ちはやふる(第8話) (2011/12/06)


日本テレビで2011/10月より放送開始された「ちはやふる」の簡易レビューです。

←注目のキャラ、肉まん君こと西田優征。


ブサ可愛いキャラ登場

さて、今回は日本テレビ系列で放送開始された「ちはやふる」の西田優征(愛称:肉まん君)のレビューです。当ブログでは以前から「ちはやふる」のマンガ版をレビューしていましたが、このたびついにアニメ化! アニメ版では肉まん君のデブり具合が再現されているか、登場機会が減らされているのではないか等、気になっていましたが杞憂に終わりました。それどころか第8話が神話でしたので、レビューすることにします!

その前に第3話

第3話について。第3話は小学生編で、主人公の千早と肉まん君と対決する話です。実は千早は小学生のときに公式戦はたったの一試合しか行っていません。しかもその相手は肉まん君です(そう考えると運命的なものがあるな)。是非ともアニメ版では小学生時代の肉まん君を、かわいく描いて欲しい!と願っていました。

しかし期待はもろくも裏切られました(笑)。原作では肉まん君が、初心者の千早に苦戦してリズムを崩したり、かるた会の師匠に睨まれたり、汗をふく手ぬぐいを3枚所有していることが露見したり、対戦の中であれこれ葛藤が(多少だけど)あるわけだけど、なんとアニメ版では試合シーンがカット!!! なんでカットなんじゃ! ゴラァ!! 楽しみにして筆者としては、発狂寸言だったわけです(笑)。そもそも肉まん君は小学生では、綿谷新に次いで全国で第2位の実力者なんだから、もっと強調して描けよ。


そんな中で、唯一あった名シーン。

肉まん「肉まん買ってこよう」
千早 「肉まんは私に負けてからにして!!」

上記のやり取りだけは残っていました(これがないと先の展開で困るので)。第8話が神話だっただけに、もうちょっと第3話で肉まん君をクローズアップして肉付けしておけば、さらに視聴者は第8話が分かりやすかったでしょうね。それだけに残念です(もっとも、小学生時代の話はペースが速くて、うまくまとめていたので肉まん君戦だけ間延びさせても、喜ぶのはデブ専だけかと思われます・・)。


オリジナル部分

さて本題の第8話です。千早がたまたま昼飯の買い物をしていると、目に留まったのは肉まんをくわえたデブ男の姿

千早は小学生のたった一戦しか肉まん君と顔を合わせていないはずですが、よく彼が肉まん君だと分かったな(笑)。肉まんをくわえていただけで彼を思い出すのがすごい。

なにより肉まん君は髪の毛を金髪に染めて、かなりイメージは変わっているし(本当に染めているかは不明。マンガの髪の色が白抜きなのでたまたま金髪になったのかも)、小学生時代に負けた相手だから、実は千早の脳裏にこびり付いていたということでしょうか(しかしパツキンがOKなんて、なかなか自由な校風ですね・・)。その後、太一とともに勧誘に走る千早。


←千早「経験者はかるた部に入れー!」
←肉まんくんが馬乗りでレイプされた(笑)


原作では1ページ半で「かるた部」に入部する肉まん君ですが、アニメ版の肉まん君は意外と強情です。


肉まん「かるたなんてやってても、いいこと何もないし」
肉まん 「ダサいし」
肉まん 「高校でも(テニス)続けるつもりだよ」

太一 「似合ってるよ」←ォィ
肉まん 「だろ!?」

まさか太一が肉まん君のテニスウェア姿を褒めるとは思わなかった。っていうか、ここは太一の痛烈なギャグ(皮肉)だったのか。


肉まんくんがテニスをするシーンが続々と。

←ストーカーする千早(笑)
←意外とサマになってる!?
←シゴキにハァハァ(笑)

原作には肉まん君がテニスをするシーンはないのですが、アニメ版はテニスシーンを入れてくれてました! デブ専スタッフは仕事しすぎ(笑)

さて、肉まん君はなかなかテニスがうまいです。「すごい、肉まん君、運動神経いいんだ・・」と千早が感心すくらい。運動神経がいいデブって久しぶりに見た気がします(笑)。

