ユーミって性格悪っ。←ォィ
登場人物
ユーミ&健太。健太はユーミに翻弄されまくりだが・・?
氷の王。美しいものを好むナルシストな性格。
「ひぇっ!」
洞窟が開けたかと思うと、そこには氷の王の姿。
健太はびっくりして尻餅をついた。
氷の王の身長は、自分の倍ほどあり、全身黒ずくめの服を着ている。
顔はピエロのような化粧をしているのだろうか。
不気味としかいいようがない。
健太はビクビクと震えながら、ユーミのそばに寄り添う。
そんな健太の可愛い仕草を見ながら、氷の王は不敵な笑みを浮かべた。
『おやおや、人間がこんなところにいらっしゃるとは・・』
「あなたが、氷の王なのね?」
『はい、そうです』
「花の女王を返して!」
挨拶もなしに、怒った表情で要求を始めるユーミ。
『会ったばかりだというのに、いきなりぶしつけなことを言う人ですね・・』
一方の氷の王は落ち着き払った様子で、ユーミたちを見つめている。
「いいから、返しなさい!」
『ほう、威勢がいい子だこと』
(ユーミちゃん、すごい迫力だぁ・・)
健太は、氷の王の姿を見ただけで、すっかり体がすくんでいるというのに、
ユーミは一歩も引くこともなく互角に言い合いをしている。
しかし、交渉になっているとはとても思えない。
威勢のよいユーミに対して、健太が小声で話を止める。
「ねぇ、ちょっとユーミちゃん」
「なによ、健太くん?」
「いきなり"返して"って言って、返してくれるわけないじゃないか」
「そんなの言ってみないと分からないでしょ!」
「あのね・・・ちょっと僕に話させてよ」
「いい考えがあるの?」
「ユーミちゃんよりは、まともに交渉できると思うけど・・」
「なによ、それ!」
ユーミは腕を組んで、プイッと健太と反対の方向を向く。
健太はユーミの機嫌を損ねてしまったのかと心配になったが、まずは氷の王に話しかけてみることにした。
「あの、氷の王さんですよね・・?」
『はい、そうですが、なにか?』
「僕たち、花の女王を返して欲しくてここに来たんです」
『ほほう・・』
氷の王は健太の発言に、なにやら興味がありそうだ。
「あの・・・氷の王さんは、美しいものが好きなんですよね?」
『まぁ、そうですが・・』
「なにかと交換で、花の女王を返してもらえませんか?」
『交換ですか・・?』
氷の王は、目を閉じてなにやら思案しているようだ。
交渉が意外とスムーズに行きそうな雰囲気を見て、ユーミがヒソヒソ話で健太に話しかける。
「健太くん? 交換っていうけど、ダイヤモンドみたいな高価なものを要求してきたらどうするのよ?」
「ユーミちゃんは、魔法でなんでも絵に描いて出すことが出来るんでしょ?」
「うん。そうだけど・・・」
「だったら、氷の王が要求したものを、あとから魔法で出しちゃえばいいんじゃない?」
「そっかー。健太くん、頭いいっ!」
「えへへ」
健太を手を頭の後ろにやり、頬を赤くして照れる。
しかし、次の瞬間、氷の王からとんでもない要求がだされた。
『君、ちょっと裸になってくれないか?』
「ええっ!?」
真意を理解できない発言に驚く、ユーミと健太。
ユーミは顔を紅潮させながら、怒鳴るような口調で言った。
「バッカじゃないの! こんなところで私が裸になるわけないじゃない! このロリコン王!」
『君はどうでもいいんだが・・・』
「えっ?」
『そっちの君・・・裸になってほしいんだが?』
そういうと、氷の王はゆっくりと健太を指差す。
「ええっ!?ぼ、僕がですか!?」
「そうよ。なんで、健太くんが裸になるのよ?」
『なぜって、そっちの太っている子のほうが美しいではないか』
「美しい?私よりも健太くんが?」
氷の王の発言に、見る見るうちに目が釣り上がるユーミ。
どうも納得がいかないらしい。
男である健太のほうが"美しい"と言われたことが。
健太はユーミを見ながら、心の中でつぶやいた。
(ユーミちゃん、こりゃかなり怒ってるぞ・・・)
健太には、ユーミから怒りのオーラが出ているのが分かるのだ。
「ちょっと、氷の王!私よりも健太くんが美しいってどういう意味!?」
『真実を言ったまでだ』
「もう、センスのない人ね!」
ユーミは機嫌を損ねたのか、口を尖がらせてプイッと横を向いた。
しかし、ユーミは突然なにかを思いついたように、1人でクククッと笑う。
なにか悪巧みをするときの、ユーミの悪い癖だ。
健太に小声で話しかける。
「ねぇ健太くん、脱いじゃって」
「ええっ!? ユーミちゃん、そんなぁ・・」
「きっと、氷の王は健太くんが女の子だと思っているのよ。
健太くんが男の子だと知ったら、自分の見る目の無さにショックを受けるわ」
「ショックを与えて、そのあとはどうするの?」
「あーいうナルシストみたいな人は、ショックを受けると自滅するのよ」
「そんなにうまく行くかなぁ」
「健太くん、裸になることくらいどうってことないでしょ!」
