ベンケイ小説(4)


キョウヤがベンケイに与える試練とは・・・?


登場人物

ベンケイ。真っ直ぐな性格で力は強いが単純でお人よしで世話焼き。

盾神キョウヤ。デブ専でクールな面と喧嘩っ早い面を合わせ持つ。


(耐えてみせる・・どんなことがあっても耐えるんじゃい!)
ベンケイは直立不動の状態、つまり背中から手足の先までピンと伸ばして、突っ立っていた。
一体、キョウヤは何をしようというのか?
ベンケイには、検討がつかない。
緊張でわずかに体が震える。
額の汗が、スーッと頬から垂れ落ちる。
そのときだった。
──ゴー、シュートゥ!
キョウヤからベイを放つ掛け声。
次の瞬間、ベンケイの下半身は強烈な痛みに襲われた。


「うっ・・ぐっ・・!!」
下半身に電気が走るような、強烈な痛み。
ベンケイは顔を歪ませながら、恐る恐る下を見てみると・・。
「あーーっ!!」
キョウヤの放ったレオーネが、自分のキンタマに直撃しているではないか!
「キョ、キョウヤさん、なにをするんですか!?」
大声を出しては見たものの、さすがにキンタマが悲鳴をあげている。
ベンケイは両手で自分のイチモツ部分を握り、そのまま両膝を地面について倒れた。



ブルブルと震えて座り込んだベンケイに、キョウヤが冷たい視線を送った。
「俺は動くなって言ったんだ。早く立て!」
「ううっ・・」
「立てねーってことは、お前は俺に従う意思はないんだな?」
「そ、そんなことありません・・」
ベンケイは全身に脂汗をかきながら、フラフラと立ち上がった。
しかし、ベンケイのおちんちんは、まだ悲鳴をあげている。
(なぜじゃ・・なぜわしの一番大切なところに、ベイをぶつけるんじゃい・・)


キョウヤの予想だにしない行動に、ベンケイは焦りの表情を浮かべた。
たしかキョウヤは、《殴ったり蹴ったりなんていうのは、しょせんは体の痛みだから信じられない》と言ったはず。
ならば体を直接攻撃されるようなことはない、とベンケイは考えていたのだ。
それがこの不意打ち。
しかもキンタマ。
一体、どう理解していいのやら。
ベンケイは普段使わない脳をフルに回転させて、キョウヤの行動を必死に考える。
しかしその間にも、キョウヤのレオーネはベンケイに襲い掛かった。



「うわっ! ぎゃっ! ひぃえ!」
レオーネはベンケイの体の周りを縦横無尽に飛び回り、アタックをかけてくる。
ベイブレードの回転力はかなりのもので、当たれば痛いし、危険だ。
ベンケイの服は、レオーネのアタックを受けるたびに、ビリビリと破けていった。
さらに、体のあちこちも痛みが走る。
ベンケイは体を仰け反らせながら、それでも地面に膝をつくまいと、根性で立ち続けた。
「うわわっ! キョウヤさん、こんなことをして何になるんです!?」
「さぁな」
「『さぁな』って・・これを耐えれば信用してもらえるんですか?」
「いちいち、わめくんじゃねぇ!」
「ひぃえ!」
なにがなんだか分からないが、キョウヤから怒声のような渇が落ちる。


「ハァハァ・・・」
ベンケイはしばらくの間、レオーネの猛攻に耐え続けた。
そして、レオーネがキョウヤの手に戻ったとき・・。
ベンケイの服は、素肌こそ見えないもののビリビリに破れ、彼も立っているのが精一杯だった。
「ハァハァ・・キョウヤさん、これでわしの誠意は通じたんですか・・?」
ベンケイはいまにも泣きそうな声で、必死に声を絞り出した。
「まだだ」
「えっ?」
「最後にもう一発キンタマに当てる。今度は真下から食い込むようにな。絶対に避けるなよ!」
「そ、そんなっ!」
「ゴーシューッ!」
すでにキョウヤからレオーネが発射され、ベンケイの股の下で回転を始めている。


ベンケイの股間の下で、獲物を狙うように回転を続けるレオーネ。
(こんなのがキンタマに食い込んだら・・ひぃぃぃ!!)
ベンケイはたじろいだが、いまは黙って耐えるしかない。
(そうじゃ、これを耐えればきっとキョウヤさんに・・)
そう考えたベンケイは唇をギュッと噛み締める。
腰に両手を当てて、仁王立ちをした。
「さぁ、来るなら来いじゃい!」
「よく言ったぜ。行け、レオーネ!」
キョウヤの掛け声とともに、レオーネは勢いよく飛び上がる。
そして、ベンケイの股間に真下から食い込むように、クリーンヒットした。
「ひょげぇぇぇぇぇ!!」
目から火花が散る。
倉庫全体が揺れるようなドスンという音がして、ベンケイはその場に大の字で倒れた。
ベンケイは仰向けに倒れたまま、ビクッ、ビクッと体を震わせるが起き上がる気配はない。
「口ほどにもねぇな。あっさりと失神しちまったか・・ん?」
よく見るとベンケイの股間から、わずかにオシッコが滲み出ていたのだ。
「コイツ、失禁しやがったか。
  まぁいい。これからが本番だ。お前のようなデブは初めてだから、じっくり解剖してやる。
  デブのアソコは大きいのか、小さいのか、確認しねーとな。
  この恥辱に耐えられるヤツなど、誰もいやしねーんだ。ベンケイ、すぐに化けの皮を剥いでやるぜ」
キョウヤの高笑いが倉庫に響く中、ベンケイはただ体をビクビクと痙攣させるだけだった。


次回予告
ベンケイ (キョウヤさん・・わしのことを・・・信じてくれ・・)

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