どっきりドクターの玄田ゲンの小説を書いてみました。内容的にはアニメが終了後の話となっています。キャラクターがマイナーっぽいので、できるだけ画面ショット入れて分かりやすくしてみます。
登場人物
玄田ゲン。愛称ゲンちゃん。かおりを絶対に守るという強い信念がある。
田島かおり。泣き虫な女の子で、将来はゲンのお嫁さんになる予定。
錦小路はるか。学校の主治医でありながら、発明が大好きなデブおっさん。
<運命なんて、クソ喰らえだ!>
なんでも運命だの、人生のレールだの、そんなもので納得しちまう大人はくだらねぇ。
男だったら、根性だして乗り切ってみろってんだ。
大人だったら、すべこべ言わずに行動してみろってんだ。
女を守るために、自分の命を賭けてみろってんだ。
まぁ、ガキの俺に言われちゃ、世話ねぇだろうけどな。
俺はその瞬間まで、ずっと思っていた。
未来とか運命とか、そんな言葉は俺には関係ないって。
だって、俺の未来は、俺が決めるんだから。
こんなの、当たり前のことだろ。
男ならば、未来は自分で切り開き、自分で作るもんだ。
もしそれが、"決まっている未来"であっても関係ねぇ!
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<もし未来から来た人間によって過去が変わり、それによって未来まで変わるとするなら・・>
<過去を変えた人物は、どこからやってくることになるのか?>
<だから、絶対に未来が変わることはない>
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なに小難しい理屈並べてんだ、おっさん!
俺は変えてやるって言ってんだ。
俺のためじゃない。
かおりのためだ。
もう、かおりに二度と悲しい思いをさせたくねぇんだ。
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七星小学校の校庭は、騒然としていた。
校門で、かおりが数人の不良6年生に絡まれていたのだ。
1年生たちは、帰るに帰れず、助けることもできず、校庭の真ん中に集まっていた。
ヒソヒソ話をしながら、かおりと6年生たちのやりとりを恐々と見守っていた。
そこへ、1人の元気の良い少年が走ってきた。
「おめーら、かおりがどうしたんだ?」
「あっ、ゲン。あっち見てみろよ」
「あれって・・・。おめーら、かおりが泣いているのに、助けねーのか!」
「だって相手は上級生だぞ・・」
「そんなの関係ねぇ!」
少年は憤然とした様子で、校門へと走っていく。
「てめぇら、かおりに何しやがる!」
鼓膜が破けんばかりの大声が、校庭に響きわたる。
6年生たちが一斉にその声の主を見ると、まだ童顔の可愛らしい小学生。
『なんだ? お前は?』
「かおりから離れろ! 只じゃおかねーぞ!」
なにやら威勢だけはいい少年に、6年生はニヤッと笑う。
『ヘヘッ、ガキは引っ込んでな! この女が、俺たちにぶつかってきたんだ。謝らねーのが悪いんだぜ』
「かおりは、わざとぶつかったんじゃねー! ふざけんなっ!」
『6年生に逆らおうってのか? 格好つけやがってよ。名前はなんていうんだ?』
「俺は、1年の玄田ゲンだ! 覚えておきやがれ!」
ゲンは拳をギュッと握りしめる。
そのまま全速力で走り、思いっきり6年生に体当たりした。
『痛ってぇ! コイツなにするんだ!?』
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『ぜいぜい・・はぁはぁ・・・』
6年生たちは、全員息を切らせていた。
「か、かおりに手を出すな・・」
いくらゲンが悪ガキであるといっても、たった1人で6年生を相手に勝てるわけが無い。
6年生に袋叩きにされる。
しかし、ゲンは何度も根性で立ち上がっていた。
「おめーらなんかに、絶対に負けねぇ・・!」
『な、なんなんだ・・コイツ・・』
6年生たちは、ゲンの執念のようなものに、表情を固まらせていた。
『なんでコイツ、まだ立ち上がれるんだ・・?』
『も、もう行こうぜ。このままだと6年の俺たちが苦戦しているように見えるぞ・・』
『あぁ・・コイツには関わらないほうがいいな・・』
6年生たちは、足早に校門から立ち去っていった。
ゲンは、ハァハァと息を切らせながら、服の砂埃を払っていた。
フラフラと校門の壁に寄りかかる。
そんなゲンに、かおりは悲壮な顔をして、走り寄っていく。
「ゲンちゃん、大丈夫!?」
「こ、こんなのなんでもねぇ!」
ゲンの汚れた服を見て、かおりの目には涙が溜めっていく。
「でも、顔がキズだらけだし、血もでてるよ・・」
「うるせー。なんでもないって言ってるだろっ」
かおりには、分かっていた。
ゲンの体はおそらくキズだらけで、かなり痛いはずだ。
しかし、ゲンは決してそんな素振りは見せない。
何事もなかったのように振舞うのが、いつものゲンの姿だった。
「ゲンちゃん、かおりのために・・うっ、うっ・・」
突然泣き出したかおりに、ゲンは困ったような頬をかく。
「いや、その・・こんなのは大丈夫だって。それより、かおりは大丈夫なのか?」
「うん、大丈夫。だってゲンちゃんが助けてくれたんだもん」
「べ、別に助けたとか、そんな格好の良いもんじゃねぇよ」
「ゲンちゃんは、いつもそう・・」
「えっ?」
「いつも、ゲンちゃんはかおりを助けてくれる。かおりが弱いから・・ごめんね」
「そ、そんなことねーよ」
ゲンは照れくさそうに、頬を赤くする。
ゲンは腕を組みながらプイッと横を向いて、ぶっきらぼうに話しかけた。
「そういや、かおりはなんで校門にいたんだよ?」
「だって、今日は七星町のお祭りがあるでしょ。ゲンちゃん、一緒に行くって約束したじゃないの」
「そうだったかな・・?」
「もしかして、ゲンちゃん忘れていたんじゃ・・?」
「いや〜、わ、わりぃ・・」
そう言うと、ゲンは顔の前で拝むように両手を合わせて謝る。
「もしかして、ゲンちゃん、かおりと一緒に行くの、嫌なの・・?」
再び、かおりの瞳に大粒の涙が溜まっていく。
その表情に、ビクッと反応するゲン。
「バカなこというな。嫌なわけねーだろ!」
「グスン・・本当?」
かおりの泣きそうな声に、ゲンは顔を引き攣らせて愛想笑いをする。
ゲンには、どうも女の子の気持ちは理解できないらしい。
きっとこういうときは、「覚えていた」とウソでも言った方がいいのかなと、ゲンは考えてしまう。
「気を取り直して、一緒にお祭りに行こうぜ。な、かおり?」
「うん」
ゲンは必死に、かおりをなだめる。
そして、機嫌を戻したかおりと一緒に、お祭りがある大通りまで歩いていった。
なんかキャラ紹介みたいになってるw