い少年だったようだ。弱々しいが、友達に対しては誰よりも優しい。現に真帆路がサッカーをしたくて声をかけたときも、天城だけが真帆路に「一緒にサッカーするド!」と声をかけている。ちょっとウジウジとしているが、根はとてもいいヤツなのだ
外見は眉間に十字傷があって怖いが、目がまん丸として純朴で、髪の毛もボサッとしている。ゴーグルを頭の上に乗せている姿はとてもカワイくて、愛くるしい少年だ(これはデブショタ専スタッフがかなり苦心して作った新手の悩殺ショタキャラとしか思えません)。
(画像はデビルマンとモジャモジャ君です(笑))



天城は小学生時代にイジメられていた。時期は小学6年生でもうすぐ卒業の頃だったらしい。天城がイジメの対象となった原因は描かれていないが、「デブでノロマでイジメやすかったから」と思われる。虫も殺せないような優しい少年だからこそ、イジメる側もやりやすかったのかもしれない(ただ天城は体が大きいので、発狂して一発殴れば全員静かになりそうですけどね・・)。もしくは天城の次に真帆路もイジメられているので、クラスにイジメッ子がいて、順番に誰でもいいから手当たり次第にイジメていただけかもしれない。

服装だが、普段はオーバーオールを着ている。デブの定番の服装だが、そのへんは良く分かっているとしかいいようがない。中学生の天城の普段着は登場しないが、いまだにオーバーオールだと思いたい。



ところで小学生の終わりにイジメられたと語られているので、ショタ天城の姿は小学生の卒業間近のはずである。しかし、雷門サッカー部の入部シーンではすでに天城は現在の容貌に変身している。わずか数か月の間に、なにがあったのかと思わせるほどの変貌ぶりだ。やはり真帆路に相手にされなくなったショックで、ゴーグルの位置や髪型など、すべてをグレートな方向に変更したとしか思えませんね・・。


俺の性格はどうなっているんだド!

天城は幻影学園戦が丸々主役回、その前も長い心理描写があった。サッカーという11人+αもキャラクターが登場する中で、デブキャラである天城にスポットが当てられるのは近年稀にみる快挙である。ファンには喜ばしい展開だった。特に第28話〜第35話までの長い心理描写は天城の性格や行動を知るうえで重要なエピソードだ。初めに書いてしまうが、この長い心理描写にあまり一貫性がなく、天城の性格を余計に複雑なものにしている

まず28話で鬼道監督からハードな特訓をさせられる。天城は根性で特訓に耐えるのかと思えば、真っ先に逃げ出してしまう。さらに1人で逃げ出すならともかく、全然関係のない影山にも「なぁ影山も? お前もこんな練習は嫌だド!?」と詰め寄るのだ。山のようにでかい天城に詰め寄られたら、影山は絶対に「いいえ」とは言えないだろう。つまり天城は新入部員で絶対に反論できない影山を、半ば脅迫のように連れ去ったのだ。ある意味パワハラ的な行為である。この時点で「天城は曲がったことが大嫌いで・・」という初期の性格設定は破たんしてしまった(むしろ、「根性なし」で「自分勝手」な性格であることが露呈)。


鬼道監督から逃げ出した天城は、影山と毎日ラーメン屋へ。雷々軒の店主から「嫌なら戦えばいい」と諭され、単純な天城はあっさりと感化されてしまう。「練習最後までやり遂げて鬼道監督を見返してやるド!」と次の日にはグラウンドへ駆けつけるのである(筆者苦笑)。天城が喧嘩っ早い性格(と言えるのか?)なのは、なんとなく理解できるが、ただ短気で単純なことを示すエピソードだったのだろうか。ということで「根性なし」に「短気で単純」な性格も追加。


次に第29話〜第32話。木戸川清修との試合で天城はスタメンを外される。みんなと同じハードなメニューをこなしていたのに、どうして自分だけがレギュラーを外されるのかと天城は怒りをあらわにする。4人のディフェンダー枠を、天城、車田、霧野、信助、狩屋、速水でポジション争いしていたので、当然誰かが外れることになる。しかし他のメンバーはレギュラーを外されても黙々と練習を続けていた。しかし天城だけはベンチで「どうして俺を使わないド!」、「俺なら止めてたド」と不満タラタラ。おまけにベンチの椅子をガンと座りなおしたり、態度が悪い。おまけにレギュラーを外されただけで「サッカーをやめようかな」と言い出す天城は、精神的に打たれ弱く、自分勝手でわがままで完全にヘタレており、筆者も見ていて「スタッフさん、大丈夫なの!?」と心配になるほどだった。
第32話まで終了時点で天城の性格は「根性なしでメンタルが豆腐。短気でおまけに単純、後輩には強気」。はっきりいって最悪である。小学生時代はあんなに素直で優しい性格だったのに、一体どうしちゃったの!?

