白金太郎


金太の魅力について、かなりがんばって妄想膨らまして考えました。



このホームページを開設した頃から、"ゴウザウラーの金太はすばらしいので見なさい"(見ないと殺す)という意見をいろいろな方からいただいた。しかし、何しろ古い作品なので見る機会に恵まれず、DVDの発売を待っていた。そしてようやく今年の3月にDVDが発売されたので購入。ちょっと仕事が忙しかったので放置していたのだが、ようやく見るタイミングができたので視聴〜。いやー、ハマルハマル。ハマリましたよ。金太君。正直最初は半信半疑で見てみたのだが、やっぱりみなさん目のつけどころがシャープすぎます。あぁ、まだこんなすごくてあざといキャラがいたのね・・・。(^^;

ということで今回は当時見ていた人たちから10年以上遅れて見た、金太を自分なりに考察していこうと思う。


性格

性格は本編では「質実剛健、努力と根性の男」といっているが、まさにその通りである。何事にも真剣に立ち向かい、努力を惜しまない。責任感も強い。そしてなにより硬派だ。柔道をやっているので、腕力ならば誰にも負けないが、女子供に手を出さない(口は多少出すけど・・)、小学生にしてすでに男気があるすごいヤツだ(弱い者いじめはしない、強い者に挑んでいくおとこですね・・・)。ちなみに身長150cm,体重44kgの血液型O型の11歳(もっと体重ありそうですけどね・・)。

小学6年にもなると、受験だの勉強だの世間ではうるさい。礼儀正しさや実直さという性格形成が疎んじられる現代において、金太はクラスの中では勉強はあまりできないだろうが、精神年齢は非常に高かったと思う。小学生にしては物事を考えるに当たって周りに影響されず、自分で筋が通っていると思う行動をとるのだ。
そのためか、最初はどこかクラスに完全に溶け込めていない雰囲気があったが、物語が進むにつれて金太の性格は変わっていき、可愛さや愛嬌がどんどん出てきたようにも思う。あとで述べるが、金太は確実に物語の中で成長した

一方、主人公の拳一はヤンチャで活発な少年である。それに比べて金太は、教室の後ろの席でいつも腕組みをして、どっしりと構えている。性格が正反対のこの2人。ある時はお互いよきライバルとして、そして親友として最後まで一緒に戦いぬいた。一匹狼的な金太にとって一番仲がよかったのが拳一だろうし、逆に友達が多い拳一にとっても、金太が実は心の中では一番仲が良い友達だったのかもしれない
ちなみに、金太の席はいわゆる番長席である。教室の一番後ろのしかも窓側。ここは一番クラスで力が強いものが座る席だ(少なくとも俺の時代では・・ちょっと古いか)。拳一がその1つ前に座っていることから、力に勝る金太のほうが、拳一よりもクラス内では一歩リードしているということか。ただ、金太は番長風を吹かすような性格ではないので、自主的にあの席を選んだというよりも、自然の成り行きであの席になったということかも。

柔道

デブショタキャラと柔道は切っても切れない縁があるのか。柔道とはなんと罪なスポーツだろう。これまでにも、ゲッターロボの武蔵、レッツゴーの隼人とすでに柔道萌えキャラを考察してきたわけだが、金太もまた筋金入りの柔道少年である(本当に物事の道理を極めたデブショタスタッフが紛れていたとしか考えられませんね・・・)。しかも一話丸々柔道大会のエピソードがあるし、関係ないけどパンツ一丁のシーンもあるし、あざとい戦闘服もあるし、スタッフは金太を着せ替え人形のようにやりたい放題。

金太は柔道で黒帯を目指している。朝も放課後も暇があれば練習。他のクラスメートが塾で忙しい中、金太は柔道一直線である。どうしてこんなに柔道漬けなのかは分からないが、DVDのムックに幼稚園の頃から金太は柔道をやっていたことが書いてある。つまり、金太の両親(父親かな?)が柔道家である可能性が高い(そうしないとあそこまで柔道に打ち込めないだろうし・・)。柔道を通して金太に礼儀や実直さをきちんと学ばせた両親のなんとすばらしいことか

