S属性マックスになってきたし、かなりヤバイです。大きな星がついたり消えたりしてるなぁ。
登場人物
ガス。風の魔動戦士で、立派な武闘家を目指す少年。
ナブー。邪動帝国一のインテリだが、武闘家の実力でもガスを圧倒する。
タンバロン。特殊なメガネをかけたナブーの泥人形。「であ〜る!」が口癖。
ガラパチーノ。ナブーが泥人形から練成した怪人。右手の5本指に刃物を忍ばせている。
ナマンズ。ナブーの泥人形から生まれたナマズ顔のエロ怪人。「マンズ!」が口癖。
「スーッ、ハァー!」
ガスは少しでもダメージを回復しようと、呼吸を整える。
そして気力を振り絞って、にじり寄ってくる3人の泥人形に立ち向かう。
3人の泥人形たちは、ガスのことをジロジロと興味深く見つめている。
「ズングリといい体してるんだば」
「まずは少し痛めつけるでマンズ!」
3人の泥人形たちは、三角形にガスを取り囲んで、なにやら好き勝手な話をしている。
「い、一体、どなたから相手になるんです!?」
ガスは首筋に嫌な汗をかきながら、キョロキョロと3人の動きを注意深く見守った。
しかし、体を嘗め回すような、複数の視線に耐え切れなくなる。
「ううっ・・・こないのなら、こちらからいかせていただきます!」
ガスは傷ついた体に鞭を打って、タンバロンに先制攻撃をしかけた。
「タァーーーッ!」
ガスはあっという間にタンバロンに近づき、
右左と連続して回転を加えたキックを喰らわす。
そして、そのまま拳をバシッバシッと連打して、一気に敵をドスン!と壁に吹っ飛ばした。
しかし敵は1人ではない。
次々と襲い掛かる泥人形たち。
ガスは得意の正拳突きと、ヒラリと交わす空中殺法で、襲い掛かる泥人形を全員倒した。
小さな体をフルに活かした、ガスにしかできない戦い方だ。
「ハァ・・ハァ・・・やった・・!」
──そう思ったのも束の間。
ギュッ!!
ガスの首筋ににぶい音がする。
「うぐっ! く、苦しい・・・」
一瞬呼吸が止まる。
「ヘヘヘ、風の魔動戦士さん。油断大敵であ〜る!」
いつのまにか、背後に回ったタンバロンが、ガスの首をジリジリと締め上げる。
(ううっ・・さっき、倒したはずなのに、どうして・・?)
ふと正面を見てみると、先ほど倒したはずのナマンズとガラパチーノがまるでゾンビのように起き上がっている。
ガスは動揺しながらも、タンバロンの腕を強引に引き剥がし、「とりゃーーっ」と気合を入れて、
そのまま背負い投げをするように前方へドスン!と放り投げた。
ガスは武闘家として、ずっと一対一の勝負で戦ってきた。
3人がかりで攻撃することは、武闘家にとっては恥ずべき行為であり、ありえない行為。
だから、ガスは1人の泥人形に対し、全力を出して戦ってしまう。
そこが泥人形の狙いだった。
3体の泥人形は倒されても倒されても、執拗にガスに襲い掛かり、休む暇を全く与えなかったのだ。
初めは蹴りやパンチで泥人形たちを倒していたガスだが、徐々に苦戦をしいられる。
敵の攻撃は、体格差と人数にモノをいわせた、いわゆる人海戦術。
ガスが1人の泥人形を殴り倒しても、すぐに待ち構えていたかのように、背後からから別の泥人形が現れる。
小さなガスにとっては、自分の何倍もある体重の泥人形がズシンとのしかかり、
剛力で上半身を締めつけられるだけで、かなり堪えていた。
1体の泥人形がガスを苦しめている間に、2体はゆっくりとガスの背後で回復すれば、疲弊するのはガスだけだった。
3体の絶妙なチームワークの術中に、ガスはまんまとハマっていた。
「坊や、小さいのにすげー怪力だマンズ!」
「ううっ、負けませんっ」
今度はナマンズが、ガスを背後から拘束していた。
「でも、こういう攻撃方法もあるでマンズ!」
そういうと、ナマンズは背後がら、ガスの首筋をペロッと舐める。
ガスの体が一瞬、ビクンと反応する。
そして、ガスの上半身をタイツの上からいやらしく揉みははじめた。
「んあっ!・・・そ、そんな攻撃・・・ああっ!」
「喘ぎ声も、かわいいでマンズ!」
そういうと、ナマンズはガスのタイツから浮き出た乳首をギュッと掴んだ。
「い、痛いっ!」
武闘家のガスにとっては屈辱的な攻撃。
「たっぷり触らせてもらうマンズ!」
ナマンズは興奮してきたのか、今度はガスの股間に手が伸びる。