第29話〜第32話までの演出だが、第33話からの幻影学園戦に向けての布石だと思われる。しかしまともなデブ専スタッフがいなかったせいか、良い演出ではなかったように思う。結末が分かっているいまだから書けることだが、第29話〜第32話までの過剰な天城の心理描写は、あまり意味がなかったというか、ないほうが良かったのではないかと思う


続いて、第33話からの幻影学園戦。天城には小学生時代から真帆路という立派な友達(旦那)がおり、結論から言うと相思相愛的な関係だ。しかしクラスに発生したイジメを通して、2人の仲は崩壊してしまう。天城と真帆路がどうして決別しているのか、説明すると意外と複雑で分かりにくい。それは真帆路の行動が良く分からないことが一番の原因だ。表現の仕方でもっと単純化できたはずなので、少し改善の余地があったと思う。
簡単にまとめると以下のような因縁だ。

1. 天城がイジメられる。
2. 真帆路が天城をかばう。
3. 天城をかばったことで、イジメの矛先が真帆路に向く。
4. 真帆路は天城と仲良くすると、またイジメの矛先が天城に向かうと考えて、天城を無視する。
5. 真帆路はずっとイジメられ、強いものには逆らえない現実を知る。
6. 天城はイジメられなくなったが、どうして真帆路が話してくれなくなったのか分からないまま卒業。
7. 3年後、天城がフィフスセクターに反旗を翻し、革命をすると言い出す。
8. 真帆路は天城に強いものには逆らえないと言い出す。



特に分かりにくいのは、4.と5.だ。4.は真帆路がどうして天城を無視するという超絶な方法で、事態を解決しようとしたのか、いまだに理解できない。真帆路が不器用だっただけかもしれないが、誰もいないところで天城に理由を話せば何も問題はない(「理由を話すとアイツが傷つく」と真帆路は言っていたが、理由を言わないほうが天城が傷ついていたし、なぜ傷つくのかもわからない)。また2人でイジメられ続けて、2人の世界に突入してもよかったとも思う(←ォィ)。友達を無視するという最低な行為をしてまで、天城を守るという発想がそもそも小学生のレベルで思いつくものか、甚だ疑問である(小学生だからこその発想なのだろうか?)。もしその発想ができるほど真帆路が大人びているならば、それこそイジメる側を締め出すとか、それくらい出来るような気もする。また、天城も良くわからない。真帆路がイジメられていることくらい、同じクラスならば絶対に分かるはずだ。もっとも天城は鈍感だから分からなかった可能性もあるのだが・・(笑)
5.も分からない。イジメられ続けることが原因で、「強い者には従うべきだ」という発想になるのだろうか? 小学生のイジメが、フィフスセクターのような社会的な組織の強さに結びつくのが強引な感じがする。そもそも「強い者には従う」というのは誰でも知らないうちに悟っていることで、特別な発想ではない(現に初期の天城たち雷門メンバーも、全員同じ考え方だった)。だからイジメ続けられることで心が折れる=フィフスセクターに従うという理論がどうもしっくりこない。もう少し掘り下げたエピソードや、真帆路の過去を描いてくれないと、見ている側は飛躍した考え方に多くの矛盾を感じてしまう。


と不満を書いてしまったが、第33話からの幻影学園戦は天城を主人公にした大変面白いエピソードであることは間違いない(だからこそ不満も出てしまうのですが・・)。

幻影学園との試合で再び相対することになった天城と真帆路。元旦那と元女房の壮絶な死闘となる。真帆路はツンデレドSキャラのため、常に天城のことを「臆病者め!」「哀れだな」と罵りまくる。天城は防戦一方だが、なんとか元の真帆路に戻ってほしいと何度も挑みかかる。凄まじい夫婦喧嘩に見ている側も恥ずかしくなるほどだ(それは言い過ぎか)

←試合中なのに見つめあいすぎです(笑)


