拳一×金太小説(7)


エロ話ってよりも、単なる子供の遊び話になってるなぁ。


登場人物

白金太郎。愛称:金太。質実剛健、努力と根性の漢。

峰崎拳一。ヤンチャで快活な少年。

藤吉雅夫。愛称:マーボー。デブでいつも食べることばかり考えている。





「ふぅ・・」
金太が部屋に戻ったとき、拳一とマーボーは机の上の羊かんを食べていた。
どうやら、金太の母親が持ってきたらしい。
拳一とマーボーは、黙々と羊かんを食べてお茶をすすっている。
なにやら怪しい雰囲気だ。
不審に思う金太だが、とりあえず自分も座って羊かんを食べる。
ムシャムシャと、羊かんを頬張る金太に、拳一が話しかけてきた。
「なぁ金太? お前柔道で金メダル取るんだろ?」
「な、なんだよ・・急に・・?」
「だって、金太はすごい柔道を練習してるからさぁ」
「うーん」
柔道の話となれば、嫌が上でも話が盛り上がる。
いつのまにか金太には珍しく、饒舌に話を始めていた。
「金メダルってのは大袈裟だけど、日本一には絶対になってみせるさ!」
「おおっ。大きくでたねぇ、金太くーん」
「まぁ、ここだけの話だけどな」
「でも、今年は決勝で同じ小学4年生に負けちゃったんだろ?」
「まだ世の中には強いヤツがたくさんいるのが分かったよ。もっと練習しないとな」
「その意気だぞ、金太。応援してるからな」
「て、照れるじゃねーか!」
「えへへ」
なにやら普通に楽しい会話をしている拳一と金太。


一方、マーボーはゴロッと横になって、薄目をあけて2人をみていた。
笑いながら会話をしている、拳一と金太。
なにかうらやましく感じた。
金太と拳一って、対照的に見えるけど、めちゃくちゃ仲がいいじゃないか・・・。
今日だって、金太は拳一の弱みを握るとか言っていたけど、
 本当は、拳一とお泊りして遊ぶのが楽しみだったんじゃないのか?
金太にとって、拳一の弱みなんて、実際はどうでもいいことなんじゃないのか?
息の合った2人の会話を聞いていると、マーボーはそんな風に感じた。


しばらく経ったあと・・・。
「う・・ううんっ!」
金太は突然咳払いをして、マーボーをチラッと横目でみる。
(おい、マーボー!)
金太は、マーボーの方をみて軽くウインクをした。
(あの作戦をやるからなっ!)
どうやら、就寝時間も近くなった今、金太は最後の作戦を実行する気らしい。
金太は、拳一に何気なく話しかける。
「あのさ、拳一?」
「どうしたの?」
「寝る前にさ・・・その・・・ゲームでもしないか?」
「ゲーム?」
「あぁ。簡単なゲームだよ」
「別にいいけど、俺、ファミコンのソフト持ってきていないぜ」
「いや、テレビゲームじゃなくて・・・えと・・その・・なんというか・・」
「なんだよ?」
「その・・・"野球拳"でもやらないか?」
「"野球拳"?」
金太の口から出た意外な言葉に拳一はちょっと驚いた。


拳一は、腕組みをしてジッと考える。
(野球拳って・・・金太のヤツ、随分大胆な遊びにでてきたな・・)
しばらく思案したあと、金太の顔をみて答える。
「野球拳って、ジャンケンをして、負けたヤツが服を脱ぐゲームだろ?」
「そ、そうだけど・・」
「ジャンケンで負けたら、1枚ずつ脱げばいいの?」
「あぁ」
「最終的に、どうなったら負けになるの?」
「それは・・・パンツ一枚になったら負けでどうかな?」
「・・・ふーん、おもしろそうじゃん」
「だ、だろ?」
明らかに言葉の歯切れが悪い金太。
(全く、金太のヤツ、なにか企んでいることがバレバレじゃねーか・・・)
金太の実直な性格では、隠し事は顔にでてしまうらしい。
そんな必死な金太の姿をみて、拳一は心の中でクスクスと笑いを堪えていた。


