ネタは前と同じだな、これ・・・。
登場人物
白金太郎。愛称:金太。質実剛健、努力と根性の漢。
峰崎拳一。ヤンチャで快活な少年。
藤吉雅夫。愛称:マーボー。デブでいつも食べることばかり考えている。
──さらに翌日。
教室は昼休みで、ガヤガヤとしている。
その中で1人、なぜか顔を赤らめている金太。
実は、拳一をお泊りに誘うため、声をかけようとしていたのだ。
しかし、金太はいままで人を家に誘ったことがないので、一体どう切り出してよいのか分からない。
ただ友達を家に誘うことが、こんなに緊張するなんて・・・。
1ヵ月前に拳一が自分を誘ったときも、もしかして緊張したのかな?と金太は思った。
金太は勇気を振り絞って、拳一の背後から声をかける。
「け、拳一・・・あ、あの・・あのさ・・・」
いつもの金太らしからぬ、ぎこちない声。
「おい金太、なにやってんだよ。サッカーやりに行こうぜ!」
相変わらず、あっけらかんとした拳一の表情。
「拳一、あのさ・・その・・・」
「早くサッカー行こうぜ!」
「うん・・・だから、その・・」
「えっ、なに?」
「なんというか・・・・」
「さっきから一体なんなんだよ?金太!」
「だからその・・また泊まりに・・・」
「へっ?」
主語と述語が存在しない金太の発言に、拳一は戸惑う。
金太はなにやら頬を赤らめている。
両方の人差し指をツンツンとくっつけながら、拳一に話しかける。
「あの・・・今度の土曜日さ・・・またウチに泊まりにこないかな・・・なんて・・・」
「もしかして、俺のことを誘ってるの?」
「そ、そうなんだよ・・」
いつもは威風堂々とした金太が、背中を丸めて妙に可愛い仕草をしている。
そんな金太の姿を見て、拳一はニコッと笑う。
「俺んちきても、相変わらず何もないけどさ・・。また拳一と一緒に泊まりたいなと思って」
「今週の土曜日か・・・特に予定もないし、どうしようかな・・」
拳一の困ったような顔に、金太は内心ビクビクとする。
もし断れたらどうしよう・・・。
最初は断られるわけがないと思っていた金太だが、徐々に不安な気持ちで一杯になる。
拳一はわざと困った顔をしていたが、心の中では正直にうれしかった。
あの金太が、今度は自分からお泊りに誘ってくれたのだから。
「なぁ。頼むよ、拳一」
金太は再三、お願いをしてきている。
そんな健気な金太をみて、拳一はゆっくりと話した。
「うーん・・じゃあ、行くかな」
拳一が了承したことを知ると、金太はホッと胸を撫で下ろす。
そしていつもの腕組みをして、照れくさそうに話した。
「約束だからなっ。絶対来てくれよな」
そういうと、金太は拳一よりも先に校庭に走り去った。
(金太のヤツ、なんか前と雰囲気が変わったな・・・)
拳一は、なにか心に暖かいものを感じていた。
(クククッ・・・)
一方、金太は走りながら、お腹を抱えて必死に笑いを堪えていた。
先ほどまでの不安の顔が、まるでウソのようだ。
(やった!拳一をついに誘っちゃったぞ・・・。
これで"拳一の弱み握ろう作戦"の第二段階まで成功だぜ!)
硬派な金太からは想像ができないほど、軽やかにステップを踏む。
(マーボーとの作戦も決まったことだし、当日が楽しみだぜ!絶対にがんばらなきゃ!)
