チョウジ小説(第2部) (8)


音の里に運ばれたチョウジは・・?


登場人物

秋道チョウジ。仲間想いでおっとりした性格。

次郎坊。土遁の術を使う巨漢。チョウジを屈服させて自分のものにしようとする。

大蛇丸。音隠れの里の長で、三色の丸薬に興味を持っている。


──それから数日後。
次郎坊とチョウジは、音の里の入り口に立っていた。
入り口といっても、森の中にポツンと大きな岩が存在するだけだった。
表面が剥き出しになった岩は、特に変わった様子はない。
しかし、次郎坊が印を結んで術を唱えると、不思議なことに岩に扉が浮かび、中には真っ暗な通路が続いていた。
「さて、音の里へとご招待だ」
「こんなところに・・」
「大蛇丸様のもとへ行くとしようか。ついてくるがいい」
次郎坊は一足先にも真っ暗な入り口に歩を進める。
チョウジも恐る恐る暗い通路へと足をすすめた。
どうやらゆるやかなスロープのようになっており、下へ下へと進んでいくようだ。


しばらく下に進むと、周りがロウソクに照らされて明るくなった。
壁は土で作られているのか、赤褐色の表面をさらしている。
おそらく、この壁や通路は、土遁を操る強力な術者によって作られたのだろう。
2,3人がやっと並んで歩ける程度の通路を、さらに奥へ奥へと進んでいく。
途中にはいくつも四つ角や分岐があり、迷路のような構造になっていた。
もし、ここから脱出しようと思っても、複雑な迷路から抜け出すことは容易ではないだろう。
おそらく、捕虜が脱走できないように作られているのだろうと、チョウジは感じた。
しばらく進むと・・。
「さて、ここが大蛇丸様の部屋だ」
次郎坊とチョウジの目の前に、なにやらたいそうな扉がそびえていた。


次郎坊が扉をあけると、そこはただ大きな空間が広がっているだけだった。
ロウソクの明かりが、所々に点在し、周りを赤く照らしている。
よく見ると、少し離れた正面に大きな仏像があり、静かに周りを見つめているようだった。
チョウジにとっては、その仏像が睨んでいるように見えて、不気味以外の何物でもない。
あまりに静けさにゴクリと唾を飲み込む。
「あら、ずんぶんと早かったのね」
仏像の影から、女性のような甲高くて、嫌らしい声。
姿ははっきりみえないが、長い髪とスラッとした身長の男。
間違いなく大蛇丸だろう。
「大蛇丸様。秋道チョウジを連れてまいりました」
「ええ。分かってるわ」
大蛇丸は、仏像の横から腕を組んで現れると、チョウジの姿をみてニンマリと微笑んだ。


大蛇丸は数メートル離れた位置で、チョウジの体をジッと見つめた。
その舐めまわすのような視線に、チョウジはブルッと武者震いをする。
「へぇ・・。これが噂の秋道チョウジなのね。けっこうかわいいじゃない。好みかも」
「うっ・・」
「かわいい豚だから、さっそく実験を始めようと思うんだけど、いいかしら?」
大蛇丸の問いかけに、次郎坊は真面目な声で返事をする。
「はい、大蛇丸様のお好きなように。ただし、実験が終わったら秋道チョウジは約束通り私にいただけますか?」
「ええ。分かっているわ。でもこの子、とってもおいしそう。汚すのがもったいないくらい」
「あまり手荒な真似はしないでください」
「アナタに命令される筋合いはないわ」
「・・・」
大蛇丸が次郎坊に目で合図をすると、次郎坊はそのまま後ろへと下がり、姿を隠した。


