一旦完結しましたが、続き書いてみますた。
登場人物
白金太郎。愛称:金太。質実剛健、努力と根性の漢。
峰崎拳一。ヤンチャで快活な少年。
藤吉雅夫。愛称:マーボー。デブでいつも食べることばかり考えている。
「くくっ・・はははっ」
「おい、拳一!何笑ってるんだよ!」
「いやさ〜、金太んちに泊まりに行ったあとの事も思い出しちゃってさ」
「お前、それもまだ覚えてやがるのか!」
そういうと、金太は拳一の首をギュッと締めてヘッドロックする。
「うわっ!やめろって!」
考えてみれば、あの金太がまさか逆襲にでてくるなんて思わなかったんだよなぁ。
あの日の金太の膨れっ面は、最高だったな。
──小学4年生のとき。
あの「お泊り事件」の後、俺と金太は周りからみても驚くほど仲良くなったらしい。
相変わらず、喧嘩はしょっちゅうするんだけど・・・。
以前は金太とは喧嘩して、よく泣かされていたけど、その後は立場逆転していたりして。
アイツの弱点を握っちゃったんだよねー、俺。
ここ1ヵ月ほど、学校で金太と喧嘩になると・・・。
「きんたくぅ〜ん。アレ言っちゃっていいのかな〜?」
「うっ・・!」
「きんたくぅ〜んは、小学4年生にもなっても〜、まだお漏らし・・・」
「わぁーーーーっ!それ以上言うなーーーっ!」
金太は、強引に俺の口を押さえて、教室の外に連れ出していく。
このときの金太の慌てようが、面白くて面白くて。
面白いを通り越して、金太の照れたような顔に、"可愛げ"があるんだ。
いままで気がつかなかったけど、金太ってめちゃめちゃ照れ屋さんなのな。
金太があの夜、俺の手のひらで"精通"しちまった、2人だけの秘密。
もっとも、金太は"精通"の意味を知っているのかは分からないけど。
それにしても、2人で共有できる秘密があるって、なにか面白くてワクワクする。
それが金太にとっての弱みだから、なおさらだ。
もちろん、俺はクラスのみんなに金太の秘密を言うつもりは、これっぽっちもないんだけど・・。
なんか言いたくなっちゃうんだよね。
俺って、けっこう性格悪かったりして。
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一方、金太はここ1ヵ月、悩んでいた。
(拳一のヤロウ・・・)
喧嘩をすると、拳一に「おしっこを漏らした」という弱みをつけこまれてしまう。
それに、あの日の気持ちいい感覚は謎のままだ。
──拳一におちんちんを揉まれてしまったとき、なんでドクンドクンしたんだろう?
──どうして、おしっこを漏らしてしまったのだろう?
おしっこにしては、ベタベタとした液体だった。
アレは本当におしっこだったのか・・・。
親に聞くのも恥ずかしいし、拳一に聞くのはもっと恥ずかしい。
そんなこんなで、金太は1人悩んでいたのだ。
(ウーム・・・)
金太は、夜に布団の中に入りながら、必死にあのときことを思い出す。
(たしか、拳一にこんな風にチンチンを揉まれたよな・・)
金太は、ゴゾコソと布団の中に手を入れる。
片手でパンツの紐を持ち上げ、空間を作る。
そして、もう片方の手をパンツにねじ込み、自分のおちんちんをギュッと掴む。
(ううっ・・・)
その瞬間、電気が走ったように、おちんちんがビクンッと一回り大きくなる。
金太は目をつむりながら、そっと自分のおちんちんを上下にこすってみる。
(ハァ・・こんな感じ・・・だったかな・・)
金太はあのときの状況を思い出しながら、どのように拳一に触られたのか、どのように揉まれたのか、
いろいろな角度から自分のおちんちんを触ってみた。
金太の小さなおちんちんは、見る見る間に大きくなっていく。
(ううっ・・・違う・・・これも違う・・。
この角度も違う・・・あのときはもっと気持ちよくて、なにがなんだか分からなくなっちまって・・)
そう考えているうちに、金太のおちんちんは勢いよく勃起していた。
(あれ・・いつのまにか俺のチンチン、こんなにでかくなっている・・?)