ただ、不思議なのは学校に柔道部らしきものが存在しないこと。金太は体育館で1人で練習したり、空き地でドラム缶を相手に背負い投げをしたり、公園を走りこみしたり、実に孤独に練習をしているのである(意外と寂しいぞ!)
(俺が先生だったら柔道部作ります。部員は金太1人。金太に寝技しまくりですよ。あ、でも金太のほうが強いかもしれないから、寝技されちゃうかも・・あ、でもそれはそれで悪くないか・・←単なるMですね などと長い妄想してみる)
父親が柔道の先生だと考えるのが一番妥当なところかもしれないが・・・(まぁ金太をみたらデブショタの柔道おじさんが喜んで手取り足取り教えてくれそうですけどね・・)。


愛称

"金太"というのは愛称で、彼の本名は「白金 太郎」である。名前のちょうど中間をとっているセンスはすごい(普通考え付かないよなぁ・・・)。もしかして、誰かが「白 金太郎(はく きんたろう)」と間違って呼んだことからその愛称になったのかもしれない(んなわけないか・・)

(よく考えると、もし「金太」じゃなくて「太郎」っていう愛称だったらけっこう萎えます・・。)

「金太」のニックネームをつけたのは果たして誰なのか? まず間違いなく拳一だろう。拳一が悪ノリしてつけたとしか考えられない。だって「金太」なんていう愛称は、本人からするとあまり感じのいいものとは思えない。なぜなら、「金太」の後ろに「ま」がついた途端に非常にわいせつな言葉になるからだ(最初は絶対に影で言われてました)。

しかし、クラスの全員が「金太」と軽々しく呼んでいるので、けっこう昔から呼ばれているのかもしれない。呼ばれているうちに、意外と本人も気に入ってしまったのかも("太郎"って呼ばれるよりはいいかもしれないですね・・)。
DVDのブックレットの8年後に、金太が関取になって名前に「金太山」になるなんて設定がある(柔道じゃねーのかよ!!)。そこに「金太にとってザウラーズとの日々は大切なものだったのでしょう」とあるので、金太はやっぱり自分の愛称を気に入っていたんだろうなぁ・・・。

服装

金太の服装は、フードのついた半袖の洋服(パーカーっていうのかな?)に、ピチピチの短い半ズボンである。ベルトはしなくてもよさそうだが、きちんと皮っぽいものをつけている。服はズボンの中に強引に押し込んでいる(これがいい。もし、ズボンの外に出していたらマイナスポイントだ)。

冬服も長袖になっているだけで同じである(全く同じ服の長袖も持っているところに男を感じます)。パーカーの紐がリボンのように垂れ下がっているのもなかなかチャーミング。白を基調にしているので、スポーツマンらしい感じもでている。また、半袖、半ズボンなので、金太の二の腕や太ももがバッチリ拝見できる。この服装を考えたスタッフは本当によくわかっている。

特にすばらしいのが半ズボンで、けっこうピッチリでしかもかなり短い(小学4年生くらいから使いまわしているズボンに見える。しかも古臭いデザインでグッド)。太った子の場合、ダブダブの半ズボンにしたりするのだが、金太はピッチリ一直線。白のハイソックスも合わせて誠実さが感じられる。(同じクラスのマーボーはダブダブのズボンで萎えます)。

また、柔道着姿も見逃せない。使い込んだ感じのある質感とチラチラと見える胸板もグッド。戦闘服はピチピチではないのが残念だ。


そういえば、北極にいったときは防寒具を着ていたのだが、そこで電気王と戦うために金太は防寒具なしで、あの服のまま戦った(いつのまにか、下の防寒具も脱いだ)。北極であんな格好で戦われたら、電気王もさぞ萌え萌えだったでしょう。

なぜ腕組みをするのか?

金太といえば、腕組みをしているポーズ。肩から上腕二頭筋にかけて強調されて、これはかなり萌えだ。腕組みをしてあさっての方向を向いている金太(写真参照)が、一番金太らしい絵だろう。

腕組みをすること自体に別に特別なアピールはないと思うので(デブショタ専にはアピールしているのかもしれないが)、たぶんこれは金太の癖なのだろう。仮に意味があるとすれば、胸と腕の筋肉を強調させてマッチョに見せたいという願望が金太あるのだろう(実はナルシスト?という新説を立ててみる)。

実はこのポーズはは、熱心なデブショタスタッフが、新手の萌えポーズとして考案したものと俺は考えている。金太はこのポーズは最初からずっとしているので、物語中では違和感を感じないし、サブリミナル的に挿入して金太のイメージを固定させようという作戦だったのだろう。