しかしテニスをしながら「わたのはら」とか「あさぼらけ」とか、6字決まりのタイミングでステップしているのは、肉まん君がかるたから気持ちが離れていない表現だとは思いますが、ちょっと強引かな?と思いました(まぁ、これはこれで良い改変かもしれません・・)。それによって、千早は肉まん君が「かるたの代わりにテニスをしている」と考えてさらにしつこくストーカー勧誘をするのでした。


「部室で待っているから(はぁと)」という千早の言葉が気になって、テニスのペースを乱す肉まん君。「今日は早退します」とテニス部を早退してまで、かるた部に来てしまいます。随分とワガママが通る部活だなぁ。

部室の様子を伺っているところを千早に見つかってしまい、思わず「勘違いするなよ。入部しにきたんじゃないから」と言ってしまいます。意外とツンデレです。


机君と呉服屋にかるたの基本を教える太一を見て、

肉まん 「どんなことやっているかと見にきたら」
肉まん 「小学生以下のレベルだな」
太一 「この2人はまだ初心者なんだ。当たり前だろ」
ちはや 「肉まん君が入ってくれたらレベルあがるよ」
肉まん 「やだよ」
肉まん 「俺1人レベルが高くてもしょうがないだろ」

肉まん君がすごい嫌なヤツになっている気がします(笑)。悪意は全くないんでしょうが、突然ドキュンになるのは勘弁して欲しいです。


呉服屋 「そんなにすごい人なんですか?」
太一 「全国2位、小学生のときだけど」
机くん 「なんだ」←ォィ
肉まん君、ムッとする。
肉まん 「かるたは才能なんだよ!」
肉まん 「俺たちみたいのがいくら努力したって」
肉まん 「綿谷新には勝てないんだ!」


原作と違って随分と心のうちをしゃべりまくる肉まん君。もっとも原作は、たった2ページで仲間になって、その後に出番が増えたキャラクターなので、最初にこれくらい色々と語ってもらったほうが読者的には分かりやすいかも。原作って、実は肉まんくんをそんなに重要なキャラにするつもりがなかったもかもしれませんね。それで意外と机・呉服屋・肉まんで人気がでてきたので、アニメはそれを意識して改変したのかな?

それにしても机くんの「なんだ」はウケました。小学生といえども全国2位ですからバカにしてはいけません! 全国1位の綿谷新に至ってはほとんど神のレベルですし・・。それと肉まん君が「綿谷新には勝てないんだ!」と言ったときに、千早と太一の顔色が一瞬変わりますね。つまり千早も太一も、綿谷新を特別な存在(追い抜くことができない存在)だと認識していることの表れだと思われます。

かるたは所詮才能だと言い捨てて、肉まん君は帰ろうとしますが、太一の戦略が始まります。ずっとかるたの努力をし続けた千早と勝負しろともちかけるのでした。

太一 「待てよ」
肉まん 「なんだよ」
太一 「千早、お前西田と勝負しろ」
肉まん 「俺は嫌だよ。時間の無駄だ」
太一 「逃げんのか? 千早はずっとかるたから離れなかった」
太一 「努力し続けた奴がどんだけ強くなれるか自分で確かめてみろよ」
肉まん 「・・・」
太一 「それとも負ける勝負はやらない人? そういえば小学校のときも初心者の千早にギリだったもんな」
肉まん 「そんなわけねーだろ!」


太一の言葉責めですか。肉まん君、防戦一方です。太一は相手の心理を読むのがうまい。さすが定期考査第一位を突っ走る男、新のメガネを隠すだけはある(笑)

そんなこなんで千早とかるた勝負することになった肉まん君。A級の千早から3枚連取して序盤をリードします。肉まん君は小学生でかるたを辞めて、中学時代は一度もかるたをしたことがないはずなのに、めちゃくちゃ強い。これには机くんも感心してないで、前言撤回しなくてはいかんだろ(笑)