金太にしては珍しく、用意周到に事を運んでいるようだった。
──お泊り当日。
「よぉ!拳一よく来たな。待ってたぜ!」
拳一が玄関の扉を開けると、さっそく金太が笑顔で出迎えてくれた。
つい、1ヵ月前はこんなに明るく金太が迎えてくれることはなかったのに、
随分と変わるもんだなと、拳一は内心嬉しく思っていた。
「今日もまた世話になるからな」
そういうと、拳一は金太の部屋に荷物を置き、居間へ。
「おばさん、今日もお世話になります!」
拳一が家中に聞こえるような元気な声で、居間の扉をあけた瞬間・・・。
そこにはなぜかマーボーの姿。
「あ、あれ・・?なんだよ、マーボーも一緒なのかよ!?」
拳一は明らかに不満な声を出す。
マーボーはしかめっ面をしながら、拳一に話しかける。
「僕が一緒じゃなにかまずいの?」
「い、いや、そんなことないけどさ・・・」
拳一は少し残念だった。
なぜなら、金太と2人だけで時を過ごしたかったのだ。
マーボーは拳一よりも先に到着して、すでに晩御飯を食べているようだ。
「ムシャムシャ・・・うまいなぁ、おばさんお代わり!」
相変わらず、ご飯になると元気なマーボー。
(ったく・・・なんでマーボーがいるんだよ・・。
マーボーと金太ってそんなに仲がいいのか?)
拳一には、いつのまにか嫉妬の心が芽生えていた。
金太とマーボーの関係がよく分からないだけに、余計苛立ちを感じる。
拳一はなにか釈然としない思いを感じながらも、とりあえずテーブルにつく。
そこへ恰幅のよい、金太のお母さんがやってきた。
「拳一くん、久しぶりね」
「あ、金太のお母さん・・・またお邪魔します・・」
そういうと、拳一はペコリと頭をさげる。
「太郎といつも仲良くしてもらって、ありがとうね。
太郎はあの性格でしょう?友達少ないだろうし、これからも仲良くしてやってくださいね」
「そ、そんな・・・俺なんかでよければ・・・」
拳一は笑顔を見せながら、金太の母親に対して受け答えする。
面と向かって「仲良くしてくれ」と言われると、ヤンチャな拳一も照れてしまった。
食卓にはカレーライスの皿が並べられていた。
拳一の右に金太。
拳一の向かいにはマーボー。
四角形のテーブルを囲んで、それぞれがカレーライスを食べる。
拳一がおいしそうに食べていると、金太が声をかける。
「拳一、よかったな」
「え?なんのこと?」
「だって、今日は箸をもたないから、うちの母ちゃんに箸の持ち方で、
アレコレ注意されることもないしな!」
「あのな・・」
そういうと、金太はクスクスと笑っている。
「さぁ、たくさん作ったからどんどん食べてくださいね」
金太のお母さんも、友達が大勢きたためか、とてもうれしそうだ。
「このカレーライスうまいなぁ。僕、お代わり!」
拳一がカレーライスを食べ始めた途端に聞こえる声。
さっそくマーボーがお代わりをしていたのだ。
皿の数を見てみると、すでにマーボーは3皿もたいらげているではないか!
(俺だって、まけねぇぞ!)
拳一はいつになくマーボーに対抗心を燃やし、あっという間に一皿目のカレーライスをたいらげる。
「おばさん、お代わり!」
その様子をみていた金太は、目をパチクリさせる。
(拳一のヤツ、なにマーボーと張り合ってるんだよ・・)
次々にお代わりをする拳一とマーボー。
カレーライスの鍋は、あっという間に底をついてしまった。
「あ〜、カレーライスうまかったなぁ」
食事が終わると、金太の部屋でマーボーはドッシリと満足気に寝転がっている。
どうやら食べたら、すぐに横になる習慣らしい。
無駄に太っているのは、そのせいだろうか?
「ゲッポッ・・・」
一方の拳一も食べすぎで動けないようだ。
(俺、なにをムキになって食べちまったんだ・・)
なぜ自分がムキになってしまったのか、
なぜマーボーに対抗心を燃やしているのか、よく分からなかった。
「・・・待たせたなっ!」
そんなところへ、金太はジュースをもって階段を上がってきた。
マーボーがゴロンとしているのを横目に見ながら、
拳一と金太は、2人でテーブルで向き合いながらジュースを飲んでいる。
フッとお互いの目と目が合う。
拳一は、金太に小声で話しかける。
「なぁ、金太?今日はどうしてマーボーを呼んだんだ?」
「いやさ、マーボーも泊まりたいっていうからさ」
「お前、そんなにマーボーと仲良かったか?」
「それはその・・・マーボーもたまにはいいかなぁ・・なんて・・」
すると、プイッと腕を組んで、拳一と目線を外す。
なにか気まずい雰囲気になったときの金太の癖だ。
(金太のヤツ、なに考えてるんだ?)
