家族
設定によるとガスのお父さんとお母さんは子供のときに亡くなっている。何歳くらいかはっきり知らないのだが、小説では顔を覚えていないと書いているから、1歳とか2歳とかかな?ガスはボケボケだから、5歳とか6歳で死んだのかもしれない。両親とも死亡なので、出産時にガスを生むか、母親が死ぬか二者択一というホームドラマのような展開で死んだということはなさそうだ。そもそも両親は何が原因で亡くなったのかわからない。誰か知っている人っている? 交通事故ってのが一番可能性が高そう。父親は武闘家だったらしい。ガスのあの異常な強さを見る限り、父親はケンシロウ並みに強かっただろうから、相当なことが無い限り簡単に死にそうに思えないのだが。あまりの強さで他の武闘家から暗殺という線もアリだろうか(そうすると母親の死の原因がわからんか・・)。
おじいさんに育てられたガス。おじいさんは「冒険編」で登場しているが、本当にあれはガスのおじいさんなのだろうか、と思うくらい軽い。ガスの回想では「おじじさまは厳格な人(子供に自分のことを「おじじさま」と呼べと教育しているのだ)」という話だったので、冒険編でのあのおじいさんのキャラクタは何か間違っているぞ。絶対にスタッフは最初からおじいさんのキャラ設定はしていないと思うんだな。ん、でも待て。自分のことを「おじじさま」と呼べ、などと教育するヤツはやっぱりちょっと変態が入っているような気がする。やっぱりあれでいいのかもしれない。
おじいさんは、ガスに相当な教育をしたようだ。「巨人の星」の星一徹並みのスパルタ教育しないとあんな性格は形成されないだろう(いや、方向性としては全然違うのだが、子供の教育としての入れ込みようとしたら似たようなもんだろう、という意味だ)。まず武闘家としての心構えは完璧に叩き込まれている。礼を重んじ、言葉遣いは丁寧、行儀も正しい。悪は絶対に見逃さない。はっきりいって非の打ち所がない良い子だ。普通これだけ「良い子」だと不気味なのだが、ガスの場合そんなものは微塵も感じさせない。すごい。「純粋さ」が伝わってくる。みんなのハートをバッチリと射止めるのもうなづける。
性格
それまで太っているキャラは「ジャイアン」とか「ゴリライモ」に代表されるように暴力的、威張る、がめついなどの先入観があった。それをすべてひっくり返してくれたのが、ガスだ。
性格はめちゃくちゃ明るい。天然ボケもかなり入っているために、物語ではグリグリとともにボケ役となっている。グランゾートの3人の主役キャラの中でも群を抜いて明るかった。ラビはひねくれていたし、大地もまぁ明るいけど、普通の感じだ。グランゾートの中では明るい部分しかピックアップされていないガスだが、裏を返すとあの明るさは異常だ。小説版に書いてあったが、両親をなくしてひとりぼっちの悲しみを隠すためにわざとあれほど明るく振舞っているのではないかという憶測もあながち間違いではないだろう。考えてみれば、とんでもない不幸の境遇である。小さい頃に、両親は他界。おじいさんは子育て放棄して、「武者修行に出ろ」である。まだ小学生の身でたった一人で生活していくなんて、普通の精神では不可能である。その屈強の精神を叩き込まれたガスだって、まだ小さな子供で行きぬくには、あれだけ明るく振舞っていないと、落ち込んでどうしようもなくなってしまうのではないだろうか。小説版では、大地の家に行ったときに、母親のことで大地に嫉妬している場面が少しある。ガスにしては大変にめずらしい場面だが、あれが本音なのだろう。
生活
