まだまだ序盤ですが、早くも自分の好きなシチュエーションに持って行っちゃて痛いです。
登場人物
柴山純平。ブリッツモンに進化する。
ボルケーモン。サイボーグ型デジモンで剛力を持つ。
黒いブリッツモン。本物のブリッツモンと名乗っているが正体は謎。
純平が遠くに転がっているデジバイスをみると、なにやら青白く光輝いている。
(デジバイスが、一体どうしたんだ・・?)
いままでデジバイスがあんな色に輝いたことはない。
一体なにが起こっているのか、純平は困惑した。
そのうち、デジバイスからデジタルデータがバーコードのように伸びはじめた。
(あ、あれは・・・)
そのデジコードはぐるぐると1つの物体となり、ブリッツモンに姿を変えていく。
「あれは・・・。ブリッツモン・・・まさか?」
一体なにが起こったのか分からず、困惑する純平。
それは黒いブリッツモンだった。
いつも純平が進化している青いブリッツモンとは違う。
一体どうしてデジバイスから出現したのか?
ブリッツモンは、1人で実体化することはできないはずなのに・・。
純平の頭は混乱していく。
デジコードから出現した黒いブリッツモンは、ジッと純平を見つめている。
ひょっとすると、伝説のブリッツモンが蘇ったのか、と純平は想像した。
「本物のブリッツモン・・なの・・?」
純平は恐る恐る話しかける。
すると、黒いブリッツモンはゆっくりと純平の方に歩き出した。
「純平・・・。お前の生命エネルギーによって私はやっと蘇ることができた」
「ほ、本当に蘇ったの・・・?」
「あぁ。純平のおかげだ」
「よ、よかった・・」
本物のブリッツモンが蘇った。
純平は涙がでるほどうれしかった。
あのブリッツモンといまこうして会話ができるなんて。
まるで夢のようだ。
「純平、礼を言うぞ」
「うん・・・」
純平は目をウルウルさせる。
いますぐにでもブリッツモンに抱きつきたかった。
しかし、そう思ったのも束の間、ボルケーモンが背後に迫る。
「うわっ!」
ボルケーモンは両腕で、純平の体を背後から羽交い絞めにした。
少し足が宙に浮き、動きを束縛される。
先ほどとは違い、ものすごい力で締め付けてくる。
さらに、大きな口を空けて、純平の肩にガブリと噛み付いた。
「ぎゃあぁぁ!」
突然の肩の激痛に、純平は苦しみ悶える。
なんとか腕を解こうとするが、とても外れそうにない。
「うっうっ・・ブリッツモン、助けて・・」
純平は目の前にいるブリッツモンに、自然と助けを求めた。
そうだ、今は1人じゃない。ブリッツモンという心強いの味方がいるのだ。
純平は痛みに耐えながらも、この局面を脱出できることを確信していた。
ブリッツモンと2人ならば、ボルケーモンなど敵ではない。
「純平・・・」
ブリッツモンはゆっくりと純平の前まで歩いてきた。
「ブリッツモン!助けて!」
「どうした?痛いのか?」
「は、早くボルケーモンを・・」
そう言いかけたときだった。
「がはっ・・げほっ・・」
ブリッツモンは純平の豊満なお腹に、穴が空くようなパンチを喰らわした。
みぞおちに拳が突き刺さり、純平は吐き気を覚える。
「うぐっ・・ううっ・・・どうして・・」
ゲホッゲホッと何回か呼吸困難になりながら、純平は必死に痛みに耐える。
純平はなんとか目を開いて、目の前のブリッツモンを見る。
ブリッツモンは、苦しむ純平を助けることもなく、ただじっと見つめるだげたった。
純平は歯を食いしばりながら、ブリッツモンに話しかける。
「ブリッツ・・モン・・?」
「もうお前に用はない」
「えっ・・?」
ブリッツモンの言葉に、純平は狼狽した。
「いま、何て言ったの・・ブリッツモン?」
ブリッツモンは、純平を冷たい目で見ながら繰り返す。
「もうお前は必要ない」
その言葉を聞いて、純平はブルブルと震えだした。
ブリッツモンの予想もしない言葉に純平の精神は動揺した。
<ブリッツモンが自分を裏切ることは絶対にない>
デジタルワールドで運命を共にする仲間と思っていたブリッツモンが、そんなことを言うなんて・・。
純平は、目の前にいる黒いブリッツモンをキッと睨み付けた。
「お前はニセモノだ・・・。ブリッツモンがそんなこと言うわけない・・」
純平は認めなかった。
本物のブリッツモンが、"自分が必要ない"なんて言うわけがない。
「お前はブリッツモンそっくりだが、黒いじゃないか・・・お前は一体何者なんだ・・」
「ははは。私がニセモノだというのか?」
「そうだ・・お前はニセモノに決まってる」
純平が導いた単純な回答だった。