なにやら金太の不可解な行動に、拳一の不信感は高まっていく。
その後はしばらく、これといった会話もなく3人は部屋でボケッとしていた。
拳一は、この寒い雰囲気をなんとかしようと、
なにか話題を振ってみようと試みるのだが、共通する話題を思いつかない。
マーボーは食べ物の話ならばついてくるだろうが、金太はそれほど興味なさそうだし・・。
柔道の話をすれば多少は盛り上がるだろうが、マーボーは全くわからないだろう。
女関係の話は、前回ふってみたが問題外だ。
3人とも趣味が全く異なるためか、共通する話題を見つけられないのだ。
(ふぅ・・・)
ため息をつく拳一。
そんな拳一をみて、金太はそっと切り出した。
「なぁ・・拳一?」
「どうしたんだよ、金太?」
「あのさ・・・その・・・ふ・・風呂に・・」
「えっ?」
金太の声のトーンが明らかに違う。
それに顔を真っ赤にしながら話している。
硬派な金太にとっては、どうもこの手の話を切り出すのは、相当にハードルが高いらしい。
「なんだよ、金太?風呂に入りたいのか?」
「そ・・・そうなんだよ。お泊りと言えば"風呂"って拳一が言ってただろ?」
「そうこなくっちゃ!」
実は拳一も、風呂に入る提案をしようと思っていたのだ。
この重苦しい状況を打破するためにも。
まさか、硬派な金太から話かけてくるなんて・・。
拳一はとてもうれしく感じた。
「マーボーは風呂入る?」
拳一はさりげなくマーボー探りを入れてみる。
「僕はあとから入るから、先に入っててよ」
ジュースを飲みながら、ゴロンと横になっているマーボー。
「じゃあ、マーボーはあとで入れよな!
金太んちの風呂は狭いから、3人は同時に入れないしさ」
「おい、拳一! ひとんちの風呂を狭いってなんだよっ」
「いやその、3人はちょっと無理だろうと・・」
正直いって、拳一は金太と2人っきりで、風呂に入りたかった。
2人だけの楽しいお風呂の時間。
それをどんなに楽しみにしていたことか。
だから、マーボーに邪魔されたくなかった。
幸い、マーボーは風呂に一緒に入ることに興味がなさそうだ。
──金太んちのお風呂。
天然檜風呂のような立派なものではないが、
拳一には、1ヶ月前に金太と風呂に入ったときの楽しいひと時が蘇る。
拳一は真っ先に素っ裸になり、浴槽に勢いよく飛び込む。
ジャバーン!
「うー、気持ちええなぁ」
まるで、年寄りのように「極楽極楽」と言いながら湯船に浸る拳一。
ちょうどいい湯加減だ。
気分よく風呂に入っていると、ガラッと戸が開く音がした。
(お、金太のヤツだな・・・)
久しぶりに、金太の裸と対面できるかと思うと拳一はなぜかワクワクした。
金太は相変わらず、前をタオルで隠してソロリソロリとした足取りで入ってきた。
まだ照れているのか、少し猫背ぎみなところが微笑ましい。
「よっと・・・」
金太は浴槽の前で片足をあげて、お湯にぴちゃぴちゃと足の指をつけている。
風呂の温度を確かめているようだ。
片足をあげたタオルの隙間から、わずかに見える金太の可愛らしいおちんちん。
相変わらずピーナッツのような小ささだ。
(金太のって、本当に可愛いな・・・)
金太のおちんちんに、思わず目が集中してしまう。
「うんしょっ」
金太が浴槽に入ると、一気にお湯があふれ出した。
中途半端なところで終わってますね・・・。陵辱しろですか?w