チョウジ小説(完)


またもや表現能力の限界に達したので今回で強引に終了です(こればっかだなぁ)。


登場人物

秋道チョウジです。

奈良シカマルです。

次郎坊です。

丸薬と同じパワーを得た次郎坊に、シカマルとチョウジは打つ手があるのか?


「うおおおーーーっ」
次郎坊が雄たけびをあげると、チャクラの炎が燃え上がった。
溢れんばかりのパワーでシカマルの影の束縛を断ち切ろうとし始める。
「クソッ、パワーが強すぎるぜ」
次郎坊を捉えていたシカマルの影が徐々に力を失い始めた。
「どうやら影で相手を拘束するにも、限界があるようだな」
次郎坊はあり余る力で、シカマルの影を振り払う。
「まじでやべぇな・・・このままじゃ、あと数十秒しか影真似で拘束できそうもねぇぜ」
シカマルも必死に影にチャクラを集中するが、次郎坊のパワーに圧倒されていく。
(影首縛りの術をするか・・・いやここからじゃ遠すぎるぜ・・・。
  ・・・落ち着け・・なにか次の手を考えろ)
シカマルは目を閉じて、必死に次の行動を考える。
「これは時間の問題だな。影の束縛が外れたら、まずその陰気な隊長のツラを吹っ飛ばしてやるからよ!」
シカマルに思考する余裕がないほど、次郎坊のパワーは圧倒的だった。
そのときだった。


「シ、シカマル・・・」
「チョウジ!?」
重態のはずのチョウジがゆっくりと起き上がり、フラフラと次郎坊の正面に立った。
「ほう、まだ動けたのか。このカスが!」
「シカマルには、指一本触らせないよ」
ヨロヨロとしながら、右肩を押さえているチョウジ。
「フン、その体で何が出来る?」
弱々しいチョウジの姿を見て何も出来ないと感じたのか、次郎坊は余裕だった。
「シカマル・・僕が合図したら、影真似の術を解いて」
「なにをするんだ、チョウジ?」
「その瞬間にクナイを、こいつの胸に突き刺すから」
チョウジは覚悟を決めたように、次郎坊を睨み付ける。
そして、クナイを一本取り出して、そこに残ったチャクラを凝縮しはじめた。
「バ、バカ。危険だぞ、やめろチョウジ!」
「最初に言ったでしょ。コイツは僕が倒すって!」
「影を解いた一瞬の隙に、やられちまうかもしれねーんだぞ」
しかし、チョウジは真剣にシカマルに訴える。
「危険は分かってるよ。だけど、このままじゃ2人ともやられちゃうんだぞ!」
「チョウジ・・・」
シカマルとチョウジは、お互い目と目でその覚悟を確認した。


クナイをしっかりと握り、次郎坊の心臓の前に突き出すチョウジ。
クナイを突きつけられた次郎坊は、さすがに困惑の色を隠せない。
次郎坊は冷や汗をかきながら、チョウジを牽制する。
「もしそのクナイで俺の心臓を刺したら、すぐにお前の首をへし折ってやる。お互い死ぬぞ」
「それ、脅しのつもり?」
チョウジは怯まない。
「お、脅しじゃない。本当だ。お前も死ぬんだぞ?」
「僕は・・・僕はシカマルのためなら、いつでも命を捨てる覚悟はできてるよ」
「な、なんだと・・バカな・・」
そういうと、チョウジはさらに険しい顔で次郎坊を睨み付けた。
「前にも言ったはずだ。僕は友達をバカにするやつは絶対に許さないって」
次郎坊の首筋に、大量の嫌な汗が滴り落ちる。
(コ、コイツ、ヤバイ・・。まじでやる気だ・・。
  本当にさっきと同じクソガキなのか・・・自分の命が惜しくないのか?)
次郎坊はその瞬間、「ハッ」と気がついた。
(震えている・・・この俺様が・・・。こいつの気迫に押されているのか・・)
次郎坊はチョウジの気迫に圧倒されていた。