「食べること」と「鍛えること」がメインのようだ。1日3食、しかも1食につき3回の食事だ。よく考えてみると意味わかんねーぞ。要するに1日9食ってことだな。ちょっと思うのだが、ガスはどうやってご飯にありついているのか謎である。2話でガスがはじめて登場したときは、野垂れ死に寸前だった。飯は当然金がないと食えないので、なにかで金を稼いで食っていっているはずである。しかし、小学生にして学校もいかないで武者修行している時点でなにかおかしい。おじいさんは学校へもいかせずに子供を崖から突き落とすというライオンのような教育に走ったということなのか。グランゾートの世界では小学生のバイトは法律では禁止ではないのだろう。ガスの体力と力ならば、ドカタのバイトならいくらでもできるだろうから、そういうので食っているのだろうか。第3話で賭けプロレスというガスにしてはけっこう大胆なことをしていることからも、意外とこういうので小遣い稼ぎをしているのかもしれない。
それにしても食べる量が尋常ではないので、その日の食事にありつくのでさえ、けっこう大変な気がする。V−メイと出会って、ラビルーナの冒険にでたときは食いっぱくれの心配はなくなったから、ガスにとっては人助けもできるし、一石二鳥だったのかもしれない(いや、ガスに限ってそんな卑しいことは考えないと思うが)。
ガスの日常生活はどんな感じだろうか。1日9食ということはかなり食事に時間を割いているということになる。その他は腕立てとか腹筋やらのトレーニングをしているのだろう。勉強は教科書や参考書を持ち歩いていないことから、全くしていないように見える。無論、ショタ好きのお兄さんからおじさんまでいろいろな人に誘われて、勉強を教えてもらっているのかもしれない。ついでに寝込みも襲われているかもしれない(ガスならばやられる前に相手を投げ飛ばしているだろうが)。
肝心の武闘家としての生活だが、そもそも武闘家ってなんだろうか。小説では「戦う人のこと。弱いものを守るために戦い、自分自身との戦いでもある」と書いている。はっきりいってなんだかよくわからない。こういうので生活している人がグランゾートの物語では存在しているのか甚だ疑問なのだが、父親もそうだったらしいので、あるのかもしれない(単なる筋トレマニア&ボランティアじゃないのか?)。ガスの強さは小学生ながら物凄い。物語でガスが人間相手に素手で負けるシーンなど皆無である。これだけの強い小学生ならば有名になって当然のはずだ。小説でもガスに負けた武闘家が、敵討ちにと探していたりした(大人げないような気もするけど)。実はその筋では相当有名なのではないかと考えられる(普通に考えて、小学生に負ける格闘家って滅茶苦茶情け無い、というか存在するのだろうか)。だから、きっと3日に1度くらいはガスは挑戦者に付け狙われる毎日を過ごしている可能性もある。
テーマ
グランゾートのテーマのひとつに母親がある。毎回グランゾートは大地が「お母さん、お元気ですか?」と母親にメッセージを送っている(マザコンなんて噂もあったけど)。物語の終盤でもラビと母親との涙ぐましい物語がある。しかし、ガスに限ってみると全くない。これはファンからするとおかしいのである。もちろん、3人の中ではガスは人気も一般的にみれば一番なかったかもしれないが、3人が3様で母親に対して、何かしらの形でアプローチしていくべきだったのだ。たとえば、ラビルーナへ入った後に、ガスはさまざまなエピソードがある。おじいさんを助けたり、少女にちょっぴり恋したりする。例えば、記憶にあるうっすらある母親とダブるようなキャラクターを登場させ、戦いのあと、ラビルーナに残り、その母親を助けながら暮らすとか、そういうエピソードにしてもよかったかもしれない。
耳長族