「金太はやっぱ腕組みしてないとなぁ・・」と言われるようになって初めて成功といえるので、デブショタスタッフと新手の萌えポーズは成功だったということだろう。(しかし、金太以外にこのポーズをとるキャラはいませんね・・・あまり強烈すぎて、他にキャラがやると陳腐になるのでしょう)

弱点:女の子

力は誰にも負けない金太だが、弱点がある。まず、おでこが広い(←ぉぃ)。将来がちょっと心配だ。

まぁそれは冗談として(^^;、金太の弱点。それは照れ屋さんであることだ。特に女の子には全く免疫がないらしく、怒鳴ったりはできるが、泣かれたり近づかれたり、ましては触られたりするとコチコチになってしまう(こういうのが硬派な金太のかわいい所以なのでしょう)。
また、上がり症らしく、テレビでいきなりマイクを向けられて緊張して言葉につまったりする。実直に育てられたために、ウブなところがたくさん残っているのである。

物語中で結花とカップルになった金太。ものすごい身長差&体重差がこの2人の萌え要素をさらに掻きたてる(クラスで一番大きい金太と、一番小さい結花を組み合わせる設定がすばらしい)。第10話で金太は結花のことを好きになったようだ。また、結花もどうも金太のことが気になってしかたがない様子。お互い相思相愛の関係にあるのだが、金太はなかなか切り出せない。夏休みに柔道の練習をしているときに、結花がわざわざ金太に会いにくる場面があるのだが、ここでも金太はかなりおぼつかない。

金太 「な、なぁ・・・も、、もし寂しくなったらここに来いよ」
金太 「お、俺毎日ここで、ト、トレーニングしているからさ・・・」
金太 「なんなら柔道教えてやるよ。きっと、なんかの役に・・」(←かなりシドロモドロ。それに結花に柔道教えてどうすんねん)

本当に金太の純粋さというか、ウブなところがバッチリでている場面である。しかし、それを聞かずに水を飲みに行っている結花も相当にしたたかですけどね・・
将来は結花と結ばれると思うけど、意外と結花はしたたかなところがあるので、金太は振り回されそうな感じである(夜も結花がリードですね。金太はコチコチで終始マグロ状態と予想)。でも、このカップルは大好きなので応援したい(某デジフロの女とは比べ物にならないですね・・)。

マグナザウラー

金太が6400万年前の時代から取ってきたロボットがマグナザウラーである。両肩からマグナショット、胸部からマグナボンバー等の武器がだせる。またゴウザウラーと合体してマグナバスターに変形する。ちなみにゴウザウラーと違って金太が1人で操縦するという金太専用のロボットだ(目立ちまくりです)。

マグナザウラーを恐竜時代から取ってきた金太は、教授からボタンの説明を聞いただけで、マグナザウラーを手足のように動かしていた。剣の振り方も見事。緒戦でデスボルトに互角に渡り合っていた。拳一や洋二は初めに操縦したときは、とても苦労していたのだが、金太だけは別格なのか、ニュータイプなのか。そもそも北極て発見されたザウラージャイロをいきなり動かした時点で驚きなのだが・・・(電気王との戦いのドサクサだったので、何気なく操縦していましたが、よく考えてみるといきなりジャイロを動かせる金太はおかしいです)。

しかも、その事実を「俺は拳一よりも運動神経がいいからな!」の一言で済ませてしまった金太君。アンタ、もっと自覚しなさい。アンタは確実にニュータイプです(シロッコの血を引いています)。
その後もマグナザウラーの活躍はすさまじく、中盤の敵はほとんど金太のザウラービッグバスターで破壊されていった。ゴウザウラーがクラス全員で動かしているのに、マグナザウラーは金太1人で動かして、しかも強い。スタッフに絶大なるデブショタマニアがいたとしか思えん。中盤は金太独壇場である。最初のシナリオから金太をこんなに活躍させる予定だったのかね?と唸りたくなるほど。

また必殺技のシーンもカッコイイ!!