「そ、そんな攻撃、戦う者として絶対に許せません!」
ガスはナマンズの束縛を必死に解いて、必殺のエルボーを食らわして吹っ飛ばした。
しかし、すぐさま後ろからタンバロンが攻撃を仕掛ける。
「3対1なんて・・・卑怯です・・・」
「戦いに卑怯もなにもないのであ〜る!」
タンバロンは、ガスを背後から羽交い絞めにして、じっくりと逞しい体を触っていく。
「はんあっ! こ、こんな攻撃・・卑怯です・・」
入れ替わり立ち代りに泥人形から攻撃されるという悪循環。
ガスは肉体的疲労だけでなく、精神的にもどんどん疲弊していく。
息が上がるガスに対して泥人形たちは、1人1人が交替で楽しむかのように、じっくりとガスをいたぶっていた。
「ハァハァ・・ううっ・・・」
ついに体力の限界に達したガスは、息を切らしながらガックリと両ひざを地面に落としてしまう。
「ハハハ、貴様の疲れがみえ〜る!」
ガスの体力が限界に近いと感じたタンバロンは、大きくジャンプすると全体重を乗せてガスの背中にダイブした。
「うぎゃあ!」
大きなタンバロンの体に下敷きにされて、小さなガスはペチャンコに潰されてしまった。
「うがっ・・がはっ!」
地面とタンバロンの間に挟まれ、ガスは必死に脱出しようともがく。
背中がミシミシと悲鳴をあげる。
タンバロンは、ただガスの上に乗っかっているだけだが、何百キロという体重は、それだけで十分に凶器となっていた。
「フハハ、この攻撃は、相当効いているようであ〜る!」
しばらくして、タンバロンがゆっくりと起き上がると、そこには地面に倒れたままヒクヒクと失神しそうなガスの姿。
フラフラと立ち上がりそうなガスを、さらに片足で踏みつける。
「ぐはっ!」
再び地面に叩きつけられるガス。
「立てないなら、こうするのであ〜る!」
タンバロンはガスの両足をつかみ、そのままグルグルとジャイアントスイングをしてポイと放り投げた。
「がはっ!」
ガスは放物線を描くように空中に数メートル飛ばされて、ズズズッと地面を滑った。
ガスは全身が砕かれるような痛みに耐えながら、なんとか意識をつなぎ止めていた。
しかし、放り投げられた先には、すでにナマンズとガラパチーノが待ち構えていた。
「お寝んねしてないで、早く立ち上がって欲しいだマンズ!」
「この坊や、相当苦しそうだかな!」
「ハァハァ・・・・まだです・・・これしきのことで・・・」
ガスは汗と砂にまみれながら、気力だけでなんとか立ち上がった。
しかし、立ち上がるや否や、今度は2人の泥人形が正面と背後からフラフラのガスを挟み撃ちにした。
「ハハハ、魔動戦士のサンドイッチなんだなマンズ!」
「う、うわっ!」
2人の泥人形の岩のように硬いお腹の間に潰されて、小さなガスには逃げ場がなかった。
ぎゅうぎゅうとガスは泥人形のパワーに押しつぶされる。
「あぐっ・・・」
グキッ!っと背骨に嫌な音がする。
胸筋がミシミシと潰され、呼吸ができなくなる。
「負けてたまるか・・・負けて・・・」
ガスは何度も心の中で叫んでいたが、意識はどんどん遠のいていく。
しばらくするとガスは棒立ちとなり、2人の泥人形のなすがままになっていた。
まるで、ピンボールのように、2人の泥人形を何度も往復し、いたぶられる。
ガラパチーノはニタッと笑うと、いまにも倒れそうなガスを、背後から羽交い絞めにする。
「くそっ・・まだです・・」
ガスが最後の力を両腕に入れて、ガラパチーノの羽交い絞めを外そうとした瞬間、
ナマンズは、完全に無防備になった、ガスのみぞおちに拳を叩き込んだ。
「げはっ!」
ガスの鍛えられた腹筋をもってしても、油断すればガラスのようにもろい。
数cmは食い込んだであろう拳に、ガスは悶絶してうなだれた。
「もうコイツは何もできないがな! たっぷり可愛がってやるだがな!」
無防備なガスの体に、ナマンズとタンバロンは不気味に笑いながら近づいた。
ナマンズは、手を伸ばしてガスのおちんちんを法衣服の上から、ギュッと摘む。
「ううっ・・やめ・・・て・・」
一瞬ビクン!と反応したガスだが、そのまま頭を垂れてグッタリとしたままだった。
ナマンズは、ガスのおちんちんの形を確認するかのように、じっくりと感触を確かめる。
「可愛いおちんちんでマンズ!」