グランゾートのムックをみると、ガスの初稿では、ガスの頭に耳長族の"あの耳"が生えているものがある。これは、初期の段階ではガスも耳長族にしようという意図があったということだ。もし、そうだったら・・もっとガスにとってはおもしろいエピソードが作れたんだと思う。これは本当にとても残念なことだ。絵をみると、耳がラビよりもかなり短いので、きっと耳長族の中ではレベルが低い族なんだろうけど(かなり脳内補完入ってます)、だんだん物語の中盤にいくと耳があることに気がついて「ガス!お前も耳長族だったのかよ!(byさま〜ず三村)」って話にもっていったりしてもおもしろかったんじゃないかと。それと先の母親の話も耳長族話に入れてしまうとか。でもこれって思いっきりラビとかぶってしまうんで、できないネタなんだろうけどな・・。ラビいらねーから、ガスをメインにして役割交代しろよなって思ってしまうなぁ。
ガスくん、風にのる!(名話)
俺の大好きな話はやはり第3話。この話、ガスが魔動戦士になるためにさまざまな苦労をする話なのだが、大地やラビに比べて、魔動戦士になる険しい道のりを存分に描いてくれていて、非常に満足できる。
まず、弓を引けない。弓を引くだけで2話も引っ張った。そして大地がピンチに陥ったとき、ガスは「おばあさん、教えてください!!どうすれば!?」とガスはVメイに弓を引く方法を聞く。このあとVメイの無理矢理な注文が・・
Vメイ「風の息遣いを感じるんだよ」(そんなこ無茶な・・)
ガス 「感じる・・体が・・心が・・風を感じる!」 (ホントに感じちゃったよ)
Vメイ「その矢を天に向かって射るんだ」
ガス 「マジカルアロー!!」(っていつそんなセリフを・・)
Vメイ「ガス!あの魔法陣に向かって唱えるんだ。ドーマ・キサラ・ムーン。光出でよ、汝ウインザート!」(ちょっと長すぎだろ!!)
ガス 「わかりました!!」(ってわかったのかよ!!)
Vメイ「ガス!風に向かってウインザートに飛び込むんだよ!」(崖から飛び降りろと?)
ガス 「え?風に乗れって言われても・・」(そりゃそーだ)
ガス しばらく下を眺めた後・・「虎穴にいらずんば虎児を得ず。よし!!」(飛び降り自殺キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!)
というやりとりがされるんだが、これVメイの言ってること滅茶苦茶。一歩間違えるとガス死ぬよ・・。こういう苦労してウインザートに乗り込んだガスだったが、その話もいきなり大地に助けられました。この話はこんな無理矢理さが大好きである。
魔動戦士
風の魔動戦士となったガスは、邪動族と戦うことになるが、魔動力はあまり使えず、力技だった。ガスらしいといえばらしいので、いいのだが、大地やラビよりも戦いでは弱いのというのはちょっとファンとしては悲しい。死線をくぐり抜けている戦いの専門家なのだから、もっと力技で敵を圧倒していくような展開があってもよかったと思うのだが。
ガスの魅力というか、魔動戦士のあの後半のコスチューム、あの格好はすごい。あの法衣服はガスにあの格好をさせたいと心の底から思っていたデブショタのスタッフが、大地やラビまで巻き込んでやらせたのではないかと思っている。あのピチピチのタイツは神的。いまのアニメじゃ、あんなの絶対にやってくれないだろうねぇ。あの後半の法衣服は、一般のファンには不評だったのだが、こっちは毎回萌え萌えである。スタッフさん、夢を与えてくれて本当にありがとう。もしあれを立案した影の功労者が分かったら、手土産をもってお礼しにいきます。
ガスとグリグリ
ガスとグリグリの名コンビぶりはご周知のとおり。特に第35話「ふしぎコンビ行きます」では、2人の名コンビぶりが存分に発揮されていた。大好きな話の1つだ(ファンサービス的な話だったけど)。この2人、ボケとツッコミではなく、ボケとボケだからすごい。ボケ同士でなんとか窮地を脱してしまうストーリー展開は、ワクワクさせてくれる。気になるのは、この2人、その後はどうかなるのかな?ということ。俺の予想では特に何もないとは思うのだが、意外と純朴なガスとめちゃくちゃなグリグリの夫婦生活もお似合いかもしれない(家庭はめちゃくちゃそうだけど)。
八重歯