チョウジと大蛇丸は、大きな広間にたった2人だけになった。
大蛇丸といえば、木の葉の里の火影である綱手や、自来也とは、ほぼ互角の実力者だ。
おそらく、チョウジが抵抗すれば、首を飛ばすことくらい動作のないことだろう。
圧倒的な存在感と得体の知れない雰囲気に、チョウジは額に汗を流し、顔を引き攣らせた。
まるでヘビに睨まれたカエルのように、チョウジは指一本さえ動かすことが出来ず、ただ震えていた。
「そうそう。3色の丸薬のことだけど・・」
大蛇丸が切り出してきた。
「3色の丸薬の原料って、アナタの精子から取れるんですって?」
「・・・」
「だから、ここで裸になって、汁を出してちょうだい」
大蛇丸からのいきなりの不当な要求。
チョウジはしばらくワナワナと震えていたが、思いつめたような表情でギュッと拳を握り締める。
そして大蛇丸を睨みつけた。


チョウジは己を奮い立たせるかのように叫んだ。
「断る!」
「あら、抵抗するの? 予想外の反応ね」
「僕は友達を助けるために、次郎坊と音の里に来ると約束しただけだ。
  だから、お前みたいに人を道具にするヤツの言うことは聞かないよ」
「へぇ・・。私に抵抗する気? あまり頭がよくないのね」
「僕にだって覚悟はあるよ。僕はきっとここで殺される。
  だったら3色の丸薬のことは一切喋らないからね。さぁ、殺すんなら殺してみなよ!」
「ふふふ・・・。別にアナタの意思なんてどうでもいいのよ。
  アナタは家畜。豚と一緒よ。ただ、私に飼われて、おいしい精子をたくさん出してくれればそれでいいの」
「ふざけないで!」
チョウジは、目尻を吊り上げて叫ぶ。
しかし、大蛇丸はまったく意に介せず、冷淡に話を続けた。
「しかたないわね。では、さっそく飼育を始めようかしら」


大蛇丸がパチンと指を弾くと、左右の扉が開き、4人の男が入ってきた。
いずれも忍者とは思えない、浮浪者のような格好をしており、目がぎらついている。
4人の視線はチョウジの体に集中する。
「な、なにをする気!?」
「音の里では太った子が大好きな手下がたくさんいてね。特に秋道チョウジは人気が高いのよ」
「どうして僕のことを・・」
「この男たちは、特にアナタを飼育したいと懇願してきた4人でね。いちおう上忍クラスの実力があるわ」
「!!」
「さぁ、秋道チョウジをたっぷりと召し上がれ」
4人の忍者は、チョウジの左右から一気に近寄ってくる。
「ふ、ふざけないで!」
チョウジは近づいた相手に拳と蹴りで応戦するが、虚しく空を切るだけだった。
<ヘヘヘッ、そんな攻撃が俺たちに効くものか>
あっという間に、横から近づいた男の膝蹴りが、チョウジの腹のど真ん中に食い込み、呼吸困難になる。
「げはっ・・がっ・・!」
お腹を押さえてうずくまったチョウジを、無理やりに立たせて、今度は羽交い絞めにする。
動きを封じると、さらに正面の男がチョウジの腹に、もう一発パンチをぶち込んだ。


「ああっ・・ぐっ・・」
チョウジは嘔吐しそうになりながらも、なんとか意識をつなぎとめた。
抵抗しようと、体を必死にもがく。
しかし、所詮は4対1である。
<ヘヘヘッ・・>
<本物の秋道チョウジだぜ・・>
<早く素っ裸にしようぜ>
<アソコ見たいよなぁ・・・>
「ハァハァ・・やめろ・・」
チョウジの息は荒く、痛みに耐えるのがやっとだった。
両腕をそれぞれ2人の男にがっちりと捕まれ、無理やりに立たせられる。
1人の男がチョウジのマフラーを掴み、そのまま音を立てて破る。
さらに緑色の上着を掴んで、破り捨てる。
<コイツ、いい体してそうだぜ・・!>
「ひぃ!」
正面の男は「食」の字のシャツを鷲づかみにすると、それもビリビリッと音を立てて破いてしまった。
さらにズボンとパンツを一気に脱がしにかかる。
「あっ・・あっ・・」
バリバリッ!
最後の砦あるパンツまで、破られてしまった。
チョウジはあっという間に、手足の包帯以外は、素っ裸にされてしまったのだ。