そのとき、シカマルが叫んだ。
「チョウジ、そのままクナイを突き刺せ」
「えっ?」
「俺が影真似の術で押さえておくから、そのままやるんだ」
「そ、そんなことしたら、シカマルが死んじゃうじゃないか!」
影真似の術は、かけられている者にダメージを与えると、術者も同じダメージを負ってしまう。
そんなことはシカマルも分かっているはずだ。
「そんなこと僕にできるわけないだろ!」
「チョウジ、俺も覚悟はできてるんだぜ。あんま柄じゃねーけどな」
「シカマル・・・」
「俺の方が確実だ。お前だけは絶対に助かる。だからやれ!」
「いやだよ!」
「これは、隊長命令だ」
「そんな隊長命令なんて、守れるわけないでしょ!」
(こ、こいつら、おかしいぜ・・・狂ってやがる)
2人のやりとりに、次郎坊は混乱していった。


「シカマル!早く影真似の術を解いて。僕がやる!」
その言葉にさらに次郎坊は動揺する。
「くっ・・このカスがっ。こんな死に損ないに俺様が・・。
  お、おい、影野郎!・・・お前らいい加減しろ!命が惜しくないのか! このデブは見殺しか?」
「わかってねぇな」
「なにっ?」
「おめーは、チョウジを"クズ"だの"捨て駒"だの言ってるけどよ。
  おめーはもうチョウジの覚悟に負けてるぜ」
「刺し違えることが覚悟だっていうのか!」
「そうさ。おめーは以前もチョウジの覚悟に負けたんだぜ」
「あのときは・・・丸薬のせいで・・・」
「じゃ聞くけどよ、おめーは飲んだら死ぬ丸薬を飲めるのか?」
「・・・・」
「どうなんだよ?」
「うっ・・」
チョウジが叫ぶ。
「シカマル!早く!」
「そうか・・俺は・・・このクズの"覚悟"に負けたのか・・・」
しかし、次の瞬間、次郎坊からチャクラの放出が停止した。
「うっ・・・うわぁぁ・・・・」
次郎坊は突然苦しみ始める。


「ど、どうしたんだ・・これは・・・」
突然次郎坊の体中に激痛が走った。
その痛みに、失神しそうになる次郎坊。
その状態にシカマルは忘れたことを思い出したように、話した。
「そうか、すっかり忘れてたぜ。お前、自業自得な」
「くっ・・なん・・だと!?」
「チョウジのカレー丸級のアレを直接飲んだってことはよ、一時的にパワーアップするがそのあとは地獄の苦しみだぜ」
「う・・・うがぁーーっっ」
「あの丸薬はよ、少しでも激痛が抑えられるように精製されてるんだぜ」
「なにっ!」
「少しはチョウジの痛みを知りやがれ。覚悟もねー野郎が丸薬飲むってことがどういうことかよ」
「うがぁぁぁ」
次郎坊はそのまま泡を吹いて白目を向いた。
失神してしまったようだ。


シカマルは「ふぅ」とため息をつく。
次郎坊が動かなくなったのを確認して、シカマルは影真似の術を解く。
次郎坊はそのままドスンと前のめりで倒れた。
「おい、チョウジ。もういいぜ。どうやら気を失ったみたいぜ」
「シカマル・・・」
「ったく、無茶しやがってよ」
「それは、シカマルもでしょ」
「お互い様ってか?」
チョウジも気が抜けたのか、ドテンと尻餅をついた。
「ふぅ・・・でもシカマルが無事でよかった」
「チョウジ・・・」
お互い、見つめあいニコッと笑う。
そのときだった。


