ピラフの敗北が決まりかけたが・・!?
登場人物
孫悟空。元気で明るく、あまり物事を深くは考えない性格。
ピラフ一味。天才科学者のピラフ、犬型のシュウ、女性のマイの3人。
ピラフマシンピラフが開発を行い、ピラフ一味が乗り込む戦闘用ロボット。
ピラフが考えた『シッポニギニギ作戦(改)』とは・・。
──マイが悟空の上半身をアームで挟み、動けないようにする。
──シュウは火炎放射器で、悟空の下半身の洋服を焼いて焦げさせる。
ここまでは完璧だった。
あとは弱点であるシッポを握るだけ。
しかし、そこにシッポは存在しなかった。
「とぉ!」
ピラフ一味がパニックになる中、悟空は自慢の怪力でアームをこじあけて、
フルチンのまま上空へと飛び上がった。
ピラフは地団駄を踏んで悔しがったが、とっさに声をあげる。
「マイよ、もう一度、小僧を捕まえるのだ!」
ピラフは妙案がひらめいたのか、マイに叫んでいた。
「早く捕まえろ!」
「は、はい、しかし・・」
「ヤツは空中にいる。着地して体制を整える前に捕まえるのだ」
「はい!」
諦めかけていたマイだったが、ピラフに何か作戦があるのかと思い、操縦レバーを握りなおした。
上空から落ちてきた悟空をキャッチするように、タイミングよくアームで挟みこむ。
悟空は、偶然にも再びマイのロボットのアームの中に閉じ込められてしまった。
マイはレバーを思いっきり引いて、今度こそ悟空が逃げられないように締め付けた。
普通の人間なら、簡単にペチャンコにできるアームの力。
「うっ・・!」
悟空はマイのアームの中で苦しい表情を浮かべる。
明らかに先ほどよりもパワーダウンしている表情を見て、マイはハッと気がつく。
(まさか・・もはやコイツには体力が残っていないのでは!?)
たしかに悟空は先ほどより苦しそうだ。
マイは得意になって、ここぞとばかりに悟空を締めつける。
「ぐああ・・」
「ホーホホッ、ピラフマシンの体力は無限だわ。時間が経てばこちらが有利!」
「うぐぐっ・・」
「どうやら体力の限界のようね・・観念しなさい、怪力小僧が!」
「ううっ・・なーんちゃって」
「は!?」
「オラがこんなパワーに負けるわけないもんね」
ニコッと笑う悟空に、マイはずっこけそうになった。
まさか、子供の演技に騙されていたとは・・。
「オラを何度捕まえても、ムダだもんね!」
「コ、コイツの体力は無限か!?」
悟空の余裕しゃくしゃくの態度に、焦るマイ。
まるで先ほどのVTRを見ているように、悟空は再びアームを怪力で広げにかかる。
「ピラフ様、何度捕まえても同じじゃないですか!?」
悟空とマイのやり取りを傍観していたピラフが、ゆっくりと口を開く。
「いいのだ、がんばって拘束しろ」
「ムリです、また逃げられます」
「大丈夫だ。今度は逃げられん」
なぜか強気のピラフの発言に、困惑するシュウとマイ。
ピラフの自信満々の言葉に、悟空はヘヘンと得意気な顔をする。
「オラには、こんな小細工は通用しねぇぞ!」
「さて、どうかな?」
「こんなロボットの腕、壊してやらぁ!」
悟空は全身の力を振り絞って、アームを広げようとする。
「ワーハハハッ、このときを待っていたのだ」
「えっ!?」
悟空の背後から、ピラフマシンの腕。
青くて人間の手と同じ形をした不気味なものだった。
「貴様の敗因は、チンコを丸出しにしたことだ!」
ピラフの手は、そのまま悟空の股下をくぐり、睾丸を鷲づかみにしたのだ。
次回予告 ピラフ「フフフッ、小僧の弱点を思いついたぞ。我ながらグッドアイデアだ」