←背後から「お前には革命なんてムリだ」とドS発言連発(笑) そのままスパイクでケツをグイグイしてもおかしくない勢い。


(小学生のときは「天城をイジメるな!」とかばっていた真帆路が、試合ではまるで天城をイジメているようでした(笑) だから試合が終わって真帆路が真実を語っても、「あれだけ言いたい放題で、それはどうなのよ!?」と思う部分が少なくないです。もしくは真帆路は天城への愛が強すぎて病んでしまったんですかね・・・・(笑))



真帆路の圧倒的な強さに、天城は手も足も出ない。マボロシショットと化身に、4度も「ビバ!万里の長城」を破られて、天城は沈没寸前。泣きそうになるほどだ。「やっぱり俺にはムリだド・・・」と天城は真帆路を説得することを諦めかける。試合の中で徐々に追い詰められていく天城の演出はなかなか良くできていて、筆者はとても好きだ。

しかし沈没寸前の天城を救ったのは、1年生の影山だった。彼は天城がピンチになるとすぐに駆け寄り、そして励ます。このシーンはとても印象的である。第28話で天城は影山を強引にサボリ組に引きづり込み、完全に先輩面をしていた。しかしこの場面では立場が逆転し、後輩の影山が行き場を失った天城に力を与える。もはやこれは先輩後輩を超えた仲としか思えない(笑)


そして天城は最終的にマボロシショットを止めることで、自分のような弱い人間でも、強い者の支配を乗り越えられることを真帆路に伝える。真帆路も試合後に本当に臆病者だったのは自分であることを告げ、2人はヨリを戻してめでたしめでたしとなる(その後、2人が親密な関係に戻ったのか描かれていないのが残念。たぶんヤンデレーラ真帆路が天城をしばらく監禁したと思われます・・)。

まとめると、天城は小学校を卒業してから徐々に成長している。しかしその方向性は男気のあるものではなく、レギュラーを外されてふて腐れたり、練習がキツいと文句を言ったり、当てつけに後輩を振り回したりと、少しヤンチャでワガママな方向である。それは小学生時代があまりに気弱すぎた反動もあるだろうし、雷門のレギュラーになって自信をつけてこともあるだろう。また中学生になって体がずば抜けて大きいことから、彼に逆らう者もそれほどいなかったことも考えられる。小学生時代は目がクリクリして純朴だったのに対し、中学生の天城は吊り目で少し怖い感じになったのは、成長して自我が現れた証拠でもあると思うのだ。
ただ、天城は一番の友達(真帆路)と別れてしまったことをいまでも悩んでおり、中学3年生の思春期の男の子らしい心の葛藤を見せる。天城は体だけ見れば大人なのだが、精神はまだまだ"男の子"なのだ。中学生になって短気で図太くなったことは否めないが、真帆路や影山に対する行動を見ていると、友達を大切にする優しい性格は、小学生から変わっていない。それは試合を通して伝わってくると思う。そういう意味では第29話〜第32話のヤンチャな心理描写も生きてくるので、あれはあれでそれほど悪い描写でもないのかもしれない(どっちなんだ)。天城の性格は「短気で図太いところがあるが、友達や後輩を思いやる繊細な面も持つ優しい子」という感じだろうか(ちょっと苦しいが、こんな感じだと思います・・)。

以上が天城の性格の考察だが、キャラクターデザインの長野拓造さんと、プロデューサーの日野晃博さんの談話が2ちゃんねるの掲示板にあったので転載しておく。

(長野さんは壁山に思い入れが強いし、同じ巨漢キャラとして天城への思い入れも強いのでは?)
長野:どうしても壁山の存在が大きすぎて…
日野:壁山を越えられなかったと?
長野:自分ではそう思ってるんですよ
日野:じゃあ、アゴにかかっているゴーグルから煙を「プシュー」と出すようにしたらいいんじゃない(w
   ゲームのシナリオ、設定を作る立場としても、天城はとても悩ましいキャラクターだったんです
   それで、真帆路という親友とのエピソードを入れたんですけど、結果的にゲームで一番感動できるエピソードになりました

長野:最初はケンカっ早いという設定がありましたよね
日野:プロットの段階ではそうでしたが、アニメのシナリオ会議を進める中で、新生雷門イレブンのエピソードを膨らませる回が必要になったんです。
   実は天城でなくとも良かったんですけど、あえてチャレンジしてみました(w
   それで天城の設定も変わることになったんですね