書き忘れたけど、八重歯ね。八重歯で萌えるとは思わなかった。最近だとサブマリン707Rの海野千太君も八重歯があるんだけど、やっぱこの系のキャラは八重歯がコンボのひとつになっているんじゃないかと思うようになった。
ウインザートと初期法衣服(2009/09/16追記)
ガスが操る「ウインザート」は風を司る魔動王で、、雷撃や疾風などの攻撃を行うことが出来る。初期の段階ではガスは魔動力を操ることができなく、もっぱら肉弾戦がメインであった。これはガスの格闘能力の高さが、皮肉にも魔動力の発動を邪魔させたという話がある。しかしピンチになるとチラホラと魔動力を出していたので、天然のガスのこと、単に発動のさせ方がよく分からなかっただけかもしれない。
ガスの魔動力は中盤から発動するようになるのだが、大地やラビよりも弱くてウインザートは3人の中では一番弱い魔動王という印象になってしまった。人間のときは誰にも負けない力自慢のガスが、魔動王に乗るとあっという間にピンチに陥り、普段は弱いはずの大地やラビに助けられるのは、なんとも皮肉な(逆にいうと上手い)設定である。
「ウインザート」は24話まで登場し、その後の30話でパワーアップした「スーパーウインザート」が登場する。デザインに白色が混じって全体的に装甲が強化された状態に見える。
またガスの法衣服(コスチューム)も変更された。初期のウインザートのときは、さながら魔術士を彷彿させる姿で、こちらの法衣服のほうが世界観とマッチしている。だから、初期法衣服が好きな人のほうが多いと思う(というか、普通にみればピチピチタイツの後期よりも前期のほうがハマッている)。初期法衣服はガスには小さめだったのか、首のボタンは留められず、下半身の白いタイツもかなりピチピチになっている。デブに魔動士の格好をムリヤリさせるとこんな感じなるという、なんとも微笑ましい姿である。
おそらく、タイツのようなピチピチしたコスチュームが好きな人は後期法衣服派、一般は初期法衣服派ということになるのだろう。
シュトルムカイザー(2009/09/16追記)
ウインザートには弓を使った必殺技があり、それが「シュトルムカイザー」である。ウインザートを呼び出すときと同じように、「ジーク・ガイ・フリーズ 出でよ、シュトルムカイザー!」と詠唱することで、弓が天から舞い降りる。このシーンはガスのキャラにはアンバランスなのが否めないが、非常に神秘的で美しいシーンになっていて、とても格好いい。スーパーウインザートになってからは、「スーパーシュトムルカイザー」となり、弦が2本に増えて本体形状もX字となった。さて、ここでは初期と後期の必殺技のバンクを見比べてみよう。
■シュトルムカイザー(初期)
呪文を詠唱すると手から光の玉が発せられ、それを天に向かって放出する。すると光と呼応して空から弓が竜巻とともに舞い降りてくるのだ。弓を引くと美しい光の矢が一直線に描かれるのは秀逸。3体の魔動王の中で最も美しい必殺技である(ガスがやるとそのギャップで余計に目立つのかも)。
■スーパーシュトルムカイザー(後期)
スーパーウインザートのバンクも、基本的には初期のものと同じ。ただし後期のほうが動きがダイナミックになっており、それはピチピチのコスチュームがガスの筋肉や力強さを表現しているからかもしれない。またX字の形状になった弓にも注目。この弓の進化の発想はよく考えられており、数倍の威力を持つかのような迫力で描かれている。
しかし改めて見比べると、後期法衣服は股間部分の強調具合といい、ガスの体型がモロ見えといい・・圧倒的にエロいっす!。やはり立案者には手土産をもっていかなくちゃな。
使用している画像、台詞等は「魔動王グランゾートDVD-BOX ムービックパイオニアLDC 2003年 第1,2,6巻」より引用させていただきました。著作権は株式会社パイオニア、株式会社サンライズに帰属します。