ドカン!
「な、なんだ!ゲホッ・・・」
どこから飛んできたのか、いきなり煙玉で辺りが見えなくなった。
「おいチョウジ、大丈夫か?」
「ゴホッ、ゴホッ。うん。僕は平気」
だんだん視界が開けてくる。
「シ、シカマル、見てよ!」
先ほどまであった次郎坊の姿がない。
どうやら連れ去られたようだ。
「ちっ、やはり誰かつけてやがったな・・・」
「敵がまだ近くにいるってこと?」
「いや、今は気配は感じねぇ。それに、あんな重いヤツを背負っているとしたら、俺たちを追撃することはできないだろ」
「そうだね」
シカマルは念のため、周りをキョロキョロと確認していた。


シカマルは周りに気配がないことを確認すると、ホッと少し安堵した。
ふと、チョウジの下半身をみる。
チョウジのフルチン姿に、思わず目が釘付けになってしまう。
(チョウジのヤツ、えらくエロい格好になってるぜ・・
  本人が気がつくまでもう少しこのままにしておくか?)
一瞬、不純な妄想をしたシカマルだが、さすがにこのままにしておくのも気が引けた。
「チョウジ。いい加減にパンツ履けよな?」
「あ゛」
チョウジはすっかりフルチンだったのを忘れていたようだ。
「うーん、でも僕のパンツやぶけちゃったし・・・これで代用しておくか」
チョウジは頭にかぶっている、木の葉の額あてを外した。
布の部分だけを引きちぎり、強引にふんどしのように股間に結んだ。
その間抜けな格好に、ゲラゲラと笑い出すシカマル。
「もう、そんなに笑うことないだろ? 僕は大変な目に逢ったんだから」
「わりぃ」
それでも笑いが止まらないシカマル。


「さてと、あまりここに長くいるのも得策とは思えねぇな」
シカマルはそういうと、チョウジの前に背中を向けてしゃがんだ。
「チョウジ、ほらよ」
おんぶしてやるということらしい。
「シカマル、いいの?」
「しょうがねぇだろ。ケガ人に無理矢理歩かせるわけにもいかねーしよ」
「ありがとう」
そういうと、チョウジはニコニコしながらシカマルにドンと乗っかった。
「おわっ!!」
その瞬間、シカマルはチョウジに押しつぶされた。


シカマルはチョウジをおぶり、ゆっくりとした足取りで短冊街へと向かう。
「次郎坊って、シカマルと同じことにやったね」
それを聞くと、シカマルはポッと頬を赤らめた。
「あのな・・」
「だって、僕が初めて精通したときにシカマルも飲みこんじゃって、そのあと大変だったじゃない?」
「だからそれは言うなって」
「でも、あの件がなければシカマルも丸薬の秘密は知らないままだったしね」
「けどよ、音忍がそれを知っちまったのはヤバイぜ」
「大丈夫。精製法が分からなければどうしようもないでしょ?
  それにカレーみたいなおいしい味がないと、普通食べる気しないし」
相変わらず呑気なチョウジに、シカマルはフッとため息をついた。
「ったく・・おめーは長生きするぜ・・・」


短冊街に戻ったシカマルは、すぐにチョウジをベッドに寝かせた。
「ケガしてるお前に言うのもなんだけどよ・・・。
  お前は今回の任務で3回も隊長命令無視してるぜ。普通なら厳罰処分な」
「えっ?」
「1つ目は森まで一緒にきたこと。2つ目は俺が土牢に閉じ込められたとき、里に戻らなかったこと。
  最後に次郎坊にクナイを刺さなかったこと。この3つだぜ」
「・・・だって」
「だって?なんだよ?」
シカマルはチョウジをみつめる。
「僕がシカマルを見捨てて里に戻ったら、もう2度と会えなくなる気がしたんだもん・・・」
「・・・・」
「それに、シカマルが死ぬのを分かっていてクナイを刺すだなんて、僕にはできないよ」
「チョウジ・・・」
「シカマル・・・僕は忍者失格なのかな・・」
チョウジはクスンと落ち込み、視線をシカマルとそらすかのように、下に向けた。