拳一「金太、いくぜっ!!」
金太「熱血武装、マグナバスターァァァァ!!」

2人で仲良く銃を撃って合体。スコープで照準を合わせ、引き金を引く金太君の勇士はカッコイイ以外の何者でもありません。(途中から戦闘服になりましたし)

金太「ザウラービッグバスターァァァァ!!」

(1つ欲を言うと、せっかく声がシロッコの島田敏さんなのだから、「落ちろ、蚊トンボ」とか「マイナーチェンジのくせに!」とか「貴様の心も一緒に連れて行く」(←どこのシーンで使うんだ?)とか言ったら大ウケだったんですけどね・・(Zガンダム知らないとネタがわかりませんが・・同じサンライズだし))

光るおじさん

ショタな光るおじさんこと、エルドラン。俺は前の2部作は見ていないのでよくわからんが、ゴウザウラーだけみても、このおじさんはすげーショタっぷりである。びっくりだ。

まずお前は一体何者なのかと問いたい。小一時間は問い詰めたい。光っているのがどうみても怪しい。かなりうさんくさい。顔を見せないためのカモフラージュだろうか。それともニタニタした顔を隠すためのカモフラージュか? まさかこの人は裸なのだろうか?(裸だとするとストリーキングです!!)

←ウサン臭すぎます!!

とりあえず、光るおじさんは小学生ターゲットなので、ロボットの変形技術を駆使して、小学校を改造させてまで強引に校舎にロボットを押し込んだ。これでもう小学生が戦わざるをえない状況を作り出す。さらに大人には絶対に操縦できないようにセット。
拳一やしのぶ、浩美とさまざまなタイプのショタ(しのぶは女だが、男と間違えたんだと思う)をメインパイロットに選出。また、ゴウザウラーはやられないと真の力を発揮できないように、M的な要素を導入(あざとすぎますね・・)。さすが6400万年の時空を超えてやってくるだけはある。(たしか、ギンガイザーのあのショタじいさんでさえ、2万年前の人だったので、単純に3200倍のすごさ。年齢は飛びぬけすぎ)

光るおじさんが次にターゲットにしたのは金太。以前からデブショタも欲しいと思っていたところ、ものすごい逸材をザウラーズに発見。さっそくマグナザウラーの操縦部分のみを北極にこれ見よがしと捨て、金太の夢の中にもぐり込み、6400万年前に誘導する。マグナザウラーは、太った金太でもきちんと操縦できるように、コックピットは広めに改造。他のマシンでは金太は狭すぎて、挟まったり、つっかえたりしていたので、さすがに用意周到なことだ。

6400万年前にきた金太をみた光るおじさんは、かなりときめいたらしく、金太が時空の穴から帰ろうとしたところを、もう少し一緒に過ごしたいがために穴を塞いでしまう(穴はおじさんが塞ぎました)。金太の絶望の顔もみたかったのだ(かなりSが入ってます)。そして、金太が涙を流したところに、わざとらしく登場。金太の目の前で自分の力を誇示するかのように、現代へと戻してあげたのだ。金太に自分の愛のメモリーをインプット。しかし、当の金太は現代に戻ったらすぐに光るおじさんのことなど忘れたようだが
俺も光るおじさんになりたい。光るおじさんはずるい。

真に強いということは?(第10話、第17〜18話:最大の見せ場)

真に強いということはどういうことだろうか? 第10話「オトコ、涙の一本勝負!」、第17話「強敵!電気王の挑戦」、第18話「復活!マグナザウラー」の金太メインの話は、「真の強さ」をテーマにしていると思う。第10話の柔道大会からすでに伏線が張られているところも見逃せない。
まず、第10話の柔道大会の話から。金太は毎年行われる柔道大会で、権藤大三郎に一度も勝ったことがない。そのため毎朝猛特訓を開始する。しかし、たまたま空き地を通りかかった結花に、早朝の特訓を見られ、それを言いふらされたことに激怒する。どうしてあんなに金太が激怒したのかはっきりと描かれていないが、おそらく、金太にとって努力は影でするものだというポリシーがあるのだろう。それをべらべらと言いふらされることは、金太にとって我慢ならないことだったのだと考えられる。
※解説本をみたら「金太は権藤に負け続けていることが情けなくて、みんなに内緒にしていた」とのことです。

そしてそのあと結花が金太に謝りにくるシーンがある。

金太 「結花、なんか用か?」
結花 「私、金太君にゴメンなさいをいいにきたの」
金太 「もういいよ」
結花 「怒っているなら結花のことぶってもいいよ」
(このあと、結花に触られて倒れてしまう金太)
金太 「でも、殴ってくれだなんて本当に勇気があるな・・」
金太 「俺もそんな勇気が欲しいよ」
結花 「え?」
金太 「ほんというと、俺怖いんだ・・。もし勝てなかったらと思うと怖くてしょうがないんだ」