ガスの緑色のコスチュームは、もみくちゃにされていていく。
しかし、泥人形からの陵辱を受けても、ガスはピクリとも反応しない。
「さっきみたいに、可愛い喘ぎ声を出さないマンズ!」
「ちょっとボロボロにしすぎたのであ〜る?」
「つまらないマンズ!」
泥人形たちは、ガスから全く反応がないのに飽きたのか、あっさりと解放した。
ガスは3人の中央で、バタッと力尽きて倒れた。
「うっ・・ううっ・・・」
ガスは無我夢中で地面を這いつくばった。
しかし、どこにも出口はない。
誰も助けに来ない。
必死に伸ばした腕が、人間の足と思われるものに当たる。
「フハハハ。風の魔動戦士よ、どこへ逃げようというのだ?」
それは、泥人形とガスの戦いをじっくりと楽しんでいたナブーだった。
「ううっ・・・逃げて・・・いません」
ガスは、傷だらけの顔でナブーを見る。
「ナブーさん・・あなたは卑怯です・・」
「卑怯だと?」
「1対1で戦うのが武闘家ではないのですか・・」
「お前のいう戦いとは、常に1対1で正々堂々と勝負をし、勝っても負けても爽やかに終わるスポーツなのか?」
「そ、それは・・・」
「この武闘家の成り損ないがっ!」
そういうと、ナブーはガスの顔面を容赦なく蹴り飛ばし、再び3人の泥人形の真ん中に放り込んだ。
「ああっ・・ううっ・・」
ノシッノシッ・・・。
倒れたガスににじり寄る3人の泥人形の足音。
もはや反撃する体力もなく、絶体絶命に追い詰められるガス。
「こ、これ以上、あなた方の好きにはさせない・・・」
地面に伏したガスは、朦朧としながら自然に魔動力を唱えていた。
「ドーマ・キサ・ラムーン・・・ドーマ・キサ・ラムーン・・・」
最後の力を振り絞って体に魔動力を集める。
そして、手で小さな魔法陣を描く。
「魔動力・・・イレーザー・・・ガスト・・」
イレーザーガストはガスが使う魔動力の中でも、特上魔動力の1つだ。
一瞬にして竜巻を起こして相手を吹き飛ばす。
<お願いです・・・邪動族をすべてを吹き飛ばしてください!>
ガスの最後の願いがこもった魔動力。
しかし、その言葉を発した瞬間、地面からガスの体に黒い稲妻が幾重にも絡みつく。
「うぎゃあ!」
ガスは断末魔のような叫びをあげながら、苦しみ始めた。
「フハハハ、魔動力は使わないんじゃなかったのか?」
洞窟に、ナブーの声が響き渡る。
「こ、この地面の模様は・・・まさか・・・うぐぐっ・・」
「この闘技場全体に、闇の魔法陣が描かれているのに気付かなかったのか」
「ぐああああっ!」
闇の魔法陣は、ガスが唱えた上級魔動力の威力をそのまま跳ね返していた。
この魔法陣の中で使えるのは、邪動力だけだ。
魔動力はすべて無意味なものになる。
「風の魔動戦士よ、お前は最後の最後で、自分に負けたのだ」
「じ、自分に・・・?」
「お前が魔動力は使わずに勝負をしようと約束したのだ! 自業自得だな」
(うっ・・・私は邪動族に負けて、自分自身にも負けて・・・これで武闘家だなんて・・・)
ガスは黒い稲妻の中で、自分を責めた。
「あぐぐっ・・・誰か・・・たす・・けて・・・」
ガスは闇の魔法陣から発する、黒い稲妻の中でもがき苦しみ、そのままピクリとも動かなくなった。
惨敗だった。
いままで武闘家を目指して修行した人生をすべて否定されるような、圧倒的な敗北感。
ガスは心の中で思った。
自分はどうして武闘家になったのだろう?
──弱い者たちを守るため?
──祖父がそう教えたから?
──父親が武闘家だったから?
どの答えもガスにとっては正しい。
しかし、本当の答えは違う気がする。
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ガスは心の片隅でずっと思っていた。
立派な武闘家になれば、いつの日か・・・父親と会える気がする・・・・と。
(でも、もうムリです・・・。私は武闘家としても、魔動戦士としても・・・何の役にも立ちません・・・。
大地くん、ラビくん、おばばさま・・・ごめんなさい・・)
そのままガスの意識は遠のいていった。
なんとなく挿絵描いてみました。鉛筆描きに色塗っただけですけど・・。脳内イメージです(爆 ヤバイな、俺。
ここまでガス君を追い詰めてよいのだろうか・・。次回、さらに陵辱です。←ォィ