ハルユキの苦悩(12)


菅野の取った行動とは?


登場人物

ハルユキ。小柄で太った体型。性格は内向的。

菅野(すげの)。ハルユキの担任。


ハルユキは裸のまま保健室に運ばれたという事実を知り、ゴクリと唾を飲み込んだ。
額に汗を滲ませながら、菅野に質問した。
「あの…その…ボクは裸のまま、ここに運ばれたんですか?」
「そうだ」
「どうやって運ばれたんでしょうか?」
「先生がおんぶして来たんだ」
菅野のあっさりとした返事に、ハルユキは表情を固まらせた。
「あの…それで…途中で誰かに見られなかったんですか?」
「もう昼休みも終わっていたからな。授業中だから誰ともすれ違わなかった」
誰にも見られなかったのは、不幸中の幸いだった。
しかし、菅野には自分の裸を、すべて見られたということになる。
いくら相手が先生とはいえ、さすがにハルユキは照れくさくなり、赤くなって顔を伏せた。


ハルユキは消え入るような声で、菅野に話しかけた。
「あの…センセイ?」
「どうした?」
「ボクの服を取ってもらえませんか? ベッドの中で着替えますから」
「まだキズの手当てが終わっていない」
「大丈夫です。家に帰ってキズは治しますから」
「ダメッ! 絶対にダメだ!」
突然、菅野が唾を飛ばしながら叫んだ。
「セ、センセイ、どうしてですか!?」
「なんだ…その…自分じゃ患部に消毒液をつけるのが難しいだろう?」
「それはそうですが…」
「それに先生は最後まで責任を持ちたい」
「は、はぁ…」
「有田のキズは俺が治す!」
なぜか突然、声高々に宣言する菅野。
これは先生の献身的な行為なのだろうと、ハルユキは解釈することにした。
しかし、そんなことを考えているうちに、菅野はすでに行動を起こしていた。
「えいやっ」という声とともに、掛け布団を一気にめくってしまったのだ。


「ひぃえ!」
いきなり布団をめくられて、動揺するハルユキ。
白いベッドの上で、大の字のまま裸を晒されてしまったのだ。
菅野は立ち上がると、そのまま「よっこいしょ」とベッドの上によじ登ってきた。
あまりの突然の出来事にハルユキは対応できず、喉がからからになる。
「センセッ、な、なにを…!?」
「心配するな」
なにが"心配するな"なのか言葉の意味はよく分からなかったが、
  ハルユキの焦燥も気にせずに、菅野はハルユキのお腹を跨いで体を覆い被せてきた。
仰向けのハルユキに対し、菅野はお腹を跨いで中腰になる。
そのまま、両手両膝をついて、股を広げた状態で四つん這いになった。
まるで山頂から麓を眺めるように、菅野は上からハルユキの上半身を見つめた。
「恥ずかしい…センセッ…」
ハルキユは穴があったら入りたくなるほどの羞恥を覚える。
下半身の太ももをキュッと締め、両手で乳房を隠した。


ベットで仰向けになって、乳房を隠すハルユキ。
その上に四つん這いで、覆いかぶさる菅野。
小動物のように、ベッドの上でわなわなと震えるハルユキに、菅野は優しく語りかけた。
「なぁ有田。男同士なのに、どうしておっぱいを隠しているんだ?」
「いや、それは…その…」
「チンチンも隠す必要はないぞ」
「でも…」
「先生に隠してどうする?」
「……」
「うーん。マキロンを塗ろうと思ったが、アレはシミるんだよなぁ」
「は、はぁ…?」
「そうだ。俺のお袋が教えてくれた、キズに一番効く方法で治療してやるぞ」
何のことか良く分からなかったが、とにかくこの恥ずかしい体勢を早く終わらせて欲しい。
「キズを治してくれるのならば、早めにお願いします…」
ほとんど諦めに近い声だった。
ハルユキには思った。
菅野が自分のために、献身的にキズを治そうとがんばっているのだろうと。


「両手でおっぱいを隠されると何もできんぞ」
菅野はハルユキの左右の手首を掴む。
そのまま両手を大の字の広げさせて、手首をベッドに押さえつけた。
「うわわっ!」
「よしよし、これでキズが見えやすくなったぞ」
「センセッ、恥ずかしいです…」
「有田はふくよかな、いい体をしているな」
なんとなく強姦されているような格好だったが、ハルユキは黙って担任の菅野を信じることにした。
「よし、これから治療するぞ」
「この体勢でどうやって…」
「俺の舌で、お前のキズを治してやるからな」
──舌で治す?
意味が分からなかった。
ハルユキが呼吸を整えようと、フッと瞼を閉じたとき。
その快感は突然、ハルユキに襲い掛かった。
「うぐっ…菅野センセッ!?」
乳首に生暖かい感触が走ったのだ。
薄っすらと目を開いて、恐る恐る下方に視線を送る。
信じられないことに、菅野の唇がハルユキの乳首にしゃぶりついていたのだ。
ヌメッとした強烈な感触が、乳首の底からジンジンと襲ってくる。