金太らしからぬ弱気なセリフである。金太は持ち前の根性と努力で勝つ自信をつけたはずなのに、不安だった。そう、金太は本当に強いとはなにかがまだ分かっていなかったのだ
そして柔道大会で、権藤大三郎と対戦し、苦戦する金太。さらにゴウザイラーも機械化獣に大ピンチ。クラスメートの悲鳴が聞こえる中、金太はいままでにないパワーを発揮し、権藤大三郎を圧倒する。しかし金太は仲間を助けるために試合を途中棄権してしまう。
金太は男泣きをしながらも、棄権したことは後悔しなかった。なぜなら、金太は自分の勝利よりも仲間が無事だったことが大切だったからだ。金太はこのとき「真の強さ」に気づくことができたのに、そのままこの話は終了してしまう。

ちなみに、この話自体、とても完成度が高く感動的である。また、この話はゲッターロボの「一本勝負!大雪山おろし」と内容がほぼ一緒で、もしかしたら、オマージュとして作ったかもしれない(タイトルもほぼ一緒だし、これは確信犯ですな。あざといデブショタスタッフが紛れ込んでいたもんです!)。

あと、権藤大三郎もけっこう萌えますね・・。(←手当たり次第か・・俺)

続いて、第17話、第18話のマグナザウラーの話に行こう。

新たな敵、電気王の強さに動揺するザウラーズたち。しかし、金太はみんなに自信満々に話すシーンがある。

金太 「勝負の世界は力と力のぶつかり合いだ!」
金太 「相手が強くなったら俺たちもそれ以上強くなったらいいんだよ!」
結花 「でも・・・機械化帝国がもっと強くなったらどうなるの?」
金太 「そうなったら、俺たちも努力と根性でもっと強くなればいいんだ」
金太 「日頃の鍛錬を怠らず、正義の力を磨こうじゃないか」

金太らしいセリフではあるが、金太の考えは「力あるものが勝つ」という強者の論理である。金太は柔道で長年培ってきた精神から、力あるものが勝つという理論を持ち出し、みんなを納得させようとする。第10話で金太は努力の末に長年のライバルである権藤大三郎に、力では勝った。しかし、その力の源になったのは、努力とはまた別のものだったことに気づいていなかった。

北極に新たなるロボットの一部が発見され、ザウラーズは直ちに調査に向かうが、そこへ電気王が登場する。

電気王 「貴様ら人間ごとき弱き者を倒してもおもしろくないわ」
金太 「俺たちが弱いだと!!」
電気王 「力あるものを倒すことこそ戦いの喜び。ゴウザウラーに乗って、この私と戦え!」
金太 「さっきから聞いてりゃバカにしやがって!俺たちはそんなに弱くない!」

といって金太は防寒具を脱いで特攻(バナナで釘が打てるほど寒い北極なのに・・)。

金太は自分が弱いと言われたことにムキになり、電気王に素手で立ち向かう(生身で機械化帝国に立ち向かったのは金太だけです・・・(拳一もやったけど、サイボーグ化していたので))。

電気王 「戦いとは力と力のぶつかり合いだ。力無きものは負け犬として、力あるものの前にひざまずく。力こそが全てを支配するのだ」
金太 「うっ・・」
(金太がボロボロにされるシーンは萌えますね・・電気王も萌えてます。どうせなら服切って裸にしちゃえばいいのに←ぉぃ)

電気王のセリフ。これは金太がクラスのみんなに言ったことと同じだった。強者の論理を、電気王にそのままに言われてしまったのだ。しかも圧倒的な力の差をもって。

金太 「俺は負け犬じゃない!!」


ボロボロになりながらも電気王に立ち向かう金太。
金太は、自分の論理で完全な「負け犬」になってしまったのだ。「相手が強ければそれよりも強くなればよい」という金太の論理は、電気王の前で成すすべも無く崩壊してしまう

金太はジャイロに乗って応戦するが、軽くひねられてしまう。ゴウザウラーもピンチに陥り、電気王はハイパーエナジーミサイル(えらく強引なネーミングですね・・)でゴウザウラーを消滅させようとする。