そんな拳一の心のうちも知らずに、金太は必死だ。
「あ、あとルールなんだけどさ・・・。
  多数決ジャンケンってのにしたいんだ。
  俺と拳一とマーボーの3人でジャンケンするだろ?
  一人だけ違う手を出したら負けにしようぜ」
「え?どういう意味?」
「例えば、俺と拳一がグーで、マーボーがパーだとするだろ?
  この場合、普通だとマーボーが勝ちになるけど・・・」
「うん」
「でも、多数決ジャンケンの場合は、人数が多いほうが勝ちなんだ。
  つまり、俺と拳一がグーで、マーボーだけパーだから、マーボーが負け。
  人数の多い方が勝ちってことだよ」
「なんだ、簡単じゃん。じゃあ、さっそく始めようぜ!」
「ちょ、ちょっと待てよ、拳一!」
「え、まだなにかあるの?」
金太は人差し指を拳一の顔の前に出して、さらなる提案を始める。


「なぁ、拳一? せっかくやるんだから、負けたら罰ゲームにしようぜ」
「罰ゲーム? どうせやるんだったら罰ゲームあったほうがおもしろいしな。
  それで、どんな罰ゲームにする?」
「うーんと・・・」
金太はそれとなく腕組みをして思案し始める。
そこへ、突然マーボーがニコニコしながら話に割って入ってきた。
「ねぇねぇ、負けたやつはさぁ、パンツ一枚のまま、どんなことされても屈辱に耐えるってのどう?」
「「ええっ!?」」
拳一と金太は、大胆なマーボーの提案に、びっくりして大きな声をあげる。
もっとも、金太は最初からマーボーとの打ち合わせ通りなので、驚いているフリをしているだけなのだが。
金太は、拳一の驚き顔をみながら、余裕の笑みを浮かべる。
「俺はそれでも構わないぜ!」
ガッチリと腕組みをして、自信満々に罰ゲームを了承する金太。
「金太がOKなら、俺もOKだぜ!」
拳一も、金太に負けずに了承する。
その様子を見て、金太は手で口を押さえて笑いを堪える。
(ククク、拳一のヤツ、勢いでOKしちまったな。あとで後悔するなよ!)


「よし、じゃあさっそく始めようぜ!」
ここまでは完全に金太の作戦通りだ。
あとはジャンケンで、マーボーが金太と同じ手を出し続ければ、拳一の敗北は非を見るよりも明らかだ。
それも、すでにマーボーとは打ち合わせ済み。
金太は、拳一の服装を確認する。
──赤いランニング、白いシャツ、半ズボン、靴下2枚・・・。
5回勝利すれば、拳一の敗北決定!
金太はチラッとマーボーに目配せをする。
マーボーは<うん>と言うような表情で、ニッコリと微笑んだ。
(よし、マーボーは作戦分かってるみたいだな。5回ぶっ通しで勝ちを決めるぜ!マーボー頼むぜ!)
金太はブルッと武者震いをする。


第1回戦。
「ジャーンケーン、ポン!」
拳一は"チョキ"、金太とマーボーは"グー"。
「げげっ!まじかよ!」
いきなり、1人だけチョキを出した拳一は、即負け決定。
「拳一の負けだぞ! 早く服脱げよ!」
「くそっ・・・」
拳一は悔しい顔をしながら、赤いランニングシャツを脱ぎ捨てる。
一方の金太は予定通りの滑り出しに、満足気な表情だ。
クククッと笑いを堪えるのに必死だ。
「チクショー、今度は負けねーぞ」
拳一は悔しさのあまり、歯軋りする。