「バーカ。柄にもなくショゲてるんじゃねーよ」
「シカマル・・・?」
「それに、今回はお前を危険な目に逢わせた俺も、隊長失格かもな」
「シカマルは悪くないよ・・・ここに来たのだって、僕が無理矢理シカマルに頼んだから、僕のせいだよ・・」
その言葉を聞いて、シカマルはなにかに安堵したように微笑んだ。
「まったく、おめーは変わらねぇな」
「えっ?」
「もしお前に万が一のことがあったら、残された俺はどうなるんだよ?」
「そ、それは・・・」
「俺は・・・俺の特等席だけは絶対に失いたくねーんだ」
「特等席?」
シカマルは急に照れて、チョウジと視線をそらした。
「だからその・・・次からは絶対に隊長の命令に従えよ」
「うん。わかった」
チョウジは、自分のことを思うシカマルの気持ちがうれしかった。
それにシカマルもだんだん中忍らしいことを言うようになったな、と思った。


しかし、そう思ったのも束の間。
「もし命令守らねーとよ・・こうだぜ」
そういうと、シカマルは不意打ちを喰らわすかのように、チョウジのわき腹をくすぐった。
「あはっ・・体中が痛いってシカマル! やめてよ!」
「へへっ」
「僕は今度こそ本当にケガ人なんだぞ!」
「じゃ、一緒にゆっくり休もうぜ」
シカマルはそういうと、ベッドにあがってきた。
そして、ゆっくりとチョウジの股の間に入り、いつもの特等席に顔をうずめた。
チョウジのぷっくりとしたお腹の感触を味わっている。
「全く、シカマルは中忍なのかさっぱりわかんないや・・・」
お腹の上で気持ちよさそうなシカマルの顔。
もうスゥスゥと息をしている。
「なんだ、もう寝ちゃったの?」
「・・・なぁ、チョウジ?」
「シカマル?」
シカマルはチョウジのお腹に顔をうずめながら話した。
「これは、隊長としてじゃなくて、個人的な話な・・」
「・・・?」
「俺は土牢に閉じ込められたとき、死ぬかもしれねーって思った。
  でも、直後にお前が大声で"次郎坊を倒す"って叫んでくれただろ?
   俺、すげーうれしかったぜ・・・。俺は、俺はよ・・・お前のこと・・・」
「ぼ、僕のこと・・?」
「い、いや・・・もう寝るぜ・・」
そういうと、しばらくしてシカマルからスヤスヤとした息が聞こえてきた。
それを見ているとチョウジの心も和らいでいった。
(僕だってシカマルのこと・・・
  僕のお腹の上で寝てくれるのはシカマルだけなんだから・・・)
チョウジは、そっとシカマルの頭に両手を置き、そのままコクッと眠りについた。


とりあえず、強引に終了です。ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
チョウジは陵辱するよりも、ほのぼの路線の方が合っているかな?と途中で思いました。シカマルに関しては本編ではアツアツぶりを発揮しているので、あまりエロくしないで、この2人は自然に交わっているみたいな感じを出したかったんですが、でてましたかねぇ。
それとチョウジの真の強さとは何か、というのを再考してみました。チョウジは土壇場に追い込まれると強いんと思うんですな。勝敗は力だけで決するのではなく、気合や覚悟があると思うんですね。チョウジは覚悟がある。だからチョウジは強い。次郎坊は普通に考えればチョウジに負ける要素なんか1つもない。だけど、チョウジの方が強い。なにかを背負ったときチョウジは心に揺ぎ無いものがあるからなんじゃないかと・・。なんて妄想でした。
それと設定はかなりアホです。秋道一族は精子にチャクラを凝縮することができ、3色の丸薬はそれで作られているという・・・。父ちゃんの精子固めたものをチョウジはトンガラシ丸として飲んでいたという・・(アホだ)。
チョウジの小さい頃の話も書いて見たいです。

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