肉まん 「腕がにぶっているかと思ったら体が軽いや」
肉まん 「テニスが役にたつのかな?」

千早も中学生のときは陸上部でした。陸上のスタミナ、瞬発力、それらがすべてかるたにつながると思っていたから。肉まん君のテニスも持久力をつけたり、反射神経を養うのにはちょうどよかったらしい。もしテレビゲームにハマッていたら、単なるオタクデブと化していたでしょう(笑)

そして肉まん君は千早と勝負をしているうちに、小学生のときに「勝つと褒められていた」ことを思い出します。ただ楽しくてかるたをやっていたのに、いつのまか勝つことだけが目的になっていきます。目標を持つことは決して悪いことではありません。肉まん君は努力して、かるたの甲子園と言われる近江神宮の決勝戦まで上り詰めました。そして決勝戦に現れたのは"かるたの鬼"こと綿谷新でした。

←鬼に手も足も出ず(笑)
←「ああっ・・」と悶える肉まん君がかわいい。
←デブショタ専係員が何気なく肩に手を(笑)

回想シーンがめちゃくちゃかわいいぜ!! 特に新に負けて畳にうつ伏せたときはエロいな(上の2枚目)。

第3話で小学生時代の肉まん君の出番がほとんどなかったため、この回想シーンは嬉しいですね。ちなみにアニメでは綿谷新と一度戦っただけで戦意喪失みたいな描かれ方をしていますが、実際は何度も敗れていると思われます。

さて、試合は接戦になります。勝負の最中、肉まん君は徐々に小学生時代の気持ちを思い出し、そして勘が戻ってきます。勘が戻ると同時に、かるたの楽しさも・・。

肉まん 「戻ってきた・・この感覚、懐かしい・・」
千早 「よかった!」
肉まん 「えっ?」
千早 「肉まん君がかるたを嫌いになってなくて」
肉まん 「それより約束忘れんな」
千早 「うん。だから絶対に負けない」

相変わらずツンデレ気味の肉まん君ですが、かるたの楽しさを思い出し、そして気持ちが変わっていくのでした。その後の千早との勝負の演出もよかったです。第3話で小学生時代の勝負をオールカットしただけに、今回の勝負は小学生のときの内容よりも濃くて、そして肉まんくんのかるたの経験が豊富なことや、千早に実力でも十分に互角に戦えること、今後A級に昇格しても全く不思議ではないという伏線が補えられていて、この改変は大成功だったと思われます。

勝負は結局、千早の勝利。残念ながら肉まん1ヶ月分はゲットできなかったものの、肉まん君の顔はどことなく晴れやかでした。太一に「なぁ、俺たちと一緒にかるた部やらないか?」と誘われますが、ここで「うん」と言うのは照れくさかったのでしょう。そのまま立ち去ろうとします。そこへテニス部の女帝が登場(タイミングが良すぎます・・)。

女帝 「西田君、あなた早退したはずじゃなかったの?」
女帝 「まさか、こんなところでサボッていたんじゃないでしょうね?」
千早 「やば・・」
女帝 「西田君、どういうことかちゃんと説明なさい」
肉まん 「ふうっ・・・」
肉まん 「先生・・俺・・テニス部辞めます」
女帝 「辞める?」
女帝 「かるたやりたいんです」
千早 「肉まん君・・」
女帝 「西田君、本気なの?」
肉まん 「だってコイツら俺がいないと部にならないって言うし・・」
肉まん 「俺やっぱりかるたが・・」
肉まん 「テニスじゃかるたの代わりにならないんです!」
女帝 「分かりました。退部届、早めに出しておきなさい」

かるたをもう一度やりたいと思っていたところに、タイミングよく女帝が出てきたのがよかったですね。「サボッていたんじゃないでしょうね?」と問い詰められて「テニス部やめます・・」と自然に出てしまったんでしょう。肉まんくん再登場のシーン、笑顔、演出、ほぼ完璧に仕上がっているじゃないでしょうか。まさか原作でたった1ページ半の勧誘をここまで引っ張るとは・・!!

デブ専スタッフに拍手!!

ホント、いい仕事してますね。



使用している画像、台詞等は「ちはやふる」より引用しています。著作権は末松由紀/講談社・VAP・NTVに帰属します。

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