ブリッツモンは、純平のアゴを掴み、目線を合うように軽く持ち上げた。
「では、私が本物であることを証明してやろう」
「なにっ?」
「私はお前と同じ意識の中にいた。だからお前のことはなんでもわかるぞ・・。
お前の名前は柴山純平。小学6年生。
家はお金持ちで一人っ子。手品やトランプが得意だ」
「・・・・」
「お前は、わがままで自分勝手で、学校では本当の友達なんていない」
「そ、そんなことあるもんか・・」
「お前の言う"友達"とは怪獣カードや手品で気を引いたクラスメートのことだ」
「それだって、友達じゃないか・・」
「思い出してみろ。雨の日の帰りは誰も傘に入れてもらえなかったじゃないか。それが友達だと?」
「うっ・・・」
純平は思い出していた。
怪獣カードや手品でみんなからチヤホヤされるが、それが終わると誰も話かけてくれない日々。
雨の日に誰も傘に入れてくれず、濡れて帰った日の寂しさ。
純平の胸は、だんだん息苦しくなっていく。
「そんなクラスメートが友達なのか?手品で作った儚い友達ではないか」
「違う・・・」
ブリッツモンの言葉責めはなおも続く。
「このチョコレートの山はなんだ?」
そういうと、ブリッツモンは純平のポケットをゴソゴソといじりだした。
そして、中にあるチョコレートを取り出す。
「お前はこんなチョコ一枚で友達を作っている愚かな人間なのだ」
そして、チョコレートを半分にボキッと折る。
「お前の言う友達の関係など、こんな風に簡単に折れてしまう」
「ううっ・・・」
「デジタルワールドに来てもそれは変わっていない」
「そ、そんなこと・・」
「拓也たちは、お前のことなど構わず行ってしまったぞ」
「ち、違う・・・」
「お前は他の4人から必要とされていない」
「うっ・・」
「お前は見捨てられたんだ」
「ううっ」
「そして私もお前をもう必要としていない」
「ウソだ・・」
純平の声はどんどん小さくなっていく。
心臓の鼓動が速くなる。
今まで認めたくなかった真実をズバズバと言われ、純平の胸は締め付けられていく。
「純平、私の言うことに間違いがあるか?」
「うっ・・・」
目の前にいる黒いブリッツモンは、純平が現実として認めたくなかった事実をすべて暴露している。
やはりコイツは一緒に戦っていた本物のブリッツモンなんだ・・。
そうでなければ、自分の心の奥底まで窺い知ることなどできない。
そう悟ったとき、純平はがっくりとうなだれた。
「私が伝説の闘士を受け継ぐものとして、お前を選んだと思っているのだろう?」
「ちっ、違うの・・?」
「私の体は他のデジモンと違って、大きなパワーを持つ子供の体が必要なのだ」
「ううっ・・」
「ただ、お前の体が欲しかっただけだ」
「お、俺の体・・・?」
「そうだ。でなければ、お前などを選ぶものか」
「くっ・・」
純平にとって悪夢だと思いたい事実。
いままで信頼していたブリッツモンに、裏切られたショック。
純平の頬に、涙がこぼれ落ちる。
ブリッツモンが自分の体を目当てに闘士として選んだなんて。
純平は首を振って迷いと断ち切ろうとする。
「純平。もう泣くな。お前は私の役に立ったのだ。それで十分じゃないか」
「うっ・・うっ・・」
純平の涙は止まらない。
「本当のことを言おう。実はお前のことが、今でも愛おしいのだ」
「ほ、本当に・・?」
「ああ。私の役に立ったということは、お前はデジタルワールドの復興に貢献したのだ。誇っていいぞ」
「こんな俺でも、少しは役に立ったの・・?」
「そうだ。お前には最後の一仕事をしてもらって、人間界に帰してやるぞ」
「さ、最後って・・」
「私の復活には、お前の力強い肉体と遺伝子が必要なのだ」
「肉体と遺伝子・・?」
「お前の肉体と遺伝子をスキャンすれば、完全なる復活を遂げることが出来る」
「どういう意味・・?」
「さぁ、純平。私のことが好きならば、抵抗せずに協力してくれよ」
純平はこれから何が起きるのか分からずに、不安な顔でブリッツモンを見つめていた。
純平はブリッツモンの言うことを信じたくなかった。
しかし、いまの状況では現実を受け入れざるを得ない。
何もかもが虚しく思えてくる。
もはや進化もできず、さらに2対1という圧倒的に不利な状況に、純平は精神的に追い込まれていた。
とても冷静に物事を考えられる状態ではない。
ボルケーモンは後ろから、純平の両腕を羽交い絞めにする。
「な、なにをするんだ!」
そして、強引に純平のふっくらとしたお腹をブリッツモンの前に突き出した。
まるで、純平の体を好きにしろと言わんばかりに。
次回から陵辱です・・・また同じパターンか?<俺