「だって恥ずかしいじゃないかっ」
「あーわかった。健太くん、やっぱりおちんちんがついてないんでしょ」
「もう、ユーミちゃんは僕の気持ちも知らないで・・・」
健太は恥ずかしかった。
ユーミに裸を見られることが。
健太は幼少の頃から、ずっとユーミと一緒だった。
幼稚園に行くときも、帰るときも。遊ぶときも、プールに行くときも。
お風呂にだって、一緒に入っていた。
幼少の頃は、男の子と女の子の区別はそれほどない。
だから、2人で裸で遊びまわっていることに、何の抵抗も感じなかったのだ。
しかし、いまはもう10歳。
そろそろ思春期を迎えようとしている健太の年頃。
好きな女の子の前で、自分の裸を晒すことは、絶対にしたくなかった。
ましてや、ユーミに大切なおちんちんを見せることになるのだから。
「ちょっと健太くん。どうして黙って赤くなっているの?」
「だ、だって・・・」
「せっかく作戦がうまくいきそうなのに、ここで健太くんが脱がないと話が進まないじゃないの!」
「そ、そうだけど・・・」
そこへ陰湿な感じの低い声。
『どうした?脱いではくれないのか?』
ユーミと健太が小声でやり取りしているのを、氷の王は待ちくたびれたようだ。
「ホラ、怒られちゃったじゃない。健太くん、早く脱ぎなさいよ!」
「なんでこうなるんだよ・・・もう・・」
ユーミを怒らせると怖いのは分かっている。
(ユーミちゃん、一度言い出すと聞かないからなぁ・・・)
健太は諦めにも似た表情で、トレーナーに手をかけた。
健太は緑と黄色のチェックのトレーナーを引っ張り上げ、首から脱ぎ捨てる。
トレーナーの中から現れたのは、柔らかそうな白い餅肌。
(あれ・・・健太くんって、もっと痩せていたと思ったんだけど・・・)
ユーミは、健太の体を見て、まるで女の子みたいだと感じた。
女の子のように膨らんだ乳房。
ふっくらと曲線を描いたお腹。
まさに「ぷにっ」という言葉がピッタリくる体だ。
いつも長袖のトレーナーを着ているためか、肌は雪のように真っ白い。
考えてみれば、ユーミが健太の裸を直接見るのは、何年かぶりだった。
ユーミは健太の胸と、自分の胸の大きさを見比べる。
(健太くんのほうが私よりも胸が大きいわ・・・なんか頭にきちゃう!)
一方の健太は、ジーパンに手をかけようか悩んでいた。
(やっぱり下も脱がないとダメだろうな・・あ〜あ・・)
健太は、ため息をつきながら、ピッチリとしたジーパンに手をかける。
チラッとユーミをみると、なぜかユーミは自分の裸に釘付けになっている。
その視線に、湯気がでるように真っ赤になる健太。
「ユーミちゃん、そんなに見ないで・・・恥ずかしいじゃないか・・」
健太の体に思わず見惚れてしまったユーミは、ハッと我に帰る。
「へ、変なこと言わないで。別に健太くんの裸なんて見てないわよ」
「でも、いまこっち向いていたじゃないか」
「うるさいわね。健太くんの女の子みたいなおっぱいなんか見てないわよ」
「やっぱり見てたじゃないか!」
「もう、しつこいわね。早く下も脱ぎなさいよ」
「そんなぁ・・・」
もうここまでくると、脱がなければ事態は収拾しそうにない。
健太はグッと唇を噛み締める。
そしてゆっくりと、ジーパンを脱いでいく。
ついにパンツ一枚の格好になってしまった。
ユーミが健太の下半身を見てみると、常にジーパンを履いているためか、
太ももは、真っ白でスベスベとしている。
(やだ・・・健太くんの裸ってものすごい綺麗だわ)
健太の太ももは、女性のそれよりも綺麗かもしれない。
パンツの中心に、ポツッと小さな膨らみ。
心持ちか、健太はブルブルと震えている。
『ほほう、いい体をしてますね』
健太の姿をみて、なにやら氷の王は満足しているようだ。
(どうして、僕の体をそんなにみてるんだ・・)
氷の王とユーミの視線が、痛いほど健太の裸に突き刺さる。
健太は羞恥心で一杯になっていた。
猫背になって、頬を赤く染める。
さらに両手でパンツの膨らみを隠し、いわゆるモジモジとした姿をしている。
そんな健太に、ユーミは追い討ちをかける。
「健太くん、早くパンツを脱いで」
「い、いやだよ・・・ユーミちゃん・・・」
「健太くんのおちんちんを、氷の王に見せるのよ!」
「いくらユーミちゃんの頼みでも、それは・・」
「男の証明を見せ付けるのよ。それとも健太くん、本当はおちんちんついてないの?」
「そ、そんなわけないじゃないか。ユーミはちゃんはあっち向いていてよ」
「どうして?」
「だって、恥ずかしいじゃないか!」
「どうして恥ずかしいのよ?」
「どうしてって・・・もう、ユーミちゃんのバカ!」
好きな女の子に、自分のおちんちんを見せることがどれほど恥ずかしいことか。
しかし、何を言っても、ユーミには健太の気持ちは伝わらないらしい。
健太は諦めの表情で、パンツにそっと手をかけた。
だんだんアホ小説になってきましたw