菅野の行動に、ハルユキは戸惑うと同時に羞恥心に襲われた。
(んああああっ!)
そのうち、じゅるじゅるという乳首を吸うような音が響いてきた。
ネバネバした唾液が、自分の乳首に降り注がれているのだろう。
生暖かい感触で、それが分かった。
(この感じ…センセイの舌がボクのおっぱいに…)
頭の中で考えると、とても恥ずかしい状態だ。
しかし同時に、壮絶な快感となって脳を刺激しているのも事実だった。


──ぐちゅ、じゅるっ。
菅野は汗を垂らして、母乳を欲する赤ん坊のように、唇と舌をフルに使って乳首を吸いくまっていた。
ハルユキは唇をギュッと噛み締めて、襲い来る快感にジッと耐えた。
しかし、自然に震えだす体。
菅野はしばらくハルユキのピンク色の乳首を吸ったあと、
  乳首周辺を円を描くように、舌を使ってベロベロと舐めて始めた。
「ああっ…!」
くすぐったいやら、気持ちいいやら。
複雑な感情がハルユキを襲う。
ハルユキは快感に流されながら、もう一度視線を菅野に向ける。
「えいや」と気合を入れて乳房を舐めている菅野。
その光景を見て、ハルユキは声をかけようか迷ったが、弱々しく告げてみた。


「あのー、センセイ?」
「ムニュムニュ」
仕方なく、倍の声で叫んでみる。
「あのー、菅野先生!」
「ん、どうしたんだ?」
「その…どうしてボクのおっぱいを舐めているんですか?」
「おっぱいを舐めているのではない。ここにキズがあるんだ。消毒液よりもシミないだろう?」
「それは…そうですけど…」
「人間の唾液は多少の殺菌効果があるんだぞ」
本当かウソかは定かではなかったが、悪い気分はしなかった。
むしろ、ハルユキは嬉しかった。
菅野が自分のために、ここまで尽くしてくれるなんて…。
普通、他人の肌を舌で舐めることなど、しないだろう。
変態的な行為ではあったが、いまのハルユキには菅野の行為を、素直に善意として受け取ることにした。
いや、そう考えなければ、なにかが崩壊しそうだった。


「うっ…あっ、そんな…」
それにしても、菅野のざらついた舌の感触は強烈だった。
ハルユキは喘ぎ声を出さないように必死にふんばる。
ここで変な声を出したら、先生に軽蔑されてしまうだろう。
菅野は左の乳房から、今度は右の乳房に移動する。
右の乳房も同じように、唇と舌をフルに使って乳首を吸いくまる。
そして乳輪を円を描くように、ぐるりと舐めずった。
「はぁはぁ…ああっ…」
自然に声が漏れてしまう。
乳首の先端をチロチロと舌で突かれる。
「はぁ、ああっ…」
熱い息を吐き、悶えるハルユキ。
(ハァハァ…そんなに舐められたら、絶対に感じちゃいます…)
少し体をくねらせて、菅野にアピールしてみるが、全く効果はなかった。
「うっ…あんっ…センセッ、くすぐったい…」
そんなハルユキの焦りも気にせずに、菅野はハルユキの乳房全体を舌でたっぷりと舐めまわした。


ハルユキは「ハァハァ」と息を荒げながら、歯を食いしばって永遠と思える時を耐えていた。
「よし、胸のキズはだいぶよくなったぞ」
ハルユキの乳首に吸い付いていた唇がようやく離れる。
菅野の唇と乳首の間に、ツーッと唾液の糸が引いていた。
グショグショに濡れたハルユキの乳首は、ビンビンに勃っていた。
その余韻からか、ハルユキの丸い体は痙攣しており、まだショックから立ち直れていない状況だ。
「有田、気分はどうだ? キズはまだ痛いか?」
真剣な顔で菅野は質問をしている。
しかし、それにすぐに答えられるほど、ハルユキは興奮から覚めることは出来なかった。
「まさか痛かったのか?」
「ハァハァ…そんなこと…ありません」
「そうかそうか」
なにやら菅野は1人で満足しているようだ。


「センセッ…どうもありがとう…ございました…」
ハルユキは精一杯の声を振り絞って、この快感地獄から抜け出そうと言葉をかけた。
しかし、耳を疑うような返事が、菅野から発せられた。
「まだ終わっていないぞ」
「…?」
「屋上で、荒谷にひどいことをされていただろう?」
「えっ?」
「男の一番大切な部分に、肉まんを突っ込まれていたな?」
「み、見ていたんですか!?」
「いまからじっくりと治療してやるからな」
その言葉を聞いて、ハルユキは表情が完全に固まった。




次回をお楽しみに。

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