いつのまにか鼻息が荒くなり、興奮してしまっている。
金太はパンパンに膨らんだ自分のおちんちんを、今度は5本の指でギュッと掴んでみた。
(ふんぬぅっ!)
しばらくおちんちんの硬くなった部分を、握り締める。
すると、ジンジンと地の底から、なにかが這い上がってくるような感覚がした。
(ハァハァ・・・き、きた・・・あのときと同じ・・)
おちんちんがムズムズとする感触は間違いなく、拳一に触られたときの感覚と同じだ。
(間違いないぞ・・・おちんちんがどんどん気持ちよくなって・・・)
しかし、金太は途中で反射的におちんちんから手を離してしまった。
金太は怖かったのだ。
またおしっこを漏らしてしまうことが。
(ハァハァ・・・)
部屋の中で、1人で荒い息遣いをする金太。
しばらく呼吸を整えていると、おちんちんの脈動も収まってきたようだ。
(たしか、俺が拳一のチンチンを触ったとき、拳一も気持ちいいって言っていたよな・・。
それって、"拳一もおしっこを漏らす"ってことじゃないのか・・?)
金太の頭に妙案が1つ浮かび上がる。
(そうだっ。今度は拳一におしっこを漏らさせれば・・・)
ニンマリとする金太。
(ククッ・・・これで俺も、拳一の弱みを握れるぜ!)
金太は1人で思い出し笑いをするように、クククッと笑いながら作戦を考える。
(よーし、もう一度拳一をウチに泊まらせて・・・・やってやるぜっ!)
あれこれ思案をめぐらせるうちに疲れてしまったのか、
いつのまにかスヤスヤと眠りについた。
──次の日。
昼休みに体育館の裏にいたのは、金太とマーボーだった。
周りに人の気配はない。
「でさ・・頼むぜ、マーボー」
「なんで僕が、そんなことしなくちゃいけないの?」
なにやらマーボーは、金太の言うことに不服そうな顔をしている。
「それは・・・いろいろあってさ。ともかく拳一のヤツをギャフンと言わせたいんだよ!」
「金太なら、拳一をギャフンと言わせるのなんて簡単じゃないの?」
「いや、それが・・・どうしてもお前の協力が必要なんだよ。頼むぜ」
「うーん・・」
なにかマーボーは納得しない様子だ。
──藤吉雅夫。通称マーボー。
金太よりも横幅はデブ。
小学4年生のころは、金太と背は同じくらいだった。
マーボーはスポーツをしていないので、無駄に太っている感じがする。
力は金太には劣るものの、相当に強い。
<マーボーなら、拳一を押さえ込むのも楽勝だろうしな!>
金太は力の強さを見込んで、マーボーを仲間に引き入れようとしていたのだ。
ボンやチョビは、裏切って拳一の側につく可能性も高い。
「でも僕、拳一の裸なんか興味ないよ」
「あのなぁ。マーボーの興味はどうでもいいんだよっ!」
「どっちかっていうと、僕、金太の体のほうが興味あるなぁ。なんかおいしそうだし・・」
そういうと、マーボーはヨダレを垂らしながら、金太の体を舐めまわすように見ている。
「おいしそうって・・・お、おい・・・」
ジロジロと嘗め回すような視線に、耐え切れなくなる金太。
金太はゲンコツを振り回して、マーボーを威嚇する。
「マーボー! おめぇ、いい加減にしろよ!」
「じょ、冗談だよ。お願いだから殴らないでっ」
「じゃあ協力するんだろうな!?」
「うん・・・その代わりチョコ買ってくれる?」
「ええっ!?」
「だって、協力するならギブ&テイクが必要じゃないか」
マーボーの現金主義は、金太の知るところではあったが、この状況で持ち出してくるとは・・。
マーボーの神経は相当図太いらしい。
「わかったよ・・じゃあ、うまくいったら、駄菓子屋で一番大きいチョコ買ってやるからさ」
「本当?金太、本当に約束だよ?」
「あぁ、俺も男だ。約束は守るぜ!」
金太とマーボーはガッチリと握手した。
(ヘヘッ。これで"拳一の弱み握ろう作戦"の第一歩が開始されたぜ!がんばらなくっちゃ!)
金太は心の中で、ガッツポーズをとる。
これが金銭で取引された、虚しい口約束とも知らずに。
またまた微妙かな?