続く、第2回戦、第3回戦・・・。
拳一はあっさりと負け続ける。
「なんで俺ばかり負けるんだよ・・・」
「運が悪いんだろ。さぁ、早く脱いで脱いで!」
金太は知らぬフリをしながら、拳一の両方の靴下をスイスイと脱がした。
さらに第4回戦も負けた拳一は、ついにズボンまで脱がされる。
「チクショー!なんかおかしくねーか、これ!」
床をゲンコツで叩いて、悔しがる拳一。
ついにシャツとパンツ一枚の格好になってしまった。


「拳一、もうあとがないぜ!」
金太はニッと笑いながら、拳一に話しかける。
「おい、ちょっと待てよ!よく考えたら俺しか脱いでねーじゃないか!」
「今日はお前がジャンケンが弱い日なんだろ?悪いけど、次で勝負を決めてやるぜ」
金太は勝負を早めにつけたかった。
それには理由がある。
拳一に、考えるスキを与えてはいけないのだ。
あっという間に勝利しなくては、どう考えても自分とマーボーが、
 つるんでいることがバレバレになってしまう。
「さぁ、勝負の第5回戦行くぜ。ジャンケンポン!」
このとき、金太は勝利を確信した。


拳一は"パー"。金太は"チョキ"。マーボーは・・・。
マーボーは・・・"パー"?
「なっ・・!」
金太の顔が引きつる。
「おいマーボー!なにやってんだ!」
金太は思わず大声を出して、マーボーを睨み付ける。
「おい、金太!お前の負けだぞ。それにマーボーを怒ってどうするんだよ!?」
「いや、それは・・・その・・」
しどろもどろになる金太。
自分とマーボーがグルになっていることがバレたら、せっかくのゲームもおしまいだ。
だから、拳一の前でマーボーを直接叱るわけにもいかない。
「金太の負けだから、早く脱げよ!」
「わ、わかったよ・・」
マーボーはあまり頭がよいとは言えないので、ミスしたのかなと金太は思った。
実際、マーボーの一度のミスくらいは、金太の想定内だ。
それに、あまり自分達ばかりが連勝するのも、かえって怪しい。
(へっ、こんなのは想定内さ。まだまだ余裕だぜ・・・)
金太はしかたなく、パーカーのついた上着を一枚脱ぎ捨てる。
しかし、次の瞬間とんでもない事実に気がついた。


(あ、あれ・・・俺よく見たらほとんど服着てないじゃないか・・・!)
パーカー付の上着を脱いだら、すでに上半身は裸。
よくみたら、靴下も履いていない。
風呂あがりで暑かったためか、上着とズボンしか着ていなかったのだ。
マーボーとの共同戦線のことで頭が一杯だった金太は、
 自分の服装のことなど、まるで頭の中に入っていなかった。
(ま、まずいぞ・・・俺もあと一枚脱いだら負けじゃないか・・・)
突然、金太の首筋に嫌な汗が滴り落ちる。


金太は、ジャンケンでマーボーと次のような作戦を立てていた。
── グー → チョキ → パーの順に出すこと。
── もし途中で間違えたら、もう一度初めのグーに戻ること。
バカなマーボーでも一発で分かる、非常にシンプルな作戦。
わざと1度や2度、拳一に負ける作戦を立ててもよかったが、
 複雑にしてしまうと、マーボーの頭では失敗する可能性が高い。
だから、拳一に作戦を気づかれる前に、
 あっという間に勝利してしまおうというのが、金太の狙いだったのだ。
(おい、マーボー、まじでしっかり頼むぜ・・・)
金太は、キッとマーボーを睨み付ける。
(次はグーだぞ、グーだ。わかってんのか、マーボー!)
金太の凄まじい形相。
その視線に、一瞬たじろぐマーボー。
マーボーは顔がひきつりながら、<うん>というようにうなづいた。
(よし、マーボーのヤツ、分かっているみたいだぞ・・。次で決めてやる!)


なんかフツーのプチ小説になってるな・・。もっとエロくしろですかw

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