金的攻撃にノックアウトされたベンケイは果たして?
登場人物
ベンケイ。真っ直ぐな性格で力は強いが単純でお人よしで世話焼き。
盾神キョウヤ。デブ専でクールな面と喧嘩っ早い面を合わせ持つ。
ベンケイが目を覚ましたのは、なにやら体に感じる違和感からだった。
(あれ・・わしは一体・・)
一体、どれくらい気を失ったのだろうか。
皆目検討はつかないが、倉庫の窓から見えるわずかな陽の光から、それほど時間は経っていないらしい。
ベンケイは起きあがろうとするが、なにかが手足を邪魔をして自由が利かなかった。
(な、なんじゃい、これは!)
よく見てみると、手と足にロープがぐるぐると巻かれ、柱にピンと固定されていたのだ。
(て、手足を縛られて・・・!)
ギュッと手足に力を入れてみるが、体を動かすことができない。
ベンケイはゴクリと唾を飲み込みながら、自分の体勢を確認してみる。
どうやら、倉庫の真ん中でX字になって、仰向けに倒させているらしい。
こんなブザマな格好をさせられたのは初めて、いや他の誰もこんな格好をさせられたことはないだろう。
ふと下に目線をやると、そこにはキョウヤの姿があった。
ベンケイは額に汗を垂らしながら、尋ねた。
「キョウヤさん、これはなんです!?」
「ようやく目が覚めたか。ションベンをチビッたわりには元気がいいな」
その言葉を聞いて、ベンケイの顔はカァと赤くなる。
股間の周りがほんのりと湿っていたことに、ベンケイ自身も気がついていたからだ。
ベンケイは恥ずかしさを隠すように、わめくように叫んだ。
「だって、キョウヤさんがわしのチンチン・・いや大事なところにベイを当てるからです!」
「あれは前菜だ。これからが本番なんだぜ」
「ほ、本番・・?」
「そうだ、本番だ」
キョウヤはそう言うと、ベンケイの目をジッと見つめながら、ニヤッと笑った。
そして仰向けに倒れているベンケイの足元から近づき、ベンケイの豊満な胸を見下ろす。
なめまわすような視線に、ベンケイは「ううっ」と反射的に目をそらした。
「さて、始めようか」
キョウヤはベンケイの上にまたがり、股間の上の近くで腰を下ろした。
再びニヤリと笑い、ベンケイの豊満な胸に手を置く。
「うっ・・なにをするんじゃい・・!?」
ベンケイは恐る恐る尋ねたが、キョウヤは全くそれを無視している。
それどころか、ベンケイのお腹から胸のあたりを撫でるように触り始めたのだ。
「はっ、あっ、キョウヤさん、なにを!!」
「なるほど。デブってのは、本当に胸がでかいんだな」
なにが『なるほど』なのかは分からないが、
キョウヤの手がベンケイのお腹や胸をあちこちを触診していく。
(うっ・・うっ・・)
思わず声が出そうになる。
気持ちいいやら、くすぐったいやら、とても複雑な気分だ。
次にキョウヤは、ベンケイが着ている灰色のブルゾンのチャックに手をやる。
そして、徐々にそれを下ろしていった。
ジィーッ・・。
金属が擦れるような音が、倉庫の中に響く。
「わわっ、そこは!」
思わず声を荒げるベンケイ。
それまでキョウヤの行動を必死に耐えていたベンケイだが、さすがに抵抗の声がでる。
しかし、そんなことはおかまいなしに、キョウヤはさらにチャックをおろす。
そのうち胸元がベロンとめくれ、白いシャツがわずかに見えた。
「ほう、上着の中はシャツ一枚か」
「わっ、あっ・・!」
唐突な出来事にベンケイの心臓は高鳴る。
まさか、キョウヤがいう『本番』とは、自分の服を脱がすことなのでは・・?
そう考えたとき、ベンケイは心の底から恥ずかしさが込み上げてきた。
(わしの服を脱がしてどうするんじゃい・・!)
このまま服を脱がされ続ければ、自分の裸が晒されてしまう。
──脱がしてもてあそぶことが、キョウヤのいう試練だとしたら・・?
──いや、いくらなんでも男を脱がすなんてことをするだろうか?
──でも、そうだとしたら、耐えられるか・・?
ベンケイはあれこれとキョウヤの思惑を考える。
しかし、そんなことを考えているうちに、キョウヤは下側のチャックにも手をかけていた。
えいやっ!という掛け声こそないものの、相当な気合で上下のチャックを同時に外してしまっのだ。
ガシャンという金具が壊れるような音がして、上下のチャックは外されていた。
キョウヤはダブルファスナーの使い方をよく知らなかったのだろうか、無理矢理に外したらしい。
ブルゾンは完全に左右に開けっぴろげになり、白いシャツの胸元をさらけだしていた。
「ひぃ!」
ベンケイは体に似合わない悲鳴のような声をあげる。
一方のキョウヤは、シャツから見える豊満な胸にまじまじと見つめており、興味津々のようだ。
「でかい腹と胸だな」
ベンケイは思わず目をそらした。
そんな恥ずかしがり屋のベンケイを見て、キョウヤは笑いを堪える。
「おい、ベンケイ」
「・・・」
「聞いてるのか? これから触診するからな」
「しょ、触診・・?」
「ギブアップしたいなら、いつでも言えよ」
一瞬、『ギブアップ』という意味が分からなかったが、これからキョウヤが始める行為のことを言っているのだろう。
ギブアップさえしなければ、キョウヤに認めてもらえるに違いない。
ベンケイは歯を食いしばって、ありったけの声で叫んだ。
「わ、わしはギブアップなどしません!」
「本当か?」
「はい、わしは絶対にキョウヤさんについていくんじゃい!」
「その言葉を忘れんじゃねーぞ」
ベンケイの気概を感じたのか、なぜかキョウヤはご満悦の様子だ。
──こういうヤツこそ、あっという間にギブアップする。
キョウヤは分かっていた。
こういうガキ大将っぽいヤツほど、なまじプライドがあるためか、最初は威勢がいい。
そして、今のベンケイのように、『ギブアップしない』と強情な顔をするのだ。
だが、それもすぐに終わる。
そもそも、他人に体を触られる恥辱など、この時点では分かるはずもない。
こういうヤツは、触られたときの反応は物凄い。
だから、あっという間にギブアップを宣言してしまう。
──胸を揉まれたら撃沈。
──がんばっても、パンツの上からチンチンを触られたら撃沈。
きっとベンケイも、胸を揉んだくらいで撃沈だろう。
キョウヤはそう考えていた。
──厄介なヤツは陵辱して追い払う。
そうすれば、あっという間に自分で自分の意思の弱さを知って、その場を勝手に去っていくのだ。
それかキョウヤのやり方だったのだ。
ベンケイのような、おいしそうなデブは初めてだから、
出来ればチンチンを触るくらいまではがんばって欲しいと、キョウヤは考えていたのだが。
次回予告
ベンケイ 「キョウヤさん、なんでわしの服を脱がすんじゃ・・どうしたらええんじゃい・・」