金太 「俺にはみんなを助ける力はないのか・・・」
金太 「拳一たちが死んじまうのを黙ってみているしかないのか・・」
金太 「いやだぁぁーー」

金太は無意識のうちに、非力なジャイロでミサイルの照準内に特攻。それによってミサイルの軌道が変わり、ゴウザウラーの消滅を避けることに成功する。そう、非力なジャイロ1つで、金太はゴウザウラーを救うことができたのだ
ミサイルによって時空の穴が出現し、そこに新たなロボットがあることを突き止める金太。

金太 「みんな、あの穴の中からもう一体のロボットの反応があるんだ。俺、とってくるぜ!!」
教授 「ダメです!あの中では何が起こるかわからないんですよ!!」
拳一 「やめろ、金太!戻ってこい!」
金太 「拳一、みんな聞いてくれ・・俺は間違っていたんだ・・どんなに強くたって力だけでは電気王に勝てはしなかった・・」
結花 「金太君・・」
金太 「こんなちっぽけなジャイロだってゴウザウラーを助けることができたんだ」
金太 「力よりも心だ・・。みんなを・・仲間を守ろうと思う心があれば、俺たちは機械化帝国に勝てるかもしれないんだ!」
金太 「俺に行かせてくれ。電気王に負けちまった俺は、心の強さを確かめてみたいんだ!!」
拳一 「金太・・・絶対にロボット見つけてこいよ!!」

ここのやり取りは俺は非常に好きである。金太は非力なジャイロでみんなを助けたとき、やっと「真の強さ」とは何かに気がつく。第10話でどんなに努力しても勝負に不安があったのは、金太がただ勝利のみを目指し、大切な者を守るという心の強さに欠けていたからだ。権藤大三郎をパワーで圧倒したのは、ザウラーズを思う心の強さがもたらしたものだった。金太はそれに気づき、自分に本当の心の強さがあるのかを、みんなを救うために時空を超えるという厳しい試練を課して確かめようとするのだ(本当に男だよ〜、アンタは)。

その後、マグナザウラーを溶岩の中から必死に奪取し、時空の穴から戻ろうとするが、時空の穴は無情にも閉じてしまう。もう現代に戻れない、そして拳一との約束を守れなかった金太は絶望してしまう。そのときに流した涙が奇跡を呼び、現代に帰ることができたのである(ご都合主義的だけど、すはらしい場面です)。
(それにしてもこの回の金太は、1人でベラベラとよく喋りますね・・・。寡黙さがウリなのに・・)

時空の穴からマグナザウラーを持ち帰った金太は、以前よりも優しく、さらに逞しい男になった。ただ力が強いだけではない、真に頼れる、強いおとことなったのだ。人はわずか数時間の間に何年分にも値する成長をすることがあるらしいが(本当かは知らん)、このときの金太がそうなのだろう。
金太はこのあと、マグナザウラーのパイロットとなり、主人公の拳一を凌ぐ大活躍をみせる。金太は性格も以前より明るく穏やかになり、ザウラーズに完全に溶け込み、そして忘れられない日々を過ごすことになる。

それにしても第17話、第18話の金太のやり取りは本当によく出来ている。シナリオライターはすばらしい。是非見ていない人は見て感動して欲しいと思う。(ひとつ注文をつけるとすると、電気王が死ぬときは金太がみんなの力を借りてトドメを指してほしかった。金太は北極での借りを返さずに終わってしまったからだ)


最後に

俺は当時このアニメを見ていなかったが、リアルタイムで見ていた人は毎週楽しみだったと思う。そしてうらやましくも思う。当時毎週楽しみにしていた思い出は大切にして欲しいと思います。もうゴウザウラーを"初めて"みることは、2度とないんですから・・。
金太は柔道+おとこ+半ズボン+腕組みの4ヒットコンボということで。このキャラのすごいところは、小学生でありながら"男"を貫く姿勢と硬派な部分、でもそれに小学生らしいウブなところがしっかり同居しているところなんじゃないかと思う。それとゴウザウラー自体の物語の完成度の高さが金太のキャラの株をさらにあげていると思う。
あと、声の島田敏さん。最初はシロッコのイメージがあって微妙な感じだったが、見ているうちに島田さんじゃないと金太じゃなくなった。やはり島田さんは偉大だ(1人で何役もこなさないで金太1人に集中して欲しかったですけど)。



使用している画像、台詞等は「熱血最強ゴウザウラー」DVD 第1巻〜第9巻より引用させていただきました。著作権は株式会社サンライズ、キングレコードに帰属します。

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