性格設定が変更されたと日野さんも話されているので、初期設定の「男気のあるキャラ」から、「精神的に弱いキャラ」に変えられてしまったのだ。それが良いことか悪いことかは分からないが、結果として天城のエピソードが存在したのだから、筆者にはとても喜ばしいことだと思う(車田は男気のある良い設定だったが、エピソードは皆無だったので、性格が変わったほうが良かったのかもしれません・・)


男と男の約束だド
天城は男にはモテる性格らしい。小学生時代は真帆路と仲良くなり、しかも真帆路に守ってもらっていた。普通、巨漢=力が強いので、天城が真帆路を守りそうなのだが、天城は気が弱いので、逆転したようだ。さらに中学生になると後輩の影山に何の脈絡もなく絡み、いつの間にか先輩、後輩の間柄を超える関係になったようだ。

その影山だが、前作の「イナズマイレブン」では悪の権化だった「影山零治」の甥にあたるようだ。彼は純粋で快活で愛嬌のあるキャラクターに設定されている。彼もまた昔は友達関係で色々と悩んでいた(今も悩んでいるかもしれないが)。第33話では真帆路との関係で悩んでいた天城に対し、誰よりも天城のことを心配していた。天城が鬼道監督から「帰れ」と言われたときも、練習を抜け出して後をつけていた模様(笑)。最初は天城に振り回されていた影山は、天城が悪意で自分を振り回しているわけではないことを悟り、彼を良い先輩として受け入れていったのだと思われる。さらに天城がずっと1人で悩んでいた真帆路とのことを唯一知った人間で、だからこそ天城と影山は「男と男の約束」をする関係にまで発展していった(決して変な意味ではありませんけどね・・)。天城は見た目は強そうだが、付き合っているとどこか頼りない部分が見え隠れして、先輩後輩は関係なく、助けてあげたくなるような何かを持っているのかもしれない。それは短所ではなく、天城最大の長所なのかもしれない(たまーに頼りない人間なのに、どうしても助けたくなる性格のかわいい人っていますよね。天城はきっとそういう類の人間だと思われます)。

(それにしても天城と真帆路の友情萌えにするか、天城と影山の先輩後輩萌えにするか、悩みますね・・。しかも体の大きい天城が総ウケです)


最初は信助と絡むはずだった?
放送前の雑誌などに掲載されていたイラストでは、天城の肩の上に信助が乗っていたりして、実は絡む予定だったのではないかと推測する。しかし、天城の性格の改変や、影山の登場により2人の絡みはなくなった。信助がキーパーにポジションチェンジすることから、伸助は三国と絡むように変更されたと思われる。信助はシリーズでずっと活躍している(登場している)ので、もし天城と伸助と絡んでいれば、第一期の壁山のように最後まで生き残るキャラクターになった可能性もあるので残念だ。さらに幻影学園戦で化身を出していれば、最後まで生き残った可能性はもっと高いのだが・・。


壁山との対比
イナズマイレブンのキャラクターデザインである長野拓造さんは、巨漢キャラがお気に入りらしい。前作では「壁山塀吾郎」という巨漢キャラを生み出し、このキャラは主人公の円堂とともに一度も離脱せず最後まで戦ったようだ。
先ほどの長野さんと日野さんの対談にもあったように、天城は残念ながら長野さんの中では壁山を超えるまでに至らなかったらしい。強力なデブ専スタッフがいれば天城をマスコット的存在としてクロノストーン以降も中心メンバーにできたのではないかと思うのだが・・。
映画では壁山の少年期と天城が同期するシーンがあり、絵だけみると少しだけ壁山のほうが大きいようだ。この2人が時空を超えて一緒にサッカーをやるのを想像するとなかなかいい絵になりそうなのだが・・・(デブ×デブで誰得?になってしまうので、あり得ないとは思いますが、けっこう濃厚だと思います(笑))


最後に
最近ずっと考察をしていなかったので、考察の書き方を忘れてしまい、過去の自分の考察をみながら書きました。イナズマイレブンシリーズはまだ続いていますが、天城大地はもう登場機会はなさそうです・・残念。しかし新作の「イナズマイレブン」に長野さんの好きな巨漢キャラが入るよう、ぜひ頑張ってほしいですね。でも天城以上にかわいいキャラクターは、ちょっと難しいんじゃないのかなぁ。



使用している画像、台詞等は「イナズマイレブンGO」より引用させていただきました。著作権は「LEVEL-5/FCイナズマイレブンGO・テレビ東京」に帰属します。

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