チョウジは、頭の額当てと手足の包帯以外のすべての服と下着を破られ、素っ裸にさせられた。
チョウジの心には激しい恐怖と恥辱に包まれる。
<豚が立ってるんじゃねーよ>
後ろから、2人の男がチョウジの両肩をそれぞれ掴んで、床に強引に押し倒した。
うつ伏せにさせられ、まるで豚のように四つん這いの体勢にさせられたのだ。
すると、大蛇丸が正面からゆっくりと近づいてきた。
コツンコツンと、凍るような足音を立てながら。
「さぁ、これからアナタは豚になってちょうだい。豚になってたくさん汁をぶちまけなさいよ」
「ふざけるな・・!」
「まだ元気がいいのね」
大蛇丸は片足を振り上げ、サッカーボールを蹴るようにチョウジのアゴをぶち抜いた。
「うげっ!」
「フフフッ。家畜は逃げないように、首輪でつながないとね」
大蛇丸は懐から、首輪を取り出す。
金属と皮で出来た丈夫で硬そうな首輪を、チョウジの首にガチャンッ!とはめ込んだ。
「な、なにを・・!」
「だから言ってるでしょ。豚に首輪をつないだだけよ。豚小屋に連れていってあげるわ」
大蛇丸はくくっと笑いをこらえると、手にもった長い鎖をもったまま歩き始めた。
鎖はミシミシと金属が擦れる音を立てながら、やがて大蛇丸とチョウジの首の間で、ピンと一直線になる。
「なにをモタモタしてるの?」
大蛇丸は、長い鎖を思いっきり引っ張った。


「げほっ!」
チョウジは物凄い力で首輪を引っ張られ、前のめりに倒れた。
頚動脈に首輪が食い込み、窒息しそうになる。
それでも、大蛇丸は意に介せずに、部屋の外にでて歩き始める。
「ぐはっ、やめてっ!」
「ボケッとしていないで、ついてきなさい」
ピンと張った鎖は、チョウジを首からズルズルと引きずり回した。
「がはっ、げほっ!」
「ノロノロとしていないで歩きなさいよ。豚はお尻を突き出して、四つん這いの格好で歩くのが普通でしょう?」
「うがっ・・」
チョウジはなんとか、ピンと張った鎖を片手で握りしめる。
頚動脈が締め付けられないよう、必死に四つん這いの姿勢になった。
その姿を見て、大蛇丸は悪魔の笑みを浮かべると、さらに早歩きでチョウジの首輪を引っ張る。
「ちょっと待って・・がはっ!」
チョウジは時には地面を大の字の格好で、時には四つん這いの格好で、大蛇丸に引きずられ続けた。



「ぐっ・・うっ・・!!」
素っ裸の格好で、豚のように四つん這いに歩かされる屈辱。
周りには4人の男は、そんなチョウジの情けない姿を後ろからみて、あざり笑う。
<コイツ、完全に豚だな>
<チョウジ豚って呼ぼうぜ>
<可愛い名前だな>
<ケツがでかいな>
<もっとケツを突き出して、歩けよ!>
あまりに情けない姿。
あまりに屈辱的な格好。
あまりにみじめな仕打ち。
チョウジは目から涙が零れてきた。
「うっ・・あぐっ・・ちくしょう・・」
<コイツ、泣いてやがるぜ!>
<豚が泣くんなら、ブヒブヒって言えよ!>
<ハーハハハッ!>
チョウジは涙を片腕で拭いながら、なんとか四つん這いの体勢を維持して大蛇丸の後についていった。
自分の情けなさに涙が止まらなかった。


ドSテイストになっとりますな(^^; きんたろーさんに鎖絵描いていただきました〜!

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